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育休中に副業はできる?知っておくべき条件と注意点

育休中は育児に専念できる貴重な時間ですが、副業をして「家計の足しにしたい」「社会との繋がりを保ちたい」と考える方もいるかもしれません。育休中の副業は原則として禁止されていませんが、育児休業給付金を受け取るためには収入制限や特定の条件が存在します。無知から副業を始めると、給付金が支給されなくなるリスクがあるため、十分な注意が必要です。ここでは、育休中の副業に関するルールや注意点について詳しく解説します。

育児休業制度の概要:仕事と子育てをサポート

育児休業、通称「育休」は、育児・介護休業法に基づいて定められた、仕事と育児の両立を支援する制度です。育休はお母さんだけでなくお父さんも対象で、所定の条件を満たすことで育児休業給付金を受け取ることができます。育休の取得期間は、男性の場合、配偶者の出産日からお子さんが1歳の誕生日を迎えるまで、女性の場合は産後休業の終了日の翌日からお子さんが1歳の誕生日を迎えるまでとなります。また、男女ともに育休を2回に分けて取得することが可能(出生時育児休業を含めると男性は4回に分けて取得可能)です。ただし、保育園への入園を希望しているにもかかわらず入園できない場合や、その他の特別な事情がある場合には、育休期間を最長でお子さんが2歳の誕生日を迎えるまで延長することができます。育休の取得に関しては、具体的な手続きや条件が異なる場合があるため、詳細は厚生労働省の公式サイトや関連機関で確認することをお勧めします。

出典:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし 」

https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355354.pdf

育休期間中の副業:原則として可能、ただし会社の規定を確認

育休期間中に副業を行い収入を得ることは原則として可能です。法律上、育児休業中に副業を禁止する規定は存在しませんが、副業を認めるかどうかは企業ごとの判断に依存しています。そのため、まずは勤務先の企業が副業を許可しているかを確認することが重要です。厚生労働省が発表した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、企業に対して副業・兼業を認める方向での検討を推奨しています。ただし、副業や兼業を禁止または制限する場合は、就業規則に事前に明記する必要があります。特に育休中に副業を行う場合、企業の具体的な方針や条件を確認することが重要です。

出典:厚生労働省「モデル就業規則」

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000118951.pdf

育休中に副業を行うメリット

育休中に副業を行うことは、従業員と企業の双方にさまざまな影響を及ぼします。副業には企業の機密情報の漏洩や従業員の健康管理といったリスクがある一方で、副収入の獲得やスキルの向上といったメリットも存在します。そのため、副業・兼業は従業員と企業の両者にとってプラスになる可能性を秘めていることを理解することが重要です。従業員が副業を行う際の具体的なメリットには以下の点が挙げられます。

従業員のメリット

  • 収入アップ:本業以外の収入源を持つことで、経済的なゆとりが生まれる可能性があります。

  • スキルアップ:本業とは異なる業務に挑戦することで、新しいスキルを身につけ、キャリアの向上に寄与することができます。

  • キャリアの多様化:将来のキャリアプランにおける選択肢を広げる手助けとなります。

  • 社会との繋がり:育児休業期間中に社会との繋がりを維持することは、孤独感を軽減する効果も期待できます。

  • 職場復帰への不安軽減:職場復帰前に仕事の感覚を取り戻すことで、スムーズに復帰できる可能性があります。

企業のメリット

  • 従業員が新たな知識や技能を習得する機会を認め、従業員が本業に応用することで生産性の向上につながる可能性があります。

  • 多様な経験を持つ人材がチームに加わることで、組織全体の活力向上が期待されます。

  • 副業を容認することで、優秀な人材の獲得や定着が促進される可能性があるため、企業にとって価値ある戦略となるでしょう。

育児休業中の従業員は、社会とのつながりが薄れることや職場復帰に対する不安を感じることがあります。これらの不安を軽減し、優秀な人材の確保や離職防止を図るためには、副業・兼業の選択肢を活かしつつ、育児休業を取得した従業員が安心して職場に復帰できる環境を整えることが重要です。具体的なサポート策や取り組みが必要とされています。

育児休業給付金と副業:受給資格と注意点

育休中に副業を行った場合でも、育児休業給付金を受け取ることができる可能性があります。育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が育児休業を取得した際、育児休業期間中の給与が減少した場合などに支給されるものです。

受給資格の一つとして、1支給単位期間における就業日数が10日以下(または就業時間数が80時間以下)である必要があります。この就業日数や時間数には、育児休業を取得している企業以外での就労、すなわち副業による勤務も含まれます。したがって、副業によって働いた日数や時間数を正確に申告することが求められます。

また、育児休業期間中に雇用主から給与が支払われた場合、支給される育児休業給付金はその金額に応じて減額されますが、これは本業の勤務先からの給与に限られ、他の企業での副業に対しては適用されません。出典:2020/12 厚生労働省「事業主・労働者の皆さまへ 育児休業中の就労について」

https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000706037.pdf

社会保険料と副業:免除の条件と注意点

育児休業中の社会保険料の支払いは、企業が手続きを行うことで、従業員本人と事業主の両方が免除されます。この制度は、原則副業をしている場合でも免除を受けることが可能です。

免除されるのは、育休開始日が含まれる月から、終了日の翌日が含まれる月の前月までの保険料です。ただし、育休開始日が含まれる月に14日以上育児休業を取得した場合、同月末時点で育休を取得していなくてもその月の社会保険料が免除されます。さらに、賞与にかかる社会保険料は、賞与月の末日を含み連続1ヶ月を超えて育休を取得した場合に免除されます。

しかし、複数の会社に勤務し、それぞれの会社で加入義務を満たすほど働く場合は、メインとなる会社を選択し、「健康保険・厚生年金保険被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を年金事務所に提出する必要があります。この場合、各企業から受け取った給与に基づいて、報酬月額を合算して標準報酬月額が決定されます。

保険料は、決定された標準報酬月額に基づいて計算され、その後各企業の報酬月額に応じて按分されます。育児休業期間中の保険料免除制度は、休業期間中の就業を前提としていませんが、育児・介護休業法に基づく育児休業の判断に準じて取り扱われます。育児・介護休業法の趣旨を考慮すると、育児をしない期間に元の勤務先で一時的に働くことは可能ですが、定期的かつ恒常的に勤務する場合は育児休業中とは認められず、保険料免除が適用されない可能性があります。

企業が「育児休業等取得者申出書」を提出している場合でも、副業先の企業で健康保険・厚生年金保険に加入するほどの勤務を行うと、育児休業の本来の目的に矛盾が生じる可能性があります。また、副業で健康保険や厚生年金保険の加入要件を満たさない働き方をしていても、定期的または恒常的に勤務している場合、育児休業を取得しているとは認められないことがあります。このため、育児休業中に副業を行う場合は、法律や制度上の義務に十分注意する必要があります。

出典:2023/6/1 日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が育児休業等を取得・延長したときの手続き」

https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/menjo/ikuji-menjo/20140327-05.html

出典:2024/12/6 日本年金機構「複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き」

https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20131022.html


育休中にできるおすすめの副業

育休中の時間を有効に活用し、収入を得るための副業には、さまざまな選択肢があります。ただし、育児との両立や法的制約を考慮する必要があります。ここでは、自宅で対応可能で、育児の合間にも取り組みやすい副業の具体例をいくつかご紹介します。

スキマ時間で賢く稼ぐ!ポイント活動

ポイント活動、通称「ポイ活」は、ポイントサイトを経由してショッピングやサービス利用、金融機関の口座開設などを通じてポイントを貯める活動です。貯まったポイントは、電子マネーや特定の商品、サービスに交換できる場合がありますが、サイトによって異なるため注意が必要です。ポイ活はスマホやPCを使い、場所を選ばず手軽に始められるため、通勤中や休憩時間、お子様のお昼寝中などのわずかな時間を有効活用できます。特別なスキルや知識は不要ですが、信頼できるサイトを選ぶことが重要です。

アンケートモニターで意見をお金に

アンケートモニターは、アンケートサイトに登録し、企業からのアンケートに回答したり、市場調査に協力することで報酬を得る働き方です。Webアンケートだけでなく、商品モニターの案件も存在し、報酬は数十円から数千円と幅があります。特に、商品モニターでは高額報酬が得られることもあります。Webアンケートは、メールで送られてくるアンケートに答えるだけで比較的取り組みやすく、時間や場所に縛られずに行える点が魅力です。また、自分の意見や感想を企業に伝えることで商品開発やサービス改善に貢献できるため、社会貢献を実感しながら収入を得られるのも大きな魅力です。

ブログやSNSで収入アップ!アフィリエイト

アフィリエイトは、自分のWebサイトやブログに、商品を紹介するバナー広告などを設置し、そこを経由して商品が購入されたり、サービスが申し込まれたりすると、成果報酬が得られる仕組みです。専門的なスキルは必須ではありませんが、収入を増やすには、記事の検索順位を上げたり、コンテンツを充実させたりする工夫が必要です。成果報酬型なので、収入がゼロになる可能性も考慮しておきましょう。始めるには、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)への登録が必要です。アフィリエイトは、自分の興味や得意分野を活かして自由に情報発信できる点が魅力です。記事作成やWebサイト運営を通じて、ライティングスキルやWebマーケティングの知識も身につきます。ただし、成果が出るまで時間がかかることもあるため、粘り強く取り組むことが大切です。

フリマアプリで賢く収入源を確保

不要品をフリマアプリに出品することは、副業の一つとして考えられます。ハンドメイド作品を制作し、フリマサイトで販売する方法も有効です。不用品や着なくなった洋服をフリマサイトで売った場合、原則として確定申告の必要はありません。ただし、継続的に利益を得る目的で販売を行っている場合は事業所得とみなされ、所得(売上-経費)が20万円を超える場合には確定申告が必要です。フリマアプリでの出品は、不用品を処分しながら収入を得られる手軽さが魅力です。また、ハンドメイド作品の販売は趣味や特技を活かすことができ、顧客との交流を通じて新たなコミュニティを築ける可能性もあります。

クラウドソーシングサービスの活用:スキルを活かせる多彩な仕事

クラウドソーシングは、仕事を探している人と、仕事を依頼したい企業や個人を結びつけるプラットフォームです。データ入力、テープ起こし、Webライティング、Webデザインなど、さまざまな業務が提供されています。特にデータ入力は、初心者にとって取り組みやすいとされることが多いですが、正確性や注意力が求められるため、個々のスキルによって難易度は異なります。データ入力では、アンケート結果や名刺情報などのアナログデータをデジタルデータに変換する作業が含まれます。また、講演会やインタビューの音声データをテキストに起こすテープ起こし業務も、初心者に人気があります。WebライティングやWebデザインは、特定のスキルや経験を活かしたい方に適しています。クラウドソーシングの魅力は、自分のスキルを活かしながら多様な仕事に挑戦できる点です。時間や場所に縛られず、育児や家事の合間に自分のペースで働くことが可能ですが、競争が激しいため、実績を積むことでより高単価な案件を獲得できるチャンスが広がります。

確定申告:副業による収入と税金の関係

育児休業中でも、副業による所得が年間で20万円を超える場合は、所得税の確定申告が必須です。国税庁のホームページには、確定申告が必要な人として「給与を1か所から受けている人で、給与所得や退職所得以外の所得の合計が20万円を超える人」と明記されています。ただし、副業での年間所得が20万円以下の場合は、原則として申告は不要です。しかし、確定申告を行うことで税金が還付される可能性があるため、副業の報酬から源泉徴収されている場合は、申告をおすすめします。また、妊娠や出産に関連する医療費は、医療費控除の対象となる場合がありますが、その条件や手続きについて確認することが重要です。副業以外の理由で確定申告を行う場合は、すべての所得を申告する必要があります。

副業収入の管理と必要経費の計上

確定申告は、所得に基づいて行われます。ここでの所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額を指します。副業による収入に対して発生した経費を適切に計上することで、課税対象となる所得を減少させることができ、結果的に節税につながります。そのため、副業から得られる収入と経費として認められる支出は、きちんと記録しておくことが重要です。また、副業関連の収入と支出を把握することは、家計管理にも役立ちます。一般的には、以下の条件を満たす支出が経費として計上できます。具体的には、副業で経費として認められる費用には、

  • 必要な道具や材料費

  • 事務所の維持費

  • 自宅で副業を行う場合は、家賃や光熱費などのプライベートと共用している支出

などがあります。プライベートと共用している支出については、副業に使用した割合のみを経費として計上することができます。

住民税の申告と消費税の納税義務

副業での年間所得が20万円以下の場合、確定申告は不要ですが、1円でも利益を得ている場合は、住民登録をしている市区町村に住民税の申告を行う必要があります。所得税は「国の税金」であり、住民税は「都道府県または市区町村の税金」です。所得税には副業での所得が20万円を超えない限り確定申告が不要という特例がありますが、住民税にはその特例がありません。しかし、副業の所得を確定申告した場合、その内容が税務署から市区町村に通知されるため、別途住民税の申告は不要となります。また、取引先によってはインボイス(適格請求書)の発行を求められることがあります。この場合、インボイス発行事業者への登録が必要になり、登録すると消費税を納める義務が発生します。課税事業者であれば、赤字であっても課税売上があれば消費税を納めなければなりません。さらに、インボイスを発行している場合は帳簿の記帳が必要となるため、会計ソフトの導入を検討することをお勧めします。

育休中の副業:家族との時間も大切にしながら、自分らしい働き方を

育児休業は、お子さんの成長を間近で見守るための大切な期間です。まずはご自身の体調や家族との時間を最優先に考え、無理のない範囲でできることを検討しましょう。勤務先が認めていれば育休中に副業をすることは可能であり、育児休業給付金も条件を満たせば受給できます。ただし、育児休業中に副業を行う際には、収入が一定基準を超えると給付金が減額される場合があるため注意が必要です。また、副業による所得が年間20万円を超える場合は、所得税の確定申告が必要になります。日々の収入や経費を記録し、確定申告ソフトの導入を検討することをお勧めします。

まとめ

育休中の副業は、収入の補填だけでなく、スキルアップや社会とのつながりを保つ手段として有効であると考えられます。ただし、育児休業給付金に対する影響や確定申告に関連する注意点は、各自の状況によって異なるため、事前に確認することが重要です。この記事で紹介した情報を参考に、自身の状況や希望する働き方に応じて、無理のない範囲で副業を検討してみてはいかがでしょうか。

質問:育休中に副業を始めた場合、育児休業給付金は減額されますか?

回答:育児休業給付金は、原則として育児休業期間中に勤務先から給与が支払われる場合、その金額に応じて減額される仕組みとなっています。ただし、これは休業している会社から給与が発生した場合に限ります。別の会社での副業による収入は、基本的に育児休業給付金には影響を与えません(受給資格の1支給単位期間における就業日数・時間数の上限は副業を含む)が、副業の就労日数や時間、さらには収入が一定の基準を超えると、育児休業給付金の受給資格を満たさなくなり、支給が停止される可能性がありますので、注意が必要です。

質問:育休中に副業で収入を得ましたが、確定申告は必要ですか?

回答:育休中であっても、副業による所得が年間20万円を超えた場合は、所得税の確定申告を行う必要があります。副業で得た収入から必要経費を差し引いた金額が20万円を超えるかどうかで判断しましょう。忘れずに確定申告を行いましょう。

質問:育児休業中に適した副業はありますか?

回答:育休期間を有効に活用できる副業としては、ポイントサイト活動、アンケート回答、アフィリエイトマーケティング、フリマアプリでの販売、クラウドソーシングサービスの活用などが挙げられます。これらの副業は、自宅で作業でき、育児の隙間時間にも取り組みやすいという利点があります。

監修:社労士 西岡秀泰
監修:社労士 西岡秀泰
西岡 秀泰(にしおか ひでやす) 西岡社会保険労務士事務所 代表 生命保険会社に25年勤務しFPとして生命保険や損害保険等の販売。 その後、社労士事務所を開設し労働保険や社会保険を中心に労務全般について企業をサポート。日本年金機構の年金相談員を兼務。 「ひと」が抱えるさまざまなリスクや悩みに有効な制度や金融商品を、社会保険労務士とFPの立場から紹介します。

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