「4名の退職があったなかで、社内のリソース不足に対応できたのはタイミーのおかげ」と語るのは、新潟県新潟市に本社を置く新潟煙火工業株式会社の代表取締役社長を務める小泉さんです。タイミー導入前の課題と導入による効果について伺いました。
–はじめに、事業内容をお聞かせください。
代表取締役社長 小泉さん(以下、小泉さん):当社は「安全かつ堅実な花火製造・販売及び独創的な演出の創出」をモットーとして、煙火製造事業を展開しています。長岡花火大会や新潟まつりをはじめとして、全国各地の有名な花火大会からお声がけいただき、花火を打ち上げるのが当社の事業です。
–タイミーを活用される前、どのような人材課題・採用課題がありましたか?
小泉さん:花火業界は新型コロナウイルス感染症によって大きな影響を受けました。花火大会の開催が難しくなり、当社も約2年の休業を経たのですが、事業再開のタイミングで従業員4名の退職がありました。2年の休業を経て、急速に回復した花火の需要により製造数が増加し、体力的な負担が大きくなったことが原因です。
花火大会は夏に集中しますが、冬場も含めて花火を製造しないと大会に間に合いません。実際に当社でも1年を通して製造工場を稼働させています。
このような状況があり、夏には従業員の残業時間が増えてしまうこともありました。求人媒体などで新規従業員の募集をかけていましたが、人材は思うように集まりませんでした。また、採用コストの問題もありました。求人媒体の求人を掲載するためには約数十万円の費用が必要で、人材紹介サービスを活用する場合は年収の30%など紹介手数料が必要です。これは経営上の大きな負担となります。
こうした中で別の人材獲得方法を探しており、CMで知ったタイミーの活用を検討するようになりました。タイミーは、ワーカーさんに働いてもらった分のみの費用が発生する仕組みは率直に良いなと感じましたね。そのため経営への負担を最小限に抑えながら、従業員の退職により生じたリソース不足に対処できると考え、導入を決定しました。
–導入にあたって不安などはありましたか?
小泉さん:花火製造は特殊な仕事で、危険性の高い火薬を取り扱います。そのため、作業をそもそもワーカーさんに任せられるのか不安に感じる部分がありました。
しかし、現在では、作業を分解したうえでワーカーさんに任せられるということが分かりました。具体的には、資格者が火薬などの安全管理を行ったうえでワーカーさんに依頼する作業範囲を明確にしています。また、当社では更衣室ごとに除電棒を設置。作業室に入室する前に除電棒に触れることをルール化し、作業の安全性を担保しています。
当日は、朝の時間帯にワーカーさんに作業を説明します。そのうえでワーカーさんの作業を従業員が定期的に確認しています。このようにリピーターではないワーカーさんにも作業を安全に依頼できる体制を構築できたため、不安は払拭されています。
–タイミーの活用方法を教えてください。
小泉さん:2024年7月からワーカーさんの募集を開始しました。ほぼ毎日3名のワーカーさんを募集しています。
募集しているお仕事は、花火製造の作業補助です。具体的には、計量カップを使用しての火薬の計量や計量した火薬をビニール袋に詰める作業、導火線への癒着作業をワーカーさんに任せています。また、花火の玉を筒に仕込む作業や荷積み・荷下ろしなどの作業をはじめとして、安全面に配慮しながら花火大会当日の現場作業も任せています。
当初は、火薬の計量や導火線への癒着の業務をワーカーさんに積極的に依頼しようと考えていました。しかし、花火大会当日の作業も含めてさまざまな作業に関する需要が社内にあり、現在は幅広い作業を対象として募集をかけています。火薬を扱う作業のため、募集原稿には「作業服にはナイロン製のものを避けて、綿100%にする」などの注意点を記載。作業を安全にワーカーさんに任せられるように工夫しています。
–先程のお仕事の募集を開始してから、どのくらいの期間で、どのくらいの人数から応募がありましたか?
小泉さん:募集を開始するとワーカーさんはすぐに見つかります。当社の立地について、タイミーの担当者から「5km圏内のワーカーさんは100人程度」と聞いていました。これは決してワーカーさんが多い立地ではないようですが、そのなかでほぼ100%の稼働率を維持できるほどワーカーさんが見つかっている点は素直に嬉しいです。
–どのようなワーカーさんが働きに来ていますか?
小泉さん:花火作りには繊細な作業が求められます。実際に募集してみると、作業に丁寧に取り組んでくれるワーカーさんが多く来てくれました。製造現場の従業員からの報告によると、作業効率を高めるために工夫してくれるワーカーさんもいるようです。
また、リピートで来てくれるワーカーさんも多く、すでに8回ほど作業に来てくれている方もいます。黙々と作業することが肌に合う人がリピーターになってくれるようです。
働きに来てくれるワーカーさんは男女どちらもおり、下は18歳から上は68歳です。新発田市や村上市など遠くから来てくれるワーカーさんもいます。
–タイミーを活用して、これは便利だ!などと思ったポイントを教えてください。
小泉さん:募集をかけてからワーカーさんが見つかるまでのスピード感に驚きました。ワーカーさんが見つからないと、他の募集手段を考えたり、人が足りない日の対処方法を考えたりしなければなりません。しかし、当社の場合そのような事態に陥ることはありませんでした。これにより経営者の私も製造現場の従業員も自らの業務に集中できたと感じます。
実際に、ワーカーさんが軽作業をはじめとした様々な業務に対応してくれるため、従業員は他の作業にリソースを割けるようになりました。その結果、従業員の残業も減っています。4名の退職があったなかで、社内のリソース不足に対応できたのはタイミーのおかげです。
–予想していなかった副次的効果はありましたか?
小泉さん:ワーカーさんを呼ぶことで、従業員が「ワーカーさんにどのように作業を依頼すべきか」「どのように教えると効率的か」などの工夫を凝らすようになりました。そのため、マネジメントや指導方法の勉強になっていると感じます。
私は、従業員に対して、人をマネジメントしながら自分の作業をこなせるようになってほしいと考えています。このように従業員の成長につながっている点は予想しなかった効果でした。
また、ワーカーさんからの喜びのコメントも嬉しいです。「花火作りが楽しかった」「花火大会の裏側を知って、花火大会のイメージが変わった」などのお声をいただくことができています。今後は、リピートのワーカーさんを増やし、製造効率をさらに高めたいと考えています。
–今後の展望を教えてください。
小泉さん:まずは年間1名の従業員の雇用を目指しています。それらの従業員がマネジメント業務を担当し、タイミーのワーカーさんをさらに効果的に活用できる体制を整えられると嬉しいです。理想としては、2025年の花火大会で必要な花火の製造を2024年のうちに終えたいとも考えています。
また、リピーターのワーカーさんをバイトリーダーにして、他のワーカーさんを指導できるような環境も作りたいです。リピートで来てくれたワーカーさんの氏名を把握し、タイミーのグループに登録しようと考えています。そのうえで、仕事をグループ限定で公開する機能を活用して、リピートしてくれるワーカーさんにバイトリーダーの業務を案内していきたいです。
これからもタイミーを活用して、既存の花火大会や競技大会で花火を打ち上げ続けられるように製造体制と技術の向上を目指していきます。
取材協力:新潟煙火工業株式会社
新潟県新潟市を拠点に「安全かつ堅実な花火製造・販売及び独創的な演出の創出」をモットーとして、煙火製造事業を展開
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