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育休中の住民税:知っておくべきことと納税方法

育休を取得すると、収入が大きく変わる方も多いでしょう。しかし、住民税は前年の所得に応じて課税されるため、育休中であっても納税義務が生じる場合があります。育休中でも前年の所得が一定以上であれば住民税を支払う必要がありますが、収入が大幅に減少した場合、住民税が免除されるケースもあります。「育休中なのに住民税を払う必要があるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。この記事では、育休中の住民税について、その仕組みから具体的な納税方法、万が一滞納してしまった場合のリスクまで、わかりやすく解説します。育休期間を安心して過ごすために、住民税について正しく理解しておきましょう。

育休中の住民税に関する基本情報

育児休業中は収入が減少することが一般的ですが、住民税は前年の所得を基に算出されるため、育休中でも納税の義務が生じます。ただし、育児休業中には適用される税制上の特例や控除がある場合もあるため、具体的な納税額は個々の状況によって異なることがあります。ここでは、育休期間中の住民税について、その基本、納付方法、そして滞納した場合にどうなるかを分かりやすく説明します。

住民税の算出方法

住民税は、「所得割」と「均等割」という2つの要素で構成されています。

  • 「所得割」は前年の課税所得に基づき、地域によって異なる税率(標準税率は一律10%ですが、一部の市町村では超過課税が行われている場合があります)を掛けて計算されます。

  • 「均等割」は所得に関係なく一律の金額(市町村民税と道府県民税を合わせて4,000円ですが、自治体によってはこれに上乗せされる場合があります)です。なお、育児休業給付金は所得税において課税対象外ですが、住民税についても課税対象外とされていますので、住民税の計算には影響しません。

例えば、前年の課税所得が300万円で、税率が10%の場合、所得割は(300万円×10% - 税額控除)で計算され、その額に均等割を加えた金額が年間の住民税額となります。

出典:総務省「地方税制度 個人住民税」

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_03.html

給与天引きから自分で納付への変更

通常、会社員は給与から住民税が天引き(特別徴収)されますが、育児休業中は給与の支払いがなくなるため、多くの場合、自身で納付する「普通徴収」へと切り替わります。この手続きは、通常、会社から市区町村に報告され、納付書が送付されることになりますので、コンビニエンスストアや金融機関での支払いが可能です。なお、もし1月から5月に育休に入る場合、育休に入る前の最後の給与で5月までの住民税をまとめて徴収してもらうことができるため、育休中の納税がスムーズに行えます。

育休中の住民税を納めなかった場合に起こること

住民税を滞納すると、本来の税額に加えて延滞金が発生します。場合によっては、滞納が続くと財産の差し押さえが行われることもありますが、これは滞納の程度や状況によります。また、普通徴収に変更されると納付を忘れることがあるため、特に注意が必要です。納付方法の変更に伴うリスクを理解しておくことが大切です。

延滞金と催促状

納期限を過ぎると、延滞金が発生します。この金額は、未納の住民税額に延滞利率を掛け、滞納日数を365で割った式(延滞金は、納期限の翌日から1ヶ月を経過する日までは、原則として年7.3%です。それ以降は原則として年14.6%の割合で計算されます。ただし、延滞金特例基準割合が年7.3%に満たない場合は、特例利率となります。具体的な計算方法や延滞利率は、お住まいの自治体の情報を確認してください。)で算出されます。納付期限を過ぎると、催促状が送付されます。送付時期は自治体によって異なりますので、各自治体の規定を確認してください。

財産の差し押さえ

催促状が届いた場合に無視して滞納を続けると、最終的には税金や公共料金の未納に関して「差押予告通知書」が送付される可能性があります。その後、財産調査や差し押さえの手続きが進むことがあります。もし支払いが困難な状況にある場合は、できるだけ早くお住まいの市区町村に相談し、適切な支援や情報を得ることが重要です。

育児休業中の住民税を抑える方法

育休期間中は収入が減少することが多く、その影響で住民税の負担が軽減される場合もあります。ただし、具体的な税負担の軽減策は個々の収入状況や所得控除の適用状況によって異なるため、適切な節税対策を検討することが重要です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の利用

iDeCoは、掛け金が全額所得控除の対象となるため、所得税と住民税の節税に繋がります。積み立てた資金は運用され、原則として60歳以降に年金または一時金として受け取ることが可能です。育休中に給与が支払われていない場合、掛け金を拠出することが難しい場合があります。iDeCoの加入資格や掛け金の拠出条件については、iDeCoを取り扱う金融機関に確認することをおすすめします。iDeCoの魅力は、積み立てる時、運用する時、そして受け取る時の各段階で税制上の優遇措置が設けられていることです。運用によって得た利益は非課税となり、受け取る際には退職所得控除や公的年金等控除が適用される場合があります。

生命保険料控除を賢く活用

生命保険への加入は、生命保険料控除という税制上の優遇措置が受けられます。年間の保険料支払い額に応じて控除額が変動し、所得税と住民税で異なる上限があります。生命保険料控除は、所得税と住民税で控除額が異なり、住民税においては最大で28,000円の控除を受けることができます(新契約に基づく場合)。控除を受けるためには、年末調整または確定申告での申請が必要です。一般的に、生命保険料は加入時の年齢が低いほど割安になるため、早めに検討を始めることをお勧めします。

キャッシュレス決済で賢く支払い

住民税の支払いをクレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済で行うことで、ポイント還元を受けることができる場合があります。還元率は利用するカード会社や各自治体によって異なるため、事前に詳細を確認しておくことが重要です。また、利用可能なキャッシュレス決済の種類も自治体によって異なりますので、こちらも確認が必要です。なお、クレジットカード払いを選択した場合、決済手数料が発生する可能性がありますが、手数料の有無や金額は自治体やカード会社によって異なるため、注意が必要です。

育休中の住民税の支払いが困難な場合の解決策

育児休業中の収入状況によっては、住民税の支払いが難しい状況も考えられます。そのような場合は、以下の方法を検討してみてください。

納税の猶予制度を活用する

一時的に住民税の納税が困難な場合には、育児休業期間中に住民税の納税を猶予してもらえる可能性があります。通常、猶予期間は1年以内ですが、具体的な期間や延滞金の免除についてはお住まいの自治体によって異なる場合がありますので、詳細は自治体に確認することが重要です。申請手続きも各自治体で行う必要があります。

配偶者の扶養に入る

育児休業中に収入が大幅に減少した場合、配偶者の扶養に入ることで配偶者の所得税における控除額が増加することがあります。配偶者控除や配偶者特別控除を受けるためには、特定の所得条件を満たす必要があります。配偶者控除を受けるためには、配偶者の年間合計所得金額が58万円以下(給与収入のみの場合は123万円以下)であることが原則です。また、配偶者の年間合計所得が58万円を超え133万円以下の場合には、配偶者特別控除が適用される可能性があります。しかし、これらの条件は年によって変更されることがあるため、最新の税制を確認することが重要です。

育児休業給付金の活用

雇用保険に加入している場合、育児休業給付金を受け取ることが可能です。給付金の額は、原則として休業開始時の賃金日額に基づいて算出され、一定の割合(育休開始から6ヶ月までは67%、その後は50%)で計算されます。育児休業給付金は非課税所得であるため、住民税を支払うための資金として有効に活用できます。

副業による収入確保

育児休業給付金のみでは生活費が足りない場合は、副業によって一定の収入を得ることも考慮することができます。ただし、育児休業給付金の受給資格を維持するには、労働日数や労働時間に関する制約があります。具体的には、育児休業中であることが条件で、一定額を超える収入を得ることができません。現在の勤務先の就業規則を確認し、副業が認められているかどうかを確認することが重要です。育休期間中に行う副業としては、自宅でできる仕事(ブログ運営、アフィリエイト、ウェブデザイン、プログラミングなど)が適しています。隙間時間を有効に活用し、無理のない範囲で収入を確保するよう努めましょう。

家計の見直しと節約

育休中は一般的に収入が減少するため、育児にかかる費用の増加に備えて家計を再検討し、節約の方法を考えることが重要です。特に固定費(通信費、光熱費、保険料など)を見直すことで、家計の負担を軽減できる可能性があります。また、ベビー用品については新品を購入するだけでなく、レンタルサービスやサブスクリプションサービスの利用も効果的な選択肢となります。これにより、経済的な負担を軽減し、より柔軟に育児に対応することができます。

育休中のふるさと納税

ふるさと納税は、応援したい地域を選んで寄付ができる制度で、寄付額に応じて特産品などの返礼品を受け取ることができ、所得税や住民税の控除も受けられます。育児休業期間中で収入がない場合、所得税の控除は期待できませんが、住民税に関しては控除が期待できます。税金控除を目的とせず、純粋に自治体への支援や返礼品を楽しむために利用することも問題ありません。

収入なしでも年末調整は必要?

育休中は会社が年末調整を行ってくれない場合もあるため、ご自身で確定申告を行う必要がある場合があります。税務署や税理士に相談し、手続きを行うようにしましょう。

住民税の一括払いについて

住民税を自分で納付する場合(普通徴収)は、一括で支払うことも可能ですが、分割で支払う場合と比べて納税額自体は変わりません。ただし、支払い方法によって手数料や納付タイミングに影響が出る可能性がありますので、注意が必要です。資金に余裕がある場合や納付忘れを防ぎたい場合には、一括払いを選択するのも良いでしょう。また、コンビニエンスストアで支払う場合は、一度に支払える金額に上限が設定されていることがあるため、具体的な金額は事前に確認することをお勧めします。

まとめ

育児休業中の住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、収入が大きく減少した場合でも納税義務が発生します。このため、可能な範囲で節税対策を検討したり、支払い方法を工夫したりすることが重要です。また、支払いが困難な場合は、早めに自治体の担当窓口に相談することで、適切なアドバイスや支援を受けることができます。

育休中に住民税を滞納するとどうなりますか?

住民税の支払いが滞ると、延滞金が発生し、最終的には財産が差し押さえられる可能性があります。このプロセスには、まず納付催促や督促状が送付されるなどの段階があるため、早めの対応が重要です。納付書が届いたら、できるだけ早く納付することが大切です。また、もし支払いが困難な場合は、まずは自治体の窓口に相談し、支払い方法や支援策について確認することをお勧めします。

育休中にできる節税対策はありますか?

個人型確定拠出年金(iDeCo)の活用、生命保険料控除の適用、ポイント還元のあるキャッシュレス決済の利用などは、税金対策として有効な手段です。しかし、育児休業中は収入が減少するため、所得控除の効果が限定的になる場合があります。具体的には、収入が低いと控除が適用されても税負担の軽減効果が小さくなることがあります。

育休中に住民税の支払いが難しい場合、どうすれば良いですか?

住民税の猶予制度の利用を検討することが可能ですが、具体的な条件は個々の状況によって異なります。また、配偶者の扶養に入ることで得られる税制上のメリットは状況によって変わります。育児休業給付金を生活費に充てることはできますが、給付金の金額によっては十分な支援にならないこともあります。副業を行って収入を確保したり、家計を見直して節約することも考慮に入れるべき方法です。

監修:税理士 高谷武司
監修:税理士 高谷武司
同志社大学卒業後、有限責任監査法人トーマツやハウス食品株式会社、IPO準備企業などを経て、2021年に髙谷公認会計士・税理士事務所を開設しました。 事業会社で経営企画なども経験していることから、会計や税務はもちろん、経営の相談までできる会計事務所として、皆様のサポートをしております。

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