「タイミーを経由して2名のパートさんを採用でき、お客様の予約を断らずに済むようになった結果、繁忙期の売上が1.5倍に増加した」と語るのは、有限会社ボルテックスで役員を務める島森さんです。タイミー導入前の課題と導入による効果について伺いました。
–はじめに、事業内容をお聞かせください。
役員 島森さん(以下、島森さん):熊本県熊本市で和食店「海老処 太陽」を運営しています。私の両親が始めたお店で、2024年で創業42年になります。熊本名物を中心に提供しており、車海老を使った「大海老天丼」や「塩焼き」が人気です。
–席数はどのくらいあるのでしょうか?
島森さん:1階と2階をあわせて70席あります。個室もあり、大広間は32名まで収容可能なので、お宮参りや結納などのお祝い事、宴会でも使っていただいております。
コロナウイルス感染症の拡大を機に、私は東京での仕事を辞めて、父が経営する当店に後継者として入社しました。当時は両親と私の合計3人でお店を経営していましたが、コロナ収束後、海外からツアーで来られる団体のお客様も増え、70席すべてが埋まる日も増えていきました。
–タイミーを導入される前、どのような人材課題・採用課題がありましたか?
島森さん:コロナ収束後にインバウンドおよび宴会の需要が回復し、増加したお客様に3人で対応しなければならない状況でした。30名ほどで来店してくださるツアーのお客様は2階の大広間にお通しして対応しますが、その間にも一般のお客様が来てくださります。ランチタイムには70席が2回転する日も少なくありませんでした。
多くのお客様が来てくださることは大変嬉しいのですが、当時両親もすでに60歳を超えており、体力的な面からも負担が大きくなっていました。
–これまでどのように人材募集や獲得をしていましたか?
島森さん:当時は派遣を中心に活用していました。正直に申し上げると、当店のニーズには合っていなかったと感じます。人材派遣会社を通してスタッフを募集した際、1回の勤務は4時間以上、時給は1,000円以上などの制約がありました。当店の場合、お客様がまとまってご来店されるランチライム2時間の人手がほしいというケースも多く、人材派遣会社のルールに上手く馴染めませんでした。
また、紹介手数料も高く、スタッフが前日に仕事を突然キャンセルしたにもかかわらずサポートがないような状況が続いたため、両親としても継続的な活用に疑問を抱く状況でした。ほかには、求人媒体を活用してスタッフを募集したこともありますが、応募はあったものの面接のキャンセルがあり、結局一人も面接できませんでした。
–どのような経緯でタイミーを知りましたか?
島森さん:友人の紹介で知りました。タイミーのような仕組みでスタッフを募集するのは初めてだったため、はじめは「どのようなワーカーさんが来てくれるのだろうか」という不安がありました。両親も突然のキャンセルを最も心配していましたね。
これまで活用していたサービスでは人材獲得がうまくいっていなかったため、両親と話し合いタイミーの導入を決めました。今になって思うと、当時タイミーの導入を決めて本当に良かったと思います。仕事に来てくれるワーカーさんは、よく働いてくれる方が多く、タイミーを経由して2名のパートさんを採用することもできました。
–タイミーでは、どのような職種やお仕事で募集をしていますか?
島森さん:2023年5月からタイミーの活用を開始し、ホール兼洗い場のスタッフを中心に募集しています。お願いする業務内容は、配膳、バッシング・清掃、食器洗いが中心です。
飲食店経験者を中心に募集しているため、当日の顔合わせの際にワーカーさんの経験を確認し、注文を取る業務をお願いするケースもあります。私と目を合わせてハキハキと話してくれるワーカーさんや、「何をしたら良いですか?」と積極的に確認してくださるワーカーさんも多いため安心して仕事を任せられます。
–ワーカーさんの募集はどのようなタイミングで行っているのでしょうか?
島森さん:シフトが確定した後に、お客様の予約の状況を確認しながらワーカーさんに来てほしい日のおよそ2日前に募集を開始します。2日前に募集を開始してもワーカーさんとマッチングできるスピード感も嬉しいですね。
–タイミー導入により、どのような効果がありましたか?
島森さん:タイミーを経由して2名のパートさんを採用できました。どちらも主婦の方で、最初に仕事に来てくださったときから注文を取ることができ、お客様に対する気配りが素晴らしかったのです。
そのため「ぜひお店に入ってほしい」と考えました。そこからは仕事中の他愛のない会話や仕事上の相性を見極めて「当店で継続的に働いてみませんか」とオファーを出しました。2人とも快諾してくださり、店舗の即戦力となってくれました。
現在は、両親と私、タイミーで採用した2名を含む3名のパートさんでお店を回しています。両親と私の3人で必死になってお客様に対応していた状況を考えると、大きな変化です。
またお客様を断らずに済むようになり、繁忙期の売上が1.5倍に増加しました。両親と私の3名体制のときは、お客様のご予約を対応できる範囲に抑えていましたのですが、現在は予約がいっぱいになっても「タイミーでワーカーさんが見つかるから大丈夫」と安心して対応できています。
そのおかげで2024年12月の繁忙期の売上は、前年比で1.5倍に増加しました。これまでは両親が無理をして働く状況も多かったのですが、現在は両親の負担を減らしながら多くのお客様に対応できる環境が整っています。
–予想していなかった副次的効果はありましたか?
島森さん:仕事に来てくれたワーカーさんが、お客様として料理を食べに来てくれたことが何度もありました。仕事を通してお店のファンになってくれることがあるんだと驚きましたね。
もちろん働きやすいと感じてもらうための工夫やお店を好きになってもらうような工夫をしています。ワーカーさんの負担にならないようにある程度の距離を保ちつつ、積極的に話しかけることや初めて仕事に来てくださったワーカーさんに対して「忙しくてごめんね」「今日は本当にありがとうございます」という声かけを大切にしています。
–今後、島森さんはお店をどのようにしていきたいですか?
島森さん:両親は60歳を超えていることもあり、そろそろ楽をさせてあげたい気持ちがあります。
そのため今後はタイミーを活用して正社員の採用に取り組んでいきたいです。現在、両親が対応している業務を切り分けて正社員の方に任せていくと、両親がお店に出なければならない日も減っていくと思います。例えば、両親は好きなタイミングでお店を訪れて「常連のお客さんの顔だけ見に来たよ」という状況を作れると、二人に良い形で恩返しができるのではないかと考えています。
また将来的には店舗業務の効率化にも取り組みたいです。いずれはハンディターミナルやタッチパネルを導入し、働きやすい動線作りのために店舗の内装も変更したいと思っています。そして、さらに先の話になりますが、将来は熊本市の繁華街などに新店舗を出店したいと考えています。
取材協力:有限会社ボルテックス
創業42年になる和食店「海老処 太陽」を熊本市で運営。熊本県の名物である車海老を使った料理や馬刺し、お刺身、天ぷらなどの和食全般を提供している。
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