
採用代行アウトソーシングで採用を成功に導く!選び方と活用術
採用難の時代、採用活動は十分な成果を上げていますか?時間と労力をかけても求める人材に出会えない、そんな悩みを抱えていませんか?そこで注目したいのが、採用代行・業務委託という選択肢です。プロの力を借りることで、採用活動を劇的に改善し、企業の成長を加速させることが可能です。本記事では、採用代行・業務委託のメリットから、最適なパートナーの選び方、成功事例までを徹底解説。採用戦略を成功へと導くためのヒントが満載です。
採用業務委託(アウトソーシング)とは?
採用業務委託、または採用アウトソーシングとは、企業の採用活動における業務の一部、または全工程を、外部の専門企業やスペシャリストに委託することを指します。これは業務委託の一種であり、主に業務効率の向上やコスト削減を目的に導入されます。採用代行は「RPO(Recruitment
Process Outsourcing)」とも呼ばれ、採用プロセスに関する業務を外部企業が代行するサービスとして認識されています。
採用業務委託が注目される理由
採用業務委託が多くの企業から注目を集める背景には、主に以下の3つの要因が挙げられます。
深刻さを増す人材不足
少子高齢化に起因する労働人口の減少は、企業における人材不足を深刻な問題として浮き彫りにしています。企業内の労働力不足に加え、求職者自体の減少が優秀な人材獲得競争をより一層激化させています。企業は限られた人材を確保するために、これまで以上に採用活動に工夫を凝らす必要があり、その専門的な知識やノウハウを求めて採用代行サービスへの関心が高まっています。
変化し続ける採用手法
従来の求人広告だけに頼る手法では、十分な応募者数を確保することが困難になりつつあります。そのため、企業は自社のニーズに合致する人材を的確に獲得するために、多岐にわたる採用手法を積極的に取り入れる必要に迫られています。グループ面接の導入やインターンシップの実施など、採用業務は複雑化・多様化の一途をたどっており、企業が自社のリソースと知識のみで効果的な採用活動を行うことが難しくなっています。
候補者の採用活動の変化
人手不足が深刻化する現代において、求職者優位の状況が続いており、複数の企業から内定を得ることは珍しくありません。そのため、企業側は内定辞退の可能性を考慮する必要があります。新卒採用に加え、即戦力となる中途採用を積極的に行うなど、多角的な採用戦略が不可欠です。実績豊富な採用代行会社は、企業のニーズに合わせた最適な戦略で、人材獲得を強力にサポートします。
採用業務委託でできること
採用業務を外部に委託する場合、その範囲は委託先によって異なりますが、主に以下の業務を依頼することが可能です。
採用計画・戦略立案
採用活動全体の設計図となる、採用計画の策定から戦略立案、必要な人材要件の定義、KPI(重要業績評価指標)の設定、選考プロセスの設計といった、根幹部分を委託できます。委託先とは密に連携し、認識の相違がないように進めることが重要です。
たとえば、過去の採用実績データや市場の動向を詳細に分析し、最適な採用ターゲットを明確化し、具体的なKPIを設定します。「3ヶ月後の応募数〇〇件」「6ヶ月後の内定承諾率〇〇%」のように数値目標を設定することで、採用活動の進捗状況を客観的に把握できます。
母集団形成
採用候補者の数を増やすための様々な活動を委託できます。具体的には、適切な求人媒体の選定、求人広告の掲載・管理・運用、スカウト(ダイレクトリクルーティング)活動、社員紹介制度(リファラル採用)の導入・促進、SNSを活用した情報発信、採用広報活動、人材紹介会社との連携、企業説明会やインターンシップの企画・実施などが挙げられます。
例として、ターゲット層に最適化された求人媒体を選び、求職者の心に響く魅力的な求人広告を作成します。また、SNSを効果的に活用した情報発信や、従業員による紹介を促すリファラル採用を推進することで、多様なルートから潜在的な候補者を集めます。
応募者管理
応募書類の整理、応募者とのスケジュール調整、問い合わせ対応、選考結果の連絡、採用管理システムへの進捗入力など、応募者対応に関わる業務を外部に委託できます。特に応募者が多い場合、これらの業務は担当者の大きな負担となるため、アウトソーシングすることで大幅な時間と労力の削減が期待できます。
応募者への迅速かつ丁寧な対応を心がけ、選考辞退を抑制します。例えば、応募受付から一次選考結果の通知までを〇日以内に行うといった明確な目標を設定し、応募者体験の向上に努めます。
書類選考・面接
書類選考や採用面接の代行も可能です。特に、面接官の育成には相応の期間とコストがかかるため、迅速に最適な人材を採用したい場合に有効な手段です。面接代行を専門とする企業も存在し、豊富な実績と経験に基づいた専門的な知識で、効率的な採用活動をサポートします。
専門的なトレーニングを受けた担当者が、企業の求める人物像に合致する候補者を選抜します。構造化面接や行動面接といった手法を活用し、候補者のスキル、経験、潜在能力を様々な角度から評価します。
内定者フォロー
内定通知後の連絡や入社前研修の計画など、内定者に対するサポートも委託できます。内定辞退を防ぐためには、内定者との継続的なコミュニケーションが不可欠であり、外部委託によって、採用担当者は選考業務に集中することができます。
内定者向けの交流会や研修プログラムを立案し、内定者の不安を軽減します。定期的な情報提供やメンター制度の導入を通じて、内定者の会社への愛着を深めます。
採用業務委託のメリット
採用代行サービスを利用することで得られる主なメリットは以下の通りです。
本業に専念できる環境を構築
採用業務を外部委託することで、人事担当者はより重要な業務に集中できます。採用活動には、計画策定から応募者とのやり取りまで、多くのプロセスが存在します。これらの煩雑な作業を外部に任せることで、面接実施や最終的な合否判断といった、最も重要な業務に時間を有効活用できます。
例えば、最適な採用戦略を練ったり、候補者の能力を詳細に評価したりすることで、採用活動の質を向上させることが可能です。
費用対効果の向上
採用業務委託は、新たな人材を雇用するよりも経済的なメリットがある場合があります。人事担当者を新たに雇用する場合、年間で数百万円の人件費が発生しますが、採用業務委託を利用することで、より低いコストでサービスを利用できます。また、採用の必要がなくなった際には、サービスを停止できるため、必要な時に必要な分だけ費用をかけることができます。
例えば、求人広告掲載費や人材紹介会社への紹介料などの変動費を抑え、全体の採用コストを最適化することが可能です。
専門知識と経験による効果的な採用
採用業務委託サービスを提供する企業には、採用に関する深い知識や豊富な経験を持つ専門家が在籍しているため、自社で採用活動を行うよりも、短期間で効率的な採用活動が期待できます。
例えば、最新の採用動向や効果的な採用手法を取り入れ、企業の採用活動をより良くすることができます。
採用業務委託の注意点
採用代行を利用する上での注意点は以下の通りです。
社内ナレッジの欠如
採用業務を外部委託すると、社内に採用に関する知識や経験が蓄積されにくいという側面があります。自社の人材だけで採用活動を行うことが難しくなり、常に外部に頼らざるを得ない状況に陥ることも考えられます。委託契約を終了して自社で採用を行おうとしても、十分な知識がなければ効率的な採用活動は困難です。
例えば、採用代行サービスから定期的な報告や改善案を入手し、社内で共有することで、知識の蓄積を促進することができます。
情報漏えいの危険性
外部に業務を委託するということは、自社や社員の情報を委託先に開示する必要があるため、企業の専門的な知識やノウハウが外部に漏れてしまうリスクが生じます。候補者の個人情報や企業内部の情報管理は非常に重要となるため、委託先が厳格な情報セキュリティ対策や個人情報保護体制を整えているか、事前に確認することが必要です。
例えば、委託先との間で秘密保持契約を結び、情報漏洩のリスクを可能な限り抑えることが重要です。
費用が増加する可能性
委託する業務量が増加した場合や、専門性の高い業務を依頼する場合には、報酬が社員の採用・育成コストを上回る可能性があります。また、業務委託では企業側に指揮命令権がないため、サービスの品質を管理することが難しいという点も考慮が必要です。
例えば、事前に委託範囲と料金設定を明確にし、コストパフォーマンスを慎重に評価することが大切です。
業務委託先と密に連絡を取り合い、選考の進捗状況や目標達成度合いを頻繁に共有することが重要です。
採用業務委託の費用と料金体系
採用業務を委託するサービスの料金体系は、主に以下の3つのパターンが存在します。
定額報酬型
依頼する業務内容に応じて、毎月一定の金額を支払う方式です。あらかじめ決められた業務範囲に対するパッケージプランを選択したり、契約期間を設定したりすることが可能です。予算管理がしやすいのが特徴で、特に採用活動にかける費用が限られている企業に適しています。
変動報酬型
業務の量に応じて費用が変動する支払い方法です。多くの採用代行サービスで採用されており、代行期間や対応数に基づいて料金が計算されます。必要な業務のみに費用を配分できるため、特定の採用プロセスに課題を抱えている企業に適しています。ただし、初期費用や面接実施ごとの追加料金が発生する場合もあるため、契約内容をよく確認する必要があります。
成果報酬型
採用活動の成果に応じて費用が発生する支払い形態です。成果は通常、面接の実施数、内定承諾数、または採用人数に基づいて設定されます。初期費用を抑えられるメリットがありますが、成功報酬の金額は比較的高めに設定されていることが多く、採用目標人数が多いほど費用総額は増加します。「即戦力となる人材を少数採用したい」といったピンポイントな採用ニーズや、人材の質を重視する企業に適しています。
採用業務委託の潜在リスクと留意点
採用業務を外部に委託する際には、以下のようなリスクと注意すべき点が存在します。
企業への業務委託
業務委託の範囲を明確にすることが非常に重要です。委託先企業との綿密な情報共有を行い、認識の齟齬がないように努めましょう。依頼した業務範囲と実際の業務範囲にずれが生じたり、予期せぬ追加費用が発生したりするケースが見られます。委託範囲を明確化し、情報共有を徹底することで、このような問題を回避できます。
フリーランスへの業務委託
フリーランスの場合、必ずしも継続的な協力が得られるとは限りません。優秀なフリーランスほど多くの企業から依頼を受けているため、特定の企業がその人材を専属的に確保することは難しい場合があります。連絡頻度や対応時間などが、業務遂行に支障をきたさないか事前に確認することが重要です。
採用業務委託を依頼する手順
一般的に、採用業務委託を依頼する際は、以下の手順で進めます。
1. キックオフミーティング
採用代行サービスの利用開始時に、依頼企業と代行会社の間で最初のミーティングを行います。この場で、プロジェクトの目標、範囲、期間、予算などについて詳細な話し合いを行います。また、プロジェクトに関わるチームメンバーの紹介や、コミュニケーション方法の確認なども行われます。
2. 採用ゴールの明確化
採用代行サービスを利用する上で、まず重要なのは、達成すべき採用目標を定めることです。採用人数だけでなく、求める人材のスキルや経験、適性、そして募集する職種といった要素を具体的に設定します。これらの目標は、企業の戦略に基づいて設定され、採用活動の成功を測るための基準となります。
3. 現状の採用フロー分析
採用代行サービスを提供する企業は、まずクライアント企業の現在の採用プロセスを詳細に分析し、改善点を見つけ出します。求人広告の効果測定、応募者の選考方法、面接の手順、採用条件の提示、そして入社後のフォローアップといった全段階を検証します。
4. 委託業務範囲の決定
採用代行サービスの提供企業とクライアント企業が協力して、どの業務を代行会社に委託するかを決定します。求人情報の作成と公開、応募者の書類選考、面接日の調整、応募者への連絡などが含まれます。委託する業務範囲は、プロジェクトの具体的なニーズに合わせて柔軟に調整されます。
5. 採用関連コンテンツの準備(採用代行会社)
採用代行会社は、魅力的な求人広告、応募を促すメッセージ、効果的な面接を行うためのガイドライン、採用内定通知書など、採用活動に必要な様々なコンテンツを作成します。これらのコンテンツは、求職者に対して企業の魅力を伝え、スムーズな採用活動を支援するために活用されます。
6. 運用開始
採用代行会社は、合意された採用計画に基づき、実際の採用活動を開始します。これには、求人広告の掲載、応募者の受付、書類選考、面接などが含まれます。候補者のスクリーニングや評価も代行会社が行い、クライアント企業と密接に連携しながら、採用プロセスを進めていきます。
7. 週次の定例MTGによる目標進捗状況の確認
プロジェクトの進捗状況を把握するため、定期的なミーティングを実施します。通常は週に一度、進捗状況、課題、今後の計画について話し合います。これにより、プロジェクトの透明性を高め、目標達成に向けてスムーズに進むように調整を行います。クライアント企業との連携を密にすることで、迅速な意思決定を可能にし、採用活動の成功に貢献します。
採用業務委託先を選ぶポイント
採用業務を外部に委託する際には、まず自社が抱える課題や委託したい業務範囲を明確にすることが重要です。その上で、以下の点を考慮して最適な委託先を選定しましょう。
依頼したい業務に対応できるか?
求人広告の作成、応募者管理、面接設定、内定後のフォローなど、自社が委託したい業務を網羅的にサポートできるかを確認します。委託先のサービス内容、実績、得意分野などを比較検討し、自社のニーズに合致する企業を選びましょう。具体的な業務フローや、過去の成功事例などを参考にすると良いでしょう。
例えば、中途採用で特定の職種(エンジニア、営業など)において、年間数十名の採用を成功させた実績があるかを確認します。
豊富な実績があるか?
委託を検討している企業が、類似業界において、年間多数の採用支援を成功させているか、高い顧客リピート率を維持しているか、具体的な成功事例を提示できるかを確認しましょう。これらの情報は、委託先の業界知識、対応力、そして特有の課題に対する解決能力を判断する上で重要です。
例えば、採用決定率を大幅に改善した事例など、実績を具体的な数値で確認することが大切です。
費用見積もりに納得できるか?
初期費用、月額費用、成果報酬の割合など、料金体系が明確に提示されているかを確認しましょう。複数の企業から見積もりを取り、自社の採用規模や予算とのバランスを考慮して比較検討することで、後々のトラブルを避けることができます。
例えば、初期費用、月額費用に加えて、採用人数に応じた費用が発生する場合や、採用業務全体の委託費用など、事前に市場の相場を把握しておくことが重要です。
スムーズなコミュニケーションが可能か?
委託先の担当者が迅速かつ丁寧に対応してくれるか、定期的なミーティングを開催し、進捗状況や課題、改善策などを共有してくれるかを確認しましょう。円滑な情報共有体制が構築されていることは、委託を成功させるための重要な要素です。
例えば、問い合わせに対するレスポンスの速さや、進捗状況を報告するレポートの内容(具体的な数値や分析、改善提案が含まれているか)などを確認します。
コンサルティング能力に長けているか?
企業の採用課題を深く理解し、採用戦略の策定、採用プロセスの改善、市場調査、最適な媒体選定など、具体的なコンサルティング事例を提示できるかを確認します。単なる業務代行に留まらず、より高いレベルでの付加価値を期待できるかが重要です。
例えば、採用プロセスの改善提案によって、内定承諾率を大幅に向上させた実績や、具体的な数値目標と達成に向けた戦略が盛り込まれた提案内容であるかを確認します。
採用業務委託と人材紹介の違い
採用業務委託と混同されやすいサービスとして人材紹介がありますが、両者が提供するサービス内容は本質的に異なります。
委託業務の観点
採用業務委託(RPO)では、企業は採用活動の一連の流れを専門の外部パートナーに委ねることが可能です。採用戦略の立案から求人広告の作成、応募者の集客、応募者情報の管理、書類選考、面接日の調整、さらには採用内定後のフォローまで、採用に関わる全ての業務を包括的に外部委託します。さらに、RPOは単なる業務の代行に留まらず、採用戦略の見直しやプロセスの改善、効率化に向けた専門的なコンサルティングを提供することで、企業全体の採用力を底上げします。
一方、人材紹介は、企業が求めるスキルや経験に合致する人材を独自のデータベースやネットワークを通じて紹介することに特化しています。紹介された候補者に対する面接や最終選考、内定後のフォローアップといった採用活動は、原則として企業自身が主体となって行います。つまり、RPOは採用プロセス全体の外部委託を可能にし、戦略的な支援を含む広範なサービスを提供するのに対し、人材紹介は候補者のマッチングに特化し、企業が採用後のプロセスを担うという点で大きく異なります。
コストの観点
採用業務委託(RPO)の費用体系は、月額固定料金制、成果に応じた変動料金制、または成功報酬型など、複数のプランが存在します。これらの料金は、採用プロセス全体の運用にかかる費用として、固定費と変動費を組み合わせて設定され、委託する業務の範囲や採用人数に応じて費用が変動する仕組みとなっています。RPOの導入により採用プロセスが効率化されれば、社内リソースを削減することができ、長期的に見てコスト削減につながる可能性があります。ただし、採用人数が少ない場合には固定費の割合が高くなるリスクも考慮する必要があります。
一方、人材紹介は、主に成功報酬型の契約が一般的であり、紹介した候補者が実際に入社した場合にのみ費用が発生するため、初期費用を抑えられるというメリットがあります。しかしながら、採用が決定した場合の報酬は、一般的に採用者の初年度年収の30~40%程度と高額に設定されることが多く、特に専門性の高い人材を採用する場合には、一人当たりの採用コストが大幅に増加する可能性があります。
成果評価の観点
採用業務委託(RPO)においては、企業は採用プロセス全体に対して明確なKPI(重要業績評価指標)を設定し、応募数、面接設定率、内定承諾率、採用単価など、各段階における数値をモニタリングします。定期的なミーティングや報告書を通じて、外部パートナーが提供するサービスの成果を継続的に評価し、改善策が実際の採用結果にどのように反映されているかを確認できる体制を構築します。これにより、採用計画の策定から内定後のフォローアップまで、プロセス全体の効率性と質の向上を数値として把握し、企業全体の採用戦略の改善に役立てることが可能です。
他方、人材紹介の場合は、成功報酬型の契約が中心であり、候補者の入社が主要な成果指標となります。採用が成立しなければ費用は発生しないため、企業は採用決定という結果を重視します。また、採用後の定着率や入社後のパフォーマンスといった指標を通じて、紹介会社が提供する候補者のマッチング精度が評価されるため、企業側は採用後のフォローアップを含めた長期的な視点での成果を検討する必要があります。
リスク管理の観点
採用業務を外部に委託するRPO(採用業務委託)では、候補者の情報や企業の機密情報などの取り扱いが重要なリスク要因となります。委託先が、情報セキュリティ対策や個人情報保護に関して、万全な体制を構築しているか、事前にしっかりと確認することが大切です。また、外部の委託先との連携がうまくいかないと、企業側の採用目標や戦略との間にずれが生じるリスクも考えられます。定期的な会議や進捗報告を通じて、密なコミュニケーションを図ることが重要です。
一方で、人材紹介は、採用が成功しなかった場合には費用が発生しないため、初期段階でのリスクは比較的低いと言えます。しかし、採用が決定した際の報酬が高額になる傾向がある点がリスクです。特に、専門性の高い人材を採用する際には、一人当たりのコストが高くなる可能性があります。さらに、紹介された候補者が企業の求める人物像と合致しない場合、ミスマッチや早期退職のリスクも高まります。企業側は、候補者の情報を詳細に確認したり、面接後のフィードバックを徹底したり、入社後のサポートを充実させたりするなど、これらのリスクに対して十分な対策を講じる必要があります。
採用業務委託をしやすいケース
採用業務委託は、次のような状況において特に効果を発揮します。
- 採用業務の量が非常に多く、人事担当者の負担が大きい場合
- 定期的に一定量の採用業務が発生する場合
- 短期間で集中的に多くの人材を採用する必要がある場合
- 採用に関する専門的な知識やノウハウが不足している場合
基本的に、業務量が多い、定期的に同程度の業務が発生する、または短期間(半年から一年程度)で集中的な業務が必要になるなど、企業にとって定期的な負担が大きい場合に、採用業務委託は有効な手段となります。
採用代行が違法となるケースとは?法律を遵守するための注意点
採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)を依頼する際、その業務内容によっては職業安定法上の「職業紹介」または「募集受託」に該当し、法的な許可や届出が求められることがあります。特に、求職者の選考、紹介、合否判断といった業務は「有料職業紹介事業」とみなされ、職業安定法第30条に基づき、厚生労働大臣の許可を得る必要があります。
無許可での職業紹介業務は違法行為
採用代行業者が、対価を得て求職者の情報を企業に提供し、採用選考や合否決定に関与する行為は、職業紹介事業に該当します。この業務を許可なしに行った場合、職業安定法第32条の九(許可の取消し等)や第60条(罰則)により、代行業者だけでなく委託した企業側にも法的なリスクが生じます。
出典:職業安定法.https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141#Mp-Ch_3-Se_1
募集受託に該当する場合は「届出」が必須
企業が第三者に求人情報の掲載や募集活動を委託する「募集受託」は、職業安定法第36条および同法施行規則第37条に基づき、厚生労働大臣または都道府県労働局長への届出が義務付けられています。ただし、「許可制」ではなく「届出制」である点に留意が必要です。
許可・届出が不要なケース
以下の限定的な業務範囲であれば、職業紹介や募集受託には該当せず、許可や届出は不要です。
- 応募書類の受付や面接日程の調整といった事務作業の代行
- 採用試験問題の作成や実施運営など、業務の一部支援
- 求人広告の制作や掲載(広告代理店の業務範囲)
委託企業も責任を負う可能性
無許可の業者に職業紹介に該当する業務を委託した場合、委託元の企業も行政指導や改善命令の対象となることがあります。委託前には、代行業者が厚生労働省の許可を得ているかどうかを、自社のウェブサイトや事業所における表示などで必ず確認するようにしましょう。
採用代行を適法に活用するためには、委託する業務内容が職業紹介または募集受託に該当するかどうかを事前に確認し、該当する場合は必要な許可取得や届出を行うことが重要です。また、業務を委託する企業側も法令遵守を怠ると責任を問われる可能性があるため、信頼できる代行業者を選ぶことが不可欠です。
まとめ
この記事では、採用業務を外部に委託することについて、業務内容、利点と欠点、注意点などを詳しく解説しました。採用代行サービスの活用は、人員不足の解消や採用活動の品質向上など、多くのメリットをもたらします。自社の状況に最適なサービスであるかどうかを慎重に検討し、ご紹介した注意点を踏まえた上で導入を検討することが重要です。ぜひ、採用代行の導入を検討材料の一つとして考えてみてください。
よくある質問
Q1:採用代行は法的に問題となるケースはありますか?
採用代行サービスそのものは、法律で禁止されているものではありません。ただし、業務内容が労働者派遣事業に該当すると判断される場合や、職業安定法に抵触する行為が行われた場合には、違法とみなされることがあります。採用代行会社を選定する際は、法令を遵守する体制がしっかりと構築されているかを確認することが不可欠です。
Q2:採用代行と人材紹介サービスの違いは何ですか?
採用代行は、企業が行う採用活動の一部分、または全工程を代わりに行うサービスです。それに対し人材紹介サービスは、企業が求めるスキルや経験を持つ人材を企業に紹介するサービスです。採用代行は採用活動のプロセス全体をサポートしますが、人材紹介サービスは、候補者の紹介に重点を置いているという違いがあります。
Q3:採用代行を依頼する際に注意すべき点はありますか?
採用代行を利用する際は、委託する業務の範囲を明確にし、採用代行会社との間で認識の相違がないように努めることが大切です。さらに、採用代行会社の過去の実績や得意とする業界、料金体系などを比較検討し、自社の状況やニーズに最も適した会社を選びましょう。


