50周年を迎える社会福祉法人がタイミーを導入。食事介助の負担が半分以下になり、タスクシフトの促進に成功

「タイミー導入によりタスクシフトへの理解が深まった。介護職として価値を発揮できる業務について職員が今まで以上に丁寧に考えられるようになった」と話すのは、社会福祉法人おおつか福祉会 特別養護老人ホームもくもく苑で施設長を務める中村さんと、施設課課長を務める山本さん。同法人は、特別養護老人ホームでタイミーを導入し、現場職員および主任職、管理職の負担軽減に成功しました。

島根県の介護施設の中でもスポットワークサービスの導入が早かったという同法人。今回は、タイミー導入前に抱えていた課題や導入の効果についてお話を伺いました。より多くのワーカーさんに申し込んでいただくためのポイントも話してくださったので、最後まで読んでみてください。

左:施設課課長 山本由紀子さん 右:施設長 中村忠司さん

2027年に50周年を迎える社会福祉法人。人手不足で現場職員と主任職、管理職の負担が増加

―はじめに、事業内容をお聞かせください。

社会福祉法人おおつか福祉会 もくもく苑施設長 中村さん(以下、中村さん):私たちは、特別養護老人ホームおよび介護老人保健施設、デイサービスセンター、保育園を運営しています。2027年には節目の50周年を迎えるため、約300名の従業員で一丸となって利用者様を日々支援しています。  

理念「CHALLENGE to MISSION」に基づき、新しい取り組みに挑戦する風土を備えている点が特徴です。実は、特別養護老人ホーム「もくもく苑」でのタイミーの導入も私たちにとっては大きな挑戦の1つでした。

 

―タイミーを活用される前、どのような人材・採用面での課題がありましたか?

社会福祉法人おおつか福祉会 施設課課長 山本さん(以下、山本さん):一番の課題は、職員数の不足により食事介助に必要な人数を満たすのが難しかったことです。その結果、各従業員の残業が増えていました。はじめは現場職員の不足を主任職のメンバーで補っていましたが、それでも人手が足りず、最終的には管理職も現場に入って食事介助を行っていました。

状況を改善するために各種の求人サービスを活用してきましたが、根本的な課題解決につながる施策を見つけられない状況でした。シルバー人材センターの場合は人材を確保できる頻度の面で課題があり、求人媒体やハローワークへの求人広告出稿は、朝と夕方の食事時間に対応できるスタッフを見つけるのが難しかった印象です。

人材紹介会社の活用も考えましたが、1人の採用につき100万円以上の費用が発生するため、人材確保の現実的な手段になりませんでした。このような状況が続き、「スポットで人材を確保できるサービスを使ってみようか」という話になっていったのを覚えています。

 

―どのような経緯でタイミーを知りましたか?

中村さん:CMを通じてタイミーの存在は知っていました。そうした中、近隣の商業施設でタイミーのチラシを目にしたことがきっかけで、サービスについて詳しく調べるようになりました。当時は同種のサービスが少なかったため比較検討はせず、初めてのスポットワークサービスとしてタイミーを使うかどうかを施設内で検討した次第です。

 

―また、導入にあたって不安などはありましたか?

中村さん:タイミーを導入した2024年のはじめは、タスクシフトという言葉が広がり始めた頃で、介護職でなければ対応できない業務とそうでない業務という基準で仕事を整理・分担し、現場の負担を最適化しようと考えていました。そのため、スポットワーカーが現場の助けになるイメージを持っていました。

山本さん:一方、現場には不安もありました。毎日タイミーから申し込んだ新しいワーカーさんが働きにきてくれることで、現場の負担がさらに増大しないかと懸念していたのです。また、ワーカーさんの判断による対応が不測の事態につながらないかという漠然とした不安もありました。現場職員としては、どんなワーカーさんが来てくれるのかわからず、懸念や不安が膨らんでいたように思います。

 

―不安はどのように解消したのでしょうか?

山本さん:初めて来てくれたワーカーさんが大変素晴らしい方で、その方と一緒に働いたことで懸念や不安が大きく解消されました。そのワーカーさんは介護経験があり、コミュニケーションスキルの高い方で、不明点や疑問点を積極的に職員に質問してくれたのです。

また、タイミーを通してさまざまな業界の会社でスポットワークに従事した経験を持っており、働きやすい現場の特徴をワーカー側の視点から教えてくれました。「現場により働き方が違うため、経験者だとしても遠慮せずに会社側から積極的に指導してもらった方が働きやすい」と話してくれたのが印象的です。

この1人目のワーカーさんとの出会いにより、タイミーを活用しながら現場を回していくイメージが一気に膨らみました。この方は最終的に職員として長期で働いていただくことになり、現場を支える重要なメンバーとなっています。

 

食事介助・入浴介助の仕事で有資格者のワーカーさんを募集。募集の9割が埋まって驚き

―タイミーの活用方法を教えてください。

中村さん:現在は、特別養護老人ホーム「もくもく苑」の食事介助の仕事で、ワーカーさんを週3回募集しています。また、付随するデイサービスの入浴介助でも営業日の半分以上でワーカーさんを募集している状況です。

介護職員初任者研修以上の資格保有者を募集していますが、ワーカーさんの多くは介護福祉士の資格を持っています。中には看護師の資格を持っている方もおり、有資格者としっかりマッチングできることに驚いています。

もくもく苑では、常連ワーカーさん1名(看護師)と、シルバー人材センターからの1名の出勤日を調整した後に募集をかけ、デイサービスでは月1回のシフト作成後、人数が足りない日に募集しています。

 

―どのくらいのスピード、割合でワーカーさんが見つかりますか?

中村さん:2週間から1カ月分の募集をかけて8割は1日ないし2日で埋まる印象です。その後もワーカーさんが徐々に見つかり、最終的に全募集の9割が埋まります。ときには前日にワーカーさんが見つかることもあり、施設全体で大変助かっています。

土日祝日は施設の事務スタッフが不在となるため、新規のワーカーさんを募集するのは平日が主です。土日祝日はリピートで来てくれる方を募集しています。また、複数の施設が隣接しているため、募集時はGoogleマップのストリートビューのURLを掲載し、ワーカーさんが迷わないように注意しています。このような工夫もあり、募集の9割でワーカーさんを見つけられているのかもしれません。

 

―どのようなワーカーさんがお仕事に来てくれましたか?

山本さん:他の介護施設で働いている方が就業後や夜勤明けの夕方から来てくれるケースが多いです。もくもく苑では、食事介助を1時間半の枠で募集しているため、空いた時間で積極的に働きやすいのだと考えています。

豊富な介護業務の経験を持ったワーカーさんが多く、私たちの施設の雰囲気をすぐに理解し、現場に溶け込んでくれます。コミュニケーション能力が高く、人と接する仕事に長けた方が多い印象です。

 

―OJTはどのように対応していますか?

山本さん:はじめに体調面や衛生管理に関する情報を伝え、施設内を案内し、職員にワーカーさんを紹介しています。そして、担当してもらう利用者様の特性を伝え、可能な限りワーカーさんに担当いただく利用者様を固定するようにしています。

その上で、職員が見守る中で食事介助をお願いしている状況です。移乗介助の際は常に職員と一緒に対応し、インシデントやアクシデントを防いでいます。

 

食事介助の負担が半分以下に。ワーカーさんとの協働で、介護職本来の価値を提供できる業務について理解が深まった

―タイミーを導入してどのような成果がありましたか?

山本さん:最も大きな成果は、現場職員および主任職、管理職の負担が軽減されたことです。募集の9割でワーカーさんが見つかっているため、人材確保の面でタイミーは本当に大きな力になってくれています。夕食介助の業務に関して、職員の負担が半分以下になった実感があり、残業も減りました。このことは、職員のストレス軽減や働きやすさの向上にもつながっているはずです。  

また、夕食介助の負担が減ったことで職員が本来の業務に集中できるようになりました。さらに、ワーカーさんが来てくれることで職員が外部の目を意識するようになり、現場の雰囲気も良くなっています。ワーカーさんからも働きやすい雰囲気を評価されることが多く、とても嬉しいですね。

中村さん:タイミーの活用は当法人の認知拡大にもつながっています。介護職に関心を持っている方からの認知のみならず、スポットワークサービスをいち早く取り入れた介護施設という認知が同業者にも広がりました。

また、変化とは別ですが、ワーカーさんに仕事を奪われてしまうのではないかという不安が職員の中に発生しなかった点には安心しました。これは職員とワーカーさんの仕事を明確に分けたためだと思います。

 

―タイミーの活用がタスクシフトの促進につながったと聞いております。この点も詳しく教えてください。

中村さん:私が考える最大の効果こそ、施設全体でタスクシフトへの理解が深まった点です。仕事を機械的に分けるのではなく、ワーカーさんがいてくれる前提で「介護職として本来注力すべき業務は何か」を職員が丁寧に考えられる余裕が生まれました。

介護は幅広い業務に対応する仕事です。食事および入浴、排泄の介助のみならず、利用者様の身の回りの整理整頓や掃除も業務の一環です。ケアマネジャーが介護プランを立てる際に、利用者様の情報を的確に伝えることも私たちの仕事です。

このような中でワーカーさんが一部の仕事を担ってくれるようになり、職員は利用者様と関わる時間を増やし、それぞれで異なる満足のポイントを丁寧に把握し、そのために働けるようになりました。これまでは忙しさから掃除に対応しながら声かけせざるを得なかった場面で、利用者様の不安にしっかりと寄り添えるようになり、介護職として価値を発揮できる業務に集中できていると感じます。

このようにタイミーは、介護職本来の価値を中心に据えてタスクシフトについて考える大きなきっかけになりました。

 

タイミーを活用して介護職を体験できる場を作りたい。そこから長期採用につなげる計画

―今後の展望を教えてください。

中村さん:介護施設の内部は外から見えにくいものです。そのため、今後はタイミーを活用して、介護の仕事に興味を持っている方が実際に体験できる場を作っていきたいと考えています。そうすることで、興味の裏側にある不安を解消でき、安心して介護の仕事に挑戦してもらえるはずです。  

タイミーはそのような体験を作れるサービスだと思うので、今後も積極的に活用していきたいと考えています。そこから長期採用につながる方と出会えると、私たちとしても今まで以上に利用者様に寄り添い、介護職本来の価値提供に注力できます。

 

取材協力:特別養護老人ホームもくもく苑 |社会福祉法人おおつか福祉会 

特別養護老人ホームもくもく苑では利用者様の生活について、ご家族と相談しながら施設の専門職や医療と連携し、自立に向けた支援を行っております。