重度障がい者を支援するグループホームでタイミーを導入。スタッフの早期退職防止・残業削減に成功

「タイミーを通じて、介護に興味のある人に現場を体験してもらえるようになった。ワーカーさんは素敵な方ばかりで、介護の現場に外部の人が入ることにハードルを感じていたのは私たちだった」と話すのは、QOLD株式会社で障がい者グループホーム事業本部事業部長兼サービス管理責任者を務める若生さん。同社は障がい者グループホームでタイミーを導入し、慢性的な人材不足の解消を成功させています。

今回は、同社が抱えていた課題とタイミー導入の効果についてお話を伺いました。介護の現場にスポット型の求人サービスを使うことへの不安も語っていただきました。

障がい者グループホーム事業本部事業部長 サービス管理責任者 若生芽生さん

重度障がい者を支援するグループホーム。スタッフの早期退職防止が課題

―はじめに、事業内容をお聞かせください。

QOLD株式会社 障がい者グループホーム事業本部事業部長兼サービス管理責任者 若生芽生さん(以下、若生さん):当社は、訪問医療マッサージおよびナーシングホーム、地域訪問看護ステーション、障がい者グループホームなどを展開し、利用者様も従業員も誰もが幸せに活きる共生社会を目指しています。

 

障がい者グループホームは宮城県に2棟、静岡県に3棟、埼玉県に1棟を運営しており、強度行動障がいなどを抱える支援困難者を積極的に受け入れている点が特徴です。現在、グループ全体で約300名の従業員がおり、そのうち約150名が障がい者グループホームで働いています。

 

―タイミーを導入する前は、どのような課題があったのでしょうか。

若生さん:採用したスタッフの早期退職に悩んでいました。これは障がい者グループホームに対するイメージが実態と異なるために発生する問題です。

障がい者グループホームには介護サービス包括型およびサテライト型、外部サービス利用型、日中支援型の4タイプがあります。当社が運営している日中支援型は2019年に新しく創設されたタイプで、従来はグループホームへの入所が難しかった重度障がい者を支援するものです。

日中支援型が創設されて一定の年月が経ちますが、今でも「グループホーム=障がいの軽い方や高齢者を支援する施設」というイメージがあります。そのため、重度障がい者への理解が必ずしも高くないまま当社の施設を訪れたスタッフが、イメージとの違いにより早期退職してしまう状況が続いていたのです。

これまでも求人に力を入れており、グループホーム1施設あたり毎月十数名を面接していましたが、定着する人材の確保に難しさを感じていました。特に夜の時間帯に人数を確保できないと、介護報酬加算を取れないため経営にも影響が出ていました。

 

―人手不足は慢性的なものでしたか?

若生さん:障がい者グループホームには、開所から一定期間が経過すると人材不足が発生する傾向がありました。開所したばかりの頃は従業員が揃っており、利用者様の数も多くありません。しかし半年から1年が経過すると、退職する従業員が出てきて、利用者様が増加し、人手不足になってしまうのです。

このような課題があり、従来の求人サービスにも限界を感じていたため、人手が足りないタイミングで人材を柔軟に確保できるサービスはないものかと探していました。

 

―どのような経緯でタイミーを知りましたか?

若生さん:前任の代表がタイミーの担当者から営業を受けた後、現場の私たちに活用について相談がありました。そのため同種のサービスとの比較はしておらず、まずはタイミーを通じてスポット型の人材サービスを試してみようという状況でした。

 

―導入にあたって不安などはありましたか?

若生さん:介護の現場に外部のワーカーさんが入ってくることに、当初は抵抗がありました。当社の障がい者グループホームには自閉症の方が多くいらっしゃいます。仮に、自閉症への理解がないままワーカーさんが現場に来ると、利用者様が不安定な状態になるのではないかと懸念していました。

また、従業員もスポット型の人材サービスに慣れておらず、ワーカーさんとどのように連携するのかイメージできていませんでした。このような思いがあり、実は現場ではタイミーの導入を一度断っています。しかし、タイミーの担当者から前任の社長に対して「現場の課題解決に役立つサービスです!」と、熱のこもった提案をいただき、最終的に試してみることにしました。

現在ではタイミーがないと現場が回らないほど便利なサービスだと実感しています。

 

無資格で働ける仕事でもワーカーさんを募集。働きにきてくれたのは素敵な方ばかり

―タイミーの活用方法を教えてください。

若生さん:現在、当社ではワーカーさんに「世話人」として業務にあたっていただいています。食事の調理や掃除、通院同行といった生活サポート業務については、無資格の方に広くお任せしている状況です。一方で、排泄介助や入浴介助といった身体ケアについては資格や専門的な経験が必要となるため、条件を満たす有資格者や経験者のワーカーさんにのみお願いしており、無資格の方にお任せすることはありません。

募集をかける頻度は施設によって異なりますが、静岡県の2棟および宮城県の1棟ではほぼ毎日ワーカーさんを募集しています。当社には、入学や受験を控えたお子さんがいる従業員も多いです。そのため、インフルエンザなどの感染症が拡大する冬季から3月はパートさんが出勤を控える傾向があります。これらの時期は、特にワーカーさんに助けられています。

人員が慢性的に不足する施設では1カ月ごと定期的に募集をかけ、それ以外の施設では従業員のシフトが決まったタイミングで、不足しそうな日程・時間帯に対してのみ募集をかけている状況です。

 

―どのようなワーカーさんがお仕事に来てくれましたか?

若生さん:募集をしてみて驚きましたが、これまでに18歳から70歳まで幅広い年齢層のワーカーさんが働きにきてくれました。世話人の業務には調理も含まれるため、料理が得意な方から介護を学んでいる学生まで、多くのワーカーさんとの出会いがありました。

また、当グループホームの利用者様の特徴を理解した上で来てくれるため、優しい方が多い印象があります。特にリピートが多いのは子育てを終えた世代と介護を学ぶ学生です。

 

―就業前の研修はどのように対応しましたか?

若生さん:ワーカーさんを受け入れる際は、虐待防止研修や感染症研修などの義務化されている研修を実施します。その上で仕事の流れを説明し、緊急連絡時や避難訓練における対応を伝えています。

また、これらの内容をまとめた冊子を用意し、ワーカーさんが隙間時間に確認できる環境を整えているのも工夫の1つです。そして、冊子を読んだワーカーさんからサインをもらい、情報伝達に漏れがないように努めています。このように介護の現場に対する理解を深められる体制はリピーター獲得にもつながっているはずです。

利用者様への理解度が増したワーカーさんは業務に前向きに対応してくれるようになります。シーン別の声かけを理解し、「次に来たときは、こんな風に接してみます」とワーカーさんから提案があると、私たちも嬉しいです。

 

―当初、スポットのワーカーさんが介護の現場に入ることに抵抗を持っていたと伺いましたが、それはどのように和らいでいったのでしょうか?

若生さん:ワーカーさんに実際に働いてもらい、タイミーの重要性を身を持って体験したのが大きかったと感じます。ワーカーのみなさんとコミュニケーションを取り、介護の現場でともに汗を流し、壁を作っていたのは私たちだったと気づいたのです。

介護の仕事に興味を持ち、働きにきてくれるのは素晴らしいことです。当社が日中支援型のグループホームを創設した背景には、地域の利用者様を地域の人たちで支援し、重度障がい者への理解をみんなで深めていくという方針がありました。

タイミーを通じて、地域のさまざまな方が介護施設に働きにきてくれることで、この方針がまさに実現されていると感じます。

 

入社希望者に介護の仕事を体験してもらえるように。従業員の残業時間削減にも成功

―タイミーを導入してどのような変化がありましたか?

若生さん:最も大きな成果は、介護の仕事に興味を持っている方に現場を体験してもらった上で入社してもらえるようになったことです。これによりグループホームに対するイメージと実態の違いからの早期退職のケースが減りました。

仕事を体験してもらうまでに、入社書類の作成などの煩雑な手続きを完了させる必要もありません。一方で、ワーカーさんも仕事の対価を受け取れます。こんなに素晴らしい仕組みはないと感じるほどです。

多くのワーカーさんが働きにきてくれるため、従業員の残業も減りました。タイミーを導入する前、私を含むサービス管理責任者の業務をまとめたタスク表には清掃などの業務が入っていました。現在は清掃などをワーカーさんに任せることで、会議資料作成などの業務に日中に対応できるようになり、大変助かっています。タイミーの活用を含む業務整理の結果、各施設の管理責任者の総計で月あたり120時間の残業時間削減につながりました。

また、タイミーを導入するようになり利用者様にも変化が起こっています。これまでは知らない方が施設を訪れると不安定な状態になる方が多かったのですが、タイミーのおかげで、知らない人が施設にいる状況に慣れてきました。

中にはワーカーさんを認識して声をかけてくれる利用者様もおり、利用者様と従業員とワーカーさんで1つの施設を盛り立てていく形が自然なものとなりつつあります。さらに、外部のワーカーさんの目が入ることで、これまで以上に厳格に虐待防止を徹底できるとも考えています。

 

重度障がい者の看取り支援までできるグループホームを目指す。タイミーのさらなる活用へ

―今後の展望を教えてください。

若生さん:私たちの障がい者グループホームでは、今後も重度障がい者を積極的に受け入れ、最終的には看取り支援まで含めて対応できるようになりたいと考えています。日中支援型が創設されたとはいえ、重度障がい者の中には行き先がなかなか決まらない方も少なくないのが現状です。

そのため、看取りを含めて利用者様と最後まで一緒にいられるようにビジネスの形を整えていかなければならず、現場における人材確保の重要性はますます高くなります。タイミーをこれまで以上に活用し、有資格者や長期雇用に興味を持ってくださる方とのネットワークを構築し、目指すグループホームを実現していきたいです。

 

取材協力:QOLD株式会社

居宅介護支援やナーシングホーム、訪問看護ステーションなど7つの複合サービスを提供し、地域に暮らす一人ひとりの一生に寄り添います。