「施設で勤務体験してもらうことで理念の理解と採用候補者の裾野を広げられている」と話すのは株式会社ビジョナリーで執行役員 人事本部長を務める森野さん。「業界に刺激を与え続ける」ことをパーパスに掲げ、介護福祉サービスを提供している同社は、タイミーの導入により、企業理念にマッチした人材獲得と業務効率化を同時に実現しています。その取り組みと成果について、採用担当の加藤さんと共にお話を伺いました。
⸺まず会社の事業内容と特長を教えてください。
株式会社ビジョナリー 執行役員 人事本部長 森野さん(以下、森野さん):株式会社ビジョナリーは、愛知県名古屋市を拠点に介護福祉サービスを提供する企業です。「『なりたい自分』を諦めなくていい世界にする」というビジョン実現に向けて、「訪問介護」「放課後デイサービス」「障害者グループホーム」等のサービスを提供しています。
介護業界は「3K」などネガティブなイメージを持たれがちですが、私たちはそのイメージを払拭し、若い世代からも「かっこいい」と憧れられるような、刺激的で魅力ある業界へと変えていきたいと考えています。会社のバリュー「『出会えてよかった人』でいる」にもある通り、日々のケアやコミュニケーションを通じて関わる方に「出会えてよかった」と感じてもらえる瞬間を創出することに情熱を注いでいます。
また「日本一マッチョが多い介護の会社」としてメディアに取り上げられることも多いです。“マッチョ介護士“と呼ばれるフィットネス実業団【7SEAS(セブンシーズ)】を運営しており、地域社会や若い世代にも介護の魅力を伝える広報活動にも力を入れています。
⸺人材獲得や採用に関する課題はありましたか?
採用担当 加藤さん(以下、加藤さん):「応募者の裾野を広げる必要性」と「人事の業務工数」の大きく2つの課題がありました。当社では、以前から企業のウェブサイトや各種求人媒体を通じて、年間1,000件もの求人応募があり応募数に関しては満足していました。しかし、その多くが介護経験者である一方、同社が目指す「業界のイメージを変える」という目標のためには、未経験者も含めた多様な人材を巻き込む必要性を感じていたのです。
最大の課題は、最も重視する「人柄」や「企業理念への共感度」を、従来の採用フローで見極めることの難しさでした。「書類選考」に始まり、「カジュアル面談」「現場見学」「最終面接」という丁寧なステップを踏んでいましたが、月100件近い応募の全てに対応するには膨大な時間と労力を要しました。特に、面接という限られた時間の中では、応募者の本質や、利用者様と日々顔を合わせる仕事に対する適性を見抜くことは容易ではありません。いくら素晴らしい資格や経歴をお持ちでも、利用者様が『また会いたい』と感じる温かさや、チームの一員として共に成長していける柔軟性がなければ、私たちの目指す介護は実現できないのです。
理念に共感してもらえる人材を妥協せず求める一方で、採用の効率化も図らなければならないという大きな壁に直面していました。
⸺潜在層へのアプローチについて、どのようなことを検討されていましたか?
森野さん:「介護の仕事に興味はあるけれど、いきなり正社員として飛び込むのは少し怖い」「自分に本当に向いているのか、実際の現場を知ってから判断したい」。そう考える潜在的な候補者は少なくありません。まずは気軽に職場を体験してもらい、仕事のやりがいや厳しさ、そして何よりもビジョナリーという会社の雰囲気や価値観を肌で感じてもらう機会を提供できないかと考えたのです。
加藤さん:資格や経験は入社後にいくらでも積めます。大切なのは、私たちの理念に共感し、利用者様や仲間に対して誠実に向き合えるかどうか。それを見極めるには、実際に一緒に働いてみることが一番だと考えました。従来の採用手法ではアプローチしきれなかった層にリーチし、かつ企業文化への理解を促す。そんな「採用の入口」につながるような施策はできないかと模索していました。
⸺そんな中、どのような経緯でタイミーを導入しましたか?
森野さん:様々な選択肢を検討する中で、選択肢の1つとして加藤が出したアイデアが、タイミーでした。正直なところ、タイミーは「スキマバイト」という短期・単発の仕事のイメージが強く、本当に私たちの目指す長期採用や、理念に共感してくれる人材の採用に繋がるのか、半信半疑でした。まずは試験的に導入してみることにしたのです。
しかし、試行錯誤を続ける中でタイミーを利用しているワーカーさんの中には、私たちの想像以上に「就職活動の一環」として様々な職場を体験し、自分に合う仕事や会社を探している人がいることに気づいたんです。この発見は衝撃的でした。ここからタイミーの活用方針を大きく転換。「とにかく人手が欲しい」というスタンスから、「長期採用に興味のある方、まずは見学・体験に来ませんか?」という、将来の仲間探しを意識したメッセージへと募集内容を刷新しました。
⸺タイミーを活用してどのようなメリットがありましたか?
森野さん:タイミー導入後の効果で特に顕著だったのが、「採用フロー効率化による面接工数の削減」と「企業理念に深く共感する人材の獲得」です。
まず採用効率の面では、従来の3ステップ(カジュアル面談、施設見学、最終面接)の選考フローが大幅に短縮されました。タイミーを活用した「お試し就業」が、実質的に最初のカジュアル面談と施設見学の役割を果たすためです。
タイミーを通じて出会った方は、すでに現場の雰囲気や仕事内容をある程度理解してくれています。最初のカジュアル面談で費やしていた1時間がまず不要になり、1人採用するまでに約2時間の工数削減が実現しました。これまでに社員4名、パート8名の合計12名を採用させていただいたので、単純計算で24時間分の工数が削減されたことになります。これは人事担当者にとって非常に大きなメリットです。
そして何よりも大きなメリットは、ビジョナリーの理念や価値観に共感してもらい、実際の現場との相性を確かめてから長期採用ができる点です。タイミーを活用した就業体験は、応募者にとっては企業のリアルな姿を知る機会となり、企業にとっては面接だけでは見抜けない「人柄」やチームへの適性を見極める絶好の機会となりました。長期採用した方の年齢層も20代から50代と幅広く、男女比も男性4名女性8名と多様な人材に入社してもらうことができました。
⸺タイミーを通じてマッチングし、ビジョナリーに就職した近藤さんにもお話を伺います。就職の決め手を教えてください。
近藤さん:以前、報道番組で強度行動障がいのある方の行き場がないという社会問題を知り、心を痛めていました。タイミーを通じて体験業務と見学をした時に、ビジョナリーがそうした方々を積極的に受け入れていると聞き、深く感動しました。そして、会社のビジョンマップにある「あなたに出会えてよかったと言われること」という言葉が、自身の介護経験と重なり、ここで働きたいと強く思いました。
また若い社長や社員の方々が本当にエネルギッシュで、ITも活用していてクリエイティブ。何より、社長が社員一人ひとりの誕生日を覚えていてお祝いのメッセージを送ってくれるような、温かい人間関係に感動し、ここでなら自分も成長できると感じ入社を決めました。
⸺今後の会社としての目標とタイミーをどのように活用したいかを教えてください。
森野さん:ビジョナリーでは、「日本中にビジョナリーの事業所がある状態にする」という中期ビジョンを掲げています。この目標を達成するためには、各地域で理念に共感してくれる新たな仲間との出会いが不可欠です。
これからもタイミーという新しい出会いのプラットフォームを最大限に活用し、一人でも多くの「出会えてよかった」と思える仲間と共に、介護業界の明るい未来を切り拓いていきたいと思います。
取材協力:株式会社ビジョナリー
2008年設立。愛知県名古屋市に本社を置き、「訪問介護」「 児童発達支援」「放課後等デイサービス」「障害者グループホーム」等の介護福祉サービスを展開。
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