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求人票に嘘を書くと訴えられるのか?|企業が注意すべきポイントを解説

こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。

「求人票には嘘が多い」と思っている求職者は多いため、採用活動で成果を上げるためにも求人票を正しく書いて信頼を得たいところです。

この記事では、企業の採用担当者に向けて、求人票にありがちな虚偽情報や誇大表現、求人票に嘘が多い理由、嘘を書いた場合のペナルティ、求職者の誤解を防ぐポイントなどを解説します。ぜひ参考にしてください。


目次[非表示]

  1. 1.求人票にありがちな7つの嘘情報
    1. 1.1.1.給与を残業代込みで記載する
    2. 1.2.2.景気がよかったころのボーナス額を記載する
    3. 1.3.3.交通費支給に上限があるのに全額支給と書く
    4. 1.4.4.休日日数に有休を含める
    5. 1.5.5.残業時間が実態とかけ離れている
    6. 1.6.6.嘘の雇用形態を書く
    7. 1.7.7.「軽作業」「短期間で昇進」などあいまいな情報を書く
  2. 2.なぜ企業は嘘だらけの求人票を書いてしまうのか
    1. 2.1.求人票に嘘を書いても重い罰則がないから
    2. 2.2.嘘を書いてでも応募を集めたいから
    3. 2.3.人を使い捨てにするブラック企業だから
  3. 3.求人票に嘘を書くと違法行為で訴えられるのか
    1. 3.1.厚生労働省からの罰則・指導及び助言がある
    2. 3.2.雇用契約上の労働条件となるケースがある
    3. 3.3.会社の信頼を失う
  4. 4.求人票が嘘だと疑われないためのポイント
    1. 4.1.給与や休日日数などの項目は正確に明確に記入する
    2. 4.2.労働環境が実態とかけ離れすぎないように注意する
    3. 4.3.不確定な事柄は断定しない
    4. 4.4.求人票の内容が変わったときはすみやかに通知する
    5. 4.5.問い合わせ対応の体制を整えておく
    6. 4.6.就職支援サイト・転職エージェントなどのチェックを受ける
  5. 5.まとめ

求人票にありがちな7つの嘘情報

ここでは、求人票によく見られる嘘、求職者に誤解を与えやすい表現を7つ紹介します。

1.給与を残業代込みで記載する

求人票の基本給を残業代込み、あるいは交通費や住宅手当などを含めて書いてしまっているケースです。例えば、基本給35万円と書かれていても、実は60時間程度の残業代を含めて計算しているケースがあります。

このような嘘は、企業が確信犯的に書いており、入社まで実態がわからないというケースがめずらしくありません。

2.景気がよかったころのボーナス額を記載する

ボーナスや賞与の額を、平均的な金額ではなく過去の条件がよかった金額を書くケースです。例えば、賞与が給与の3か月分と記載されていたものの、実際には1か月分しか出ない場合があります。

賞与の額は、業績や本人の能力などに応じて上下するため、嘘とは言い切れないのは確かです。しかし、求職者は求人票の額をもらえると思うケースが多く、トラブルの原因になりかねません。

3.交通費支給に上限があるのに全額支給と書く

本当は月々の交通費に上限があるのに「全額支給」と書いたり、ひどい場合は支給しなかったりする企業があります。交通費は給与と比べて面接で話題になることは少なく、入社後に食い違いが明らかになるケースが多くあります。

求職者にとっては毎月の収入にかかわる重要な項目ですので、安易に全額支給と書かないようにしましょう。

4.休日日数に有休を含める

年間の休日日数を、有給休暇を取得した場合の日数を含めて書いている企業もあります。具体的には、年間休日数が120日と書かれていたものの、実際には有給休暇が40日含まれており、80日程度しか休めない、などのケースです。


「就業規則では休日(公休日)に分類しているから」などと話す企業もありますが、求職者の立場から見れば嘘といえるでしょう。

5.残業時間が実態とかけ離れている

平均残業時間を実態よりも少なく書くケースは、明らかな嘘と比べれば数が多い、グレーゾーンの嘘といえます。月平均残業時間が10時間程度と書かれていても、実際は70~80時間程あるようなケースが少なくありません。

いわゆるブラック企業ではサービス残業も横行しており、「求人票にだまされた」という体験談が多く見られます。

6.嘘の雇用形態を書く

「正社員募集」と記載されていたものの、実は契約社員募集であるなど、雇用形態を偽って書くケースです。もしくは、雇用形態を明記しなかったり、ぼかして書いたりすることも、広い意味では嘘と変わりません。

求人票で嘘を書いた企業の一例としては、面接などで「頑張れば正社員になれる」などと説明します。また、無期雇用が一般的な正社員を有期雇用で募集していて、面接や雇用契約時ではじめて伝える企業もあります。

7.「軽作業」「短期間で昇進」などあいまいな情報を書く

後からどうとでも説明できるような、「軽作業」「短期間で昇進」など、あいまいな好条件を書くケースです。例えば「1年ほどで店長になれる」と書いてあったが、職場にそのような昇進例がなかったなどのケースが該当します。

「場合によっては」というつもりで書いても、誤解を招く表現は求職者に嘘とみなされるでしょう。

なぜ企業は嘘だらけの求人票を書いてしまうのか

求人票に嘘、誤解を与える表現が多いのはなぜなのでしょうか。その背景には、法律で罰せられるケースが少ないことや、企業側の採用事情があります。

求人票に嘘を書いても重い罰則がないから

求人票に嘘が多い理由に、求人詐欺の罰則があるものの適応される可能性が低いことが挙げられます。採用する人物が決まっていない段階で、求人票に雇用契約と同じ内容を書くことは難しく、故意に虚偽情報や誇大な記述を書いたと証明しにくいからです。

厚生労働省のWebサイトには、下記のとおり記載されています。

「労働基準法第15条には、労働条件の明示が定められていますが、この条文で言う労働条件の明示とは労働者個々人に対して書面で明示される労働条件のことです。つまり、求人誌やハローワークに掲載されている求人票はあくまでも募集の際に提示する労働条件の目安であり、労働基準法第15条で定める労働条件の明示には該当しません。なお、ハローワークに掲載されている求人票の条件と実際の条件が異なる場合は、まずはハローワークにご相談ください。」

※引用:「労働基準法に関するQ&Aその他|厚生労働省

嘘を書いてでも応募を集めたいから

なるべく応募者を集めたいために、虚偽や誤解を招く好条件を記載する企業もあります。その理由は、「1週間以内に社員を採用したい」「本当のことを書くと応募者が来ない」「求人票掲載が有料なので、なるべく短期間で応募を集めたい」など、企業によってさまざまです。

人を使い捨てにするブラック企業だから

人を使い捨てにするような悪質な企業が、確信犯的に求人票に嘘を書いているケースもあります。正式採用してしまえば、しばらくは辞められないと考えて、求職者をだましています。

求人票に嘘を書くと違法行為で訴えられるのか

求人票に嘘を書くと、企業にどのような影響が出るのでしょうか。3つの悪影響を解説します。

厚生労働省からの罰則・指導及び助言がある

求人票の嘘で罰金や懲役に至るケースは少ないですが、厚生労働者からの指導及び助言はあります。厚生労働省のWebサイトには下記内容が記載されています。

1 指導及び助言
(1)概要
厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、募集主、募集受託者及び求人者に対し、その業務の適正な運営を確保するために必要な指導及び助言をすることができる(職業安定法第 48 条の2)。

5 違法行為による行政処分等 

(7)公表
イ 概要
厚生労働大臣は、募集主に対し改善命令をした場合又は求人者に対して勧告をした場合において、当該命令を受けた募集主又は勧告を受けた求人者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。(職業安定法第 48 条の3第3項)

詳しい内容は厚生労働省のWebサイトを確認してください。

※参考:募集・求人業務取扱要領|厚生労働省職業安定局

雇用契約上の労働条件となるケースがある

求人票に虚偽があり、かつ面接、採用時などに十分な説明をしなかった場合、求人票に記載された内容が雇用契約条件とみなされる可能性があります。実際、有期雇用と知らずに入社してしまった人が、虚偽性があったと裁判を起こして勝訴した事例が存在します。

会社の信頼を失う

求人票に嘘を書いたことが、口コミサイトなどで広まると、企業の評判が落ちてしまいかねません。その結果、採用活動に支障が出るだけでなく、他の企業活動に影響が及ぶリスクがあります。

近年は口コミサイト、SNS、ブログなどによって、情報拡散されやすい状況のため、誤解を与えないように気を付けましょう。

求人票が嘘だと疑われないためのポイント

ここでは、求人票が嘘だと疑われないように求人票を記入する方法、掲載先の選び方などのポイントを解説します。

給与や休日日数などの項目は正確に明確に記入する

賃金や残業時間などは、できるだけ正確に明確に伝えましょう。具体的には、以下のように直します。

×【月給】30万円
○【基本給】25万円 【固定残業代】5万円

×【年収】350万円~
〇【年収】250~350万円

条件を書く際には同職種社員の平均を選ばなければなりません。また、上下限を記載する場合は、少なくとも下限の条件が満たされるようにします。

2022年10月1日に施行される改正職業安定法に関するQ&Aを読むと、より詳細な内容が記されています。詳しくは以下リンクから確認してください。

※参考:令和4年 改正職業安定法Q&A|厚生労働省

労働環境が実態とかけ離れすぎないように注意する

誇大な表現がないかどうかもチェックしましょう。仮に定時退社制度が名目だけになっている場合に、「毎週水曜日:ノー残業デー完全実施」などと書くと嘘だとみなされかねません。

また、気を付けておきたいのは、有期労働契約が試用期間の代わりになっている場合です。「月給20万円(ただし、試用期間中は月給16万円)」など、試用期間中と本採用後のそれぞれの労働条件を書く必要があります。


不確定な事柄は断定しない

条件が変わる可能性がある事柄は、断定調で書かないようにします。例えば、「賞与あり。ただし、会社の業績を勘案して決定」など、必要に応じてただし書きで条件を書くなど工夫しましょう。もし条件が複雑な場合は「詳細は面談でお伝えします」などと書いておきます。

求人票の内容が変わったときはすみやかに通知する

内容が変わったときはすみやかに通知してください。特に求職者が今の職場を退職しようとしている場合は、できるだけ早く通知して合意しておく必要があります。2022年10月に施行された職業安定法の改正によって、「求人情報」「求職者情報」「求人企業に関する情報」「自社に関する情報」「事業の実績に関する情報」の的確な表示が義務付けられています。「通知する際には、比較対象表を作成したり、変更部分に下線を引いたりするなど、わかりやすい文書を作成して通知すると誤解されるリスクを減らせます。

問い合わせ対応の体制を整えておく

求職者からの求人票への疑問に対応する体制を整えておくことも大切です。電話やメール、対面などでの問い合わせには誠実に対応しましょう。

体制整備は求職者のためだけではありません。ミスマッチを予防したり、その後の採用活動がスムーズになったりと企業側にもメリットがあります。

厚生労働省のWebサイトには、下記のとおり記載されています。

「苦情の処理に必要な体制は、事業の規模に応じて求められる内容が異なります。少なくとも事業の規模を問わず、 電話番号やメールアドレス、問い合わせフォームといった、苦情の申し出先や相談窓口を明らかにする必要があります。なお、苦情の申出先は相談窓口は利用者にわかりやすい形で周知してください。」

引用:募集情報等提供事業の運営ルールが変わります|厚生労働省

就職支援サイト・転職エージェントなどのチェックを受ける

あいまいな表現や情報の抜け・漏れなどは、意外に自社で気付けないものです。不安な場合は、求人サイト・転職サービスなどのチェックを受けてみてはいかがでしょうか。問題点や適切な対策を教えてくれる場合もあります。

まとめ

求人票に嘘を書く悪質企業があるのは確かです。しかし、安易に不確定の状況を書いてしまったり、好条件をアピールしすぎてしまったりして、嘘とみなされるケースも少なくありません。その背景には「人手不足を早く解消したい」などの採用担当者の悩みや焦りがあることもしばしばです。

確実に働き手がほしいなら、累計導入社数ナンバー1のスキマバイト募集サービス「タイミー」の導入をおすすめします。応募者をほぼ確実に獲得できる自動マッチング機能によって、最短7秒で求める人材とコンタクトできます。求人掲載費用は無料なので、ぜひ一度お試しください。

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