多くの飲食店経験者を即戦力として毎月引き抜き採用&社内接遇コンテストで元ワーカーが優勝。GANKOの成長戦略としてのタイミー活用術

「最大の売上施策は人材確保です」と話すのは、株式会社GANKO 第一営業部の片山さん。タイミー導入前の課題と導入後の効果、そして成果を上げるためのタイミー活用術を伺いました。

がんこ第一営業部 片山さん

新型コロナウイルス感染症の収束後に起きた急激な売上回復に人手が足りず、入店制限を余儀なくされた

―まず、複数の飲食業態を展開する「がんこ」の特長を教えてください。

がんこ第一営業部片山さん(以下:片山さん):「がんこ」は、「 旨くて安い、そして楽しい 」をコンセプトにご家族やご友人、または大切な方との食事の"場"や"ひと時"を大事にする"和"の心を大切にしています。寿司・和食だけでなく、とんかつやハンバーグなど幅広い業態で展開しています。また、文化遺産の継承のためのお屋敷業態、サービスエリアの運営、海外へのFC展開など、様々な取り組みをしていることも特長です。

 

―タイミー導入前の課題を教えてください。

片山さん:当時「がんこ」は宴会や歓送迎会等で利用されることが多かったのですが、新型コロナウイルス感染症の影響で大打撃を受けてしまいました。売上や店舗数の半減に伴って社員やパート・アルバイトさんの人数も減少。そこからしばらく経ち、世間の状況も落ち着いてきた頃に売上が急激に回復してきたのです。

売上回復は非常に喜ばしいことなのですが、減少してしまった従業員だけでは店舗運営ができず、人手不足により各店で営業フロアやエリアを絞る入店制限をしていました。

また「がんこ」は名前の印象や和装で接客をする店舗もあることから若年層には敷居が高く感じられてしまい、通常の求人媒体で掲載をしても応募がゼロの月もあり、新規の人材獲得の面でも苦労していました。

 

店舗運営から屋台の出店準備まで、タイミーの活用範囲は無限大。店舗の売上は、事業計画を達成しながらも残業時間50%削減


―タイミーではどのような職種を募集していますか?

片山さん:主に接客補助や調理補助、洗い場など多くの職種で募集しています。店舗内での活用に留まらず、節分時は巻き寿司の梱包作業で1日10名ほどお手伝いいただき、ケータリングや屋台の出店準備などあらゆる場面でタイミーのワーカーさんが活躍してくれています。

マッチングスピードの早さと飲食や接客経験のあるワーカーさんが多く働きに来てくれることから、現場の店舗からも反応も良いですね。

 

―タイミー導入による成果を教えてください。

片山さん:最も驚いたことは、10〜20代の若年層と多くマッチングして働いてくれたことです。「がんこ」のことを知らない学生なども多いのですが、体験的に店舗で働いていただくと「意外とおもろいやん」とお気に入り登録してくれて、リピート率も非常に高く助かっています。都市圏だけでなく和歌山などの地方の店舗でもすぐにマッチングしてくれるため、全国どこでも活用できると思えたのも安心できたポイントでした。

これをきっかけに若年層への偏見がなくなったことも大きいですね。「若くてもしっかりしてる子たちが多い」ということで、もっと若年層が働きやすいよう髪色や身だしなみの規制を緩和する方向に環境を整えています。 

さらに、タイミー経由で毎月3~5名の引き抜き採用ができています。タイミーのワーカーさんは、飲食店や接客経験者が多く、即戦力として働いてもらえています。通常のアルバイト採用のようにイチから育てることも重要ですが、即戦力人材を長期雇用として引き抜きの料金無く採用できるのは、非常に画期的だと思います。

 

―売上や職場環境にも効果が出たと伺いました。

片山さん:はい、先ほど話していた入店制限については、人材の安定確保により解決でき通常営業に戻すことができました。それに加えて、タイミーを導入したことで、既存従業員が料理説明などお客様とコミュニケーションに集中できたことも売上に寄与しています。具体的には、夏には本鮪、冬にはてっちりをメイン料理としておすすめしています。

そこでお客様のテーブルに従業員がつき、料理や食べ方の説明、雑炊を炊きながらの会話を通して追加注文をいただく機会も増えています。ある店舗では、売上の事業計画を達成し、タイミー活用が売上・利益アップの相乗効果を生み出しています。

私は日頃から「最大の売上施策は人材確保である」と店舗に伝えているのですが、まさに人材確保から売上拡大に至った良い事例と言えるでしょう。

また人手不足が解消したことで50%の残業時間の削減にもつながりました。私が担当する大阪府梅田地区の店舗では、「完全週休2日制でプライベートや家族、趣味の時間を充実」を大方針として掲げています。従業員の満足は、必ずお客様に還元されます。そういった意味でも、働きやすい職場環境を整えながら売上も上がる理想的なモデルになっていきたいです。

 

引き抜きワーカーが社内の接遇コンテストで優勝。受け入れ体制の工夫が店長の意識改革にもつながった

元タイミーワーカーのSさんは、社内接遇コンテスト「新人の部」で優勝

―その他、想定していなかった効果はありましたか?

片山さん:実は、タイミー経由で引き抜き採用をした方が、社内の接遇コンテスト「新人の部」で優勝することができました。もともとはおしゃべり好きな主婦さんだったのですが、「がんこ」で働くうちに接客の楽しさに気付き、どんどんと接遇のレベルが上がっていき、このような結果につながりました。相性が良いとこんなにも早く成長してくれるのかと驚いた記憶がありますね。

 

―タイミーワーカーの受け入れ等で工夫していることはありますか?

片山さん:ワーカーさん用の勤務マニュアルを配布するだけでなく、店舗用の受け入れ体制マニュアルを作成し共有しています。「名札は必ず渡しましょう」「親しみや愛着を持ってもらえるよう名前で呼びましょう」など当たり前のことですが、徹底することが大事です。

マニュアルを作る前は、各店舗で受け入れ体制にグラデーションがあり、店長の対応の仕方もバラバラなこともありましたが、ワーカーさんからのレビューを見ながら定期的に店長にフィードバックして改善していきました。

一方で、ワーカーさんへのケアも大切だと思います。仮にA店であまり良くない勤務体験をしてしまったワーカーさんにはメッセージ機能を活用して「次回はぜひB店(評判の良い店舗)での勤務を検討してみてください」と伝えるなど、リピートして働いてもらえる仕組み作りも積極的に行っています。

そういった活動の積み重ねで、今はタイミーのワーカーさんを「その日だけの穴埋め」としてではなく「将来の長期採用候補者」として捉える目線合わせが店長ともできています。

それに加えて、社内で「タイミー推進の旗振り役」が出てきてくれたこともよかったですね。実際に「がんこ」では「タイミーの魔術師」と呼ばれている副店長がいます。彼が「ワーカーさんの運用方法」や「引き抜き採用の手法・声掛けの仕方」など店長会議で事例発表をしてくれました。各店の店長も事例を参考にしながら真似できるため、こういった存在も非常に重要ですね。

 

事業戦略として必要な小規模店舗。出店加速には、必要な職種の人材をすぐに確保できるタイミーが欠かせない

―今後、タイミーをどのように活用していきたいですか?

片山さん:これまで大規模な店舗を構えることも多かった「がんこ」ですが、今後は50~60坪程度の小規模店舗を増やしていく予定です。現状は、店長や調理長として社員を配置し、少人数のスタッフアルバイトで運営している店舗もあります。土曜・日曜・祝日など人手が不足しやすい曜日にワーカーさんにスポットで働いてもらっています。

 

小規模店舗の出店が加速すると、少人数で運営する分「土曜日のこの時間だけ洗い場が足りない」「日曜日のこの時間だけ調理補助が足りない」など、希望職種をピンポイントの時間だけ欲しいニーズが各店舗で急増すると予想しています。このような場合に対応するためにも、タイミーは欠かせなくなってくるでしょう。新規出店の面で活用を進めながら、将来的には、タイミーワーカーさんだけの店舗運営も検討していきたいですね。

取材協力:株式会社GANKO 

創業1963年。4.5坪の「がんこ寿司」を発祥に、和食の伝統文化を大切にしたフードサービス事業を関西・東京を中心に展開。