catch-img

タイプ相性:採用ミスマッチを防ぎ、定着率を高める新しい採用戦略

企業が採用活動を行う上で、採用ミスマッチや早期離職は共通の悩みです。就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が38.4%(前年度と比較して1.4ポイント上昇)、新規大学卒就職者が34.9%(同2.6ポイント上昇)となっており、定着率の低さが課題となっています。採用には多くの労力とコストがかかるため、早期離職は企業にとって大きな損失となります。この問題を解決するためには、従来の採用方法を見直し、企業と個人の「相性」を重視した採用戦略が求められます。

出典: 2024.10.25.新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00007.html

採用ミスマッチの現状と原因

早期離職の理由として、リクナビの調査では「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らない」「労働時間・環境への不満」「同僚との人間関係の悪さ」「給与の低さ」「仕事内容への不満」が上位に挙げられています。また、「人事のミカタ」の調査では、約8割が入社後に求人内容や会社の評判とのギャップを感じています。これらの結果から、早期離職の背景には、会社(の雰囲気や人々)との相性の悪さや、入社前の想像と実際とのギャップがあることがわかります。

出典: 2023.11.8.「新人・若手の早期離職に関する実態調査
https://www.recruit-ms.co.jp/upd/newsrelease/2311071355_6509.pdf

早期離職の理由:ミスマッチを生む従来の採用方法の問題点

従来の採用方法は、書類選考や面接が中心ですが、これには「応募者の本質を見抜けない」という問題があります。応募書類は自己PRのために誇張されている可能性があり、面接では応募者が「面接仕様」の自分を演じることがあります。また、面接官のバイアス(偏見や先入観)が評価に影響を与えることもあります。これらの要因により、応募者の能力や人柄が正しく評価されず、入社後に「思っていたのと違った」というミスマッチが生じやすくなります。

従来の採用方法の問題点:表面的な評価

リクルートが第二新卒者に対して行った調査から、「企業と個人の相性」を見分けるための5つの軸が判明しました。これらの軸は組織風土を理解する上で分かりやすく、合わない場合は早期退職につながる可能性があります。重要なのは、これらの軸が会社の気質であり、容易には変えられない点です。同様に、社員にとっても、長年の経験で培われた行動様式であるため、簡単に歩み寄ることは難しいと考えられます。

相性を見抜く5つの軸:リクルートの調査

相性の5軸とは以下の通りです。

相性の5軸

これらの軸に対して、個人は直感的にどちらのタイプかを判断できますが、企業は自社の風土を客観的に判断することが難しい場合があります。取引先からの意見や、部署ごとの比較、社内の問題点などを考慮することで、より正確な自己分析が可能になります。

  1. 競争性 <-> 協調性
  2. 変化への適応 <-> 安定志向
  3. 個人主義 <-> 組織重視
  4. 感情優先 <-> 論理優先
  5. 迅速性 <-> 慎重性

従来のBEI(行動観察型面接)は、経験の浅い若年者や学生には不向きな場合があります。そこで、応募者の人間性や相性をより深く理解するために、SSI(状況設定面接)が有効です。SSIでは、応募者に対して二択のクイズ形式で質問を行い、その回答から人間性を探ります。たとえば、「あなたは情を取るか、理を取るか」といった質問を通じて、応募者の価値観や思考パターンを把握します。

採用面接の進化形:SSI(状況設定型面接)の導入

具体的なSSIの質問例をいくつかご紹介します。

SSIの質問例

これらの質問を通じて、応募者の行動特性や価値観を深く理解し、自社の文化や価値観との適合性を評価します。

  • 「上司の指示に疑問を感じた場合、どのように対応しますか? A:直接上司に意見を伝える B:指示に従い、後から改善案を提案する」
  • 「チームで目標達成を目指す際、どのような役割を担いたいですか? A:リーダーシップを発揮し、チームを牽引する B:メンバーをサポートし、円滑なコミュニケーションを促進する」
  • 「新しいプロジェクトに取り組む際、何を最も重視しますか? A:リスクを冒してでも革新的なアイデアを追求する B:リスクを最小限に抑え、着実な計画を実行する」

グーグルでは、採用したい人が入社後に一緒に働くであろう部署の人たちを面接に呼びます。その人たちに、『この人と働きたいですか?』と、後で聞くためです。そこでもし、一人でも『イヤだ』という人がいれば、絶対に採用をしません。厳密には、部署によって異なるかもしれませんが、基本的には、『人当たり』を重視して選ぶそうです。これは、良好な人間関係が仕事の継続やパフォーマンスに大きく影響するためです。リクナビのアンケート結果でも、離職理由の上位に人間関係の問題が挙げられています。仕事を選ぶ際には、「仕事の内容」「労働条件」「人間関係」の3つの軸で考え、2つ以上に不満がある場合は転職を検討するのが良いとされています。

Googleの採用基準:「良い人」であること

上記の議論を踏まえ、採用において最も重要な要素の一つは、会社と個人の「相性」であると考えられます。これは、履歴書や面接だけでは判断できない、応募者の人柄や性格、個性、特性などを総合的に考慮する必要があります。相性採用は、企業と応募者の双方にとってメリットがあります。企業は、定着率が高く、活躍してくれる人材を確保できます。応募者は、自分に合った環境で、能力を最大限に発揮し、充実したキャリアを築けます。

「共鳴採用」という新しい視点

会社との相性を判断するために、高精度な適性検査「ミキワメ」を活用した「相性採用パーソナルファイル」が有効です。「ミキワメ」は、まず既存社員の特性を分析し、社風や活躍人材の特徴を割り出します。これにより、応募者が会社の雰囲気や社員とマッチするかどうかを見極めることができます。さらに、応募者と特に相性の良い社員を特定し、配属部署を検討する際の参考にすることも可能です。「ミキワメ」を搭載したパーソナルファイルでは、自社の社員以外とも相性を確認することができます。これにより、企業と応募者の双方が、より客観的なデータに基づいて相性を判断し、最適なマッチングを実現することができます。

まとめ

企業と個人の相性を重視した採用戦略は、採用ミスマッチを減らし、社員の定着率とエンゲージメントを高める上で不可欠です。従来の採用方法にとらわれず、適性検査や状況設定面接などの新しい手法を積極的に導入し、企業と個人の最適なマッチングを目指しましょう。そうすることで、企業は持続的な成長を遂げ、社員は充実したキャリアを築くことができるでしょう。

よくある質問

質問1:相性を重視する採用とは、具体的にどのような方法ですか?

回答:相性採用とは、従来の学歴やスキルだけでなく、応募者の性格、価値観、組織文化への適合性を重視する採用方法です。適性検査や面接を通じて、応募者の特性を把握し、既存社員との相性や組織への適応可能性を評価します。

質問2:性格検査「ミキワメ」は、どのように活用するのが効果的ですか?

回答:「ミキワメ」は、まず既存社員の特性を分析し、社風や活躍人材の特徴を明確にすることから始めます。次に、応募者に適性検査を受けてもらい、その結果を既存社員の特性と比較します。これにより、応募者が組織に適合する可能性や、既存社員との相性を客観的に評価できます。

質問3:状況設定面接(SSI)は、どのように実施するのが良いですか?

回答:SSIでは、応募者に具体的な状況を提示し、その状況下でどのように行動するかを尋ねます。たとえば、「チーム内で意見の衝突が発生した場合、どのように対処しますか?」のような質問を通して、応募者の思考パターンや意思決定プロセスを把握します。重要なのは、応募者の回答だけでなく、その理由や根拠を深く追求することです。

ピックアップ記事


スキマバイトを募集するならタイミー

タイミーとは?


働きに来て欲しい時間や求めるスキルを

指定するだけで、条件にあった働き手が

自動マッチングするスキマバイト募集

サービスです。規模や時間を問わず、

あらゆる業種で利用可能です。


メルマガ購読(無料)
ご送信いただく個人情報については、弊社担当者からのご連絡や弊社サービス又はセミナーに関するご案内をお送りする等の目的で、厳正な管理の下、プライバシーポリシーに従って利用させていただきます。