求人票の書き方にはコツがある!【項目別・テクニック別】記載例付
こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。
人材を確保したいときに、必ず企業が作成するものが求人票です。しかし、求人票を作成したからといって、欲しい人材が応募してくれるとは限りません。
この記事では、効果的な求人票の作成方法について、具体的な内容や押さえておきたい人間の心理、戦略などを解説します。
求人票の効果が出なくて悩んでいる方や、書き方に関する見本を探している方は、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.求人票とは?記載すべき事項と禁止事項
- 2.求人募集の効果が出ない原因の1つは求人票の書き方!
- 3.求職者が求人票を見るポイントとは?
- 4.求人票で活用したい書き方のコツと記載例
- 4.1.【項目別】書き方のコツと記載例
- 4.1.1.①仕事名・求人タイトル
- 4.1.2.②仕事内容
- 4.1.3.③勤務時間・休日
- 4.1.4.④給与・賞与・待遇・福利厚生
- 4.1.5.⑤求める人物像・スキル・経験
- 4.1.6.⑥研修・資格取得制度・キャリアパス
- 4.1.7.⑦会社概要
- 4.1.8.⑧募集理由
- 4.1.9.⑨選考の流れ
- 4.2.【テクニック別】書き方のコツと記載例
- 4.2.1.①文字数制限ギリギリまで書く
- 4.2.2.②記号や改行を使って読みやすくする
- 4.2.3.③かみ砕いて具体的に書く
- 4.3.禁止事項以外に避けた方が良い文言・表現
- 5.求人票を書く際に考慮したい人間の心理・認知バイアス10種類
- 5.1.①アンカリング効果 (Anchoring Bias)
- 5.2.②損失回避 (Loss Aversion)
- 5.3.③ソーシャルプルーフ (Social Proof)
- 5.4.④希少性 (Scarcity)
- 5.5.⑤認知的不協和 (Cognitive Dissonance)
- 5.6.⑥リーセンシー効果 (Recency Effect)
- 5.7.⑦好奇心のギャップ (Curiosity Gap)
- 5.8.⑧内集団バイアス(帰属バイアス) (Ingroup Bias)
- 5.9.⑨ハロー効果 (Halo Effect)
- 5.10.⑩確証バイアス (Confirmation Bias)
- 6.求人票を活用したデジタルマーケティング戦略
- 6.1.SEO対策を取り入れた求人票
- 6.2.ターゲット層へのデジタル広告活用
- 6.3.求人票を活用したコンテンツマーケティング
- 6.4.効果的なランディングページでの求人票活用
- 6.5.メールマーケティングでの求人票活用
- 6.6.ソーシャルメディアでの求人票露出拡大
- 6.7.効果測定と改善の繰り返し
- 7.まとめ
求人票とは?記載すべき事項と禁止事項
求人票とは、求職者に向けて自社の募集概要や労働条件を明示した書類です。職業安定法によって、記載すべき事項と禁止事項が定められています。
求人票の提出先には、ハローワークや民間の人材紹介会社、人材派遣会社、高校・大学・専門学校の就職課などが挙げられます。
厚生労働省によって定められた記載事項と記載例
求人票に明示することが定められている項目と記載例は以下の通りです。
記載すべき事項 |
記載例 |
業務内容 |
一般事務 |
契約期間 |
期間の定めなし |
試用期間 |
試用期間あり(3カ月) |
就業場所 |
本社(〇〇県〇〇市〇ー〇 〇階) |
就業時間 |
9:00~18:00 |
休憩時間 |
12:00~13:00 |
時間外労働 |
あり(月平均20時間) |
休日 |
土日、祝日 |
賃金 |
月給20万円(試用期間中は月給18万円) |
加入保険 |
雇用保険、労災保険、厚生年金、健康保険 |
募集者 |
株式会社〇〇〇 |
(派遣労働者として雇用する場合) |
雇用形態:派遣労働者 |
受動喫煙防止措置の状況 |
屋内原則禁煙(喫煙専用スペース設置) |
※参考:厚生労働省・都道府県労働局「労働者を募集する企業の皆様へ」
各項目について、より詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
記載禁止事項:6つの項目に気をつけよう
求人票の作成において、記載が禁止されている事項は以下6つの項目です。
- 年齢を制限する表記
- 性別に関する表現
- 国籍の表現や限定
- その他差別・優遇的な表現
- 過度な誇張や誤解を招く表現
- 最低賃金以下の給与
中でもうっかり見落としてしまいがちな表現には「20代限定」や「カメラマン」「ブラインドタッチができる方」などがあります。
普段から聞きなれている言葉でも禁止事項に当てはまる可能性があるため注意しましょう。
また、最低賃金の改定に伴う給与変更の見落としもよく見受けられます。
最低賃金は毎年10月を目安に改定されるため、意識しておきたいポイントの一つです。
参考:厚生労働省「募集・求人業務取扱要領」
参考:厚生労働省・都道府県労働局「企業において募集・採用に携わるすべての方へ」
参考:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」
求人募集の効果が出ない原因の1つは求人票の書き方!
求人の募集を出しているのに効果が出ないと悩む採用担当の方は多いのではないでしょうか。せっかく時間をかけて求人票を作成しても、書き方が良くなければ人材の確保にはつながりません。
効果が出ないと感じている場合は、作成した求人票を今一度見直してみましょう。
求人票を見直すポイントは以下の2つです。
1.自社の魅力が伝わる内容になっているか
他社とは違う自社の強みをきちんとアピールできているでしょうか。
どの企業の求人でも通用するような、ありきたりな内容では魅力が伝わりません。
2.ホームページを記載しているか
求職者は、より多くの情報を求めて行動します。
求人票だけでなく企業のホームページを確認する方も多いため、ホームページの記載がないと、得られる情報量が限られてしまい、応募に繋がらない可能性があります。
その他の原因についても検討したい場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。
求職者が求人票を見るポイントとは?
求人票の効果を高めるには、求職者が注視するポイントを理解した上で求人票を作成する必要があります。
採用関連の情報を日々発信しているWebメディアサイト「d's JOURNAL」は、求職者が求人情報のどの項目を多く見ているか調査を行いました。
その結果、長く見ている項目順に「給与」「仕事内容」「就業場所」「雇用形態」「休日」「職種」となりました。
給与や就業場所、休日といった項目は内容を容易に変更することはできません。しかし、仕事内容であれば工夫次第で求職者の目に留まりやすくすることが可能です。
求職者の注視ポイントを踏まえ、仕事内容を中心に自社のアピールに繋がるような書き方を心がけましょう。
参考:d's JOURNAL
求人票で活用したい書き方のコツと記載例
訴求力の高い求人票を作成するには、求職者が知りたい情報をわかりやすく記載することが大切です。ここでは「項目別」と「テクニック別」に分けて詳しく解説します。
【項目別】書き方のコツと記載例
項目別に書くときのポイントは、書き方を工夫して情報量を充実させること。
すぐに真似できる具体的な記載例も併せて解説します。
①仕事名・求人タイトル
求人票の中で最初に目に付く項目が「仕事名・求人タイトル」です。
この部分を見て、興味を持ってもらえなければ、どれだけ魅力的な内容を記載していても見てもらえません。
求職者に「気になる」「もっと詳しく知りたい」と思わせるような仕事名・求人タイトルをつけましょう。
記載例
- ノルマなし!未経験OKの学習教材の法人営業スタッフ
- 大手企業グループでデータ入力メインの一般事務
仕事名(職種名)は、営業職や一般事務など、わかりやすい名称を用いることが前提です。そして仕事名+αとして、扱う商材やメリット、アピールできる点などを付け足します。
ただし、普段からよく耳にしている言葉であっても、以下のような仕事名は法に触れるため注意してください。
よくある代表的なNGワード
- 営業マン
- 看護婦
- 保母さん
- カメラマン
- 女性事務スタッフ
- 家政婦
- ウエイター、ウエイトレス
- セールスマン、セールスレディー
参考:RECRUIT AGENT「効果的な求人票・求人広告の書き方!コツとNG表現も解説」
参考:M’sHR社会保険労務士法人「意外と知らない求人募集のルール」
②仕事内容
仕事内容は、前述の通り求職者が求人票の中で注視する項目です。
求職者が仕事をイメージしやすいように、具体的に明記することを心がけましょう。
専門用語はできる限り使わないようにすることがポイントです。
NG例:荷物を配達する仕事です。
OK例:大手通販サイトの商品を個人宅へ配達する仕事です。
配達には軽ワゴン車を使用し、1人1エリアを担当します。
配達エリアは固定で、1日に20~30件回ります。(日によって配達件数は変動)
仕事で使用する道具や具体的な数字を用いることでイメージがしやすくなります。
文字数に余裕がある場合は、出勤から退勤までの1日のスケジュールを記載すると仕事への理解度がより高まります。
③勤務時間・休日
基本情報に加え、残業時間や休みの曜日・日数など、具体的な数字や実績も併せて明記しましょう。
特に、正社員とアルバイトで勤務時間が異なる場合は、それぞれを分けて記載することで混乱が防げます。
記載例
- (正社員の場合)9:00~18:00 ※繁忙期は1日2時間程度の残業あり
- (アルバイトの場合)9:00~18:00 ※1日6時間、週3日~勤務OK
- 完全週休二日制(土日・祝日)、GW・夏季・年末年始など1週間以上の連休あり
- 年間休日125日以上(2022年度実績)、有給休暇取得率100%
④給与・賞与・待遇・福利厚生
求職者が複数の企業を天秤にかけるとき、比較されやすい項目の一つです。
特に給与は、年数や経験で異なることが多いため、求める人物像に近いモデルの年収例を記載することも効果的です。
支給する手当に規定を設けている場合は、併せて明記しましょう。
記載例
- 月給25万円 ※別途賞与年2回
- 年収420万円:入社3年目/主任(月給30万円+賞与)
- 交通費規定支給(月3万円迄)
- 家族手当(配偶者月1万円、子ども1人につき月5,000円)
⑤求める人物像・スキル・経験
求める人物像・スキル・経験は「必須条件」と「歓迎条件」に分けることがポイントです。
必須条件と歓迎条件を分けて明記することで、企業がどのような特性を持つ方を求めているかが求職者へ伝わりやすくなります。
その結果、双方のミスマッチを防ぐことができ、入社後の定着率にも繋がります。
記載例
- 求める人物像:細かいことによく気が付く方、ルーティンワークが得意な方
- 必須条件:WordやExcelの基本操作が問題なくできる(ExcelはVLOOKUPやAVERAGE関数が使用できるレベル)
- 歓迎条件:事務経験1年以上(顧客対応や簡単なデータ入力の経験)
特にパソコンスキルを必須条件とする場合は、求めるレベルについて細かく明記すると良いでしょう。
⑥研修・資格取得制度・キャリアパス
未経験者や経験が浅い方は、新しい仕事をすることに不安を抱えて入社することも多いため、研修の充実度にも注目しています。
記載例
- 入社後1週間の座学研修ののち、配属部署で3カ月のOJT研修を予定しています。
資格取得制度やキャリアパスは、長期勤務を目指す方に重要視される項目の一つです。
資格取得にかかる費用負担の有無、具体的なキャリアパス(ロールモデル)も併せて明記しましょう。
記載例
- ファイナンシャルプランナー(受験費用会社負担、合格者は資格手当として月5,000円支給)
- 一般社員→主任→係長→課長→部長
※入社2年目で主任、入社4年目で係長に昇進した実績あり
上司やキャリアコンサルタントとの定期的な個人面談を取り入れており、現場で活躍するプレイヤーまたは組織をまとめるマネージャーなど、柔軟なキャリアパスを用意しています。
⑦会社概要
会社概要は、競合他社との差別化が図りやすい項目の一つです。
特に、社長の挨拶や経営理念は求職者の志望動機にもなりやすい傾向があります。
社長が会社に懸ける想いや、会社の行動指針ともいえる経営理念をどれだけ求職者へ届けられるかによって、応募者の質も変わってきます。
きちんと届けたいメッセージを明記することで、
「私が大切にしている考えと経営理念が似ていて共感できる」
「社長が抱いているこの想いに応えたい」
など、同じ志を持つ仲間が自然と集まりやすくなります。
また、自分たちの中では当たり前だと思っていた考え方や行動が会社の魅力になるケースもあるため、情報量を確保してしっかりと記載しましょう。
自社のホームページリンクを記載することもおすすめです。
⑧募集理由
募集に至った背景や会社の経営状況について詳しく明記することが大切です。
求職者は、企業側が考えている以上に求人サイトを見ています。
同じ企業が長期間求人を出していると「この企業はずっと求人が出ている、すぐに人が辞めてしまうのではないか」と詮索される可能性もあります。
嘘を書く必要はありませんが、従業員の負担軽減や業績好調など、前向きな表現を取り入れて明記すると良いでしょう。
記載例
- 業務拡大に伴い、従業員の負担を軽減するための増員募集
- 業績好調!新規事業の立ち上げに伴う新メンバーの募集
- 当社の中核を担う将来の幹部候補の募集
⑨選考の流れ
応募〜内定までの流れを可視化すると効果的です。
特に「面接回数が少ない」「応募から選考結果が出るまでの期間が短い」という点は、メリットになります。
求職者の中には、早く仕事に就きたいと考えている方も多く、スピーディーな選考が好まれる傾向にあります。
記載例
- 応募→面接1回(役員)+適性検査→内定(面接~内定までは約1週間を想定)
※WEB面接も対応可能です。
なお、求職者は同時期に複数の企業の選考に進んでいるケースも多く、結果がわかるまでに時間が長くかかる企業については、内定を辞退する可能性が高くなるため注意が必要です。
【テクニック別】書き方のコツと記載例
求人票を書くときは、最後まで読んでもらえるように工夫する必要があります。
ここでは、全ての項目に共通するテクニックを3つご紹介します。
①文字数制限ギリギリまで書く
情報量は多ければ多いほど求職者へ伝わりやすくなるため、文字数制限ギリギリまで記載しましょう。
文字数が多いことで、求職者に安心感を与えることもできます。
NG例:経験不問!
OK例:経験不問!マンツーマンのわかりやすい指導があるため、未経験者も安心してスタートできます。
②記号や改行を使って読みやすくする
より多くの情報を求職者に伝えるには「読みやすさ」を重視しましょう。
最近は、パソコンに限らずスマホで求人票を見る機会も増えてきています。
作成した求人票は、パソコンで確認するだけでなくスマホでも確認し、記号や改行を用いて読みやすくなるように文章を調整しましょう。
③かみ砕いて具体的に書く
求人票に限らず、文章には読み手がいることを忘れてはいけません。
誰が読んでも内容を理解できるように難しい言葉はかみ砕いて記載しましょう。
NG例:ハンディで商品のバーコードを読み取る仕事です。
OK例:スマホサイズのハンディと呼ばれる専用の機械を使って、商品についているバーコードをピッと読み取る仕事です。
禁止事項以外に避けた方が良い文言・表現
求人票には、禁止事項以外にも避けた方が良い文言・表現があります。
ここでは、避けた方が良い文言・表現を3つ、理由と併せてご紹介します。
避けた方が良い文言・表現 |
理由 |
アットホームな職場 |
・具体性に欠け、入社後のミスマッチが起こりやすい |
仕事以外にも飲み会やボーリング大会などイベントが多数 |
・イベントを好まない求職者もいる ※記載する場合は「自由参加」など、選択の自由があることを伝えると良い |
誰でもできる簡単な仕事 |
・人によって「簡単」と感じる程度が異なる ・誰でもできる=単調な仕事でやりがいを感じられないというイメージを招く恐れがある |
ただし、上記はあくまでも一例です。
避けた方が良いとされる文言・表現を記載したい場合は、求める人物像によって文章を柔軟に変化させることで対応しましょう。
求人票を書く際に考慮したい人間の心理・認知バイアス10種類
求職者の心に響く求人票を作成する方法には、人間の心理・認知バイアスを考慮した書き方もあります。
認知バイアスとは、自身の思い込みや経験によって無意識のうちに非合理的な判断をしてしまうこと。
ここでは、人間の心理・認知バイアスを10種類ご紹介します。
①アンカリング効果 (Anchoring Bias)
アンカリング効果とは、最初に提示された情報を基準に考えることで、その後の判断に変化が現れるという現象です。
例えば洋服を売るとき、本当に売りたい洋服(1万円)よりも高価な洋服(1万2,000円)を先に提示することで、売りたい洋服の成約率が高くなるというもの。
求職者は、最初に目にする情報(数字や福利厚生など)がその後の判断の基準となります。
そのため、適切なアンカー(最初に目にする情報)を設定できれば、よりポジティブな印象を与えることができます。
②損失回避 (Loss Aversion)
損失回避とは、文字通り損失を回避すること。
人は無意識のうちに利益を得ることよりも、多少リスクを負ってでも損失を避けることを選ぶ傾向があります。
そのため、求人票を作成するときは、応募しないことで失うチャンスや機会を強調することで、応募意欲を高める効果が期待できます。
③ソーシャルプルーフ (Social Proof)
ソーシャルプルーフとは、社会的証明と訳されることが多い社会心理学用語の一つです。
商品を購入するときに口コミを見て、高評価なレビューが多ければ「この商品は良い商品だ」と考える方は多いのではないでしょうか。
他者がある行動や選択をすることで、それが正しい・良いことだと認識しやすくなること、これがソーシャルプルーフの心理傾向です。
ソーシャルプルーフの観点から求人票を作成するときは、現在の従業員の声や採用された方々の成功ストーリーなどを紹介することで、応募者に信頼感を与えることができます。
④希少性 (Scarcity)
人は手に入りにくいものや限定的なものに、より価値があると感じます。これが、希少性の原理です。
例えば「数量限定」「〇時までのタイムセール」と聞くと、買う予定がなかったものでも思わず手を伸ばしてしまうといったことなどが挙げられます。
求人票を作成するときは、採用人数を限定したり、応募期間の短さを強調(採用予定人数に達し次第募集を終了と記載)したりすることで、応募者の興味を引くことができます。
⑤認知的不協和 (Cognitive Dissonance)
人は自分の行動や考えが矛盾していることに対して不快感を覚えます。これが、認知的不協和です。
そして人は、この快感を解消するため、自分の考えや行動を変化させると考えられています。
求人票で企業の価値観やビジョンを明確にし、求職者に「自分の価値観と一致する」と感じさせることで応募意欲を高める効果が期待できると考えられます。
⑥リーセンシー効果 (Recency Effect)
リーセンシー効果とは、最後や直前に聞いた情報が印象に残り、行動や評価に影響を及ぼす現象のことです。終末効果や新近効果とも呼ばれます。
人は、古い情報よりも最近聞いた新しい情報をより重視する傾向があります。
そのため、求職者に印象的な情報を求人票の最初と最後に配置することで、応募者の記憶に残りやすくなります。
求職者に伝えたいメッセージは、最初と最後に記載するのがよいでしょう。
⑦好奇心のギャップ (Curiosity Gap)
好奇心のギャップとは「知っていること」と「知りたいこと」の間にギャップがあることで好奇心が芽生え、人は自ら行動を起こすという心理です。
元々人は、未知の情報に対して強い好奇心を持っており、求人票を見る方は特に「どのような会社だろう」「ここで働くとどんな未来が描けるか知りたい」と興味を持っています。
求人票に興味を持たせる情報や独自の魅力を盛り込むことで、求職者の好奇心をくすぐり、より関心を引き付けられます。
⑧内集団バイアス(帰属バイアス) (Ingroup Bias)
内集団バイアスとは、自分が属していない外集団よりも自分が属している内集団の方が優れていると感じたり、肯定的に捉えたりする傾向のことです。
人は、自分と似た人や共通点を持つグループに対して好意的になる傾向があります。
求人票では、企業のカルチャーやチームの特徴を強調し、求職者が自分との共通点を見つけられるようにすることで、魅力的に感じる可能性が高まります。
従業員の出身校を記載するなど、簡単に取り入れやすい要素です。
⑨ハロー効果 (Halo Effect)
ハロー効果とは、一部の目立った特徴や属性が、全体的な特徴や属性に影響を与える現象です。
これは、ポジティブとネガティブのどちらにも効果があります。
例えば、人事評価や採用面接の場において、評価対象者のある顕著な特徴に引きずられることで評価がプラスにもマイナスにもなり得るということ。
求人票ではハロー効果を利用して、企業の良い点や成功事例を強調することで、応募者に全体的に良い印象を与えることができると考えます。
⑩確証バイアス (Confirmation Bias)
確証バイアスとは、自分にとって都合の良い情報ばかりを集め、都合の悪い情報は集めずに排除しようとする傾向性のことです。
人は、自分の既存の信念や期待に沿った情報を受け入れやすい傾向があります。
このことを踏まえて、求人票で業界のトレンドや期待に沿ったポジション、スキルをアピールすることができれば、応募者に適合性を感じさせられます。
求人票を活用したデジタルマーケティング戦略
1人1台スマホや携帯を持つことが当たり前になってきた時代だからこそ、インターネットを活用して効果的に求職者へ訴求することも重要です。
ここでは、求人票をデジタルマーケティングの一部として組み込み、人材確保に活かす方法を7つご紹介します。
SEO対策を取り入れた求人票
SEO対策は「検索エンジン最適化」のことで検索時に情報を上位に表示させたり、目立つ場所に配置したりする施策です。
SEO対策を取り入れた求人票を作成することで、求職者の目に情報を留まりやすくする効果が期待できます。
SEO対策を取り入れた求人票を作成する流れは以下の通りです。
- キーワードをリサーチして求職者が検索する言葉を特定する
- 求人票のタイトルや説明文にキーワードを適切に使用する
- 求人票のURL構造をSEOに最適化する
- 内部リンクや外部リンクを活用して求人票の検索順位を向上させる
ターゲット層へのデジタル広告活用
求めるターゲット層の属性や興味を特定した上で、デジタル広告を有効活用しましょう。
デジタル広告の活用手順は以下の通りです。
- FacebookやLinkedInなどのプラットフォームで、ターゲット層に対して求人票を広告する
- 広告した求人票を訪れた(閲覧した)求職者に対し、リターゲティング広告を用いて再度求人票をアプローチする
- 広告の効果測定および改善のためにデータを解析する
- 解析したデータを基に、ブラッシュアップを図る
求人票を活用したコンテンツマーケティング
ハローワークや民間の人材紹介会社、人材派遣会社を利用しているだけでは、求職者に十分訴求できているとは言えません。
世の中のトレンドに合わせ、企業のブログやSNSなどでも求人票を紹介する記事を作成して露出を増やしましょう。
業界のトピックや問題点に関するコンテンツを作成することで求職者の興味を誘い、求人票への誘導を促すことも大切です。
社員インタビューや仕事の紹介動画など、求人票以外のコンテンツで企業の魅力を伝えることが他社との差別化にも繋がります。
コンテンツの拡散を促すためのシェアボタンやCTAを設置することも効果的です。
効果的なランディングページでの求人票活用
ランディングページとは、サイトを訪れた方が最初にアクセスするページのことです。
採用に特化した効果的なランディングページを用意することで、求職者の意欲をかき立て「もっと詳しく知りたい」「応募しよう」といった次の行動を起こしやすくする効果が期待できます。
ランディングページで求人票を活用するために、用意すべきポイントは以下の通りです。
- シンプルで分かりやすいデザインとナビゲーション
- ターゲット層に訴求力のあるコンテンツ(写真、動画、社員の声など)
- 明確なアクションコール(応募ボタンや問い合わせフォーム)
メールマーケティングでの求人票活用
既存の顧客や興味を持った求職者に定期的なメールを配信することも大切です。
不特定多数に向けられた内容ではなく、1人ひとりに合わせてカスタマイズした求人票を送信することで、個々のニーズに対応します。
そのとき、メールを送りっぱなしにするのではなく、メールの開封率やクリック率を分析し、最適化を図るのがコツです。
集めたデータをまとめ、テンプレート化しておくことで今後の採用にも活かせます。
ソーシャルメディアでの求人票露出拡大
求職者と気軽に接触できるツール「企業の公式アカウント」を積極的に取り入れましょう。
企業の公式アカウントを活用することで求人票の露出拡大が狙えます。
具体的には、以下のような活用法があります。
- 求人票を定期的にシェア
- 業界のイベントやトピックに関連する投稿に求人票へのリンクを添付
- ハッシュタグやターゲット層に興味を引くキャプションを活用
ソーシャルメディアには投稿を拡散する機能が付随しているため、企業のことをよく知らない方の目にも入りやすく、幅広く訴求できるという強みがあります。
効果測定と改善の繰り返し
デジタルマーケティングは、採用活動に取り入れることがゴールではありません。
求人票と絡めて上手く運用し、人材を確保するには効果測定と改善を繰り返す必要があります。
求人票をよりよく活用するためには、具体的に以下の対応が必要です。
- アクセス解析やコンバージョン率のモニタリング
- A/Bテストを実施して求人票のパフォーマンスを最適化
- フィードバックを収集し、求人票のデザインやコンテンツを改善
まとめ
求人票は、採用活動において重要な役割を担う書類です。
会社概要や労働条件といった基本情報だけでなく、求職者にとって有益となる+αの情報を適切に盛り込んで作成することが求められます。
最短1分で求人が掲載でき、最短数秒で求職者とマッチングできる「タイミー」は、1日も早く適任者を探す求人媒体としておすすめです。よりマッチングしやすい求人票にしていくためのサポートも実施しています。
求人掲載費は無料のため、ぜひ一度ご利用ください。