夫婦とパート1名で営む創業70年の和食店。タイミー活用により負担が解消し、お店の将来を考える時間ができた

「タイミーの活用により人手不足解消と利益率向上に成功。私と妻の負担が減り、店舗の将来を考える時間ができた」と語るのは、長崎県佐世保市で和食店「ふじ・なが本店」を運営する株式会社大野水産の会長を務める藤永さんです。タイミー導入前の課題と導入による効果について伺いました。


創業70年の老舗鮮魚店直営の和食店|パートの退職が相次ぎ人手不足になってしまった

–はじめに、事業内容をお聞かせください。

会長 藤永さん(以下、藤永さん):長崎県佐世保市で和食店「ふじ・なが本店」を運営しています。自民党総裁賞(優良調理師)を受賞した腕利きの料理長が、九十九島の海の恵みを使って作る和食・会席・寿司が自慢です。  

当店は飲食店としての運営のほか、料理の宅配や仕出しにも対応しています。また、オリジナルメニューの開発にも注力しており、佐世保ご当地グルメ総選挙では2品の金賞と2品の銀賞を受賞しました。一部の商品はオンラインショップでも販売しています。

 

–タイミーを活用される前、どのような人材課題・採用課題がありましたか?

藤永さん:当時は、私と妻、パートスタッフ1名の合計3名で「ふじ・なが本店」を運営していました。

以前はパートスタッフが3名いたのですが、5年勤務・10年勤務のベテランのパートさんが、家庭の事情(家族の不幸、子供の就職など)で2名が退職され、人手不足の状態に陥ってしまったのです。

求人媒体や職業安定所、コンビニに置かれている求人雑誌を活用してスタッフを募集しましたが、なかなか人が集まりませんでした。当店の業務には料理の配達が含まれるため、スタッフを見つけにくかったのだと思います。  

このように人手不足の状態だったため、早朝から仕込みや開店準備を行い、仕事が終わるのは深夜という日が続いていました。私も妻も大変な疲労を感じていて、仕事が終わると倒れるように眠り、店舗の将来や経営戦略を考える時間がありませんでした。

 

–どのような経緯でタイミーを知りましたか?

藤永さん:飲食店を経営する知人から「従来の求人媒体で人が集まらないのであれば、タイミーを試してみるといいよ」と勧められました。

初めて活用する仕組みだったため、どのようなワーカーさんが来てくれるのか不安はありましたが、いざ使ってみると、飲食店で働いた経験を持つワーカーさんが多く来てくれました。当店で継続的に働いてほしいと思うワーカーさんも多く、当初の不安は解消されています。

 

 

配達・調理補助スタッフとしてワーカーさんを募集|仕事ができる方ばかりで驚いた

–タイミーの実際の活用方法を教えてください。

藤永さん:タイミーでは「配達・調理補助スタッフ」を募集しました。具体的な業務内容は、開店準備や料理の上げ下ろし、お弁当の盛り付け、配膳・バッシング、洗い場、自動車を使った配達、清掃です。

求人には、次のような応募条件を記載しました。  
  • 飲食店での調理経験が半年以上ある方。または、ご家庭で日常的に調理をされる方
  • 普通自動車第一種運転免許(AT限定可)を取得している方
  • 指示やお願いに素直に対応できる方

このように飲食店での調理経験を応募条件に取り入れたことで、当店が求めるワーカーさんとマッチングできたと感じます。

 

–どのようなワーカーさんがお仕事に来てくれましたか?

藤永さん:2025年2月末の時点で、累計20名のワーカーさんがお仕事に来てくれました。仕事ができる方が多く、当店で継続的に働いてほしいと感じる方ばかりでした。

それらのワーカーさんの中から、1名が週4日勤務のパートとして定着してくれました。そのワーカーさんは、トップクラスに仕事ができる方で、これまでに10回以上リピートで働きにきてくれていました。  

タイミーの募集に記載した「長期で働ける方の採用も積極的におこなっています!求職中・転職中の方で、タイミーを通して弊社にご興味を持っていただけた場合はぜひお声がけください。」という内容を見て、ワーカーさんからパートとして継続して働きたいと言ってくださったのです。話を聞くと、当店と自宅が近く、ワーカーさんも近場で長く働ける場所を探していたところだったようです。

現在は、パートとして、すし酢の配合や炊飯など調理に関連する作業を任せられるようになっています。そのため大変助かっています。

 

–OJTはどのように対応しましたか?

藤永さん:ワーカーさんに任せる作業を整理し、マニュアルにまとめました。マニュアルには、炊飯の仕方、洗米の方法、すしご飯の混ぜ方、真空パックの仕方、配達前の準備等の情報を記載しています。

また、宅配先として定期的に訪れる斎場やヨットハーバーの地図を作り、車で入ることのできる範囲などを示しました。このようにして、ワーカーさんが作業に迷わないようにしました。

 

–タイミーを活用して、これは便利だ!などと思ったポイントを教えてください。

藤永さん:直前に募集をかけてもワーカーさんとマッチングする点が便利だと感じます。当店は斎場にもお弁当の宅配をしていますが、斎場の場合、お通夜、お葬式等の料理なので、いつお弁当が必要になるか予測ができません。

タイミーの活用により、突発的な発注に応じて柔軟にワーカーさんを見つけられるようになりました。これは他の求人施策を活用していた頃には難しかったことです。

 

1名のワーカーさんがパートとして定着|採用費削減が利益率向上につながった

–タイミーを導入してどのような成果がありましたか?

藤永さん:最も大きな成果は、1名のワーカーさんがパートスタッフとして定着してくれたことです。そのおかげで、通常は合計4名で店舗を運営できるようになりました。さらにお通夜など急な注文が入った時は、タイミーを活用してワーカーさんを臨機応変に見つけられるため、現在は人手不足に対する懸念がありません。

ほかには、タイミーの活用により採用費も削減されています。以前は、求人媒体を利用するために数万円を支払ったにもかかわらず、応募の電話が1本しかないという状況でした。現在は、時給1,200円(2025年4月時点)で仕事をタイミーに掲載するだけで、ワーカーさんが集まってくれます。タイミーの活用により、スタッフを募集するための費用が格段に下がったと感じます。

採用費の削減は、店舗の利益率にも影響を与えています。当店は、2名のパートさんが相次いで退職した際に、売上が1割減りました。その後、人件費や材料費の高騰があり、店舗のメニューや商品の価格を上げざるを得ず、今後の利益に不安を感じていました。そのようなタイミングでタイミーを活用するようになり、必要な時間帯にのみワーカーさんに来てもらえるようになったことで人件費が最適化されたのです。その結果、以前と売上は変わらないもののシフトの最適化で利益率が向上しました。これはタイミーを活用しなければ得られなかった成果だと思います。

このように人手不足が解消され、店舗の利益率が向上したことで、私の業務にも変化がありました。これまでは店舗を運営するための業務に全ての時間を使っていましたが、現在は、経営者として店舗の将来や経営戦略を考える時間が1日あたり1時間から2時間増えています。また、これまで時間がなくて参加できなかった商工会などの勉強会に参加できるようになりました。

同様に、妻も今まで以上に経理の業務に時間を割けるようになり、月次決算のための業務が溜まって大変な思いをすることがなくなりました。タイミーのおかげで、私と妻の身体的・心理的な負担は確実に減っています。

 

 

沢山のお客様に美味しい料理を届けるために、オンラインショップの売上を伸ばし、店舗スタッフも増やしたい

–今後の展望を教えてください。

藤永さん:タイミーの活用により、戦略的な思考に時間を割けるようになったため、今後はオンラインショップの売上を伸ばしたいです。現在オンラインショップの売上は、全体の約2割です。今後は、3割から4割まで伸ばしたいと考えています。そのうえで、店舗スタッフをさらに増やし、沢山のお客様に美味しい料理を届けたいです。

実際に活用してみてタイミーは本当に便利だと感じました。他の求人施策では、人手がほしいタイミングでワーカーさんを迅速に見つけることはできません。今後もタイミーを上手く活用していきたいです。

取材協力:株式会社大野水産

毎朝地元の魚市場で仕入れる新鮮な魚と長崎・佐世保で育まれた旬鮮食材を使用した料理を届ける和食店「ふじ・なが本店」を運営。自民党総裁賞(優良調理師)を受賞した料理長が作る料理は多くの人に愛されている。