派遣先責任者の選任方法とは?そもそもの役割や選任のポイントについて解説!
こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。
派遣社員を受け入れる場合には、派遣先責任者を選任する必要があります。しかし、派遣先責任者の選定に関して理解が浅い人もいるでしょう。
本記事では、派遣先責任者の概要や、派遣先責任者の選び方、注意すべきポイントなどを詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.派遣先責任者とは
- 1.1.派遣先責任者の役割
- 2.派遣先責任者の選び方
- 2.1.派遣先責任者の選任要件
- 2.2.派遣先責任者の人数
- 3.派遣先責任者が注意すべきポイント
- 3.1.二重派遣の禁止
- 3.2.労働時間の適切な管理
- 3.3.教育体制を充実させる
- 3.4.福利厚生への配慮
- 3.5.クレームの対応
- 3.6.労働環境の整備
- 3.7.労働者派遣法を遵守すること
- 3.8.個人情報の保護
- 4.派遣先責任者に関するよくある疑問点
- 5.まとめ
派遣先責任者とは
派遣先責任者とは、派遣社員が派遣先の企業で業務を円滑に進められるために管理を行う存在のことです。
労働者派遣法第41条に基づき、派遣先企業が雇用する従業員の中から各事業所で選任されています。派遣先責任者を選任しない場合、労働者派遣法第61条第3号に当たり、30万円以下の罰金をしなければならない可能性があるため注意しましょう。
派遣先責任者にはさまざまな役割が設けられているため、次で詳しく解説します。
派遣先責任者の役割
法規定・労働者派遣契約の内容・派遣元から受けた通知内容などを、派遣社員に関わる全ての人に対して共有する役割が派遣先責任者にはあります。
具体的には、以下7点です。
- 適用される労働関係法令や締結した労働者派遣契約の内容などについて周知すること
- 派遣受入期間の変更通知に関すること
- 派遣先管理台帳の作成、記録および保存等に関すること
- 派遣労働者から申し出を受けた苦情の処理に当たること
- 安全衛生に関すること
- 派遣元(派遣会社)との連絡調整に関すること
- 派遣先における教育訓練や福利厚生施設の提供など均衡待遇に関すること
派遣社員が派遣先企業で円滑に業務を行えるように、派遣社員や周囲の従業員をサポートし、派遣元企業との連絡・調整を行います。
派遣先責任者の選び方
派遣先責任者の選び方について、要件や人数を解説します。
派遣先責任者の選任要件
派遣先責任者に必要資格など要件の規定はありませんが、以下の要件を満たしていることが求められます。
- 労働関係法令に関する知識があること
- 人事・労務管理等についての専門的知識や実務経験など、その職務を的確に遂行することができる者
- 派遣労働者の就業に係る事項に関する一定の決定、変更を行い得る権限を有する者であること
また役員を選定しても問題ありませんが、株式会社・有限会社の監査役は選任できないため注意しましょう。
派遣先責任者の人数
派遣先責任者の人数は、以下のように決まっています。
- 派遣社員の数が100人以下の場合は1人以上を選任
- 100人を超え200人以下のときは2人以上を選任
ただし派遣社員と事業所の従業員数が合計5人を超えないケースでは、派遣先責任者を選任しなくても問題ありません。
また、製造業務に関係する派遣社員が51人以上の場合、既にいる派遣先責任者に加えて専門の派遣先責任者を1人専任する必要があります。
派遣先責任者が注意すべきポイント
二重派遣の禁止
二重派遣とは、派遣元から受け入れた派遣社員を、派遣先がさらに第三者の指揮命令の下で働かせることです。労働者派遣法や職業安定法で禁止されている違法行為であり、違反すると罰則を受ける可能性があるため注意しましょう。
労働時間の適切な管理
派遣先企業では、派遣社員の労働時間を適切に管理することが求められます。派遣社員の労働時間・休憩・休日・時間外労働・休日労働など労働時間管理は、派遣先企業の責任です。時間外労働を任せる場合でも、36協定を満たす必要があります。
教育体制を充実させる
派遣社員が業務をこなせるように、教育訓練を受けさせることが義務付けられています。もし、派遣社員の教育体制を充実させるスキルがない従業員が派遣先責任者の場合、派遣先責任者も仕事内容・必要な手続きなど知識習得のために講習を受けましょう。
また、資格取得など派遣社員の自主的なスキルアップに関しても、派遣先企業は可能な限り協力することが求められています。
福利厚生への配慮
派遣社員が使用する福利厚生は、一般の社員と同様のものとする必要があります。不合理な待遇差を解消するため、現在は派遣先企業の正社員と派遣社員は同一労働・同一賃金がルールです。社員との環境格差が生じてはなりません。
クレームの対応
派遣社員からのクレームを受け付ける担当者を置くことが定められています。特にセクハラ・パワハラ・妊娠や出産に関わるハラスメントなどが起きた場合、迅速かつ適切な対応が必要です。
クレームがあった場合は、人材派遣会社に通知を出し、苦情処理を行いましょう。クレームの結果、派遣契約の更新を行わないなどが生じてはなりません。
労働環境の整備
派遣先企業には、派遣社員が健全に業務に当たることができる就業環境を提供する義務があります。具体的には、派遣社員に対するパワハラやセクハラへの対策などを整備しましょう。
また、健康診断は人材派遣会社が実施しますが、安全衛生に関する教育・事故発生時の対応など健康管理に関しては派遣先会社が行う必要があります。
労働者派遣法を遵守すること
派遣先企業は、労働者派遣法を遵守する必要があります。労働者派遣法に関する内容や、派遣会社から受けた通知内容について、遵守するためにも派遣社員に関わるすべての関係者に伝達しましょう。
また、具体的な遵守内容について、一般の社員と同等もしくはそれ以上の給料を支給することや、契約に基づいた就業規則などがあげられます。
個人情報の保護
派遣先会社は、派遣社員の個人情報を取得できません。
ただし業務遂行において必要な範囲で、派遣社員本人の同意によって以下のような基本的な項目は取得可能です。
- 氏名
- 性別
- 年齢に関する事項(18歳未満の場合は実年齢、45歳以上か60歳以上かどうか)
- 無期雇用派遣労働者か有期雇用派遣労働者であるか
- 健康保険・厚生年金保険・雇用保険の資格取得の有無
これら以外の項目の取得は原則禁止となっています。
派遣先責任者に関するよくある疑問点
派遣先責任者に関してよくある疑問点を、3つ紹介します。
派遣先責任者は正社員でなくても問題ないか
派遣先責任者に必要資格はないため、正社員か否かは限定されていません。ただし、派遣会社との連絡調整や苦情対応の窓口となるため、ある程度の権限が必要です。そのため、派遣責任者の職務を全うするだけの権限がない場合は、正社員以外望ましくないとされています。基本的には正社員を派遣先責任者とする傾向が高いです。
役員を派遣先責任者にすることは可能か
役員を派遣先責任者とすることは可能です。ただし、派遣社員への必要に応じた連絡・調整などの役割(管理等)を行う必要があるため、身近にいる必要があります。
また、株式会社・有限会社の監査役は、派遣先責任者に選任できないと定められているため注意しましょう。
派遣先責任者として選任できる人がいない場合
前述の通り、派遣社員と従業員の合計が5人を超える事業所について、派遣先責任者を選定することが労働者派遣法によって定められています。そのため、選任できる人材が存在しない場合は、そもそも派遣契約を締結できません。
派遣社員を受け入れる前に、まずは派遣先責任者になれる人材を育てる必要があります。派遣先責任者講習など、育成できる機会があるためぜひ参考にしてください。
まとめ
この記事では派遣先責任者について、選任方法や注意点などを解説しました。派遣社員が円滑に働けるようにするため、労働者派遣法で定められている重要な役割があります。この記事を参考に、派遣先責任者を選任してみてください。
派遣先責任者の選任ができたなら、ぜひ最短1分で求人掲載可能なタイミーを利用してみてください。求人掲載費用無料かつ、最短7秒で人手がマッチングしたケースもあり、突発的な人材不足の際も役立ちます。