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新卒採用成功への道:準備から内定獲得までの完全ガイド

新卒採用とは、大学、短大、専門学校などを卒業見込みの学生を対象に行う採用活動のことです。企業は新卒採用を通じて、将来の成長を担う可能性のある人材を確保し、組織の活性化や事業の拡大を目指します。新卒採用は中途採用と比較して、長期的な視点での人材育成を前提としている点が特徴です。

新卒採用とは?

新卒採用は、企業にとって将来の成長を左右する重要な投資です。若い人材は柔軟な発想や高い学習意欲を持ち、新しい知識や技術を吸収しやすい傾向があります。また、新卒として入社した人材は、企業の文化や価値観を共有しやすく、長期的なキャリア形成を支援することで、組織への貢献意欲を高めることができます。

新卒採用の重要性

近年、新卒採用のスケジュールは早期化の傾向にあります。これは、企業が優秀な人材を確保するために、他社に先駆けて採用活動を開始する動きが活発化しているためです。早期化により、学生は早い段階から就職活動を意識し、インターンシップや企業説明会への参加を通じて自己分析や企業研究を深めることができます。一方、企業は早期に学生と接点を持つことで、自社の魅力をアピールし、優秀な人材を囲い込むことが可能になります。しかし、早期化は学生の学業への影響や、企業側の採用活動の負担増加といった課題も抱えています。

新卒採用の現状:早期化の背景と影響

新卒採用は中途採用と比較して、採用計画から入社までの期間が長いのが一般的です。ここでは、一般的な新卒採用スケジュールを確認しながら、その時期に応じた活動について解説します。

新卒採用の一般的な流れ

新卒採用は、まず企業が採用計画を立て、採用情報を公開することから始まります。学生は企業のウェブサイトや就職情報サイトを通じてエントリーを行い、企業は書類選考や適性検査を実施します。選考を通過した学生は、面接やグループディスカッションなどの選考に進み、企業は学生の能力や適性を見極めます。最終選考を通過した学生には内定が出され、企業と学生の間で入社承諾の手続きが行われます。入社までの期間には、内定者懇親会や研修などが実施されることもあります。

採用戦略を立てる

採用戦略を立てる際には、以下の項目を明確にしておくことが重要です。

採用戦略で明確にすべきこと

採用戦略の立案の進め方や役に立つ分析手法についてもっと詳しく知りたい方は、関連記事を参照してください。 

  • 採用目的:新卒採用を通じて、企業が達成したい目標を具体的に設定します。(例:新規事業の立ち上げに必要な人材の確保、組織全体のスキルアップなど)
  • ターゲット人材:求める人物像を明確にします。スキル、経験、価値観など、具体的な要件を定義します。(例:情報系の知識を持つ人材、主体的に行動できる人材、チームワークを重視する人材など)
  • 採用チャネル:ターゲット人材に効果的にリーチできる方法を選びます。(例:大学の就職イベント、専門性の高い求人サイト、リクルーターによる紹介、ソーシャルメディアなど)
  • 採用ブランディング:企業の魅力を効果的に伝え、学生の関心を高めるための戦略を構築します。(例:企業文化や働く環境の発信、社員のキャリアパスの紹介、魅力的な採用コンテンツの作成など)

採用計画とは、経営方針や事業計画に基づき、新しい人材の採用や既存社員の異動・配置の計画を立てることです。「いつ」「どこで」「どのように」行動するか、具体化することが計画です。具体的になった計画を社内で共有することで、役員・人事採用担当者・受け入れ先の担当者など、関係者間の認識のズレを防ぎ、イベントや面接、会場の確保など社内の協力も得られやすくなります。

採用計画を立てる

採用計画を立てる際には、以下の項目を具体的に決定します。

採用計画で具体的に決定すべきこと

採用計画の立て方や、質の高い採用計画を立案・実行する際のポイントについてもっと詳しく知りたい方は、関連記事を参照してください。 

  • 採用人数:各部署や職種で必要となる具体的な人数を決定します。 
  • 採用スケジュール:募集開始から内定承諾、入社までの具体的なスケジュールを設定します。 
  • 採用予算:採用活動に必要な費用(求人広告費、説明会開催費、選考に関わる費用、内定者フォローアップ費用など)を詳細に算出します。 
  • 採用担当者:各選考プロセスにおける役割分担を明確にし、担当者を配置します。

新卒採用でよく用いられる母集団形成方法は次の通りです。新卒採用の場合、採用期間が長期に渡ること、時期によって他企業との選考や内定出しのタイミングが重なるなど、中途採用にはない注意点があります。自社にとって都合の良いスケジュールだけで広報を選択するのではなく、新卒採用の大きな流れのなかでどのように広報を行うかを検討しましょう。多数の母集団形成手法を利用した場合は費用がかさみますが、ひとつの手段に絞るとリスクが大きくなります。バランスのよい募集方法を検討しましょう。

採用活動

新卒採用は中途採用と異なり、スキルや実務経験などわかりやすい指標ではなく、ポテンシャルを評価することになります。どのような点を評価ポイントにするかをはっきりと定め、それを見極める選考方法を決定します。選考することに比重を置きがちですが、面接は学生との重要な接点です。面接の場は企業が一方的に学生を選ぶためだけのものではありません。選考でのコミュニケーションを通じて、学生もまた企業を比較していることを意識しましょう。

選考プロセス

内定から入社までの期間が長いことは新卒採用の大きな特徴のひとつです。インターンシップからの早期選考で、大学3年生のうちに最終選考までステップを進めるケースも出てきました。その場合、1年以上の「内定者期間」があることになります。一般的な内定のタイミングは大学4年生の6月前後がピークとなりますが、その場合でも10ヶ月前後と長期間の内定者フォローが必要です。新卒採用は活動期間が長く、学生も就職活動をしながら会社を比較・検討するため「内定=入社予定」とは言えません。とはいえ、学生が負担に感じるような課題を課すことや、学業や課外活動の妨げになるような研修を行うことはNGです。入社に対するモチベーションが上がるような内定者フォローの仕組みを検討しましょう。

内定と内定者フォロー

新卒の場合、4月1日(4月1日が休日に該当する場合は次の就業日)に入社式を行うことが一般的です。毎年ニュースの話題に挙がるように、多くの学生にとって入社式は「あるもの」としてイメージされています。採用・配属がそれぞれの支社で実施されている場合も、入社式は全社行事として本社で執り行い、新卒ならではの「同期入社」の一体感を感じてもらう機会として入社式を活用することをおすすめします。また、就業規則やビジネス用機器の使い方、ビジネスマナーなどを盛り込んだ新入社員研修や懇親会なども多くの企業で実施されています。

入社

「入社式以降は配属先の部署にOJTを任せたまま、人事採用担当者として関わることはない」という状況はおすすめできません。入社後のフォローの有無は、新入社員の定着やモチベーションに大きく影響します。具体的には、入社後1年〜若年層の離職率が高いとされる入社3年目まで、以下のような入社後フォローが有効です。その後の階層別研修まで、採用戦略を踏まえて計画しましょう。はじめての新卒採用スタートガイド。新卒採用の基礎知識を一冊にまとめた資料です。ご覧ください。

入社後フォロー

これまで解説した新卒採用の流れに沿って、具体的に準備すること、決めておくことを具体的に挙げていきます。採用人数や人材要件、地域や業種などに関わらず、すべての会社で必要な項目です。

新卒採用計画における重要事項

具体的なスケジュールを策定する前に、自社の求める学生像を明確にしておきましょう。この際、学部・学科や所属サークル、趣味、休日の過ごし方など、採用メンバー間でターゲットとなる学生の人物像がブレないよう、細かく要件を定義づけていくことがポイントです。社内で求める学生の認識が一致することで、合否採点や評価においても祖語やズレを低減できるでしょう。また学生の属性に合った有効性の高いアプローチを策定しやすくなるといったメリットもあります。

理想の人物像を明確にする

続いて、採用したいと考える学生の動きを把握しましょう。理系か文系かはもちろん、スポーツ系の部活動に励む学生、留学経験がある学生など、属性によって就職活動タイミングが異なります。たとえば理系学生の採用を目標に掲げる場合、研究室での活動や推薦応募の時期などを考慮しなければなりません。またスポーツ系の部活動に励む活気ある学生を採用したいと考える場合は、引退時期を考慮した採用スケジュールの策定が不可欠です。採用したい学生の動きを把握することで、大まかなスケジュール感も見えてくるでしょう。

ターゲット学生の行動を理解する

採用スケジュールを策定する際は、採用競合となる企業の動向把握も必須です。その際、ただ単に同業界・同規模・同エリアの採用競合の動向をサーチするのではなく、前年度に採用負けした企業をピックアップした上で、各社のスケジュールを調べてみることがポイント。たとえば、前年度の内定辞退者の多くが大手企業の内定を承諾していた場合、大手企業が内定を出すタイミングよりも早く内定出しできるスケジュールで選考を進めるのも1つです。前年度のデータを活用しながら競合他社の動向把握に努めれば、より採用成功に近づくスケジュールを策定できるでしょう。

競合企業の動きを分析する

続いて、採用戦略を立案しましょう。母集団を形成するタイミングによって採用スケジュールは大きく変動します。近年では、夏期インターンシップを開催する企業も増えました。しかしただ単にインターンシップを開催するのではなく、夏期インターンシップから選考につなげていく導線をスケジュールに織り込んでいかなければなりません。採用戦略を立案し、スケジュールに落とし込んでいくことで、選考や内定につなげていく導線が明確になるでしょう。

採用戦略の構築

近年の新卒採用は、手法が多様化しています。しかしその場の状況に応じて行き当たりばったり各手法を試していたのでは、期待する効果は得られません。事前に採用戦略や自社の採用課題から、効果が得られそうな採用手法を決め、手法の効力が高まるスケジュールを一考しましょう。

採用手法の選択

どんなに優れた採用スケジュールを策定できたとしても、リソース不足によって施策や戦略を実行できなければスケジュール通りの採用は叶わないでしょう。採用活動が始まる前に、自社のリソースを確認しておくことも忘れてはなりません。インターンシップや選考など業務ボリュームが増える時期のリソースをチェックしておくことはもちろん、前年度の内定者フォローや中途採用のスケジュールも踏まえたリソース確認も肝要です。またリソース不足に陥りそうな時は、採用代行など外部サービスの利用も早めに検討しておきましょう。

自社で実行可能かどうかの確認

新卒採用活動は、内定を出して終わりではありません。3年生の3月に内定出しをした場合、入社まで1年ほどの期間があります。内定承諾者を確実に入社に導くためにも、内定者のフォロー体制を構築しておくことは非常に重要です。入社に向けたマインド醸造を意識しながら、時期に合ったフォローを検討しておきましょう。

内定後のフォロー体制の確立

スケジュールを策定する際は、前年度の振り返りも有効です。前年度の採用成果や課題を振り返り、次年度の採用スケジュールに落とし込むことで同じ失敗の繰り返しを防止し、より高い成果を見込める採用スケジュールを完成できるでしょう。またスケジュールを策定した後であっても、学生や市場の動向、採用進捗、成果に合わせて変更していく柔軟さも必要です。都度、最適なスケジュールに更新していきましょう。

昨年度の活動を検証する

最後に、新卒採用活動をはじめる前に知っておきたい注意点について解説します。いずれも対応が遅れると新卒採用に大きな支障をきたす可能性があります。 
新卒採用活動における留意点
新卒採用には複数の母集団形成方法があります。新卒採用に結びつかない、効果の出ない手法をそのまま放置していると、そのことによって学生の印象が悪くなるといったデメリットさえ生じかねません。どんな手法がどのように効果を上げているか、常にモニタリングするよう意識しましょう。

採用効果が出ない場合は、採用方法を見直す

新卒採用の業務は多岐にわたるうえ、時期が重複することもあり、業務効率化は避けて通ることができません。はじめて新卒採用を実施する場合、社内の人的リソースだけで業務にあたるのは難しいケースが少なくないでしょう。採用業務を切り分け、必要な時期に必要なだけアウトソーシングするなどの検討も必要です。

採用業務の効率化を図る

新卒マーケットは景気動向や教育環境、新しいサービスの台頭などによって変化します。例えば、コロナ禍をきっかけにオンラインでの会社説明会や面接が一気に普及し、遠方の学生との接触機会が増えた、対応できる学生総数が増えて採用基準を上げることができたといった変化がその一例です。学生のニーズがどのように変化しているか注視し、それに応えましょう。

採用市場の最新動向を把握する

新卒採用において、内定を出した学生を確実に入社に繋げるためには、内定者フォローが不可欠です。内定から入社までの期間、学生は様々な不安や疑問を抱えることがあります。企業は、これらの不安を解消し、入社意欲を高めるための施策を計画的に実行する必要があります。

新卒採用成功の秘訣:内定者フォローで入社意欲を高める

新卒採用において、内定を出した学生を確実に入社させるには、手厚い内定者フォローが重要です。内定から入社までの期間は、学生にとって期待とともに、将来への不安や疑問が生じやすい時期です。企業は、学生の不安を解消し、入社意欲を高めるための施策を計画的に行う必要があります。

内定者フォローの重要性 

  • 内定辞退を防ぐ:他社への就職決定や、就職活動を続けることによる内定辞退を抑制します。 
  • 入社意欲を高める:企業への理解を深め、入社への期待感とモチベーションを向上させます。 
  • 早期離職を減らす:入社後のミスマッチを減らし、スムーズな職場への適応をサポートします。 
  • 組織への一体感を育む:内定者同士や社員との交流を通じて、仲間意識と連帯感を醸成します。

内定者フォローの具体的な方法

  • 内定者懇親会:親睦を深めるためのイベントを企画・実施します。
  • 内定者研修:社会人としての基礎や、業界に関する知識を学ぶ機会を提供します。
  • メンター制度:先輩社員が相談役となり、内定者の疑問や不安に対応します。
  • 社内情報の発信:企業の最新情報や社員の活躍を共有し、興味関心を高めます。
  • オフィス見学:入社後の職場環境を事前に体験する機会を設けます。
  • 課題の提供:自主的な学習を促し、入社に向けた準備をサポートします。
  • 入社前アルバイト:実際の業務を体験し、企業理解を深める機会を提供します。

新卒採用におけるダイレクトリクルーティングの活用

近年、新卒採用戦略の一つとして、ダイレクトリクルーティングが脚光を浴びています。これは、企業が主体的に学生に接触し、採用へとつなげる手法です。従来の採用方法と比較して、より明確なターゲット設定が可能となり、企業の魅力をダイレクトに訴求できます。

ダイレクトリクルーティングのメリット

  • 求める人物像への的確なアプローチ:企業が求めるスキルや価値観を持つ学生へ直接働きかけられます。 
  • 企業イメージの向上:企業の特色や強みを学生に直接伝え、共感を育むことができます。 
  • 採用費用の抑制:求人広告掲載費や人材紹介会社への手数料といったコストを抑えられます。 
  • 採用担当者の成長:学生との対話を通じて、採用担当者の能力向上を促進します。

ダイレクトリクルーティングの具体的な手法

  • スカウトメールの活用:就職情報サイトやSNSを通じて、企業の求める人物像に近い学生にスカウトメールを送付します。 
  • 自社主催のイベント開催:会社説明会やインターンシップを独自に企画し、学生との接点を設けます。 
  • 社員紹介制度の導入:社員から友人や知人を紹介してもらい、採用につなげます(リファラル採用)。 
  • SNSプラットフォームの活用:企業の魅力をSNSで発信し、学生の興味関心を惹きつけます。

まとめ

この記事を通して、新卒採用の全体像と、成功のための重要なポイントをご理解いただけたかと思います。新卒採用は企業にとって長期的な投資であり、入社後の育成やキャリア形成まで見据えた戦略が必要です。市場の変化に柔軟に対応し、自社に合った採用戦略を構築することで、優秀な人材を獲得し、企業の成長に繋げることができます。この記事が皆様の新卒採用活動の一助となれば幸いです。

よくある質問

Q1:新卒採用のスケジュールは、どのように計画するのが効果的ですか?

内定者のフォローは、内定辞退を防ぎ、入社後のスムーズなスタートを支援するために重要です。内定者懇親会や研修、メンター制度などを実施し、企業への理解を深め、不安を解消する機会を提供します。また、定期的な情報提供やコミュニケーションを通じて、内定者のモチベーションを維持することも大切です。

Q2:内定者を効果的にフォローするには、どのような方法がありますか?

中小企業が大手企業に負けない新卒採用を行うには、まず自社の強みや魅力を明確にアピールすることが重要です。大手企業にはない、中小企業ならではの魅力(例えば、個人の裁量が大きい、成長機会が多い、アットホームな雰囲気など)を積極的に発信します。また、ターゲットを絞り、自社の求める人物像に合致する学生に重点的にアプローチすることも効果的です。インターンシップやOB/OG訪問などを活用し、学生との接点を増やし、企業の魅力を直接伝える機会を設けることも有効です。

Q3:中小企業が大手企業に引けを取らない新卒採用を実現するには、どうすれば良いのでしょうか?

中小企業が大手に伍して新卒採用を成功させるためには、まず自社の強みや魅力を明確に打ち出すことが大切です。大手企業にはない、中小企業ならではのメリット(例えば、個人の裁量が大きい、成長の機会が多い、親しみやすい社風など)を積極的にアピールします。加えて、ターゲットを絞り込み、自社が求める人物像に合致する学生に重点的にアプローチすることも有効です。インターンシップや社員訪問などを活用し、学生と接する機会を増やし、企業の魅力を直接伝えることが重要です。

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