「Adobeソフトを使いこなせるようなスキルの高いデザイナーとマッチングし、引き抜き採用もできた」と語るのは、大阪府大阪市に本社を置く株式会社尾上萬の代表取締役社長を務める尾上さんです。タイミー導入前の課題と導入による効果について伺いました。
–はじめに、事業内容をお聞かせください。
代表取締役社長 尾上敬一さん(以下、尾上さん):当社は1904年の創業以来、おもちゃ製造および販売を事業として展開しています。かつてはおもちゃの卸売のみを展開していましたが、私の父の代からオリジナル商品の製造も行うようになりました。
また、昨今はおもちゃだけではなく、菓子や雑貨等も幅広く展開しています。シリーズの販売数が累計150万個を超えた「はじめてのソーイングセット」などの手芸商品もあり、未就学児童を中心とするお客様に喜んでいただけるように努めています。–タイミーを導入される前、どのような人材課題・採用課題がありましたか?
尾上さん:現在、当社には16名の従業員がいます。過去には従業員の入れ替わりもあり、慢性的な人手不足の課題がありました。営業や倉庫作業、デザイン作業に従事する人材が不足しており、従業員がそれらの対応に追われてコア業務に集中できない状態が続いていたのです。
また当社は大阪に本社があるため、東京で開催されるおもちゃの展示会に出展する場合は、接客対応を担当する従業員が大阪から出張して展示会対応をしていました。移動時間を含めコスト面に関しても改善の余地を探していました。
さらにAdobe Illustratorを使って、おもちゃのパッケージデザイン制作の補助や資料作成に対応できるデザイナーを見つけることにも苦労していました。
–どのような経緯でタイミーを知りましたか?
尾上さん:タイミーの名前を聞いたことはありましたが、導入を検討するきっかけとなったのは取引先の倉庫業者からの紹介です。そこで働いているキーマンが元タイミーワーカーさんだと聞いて興味を持ちました。その人は仕事が丁寧で、柔軟に対応してくれる方だったため「タイミーで優れたスキルを持つ人を見つけられるかもしれない」と考えたのです。
– 導入にあたって不安などはありましたか?
尾上さん:初めて利用する仕組みだったため、どのようなワーカーさんが来てくれるのかを不安に思う気持ちはありました。しかし、タイミーを実際に活用してみると、業務に自発的に対応してくれるワーカーさんもいて安心しました。
具体的には、おもちゃの展示会で開催するゲームで子どもと一緒にサイコロを振る業務を依頼した際、とあるワーカーさんは指示がなくてもお客さんに積極的に声をかけて、ブースに人を集めてくれました。また、Adobe Illustratorを活用してデザイン制作ができるようなスキルの高いデザイナーがワーカーさんとして来てくれることもありました。基本的に先着でマッチングした順ということもあり、さまざまなワーカーさんが来られますが、タイミーの機能を活用して働きぶりの良いワーカーさんにだけ募集を掛けるなど調整ができています。
–タイミーの実際の活用方法を教えてください。
尾上さん:2024年8月からワーカーさんの募集を開始しました。不定期に1名から2名のワーカーさんを募集しています。
募集している職種は3つです。1つ目は、国内最大規模のおもちゃ展示会における運営補助のスタッフです。展示会では、ゲームで子どもと一緒にサイコロを振る業務やブースにおける接客対応をお願いしました。2つ目は、倉庫内でのピッキングスタッフです。倉庫内の整理や返品された商品の仕分け、サンプル品の出荷準備などをお願いしています。
3つ目は、デザイナーのアシスタントスタッフです。Adobe Illustratorを活用して、パッケージのデザイン制作補助や資料作成、SNSやカタログ用の写真撮影および加工、パッケージチェック、各種資料の読み合わせなどをお願いしています。デザインは外注業者さんへ依頼する比率が高いのですが、確認などの作業を事前にまとめておくと、外注依頼せずにタイミーワーカーさんに社内でタイムリーに効率よく依頼できます。
タイミーを活用しての募集は非常にスムーズに進みました。派遣会社や他の求人媒体とやりとりする場合、契約や募集原稿の作成などのさまざまな工数が発生します。タイミーの場合、担当者が原稿の書き方やまとめ方を丁寧にサポートしてくれました。求人原稿の内容も積極的に提案してくれたため、導入から募集開始までを迅速に進めることができました。
–仕事の募集を開始してから、どのくらいの期間で応募がありましたか?
尾上さん:展示会での補助スタッフと倉庫でのピッキングスタッフは、募集を開始してから5分ないし15分で見つかります。デザイナーのアシスタントスタッフは、スキルや経験年数等の必須条件を設定しているためワーカーさんが見つかる期間もさまざまですが、正社員や派遣社員として見つけるのが難しいようなスキルの高いデザイナーも仕事に申し込んでくれています。
–タイミーを活用して、これは便利だ!などと思ったポイントを教えてください。
尾上さん:業務をスポットで依頼できる点が非常に便利です。また、出張訪問するようなエリアの展示会での補助スタッフを現地で見つけることができた点は大きかったです。
–予想していなかった副次的効果はありましたか?
尾上さん:タイミーで出会ったデザイナーが仕事に定期的に来てくれるようになりました。スキルの高いデザイナーは、フリーランスとして仕事をしながらスキマ時間でタイミーの仕事をしてくれているようです。ワーカーさんが単発の仕事を見つけやすいタイミーのような仕組みだからこそ、本業を持っているデザイナーとの出会いにつながると感じました。タイミーで出会ったデザイナーは、おもちゃのパッケージデザイン制作補助にも対応してくれています。
これからもデザイン業務に関する定期的な募集を続け、優れたデザイナーと関係を構築するマッチングの場として活用したいと考えています。
–タイミーを導入してどのような変化がありましたか?
尾上さん:東京で開催されるおもちゃの展示会に出展する際に、大阪本社から東京への出張経費をかけずに現地で人材を確保できました。今年の東京おもちゃショーは1日あたり従業員4名、ワーカーさん3名で回していました。そのため、展示会1日あたり、大阪・東京間の往復交通費3名分を削減できているのです。また、既存の従業員が東京に出張して展示会に対応する工数が減り、新しい企画を考えたり、取引先と折衝したりするコア業務に集中できるようになりました。
倉庫作業については、営業担当者や事務担当者が倉庫作業に臨時で対応することがなくなりました。デザイン業務においては、Adobe Illustratorを使いこなせるようなスキルの高いデザイナーをアルバイトとして引き抜き採用をして、週2日から週3日働いてもらえるようになったことが大きな成果です。
また、社内のデザイナーが流し込みや簡易な作業等の負担を軽減できました。簡易な作業でも、急ぎの対応が必要な場合もあり、これまで社内のデザイナーのリソースを圧迫していました。
このようにワーカーさんにさまざまな業務を柔軟に依頼できるようになり、既存の従業員は新しい企画や施策を考えたり、取引先と折衝したりするコア業務にリソースを割けるようになりました。ワーカーさんを臨機応変に活用できるようになり、会社全体で慢性的な人手不足が緩和されています。
–今後の展望を教えてください。
尾上さん:現在、おもちゃに関連する事業が当社の売上の約8割を占めています。今後は、お菓子や手芸の事業を成長させ、おもちゃ、お菓子、手芸で事業の柱を3つ構築したいと考えています。
そのためには、従業員が業務に効率的に対応できる環境を維持・構築する必要があります。業務をコア業務とノンコア業務に分けて、従業員がコア業務に集中し、力を十分に発揮できる環境を整えていきたいと考えています。取材協力:株式会社尾上萬
1904年創業のおもちゃメーカーで、オリジナル商品の商品企画・製造・輸入並びに販売、OEM事業を展開。「はじめてのソーイングセット」は、発売から半年で累計150万個を超える大ヒットを記録。
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