
離職票とは?ハローワークでの手続きや必要性について徹底解説
「離職票」という言葉を聞いたことはありますか?これは、退職したことを証明する大切な公的書類で、失業給付(失業手当)を受け取るためにハローワークへの提出が必須となるものです。しかし、一体どのような書類で、どのように手続きを進めれば良いのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。本記事では、離職票の基本からハローワークでの手続き、さらにはマイナポータルを利用した新しい受け取り方まで、徹底的に解説します。離職を控えている方、または離職された方は必見です。
離職票とは?基礎知識と役割
離職票は、会社を辞めたことを証明する公的な書類で、「雇用保険被保険者離職票」が正式名称です。主に失業給付(失業手当、基本手当)を受け取る手続きの際に、ハローワークへ提出するために必要となります。退職後、再就職までの期間に失業給付を希望する場合、原則として離職票が不可欠です。
離職票はハローワークが発行しますが、通常は会社が手続きを代行します。退職者が失業手当の受給を希望する場合、会社はハローワークに離職証明書を提出し、ハローワークがそれを基に離職票を発行します。ただし、退職後すぐに別の会社で働き始める場合や、失業給付を受け取る予定がない場合は、発行の必要はありません。
2025年1月20日からは、マイナポータルで離職票の機能が利用できるようになり、一定の条件を満たせば、退職者はマイナポータルを通して直接離職票を受け取ることが可能になります。
出典:2025/01/ . 厚生労働省 ハローワーク . 2025年1月から、「離職票」をマイナポータルで受け取れるようになります! .https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001353550.pdf
離職票の種類:離職票―1と離職票―2について
退職者が会社から受け取る離職票は、「雇用保険被保険者離職票―1」と「雇用保険被保険者離職票―2」の2種類です。一般的に「離職票―1」「離職票―2」と省略して呼ばれることが多いです。
出典:ハローワーク インターネット. 雇用保険の具体的な手続き.https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/info_1_e2_01.pdf
出典:ハローワーク インターネット. 雇用保険の具体的な手続き.https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/info_1_e7_01.pdf
離職票―1:雇用保険の資格喪失の証明
雇用保険被保険者離職票―1(離職票―1)には、雇用保険の資格を喪失した事実が記載されています。失業手当の申請時には、失業手当の振込先となる金融機関名と口座番号を記入し、離職票―2と一緒にハローワークに提出します。この書類は、失業給付の受給資格を判断するために非常に重要です。
離職票―2:離職理由と賃金に関する情報
雇用保険被保険者離職票―2(離職票―2)には、退職理由や退職前の給与に関する情報が記載されています。この書類は失業手当を受け取るために必須であり、退職理由や給与額によって失業手当の支給額や支給期間が決定されます。退職理由が自己都合退職なのか、会社都合退職なのかによって、受給開始までの待機期間や給付される日数などが異なるため、記載されている内容をきちんと確認することが大切です。
離職票が必要となるケース:失業給付の申請
離職票は、失業給付(基本手当)の申請手続きを行う際に不可欠な書類です。退職日の翌日から申請が可能となり、お住まいの地域を管轄するハローワークで求職の申し込みを行うと共に、離職票を提出する必要があります。もし離職票が手元にない場合、失業給付の受給資格を満たしていても、給付金を受け取ることができません。
企業には、離職票の発行義務はありません。しかし、退職者から発行の要請があった場合には、速やかに手続きを行うことが法律で義務付けられています。失業給付の受給を予定しているにもかかわらず、離職票が交付されない場合は、会社またはハローワークに相談してみましょう。
次の就職先が決定済みの場合は基本的に不要
退職後にすぐに転職先が決まっている場合は、原則として失業給付を受け取ることはできません。そのため、離職票も必要ありません。ただし、離職票には雇用保険被保険者番号や加入期間、雇用保険適用事業所番号など、転職後に必要となる情報が記載されています。転職先から離職票の提出を求められる可能性もあります。また、転職先での採用が取り消しになったり、入社後に早期退職せざるを得なくなった場合にも、離職票が役立つことがありますので、発行してもらうことをおすすめします。
離職票はいつ頃届く?発行手続きと期間
離職票が退職者の手元に届くまでには、一定の手順と時間が必要です。退職日からどれくらいの期間で届くのか、発行手続きの流れについて見ていきましょう。
退職後、約2週間を目安に
離職票が手元に届くまでの期間は、退職日からおよそ10日から14日後(約2週間後)が目安とされています。退職後すぐに受け取れるものではなく、会社がハローワークに必要書類を提出し、ハローワークから会社へ離職票が交付された後、会社から退職者へ郵送されるという流れを経るためです。
離職票発行手続きの詳細な流れ
離職票が手元に届くまでのプロセスは、いくつかの段階に分かれています。各ステップにおいて、退職者が行うべきことも存在しますので、しっかりと確認しておきましょう。
STEP1:会社への離職票発行依頼
退職が決まったら、速やかに離職票を発行してもらうために、勤務していた会社の人事担当部署などに依頼することが重要です。退職後は郵送で受け取ることが一般的であるため、退職前後に住所変更がある場合は、必ず会社に新住所を伝えておきましょう。
STEP2:会社による「離職証明書」の準備
会社は離職票を発行するために必要な「離職証明書」を作成します。これは、従業員が雇用保険の対象から外れる手続きに用いられる書類で、会社がハローワークに提出します。会社が記載した内容を確認後、退職者は必要事項を記入・捺印して会社に返送します。
STEP3:会社からハローワークへの「離職証明書」送付
会社は、定められた期限内にハローワークへ離職証明書を送付します。提出期限は、従業員が被保険者資格を失った日の翌日から10日以内です。ハローワークでの手続き完了後、「離職票―1」と「離職票―2」が会社に送付されます。この段階で、退職者側が行うべき作業や手続きはありません。
STEP4:会社から「離職票」を受け取る
会社は退職した従業員に対して「離職票―1」と「離職票―2」を交付します。退職してから10日以上経過しても離職票が届かない場合は、会社に状況を確認することをおすすめします。離職票を受け取ったら、ハローワークで失業給付の手続きを行いましょう。失業給付を申請する際には、離職票に加えて、マイナンバーを確認できる書類、本人確認書類、写真、預金通帳などが必要になります。
離職票は自動的に送られてくる?
離職票は原則として会社が発行手続きを行うものですが、退職者が発行を希望しない場合は、必ずしも発行する必要はありません。そのため、会社によって、希望者にのみ発行する場合と、希望の有無にかかわらず発行する場合があります。退職の手続きをしても自動的に送付されるとは限らないことを覚えておきましょう。また、離職票は雇用保険に加入している「雇用保険被保険者」に対して発行される書類であるため、雇用保険に加入していない場合は発行されません。
離職票の記入方法:退職者が記入する場所
離職票をハローワークに提出する際、退職者自身が記入しなければならない箇所があります。「離職票―1」と「離職票―2」について、それぞれ見ていきましょう。
離職票―1の記入方法:振込先金融機関の指定
「離職票―1」の上部に記載されている離職者の氏名や被保険者番号などは、すでに印字されているはずです。【個人番号】の欄は、ハローワークの窓口で指示を受けてから記入するようにしましょう。退職者が事前に記入する項目は、【求職者給付等払渡希望金融機関指定届】の欄です。ここには、給付金の振り込みを希望する金融機関の情報などを記入します。記入方法に不安がある場合は、ハローワークの担当者に確認しながら進めると安心です。
離職票―2の記入:離職理由の確認とサイン
「離職票―2」の左側は、基本的に会社が記入済みの状態です。 (1)退職する方は、右側の【離職理由】欄にある【離職者記入欄】で該当する項目に丸をつけます。次に、(2)【具体的事情記載欄(事業主用)】の内容をよく確認し、内容に相違がなければ【具体的事情記載欄(離職者用)】に「同上」と記載します。最後に、(3)会社が選択した離職理由について、異議があるかどうかをチェックし、署名してください。失業手当の受給額や期間は、離職理由によって大きく変わるため、もし記載内容に納得できない場合は、ハローワークに相談することをおすすめします。
離職理由の種類:主な7つの区分
離職理由は、大きく7つのカテゴリーに分けられます。それぞれの区分について、意味や具体例を一覧表にまとめました。ご自身の離職理由が適切に反映されているか、確認してみましょう。
離職票を紛失した場合:再発行の手順と注意点
受け取った離職票をなくしてしまった場合でも、再発行が可能です。以前勤めていた会社に依頼する方法もありますが、ハローワークに直接足を運び、再発行の手続きを行う方が、より確実でしょう。
出典:ハローワークインターネット . 雇用保険被保険者離職票再交付申請書 .https://hoken.hellowork.mhlw.go.jp/assist/001000.do?screenId=001000&action=koyohohihoRishokusaikofuLink
事業所所在地を管轄するハローワークで再発行を
お住まいの地域のハローワークでも再発行の手続きはできますが、離職票のデータ管理は、原則として以前勤めていた会社の所在地を管轄するハローワークが行っています。そのため、そちらに依頼する方がスムーズに進む可能性が高いです。ただし、ハローワークで再発行できるのは、元々離職票が発行されていた場合に限ります。一度も発行されていない場合は、まず以前の会社に連絡して発行を依頼しましょう。
離職票は何度でも再交付できる?
離職票は、基本的に何度でも再交付が可能です。ただし、会社を通して再交付を依頼する場合、退職後4年を経過すると対応してもらえないケースがあるので注意が必要です。雇用保険法施行規則第143条には、企業に対して雇用保険に関する書類の保管義務が定められています。具体的には、「事業主及び労働保険事務組合は、雇用保険に関する書類をその完結の日から2年間(被保険者に関する書類にあっては、4年間)保管しなければならない」とされています。離職票は「被保険者に関する書類」に該当するため、企業は従業員が退職してから4年間は保管する義務があります。しかし、裏を返せば、4年経過後は離職票を保管する必要がないため、会社経由での再交付が難しくなる可能性があるということです。
ハローワークで離職票を再交付してもらう方法:3つの申請手段
ハローワークに直接申請して再交付してもらう主な手段は、以下の3つです。それぞれの申請方法について詳しく解説します。
窓口での申請:当日発行も期待できる
離職票は、ハローワークの窓口で再交付を申請できます。原則として、離職した会社(事業所)の所在地を管轄するハローワークで申請した場合、その日のうちに離職票を受け取ることが可能です。ハローワークで備え付けの「離職票再交付申請書」に必要事項を記入し、窓口に提出しましょう。ハローワークのウェブサイトから申請書をダウンロードして、事前に記入・印刷したものを持参することもできます。申請時に必要なものは、本人確認書類、印鑑、マイナンバー確認書類の3点です。もし、再交付の理由が離職票の「紛失」ではなく「破損」である場合は、破損した離職票も併せて提出する必要があります。また、申請書には、氏名、生年月日、離職年月日を記載する必要があります。事前に確認しておくと、スムーズに手続きを進められます。
オンラインでの申請:24時間いつでも受付
オンライン申請でも離職票の再交付手続きが可能です。ハローワークに出向く必要がないため、時間や場所を選ばず、365日24時間いつでも申請できます。オンライン申請は、e-Gov(イーガブ)という行政サービスを利用して行います。申請には、電子署名またはGビズIDが必要となるため、事前に準備しておきましょう。e-Govの申請フォームに、氏名や住所、事業所の電話番号や所在地などの必要事項を入力します。再交付の理由が「破損」の場合は、破損した離職票をスキャンまたは写真撮影し、PDF形式で添付して提出します。申請が完了すると、ハローワークから電子公文書として離職票が再発行されるので、ダウンロードして利用しましょう。
郵送申請:ハローワークに行かずに手続き可能
離職票の再発行は郵送でも可能です。ハローワークに出向く必要がなく、電子署名などの準備も不要なため、手軽に手続きできます。ただし、再発行までに数日以上かかる点がデメリットです。郵送で申請する際は、以下の3点を用意してください。返信用封筒には、ご自身の住所と氏名を明記し、切手を貼って同封してください。また、離職票をより早く受け取るために、退職した会社の所在地を管轄するハローワークに郵送するとスムーズです。
離職票を会社からもらえない、届かない場合の対処法
通常、離職票は退職後10日から14日(約2週間)程度で届くことが多いです。もし2週間以上経っても届かない場合は、以下の情報を参考に状況を確認してみましょう。離職票は、失業給付の申請に不可欠な書類です。受け取りが遅れると、給付金の受け取り時期も遅れてしまう可能性があるため、注意が必要です。
会社への確認:伝え忘れや手続きの遅れ
退職の手続きの際、会社から離職票の必要性の確認がない場合があります。そのため、退職者自身から離職票が必要であることを伝えていないと、会社側で発行の手続きが進められないことがあります。「離職票が必要であることを会社に伝えたかどうか」を確認した上で、会社に問い合わせ、または催促をしてみましょう。事前に離職票が必要であることを伝えていた場合、会社は従業員が被保険者でなくなった日の翌日から10日以内に、ハローワークへ離職票の発行に必要な書類を提出する義務があります。手続きが遅れているようであれば、早めに催促しましょう。
ハローワークへの問い合わせ:手続きの状況確認
会社からハローワークへ必要な書類が提出されているにもかかわらず、離職票が届かない場合は、ハローワーク側で手続きが止まっている可能性があります。直接ハローワークに問い合わせて、状況を確認することをおすすめします。また、以下のようなケースでも、管轄のハローワークに直接相談・問い合わせてみましょう。ハローワークから会社へ直接連絡し、手続きを促してもらえることもあります。
失業給付受給のための事前準備(仮受付):給付の遅延を防ぐ
退職後、一定期間を経過しても離職票が手元に届かない場合は、ハローワークで事前に失業給付の受給手続きを行うことで、給付開始の遅れを最小限に抑えることができます。この事前準備は、退職日の翌日から起算して12日目以降に可能です。手続きの際には、マイナンバーカード、身分証明となる写真付きの書類、預金通帳などを持参しましょう。ただし、事前準備後、最初の失業認定日(通常4週間後)までには離職票が必須となります。もし離職票がなかなか届かない場合は、企業またはハローワークに連絡し、離職票の発行状況を確認することをお勧めします。
離職票と間違えやすい書類:退職証明書、離職証明書、資格喪失届
離職票と混同されやすい書類として、「退職証明書」、「雇用保険被保険者離職証明書」、「雇用保険被保険者資格喪失届」の3種類が挙げられます。これらの書類は、以下の点で離職票とは大きく役割が異なります。各書類の特徴と用途について、詳しく説明します。
退職証明書:退職の事実を証明する書類
退職証明書は、従業員が会社を退職した事実を証明するための書類です。新しい職場への提出や、国民健康保険への加入手続きなどに必要となる場合があります。会社が発行する書類であり、統一されたフォーマットはなく、企業によって書式や記載内容が異なります。退職証明書には、在籍期間、担当業務、役職、給与、退職理由などが記載されます。これらの項目の中で、どの情報を退職証明書に記載するかは、原則として退職者が申請時に選択できます。
雇用保険被保険者離職証明書:ハローワークへの提出書類
雇用保険被保険者離職証明書も、退職を証明する書類の一つですが、会社からハローワークに提出されるものです。この書類は、ハローワークが離職票を発行するために必要な情報を提供するものであり、通常、退職者が直接目にすることは少ないと考えられます。
雇用保険被保険者資格喪失届:雇用保険の資格喪失を証明
雇用保険被保険者資格喪失届は、企業に雇用されていた人が雇用保険の被保険者でなくなった事実を証明する書類です。企業は、この資格を喪失した日の翌日から10日以内にこの書類を作成し、ハローワークへ提出します。この手続きは、離職票の発行を受けるために必要なものです。
まとめ:離職票の手続きを円滑に進めるために
離職票は失業給付の手続きに、退職証明書は転職先から提出を求められた場合に必要となる重要な書類です。紛失しないように、大切に保管してください。もし離職票を紛失してしまった場合でも、再発行が可能です。その際は、この記事で解説した手順に従って再発行の手続きを進めてください。企業側も、退職者の離職票発行手続きを適切に行い、円滑な転職を支援することが大切です。
よくある質問
質問1:離職票はいつ頃受け取れますか?
回答:通常、離職票は退職後およそ2週間程度で会社から郵送されることが多いです。企業がハローワークに離職証明書を提出し、ハローワークが離職票を発行した後、企業から退職者へ送付されます。もし2週間以上経過しても届かない場合は、まずは会社の人事担当部署に確認してみることをお勧めします。
質問2:離職票がないと失業給付は受け取れないのでしょうか?
回答:原則として、離職票がない状態では失業給付(基本手当)の申請手続きを進めることはできません。ただし、離職票の発行が遅れているなどの事情がある場合は、ハローワークにて仮の手続きを行うことで、給付開始を遅らせることなく対応できる場合があります。まずは、お近くのハローワークに状況を相談してみることをお勧めします。
質問3:離職票に記載された離職理由に納得できない場合はどうすれば良いですか?
回答:離職票に記載されている離職理由の内容に異議がある場合は、ハローワークに相談してください。ハローワークが事実関係を調査し、必要に応じて会社側に修正を依頼することがあります。離職理由は、失業給付の金額や受給期間に影響を及ぼす可能性があるため、正確な記載が非常に重要となります。
質問4:退職証明書は必ず取得する必要があるのでしょうか?
回答:退職証明書は、必ずしも取得しなければならないという種類の書類ではありません。しかしながら、転職先の企業から提出を求められたり、国民健康保険や国民年金への加入手続きを行う際に必要となるケースがあります。退職する際に会社に発行を依頼しておくと、後日必要になった場合にスムーズに対応できるでしょう。





