物量の変化に応じた人員調整が可能に。物流センターの生産性向上と年間40名以上の引き抜きに成功

物流センターでは、季節やセールにより上下する物流量の波(物流波動)に対応するために、柔軟なリソース体制を求められることがあります。今回は、タイミーを活用することで、柔軟な人員調整が可能になった事例をご紹介します。

北海道内で多くの物流センターを運営する北海道ロジサービス株式会社の企画管理部 部長 加我さんに、タイミー導入の背景と導入による効果について伺いました。

企画管理部 部長 加我さん

月に30名採用しても追いつかないほど、物量は増えていった

ー タイミー導入前の課題を教えてください。

企画管理部 加我さん(以下 加我さん):北海道ロジサービスでは、食品や雑貨などを中心に宅配サービスや店舗向けの商品管理や発送をしています。2021年当時はコロナ禍の影響で、宅配物流部では前年対比110%を超える物量成長率が続いていました。急激な物量の増加に合わせて、従業員を毎月20〜30名ほど新規採用していたのですが、それでも作業が間に合わない状況でした。

作業が間に合わずに出荷が遅れてしまうと、次の日の準備も当然遅れてしまいます。1日の遅れが雪だるま式にどんどん積み重なり、週の後半では社員が早朝や深夜に残業をしてなんとか作業を終わらせるという日々が続いていました。

本来管理業務を行うはずの社員も総出で作業をしていたため、「とにかく人材を集めなければいけない」と解決策を探していた時に、タイミーのことを知りました。

 

ー導入する上で懸念はありましたか。

加我さん:最初は「本当に人が集まるのかな」「一体どんな人が来るのだろう」と心配でした。しかし、当時は解決の選択肢を少しでも増やしたかったため、まずはやってみようと導入を決めました。

実際に利用してみると、10代〜40代くらいをメインに、日中は主婦・主夫さん、夜の時間帯だと学生やWワークの会社員の方が多く働いてくれて助かっています。

驚いたのは、遠方から来てくださるワーカーさんが多いことです。ここの物流センターは北海道の江別市にあるのですが、車で1時間程度かかる苫小牧市や滝川市から来られる方もたくさんいらっしゃいます。これまでの求人媒体では、札幌市や江別市など閲覧されるエリアが限られていたのですが、ここまで広いエリアの人に見られて実際に働きに来てくださるとは、思ってもみませんでした。

 

ータイミーでは、どのような職種やお仕事で募集をしていますか?

加我さん:「ピッキング」を中心に、「商品の袋しばり」「検品」「商品段ボールのカット・分別」「棚補充、商品分別」「交通量調査」「駐車場案内」「カート搬送」「オリコン積み下ろし」「Excel等のデータ入力や事務」「回収容器の片づけ」「滑り止めの砂利回収(冬期)」など、幅広いお仕事をお願いしています。

1つの募集であれもこれもと作業してもらうのではなく、業務を細分化して「これだけやってもらう」という募集の仕方をした方がワーカーさんも分かりやすくマッチングもしやすい傾向にあります。そのおかげもあってか、稼働率は約92%と、募集をすればほぼ稼働してもらえる状態を維持できています。

翌週の物量を確認してから募集を出しても人材を確保できる。マッチングのスピードは、生産性にも好影響を与えている

ータイミーを導入してよかったことを教えてください。

加我さん:物量の変化に合わせて人材の募集をできるところが一番よかったところです。

これまでは1ヶ月先に必要な人材を予測して、派遣や求人媒体に依頼をしていました。ところが蓋を開けてみると、思っていたよりも商品が売れてしまい人が足りないことや、反対に売れ行きが悪く人が余ってしまうという事態が発生していました。   

タイミーを導入してからは、翌週にどれくらい商品が売れるかのデータが出てから募集をすることができるようになりました。毎週火曜日の午後に翌週の物量予測データが出てくるため、そこから必要な人数を算出して、水曜日にタイミーで募集する体制をつくっています。

そしてその体制を支えているのが、タイミーのマッチングスピードです。水曜日の午前中に募集を出せば、15時には翌週の大枠の募集はマッチングが成立します。このスピード感だからこそ、翌週の物量を確認してから募集をはじめても人材確保が間に合い、適切な人員配置が可能になり生産性も向上しました。

また現場作業だけでなく、Excelのデータ入力や総務まわりの事務職としてもワーカーさんが活躍してくれています。物量増加にともなって書類も増えるため、データ入力や備品管理、新規採用者のロッカーの設定などの業務で非常に助かっています。   

人材を安定的に獲得できるようになり、当初の課題であった社員の残業時間の削減にもつながりました。

1年間で40名以上の引き抜きに成功。夜間シフトの従業員属性の幅が広がり安定稼働につながっている

ー多くのワーカーさんを引き抜きされたと伺いましたが、それにより変化はありましたか?

加我さん:タイミーは無料で引き抜きが可能ということもあり、2023年の1年間で40名以上の引き抜きをしました。実際に作業をしている様子を見て、ワーカーさんと会話をしていく中で定期的に働いてくれそうな方にお声掛けして、お気に入り登録や引き抜きをしています。

変化としては、スタッフの属性がいい意味でバラついたことです。これまでの夜間シフトのアルバイトは学生が中心だったこともあり、試験前や長期休みなどで一斉に休んでしまい代わりが見つからないということが多くありました。しかし、タイミー経由ではWワークの方を中心に採用ができており、学生が休む期間をうまくカバーするようにシフトに入り安定的に稼働してくれています。

 

ー 北海道ロジサービス様では、ワーカーさんの約85%がリピーターということも特徴だと思います。リピートして働くワーカーさんを増やすために工夫していることはありますか?

加我さん:「北海道ロジサービスは、毎週水曜日に募集が出る」とワーカーさんに認識してもらうように、募集を出し続けることが大切です。ワーカーさんからすると、募集があるのかどうか分からない企業だと不安になりますよね。だからこそ、この会社は毎週同じ曜日・同じ時間にきちんと募集が出るという安心感を与えることが、リピートにつながっていると思います。

そして3ヶ月に1回を目安に「レビュー確認会」を実施しています。ワーカーさんから寄せられるご指摘のコメントは、アルバイトやパートスタッフで働いている従業員も同様に感じている全体課題だと認識しています。

実際にワーカーさんからの意見をもとに、センター内の案内の設置、ネームプレートの色分け、指導員の増員など職場改善をしてきましたが、既存従業員からも「分かりやすくなった」「働きやすくなった」と好評なんです。

ワーカーさんの満足度を高めることが、リピート率や従業員全体の満足度の向上にも貢献していると感じています。

取材協力:北海道ロジサービス株式会社
2012年の設立以来、貨物利用運送事業や物流センター運営事業などを展開