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アルバイトの最低賃金はいくら?|地域別の賃金や法律からの観点でチェック

こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。

「アルバイトの最低賃金はいくらだろう」

当記事をお読みのあなたは上記の疑問をお持ちではないでしょうか。

当記事では最低賃金とは何か、改めての解説と、最低賃金について知っておくべき計算法や知識を解説します。

目次[非表示]

  1. 1.「最低賃金」とは
  2. 2.バイトの最低賃金は2種類存在する
    1. 2.1.地域別最低賃金
    2. 2.2.特定最低賃金
  3. 3.バイトの最低賃金の計算方法
    1. 3.1.時給での計算
    2. 3.2.日給での計算
    3. 3.3.月給での計算
  4. 4.最低賃金が適用される対象者
  5. 5.バイトの最低賃金が除外される賃金
  6. 6.バイトの給料が最低賃金を下回ると法律違反になる
  7. 7.最低賃金を下回って雇用されていた場合後から請求できる
  8. 8.バイトの全国の最低賃金一覧
  9. 9.2024年以降の最低賃金引き上げ予測
  10. 10.バイトの最低賃金改定のタイミング
  11. 11.バイトの最低賃金改定による企業への影響は?
    1. 11.1.従業員がシフトを減らす可能性がある
    2. 11.2.人件費が増える
  12. 12.「まとめ」

「最低賃金」とは

最低賃金とはその名の通り、雇用者が従業員に対して支払う報酬(給与)の最低金額水準です。最低賃金は都道府県労働局長によって決定され、更改される場合は毎年10月から適用されます。

賃金の仕組みを確認すると、定期給与として支給される所得内給与が最低賃金の対象です。定期給与は大半の場合、毎月支払われる給料になります。

所得内給与は基本給と諸手当で構成されています。諸手当は資格手当や住宅手当、通勤手当、家族手当など企業や部署ごとにさまざまです。ただし、諸手当のうち精皆勤手当、通勤手当、家族手当は最低賃金の対象に含まれませんので注意してください。


バイトの最低賃金は2種類存在する

最低賃金が2種類あることはご存じでしょうか。具体的には以下の2つです。

  • 地域別最低賃金
  • 特定最低賃金

どちらも設定されている場合は、金額が高い方が最低賃金として適用されます。よって自分の勤め先に「特定最低賃金」が設定されているのかを確認すべきです。設定されている場合、地域別最低賃金と比較して正しい賃金が設定されているか確認しましょう。

地域別最低賃金

地域別最低賃金は事業所の都道府県ごとによって設定されている最低賃金です。

地域ごとに金額が異なっており、例として東京都が1,113円、沖縄県で896円です。東京都と沖縄県で1.2倍の差があります。
基本的に都市部で人口が集中している地域では最低賃金が高く、人口が少ない地域では最低賃金が低いです。地域別最低賃金は、地域の経済格差を考慮し、生計費をカバーすることを目的としています。よって地域ごとに物価や生活水準が異なるため、差が生まれています。

よって都道府県の境付近に住む人は最低賃金が高い自治体で働く方が、同じ時間働いても給料が増えることになる、と覚えておきましょう。

特定最低賃金

特定最低賃金は特定の産業や職種、あるいは特定の条件下で働く従業員に適用される最低賃金です。特定最低賃金は技能の高さや、地域産業を守る観点から地域別最低賃金よりも高い賃金を設定する必要がある産業、業種に対して設定されます。

例として北海道では乳業が特定産業として定められています。令和4年度の北海道の乳業の特定最低賃金は954円でした。一方で令和4年度の北海道の地域別最低賃金は920円です。この場合、北海道で乳業の仕事をしている人は954円が最低賃金として適用されます。

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バイトの最低賃金の計算方法

バイトの最低賃金の計算方法は以下の3種類があります。

  • 時給で計算した最低賃金
  • 日給で計算した最低賃金
  • 月給で計算した最低賃金

結論を先に述べると、時給、日給、月給のそれぞれに対して時給を割り出すことになります。それぞれで計算した時給が、最低賃金を上回っていなければなりません。

なお最低賃金を上回っていない場合の対応も後述していますので、まずはご自身のそれぞれの時給を計算してみましょう。

時給での計算

時給は単に提示されている1時間あたりの給料です。アルバイトの募集の場合は「時給1,200円」のように明記されているケースがほとんどでしょう。雇用主が違法にならないためには、時給が該当の地方自治台の定める最低賃金額を上回っている必要があります。

例として東京都の事業所でアルバイトをしている場合、時給1,000円で契約していたら、最低賃金を下回っているため違法です。

日給での計算

日給は1日あたりの給料です。バイトの募集で日給が記載されている場合は、1日当たりの勤務時間で割り算をして時給を計算します。また「『最低賃金』とは」で解説した通り、最低賃金の計算対象となる諸手当を含めた計算が必要です。

例として以下の通りです。

  • 東京都の事業所(地域最低賃金が1,113円)
  • 日給が8,000円
  • 職務手当が月に15,000円
  • 月に15日勤務、1日に8時間勤務

この場合は時給の計算は以下になります。

日給8,000円÷8時間 + 職務手当15,000円÷15日÷8時間 = 1,125円

東京都の最低賃金は1,113円のため、この職場の時給は最低賃金を上回っていると言えます。ただし、職場で特定最低賃金が適用されている場合は、この額が異なるため、注意が必要です。

月給での計算

月給は1カ月あたりの給料です。バイトの募集で月給が記載されている場合は、勤務時間と日数(または月当たりの総勤務時間)で割り算をして時給を計算します。また日給と同様に、最低賃金の計算対象となる諸手当を含めた計算が必要です。

例として以下の通りです。

  • 東京都の事業所(地域最低賃金が1,113円)
  • 基本給が150,000円
  • 職務手当が月に20,000円
  • 職能手当が月に10,000円
  • 週休2日制で1日に8時間勤務(1カ月150時間勤務)

この場合は時給の計算は以下になります。

(月給150,000円+職務手当20,000円+職能手当10,000円)÷150時間 = 1,200円

東京都の最低賃金は1,113円のため、この職場の時給は最低賃金を上回っていると言えます。ただし、職場で特定最低賃金が適用される場合は、この額が異なるため、注意が必要です。

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最低賃金が適用される対象者

最低賃金が提供される対象者は、原則として全ての労働者です。正社員、パート、アルバイト、臨時採用などさまざまな雇用形態があります。また学生、主婦などさまざまな立場があるでしょう。しかし、どの雇用形態、立場であっても最低賃金は保証されます。

「原則として」と記載したのは、最低賃金の減額特例を受けるケースがあるためです。以下のケースでは、事業所が都道府県労働局長に申請し正式な許可を受ければ、最低賃金を下回っても許される場合があります。

  • 精神または身体の障害があり、著しく労働能力が低い
  • 試用期間中
  • 職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受ける
  • 所定労働時間が特に短い
  • 軽易な業務に従事する
  • 断続的労働に従事する

逆に上記に当てはまらなければ、すべての労働者に対して最低賃金が保証されます。

参考:最低賃金はすべての人に適用されるのですか? | 奈良労働局

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バイトの最低賃金が除外される賃金

「『最低賃金』とは」にて最低賃金は基本給と諸手当の一部を対象としていることを解説しました。当項では諸手当のうち、どの手当が除外されるのかについて解説します。最低賃金が除外される手当は以下があります。

  • 結婚手当や出産手当など、臨時に支払われる賃金
  • 賞与
  • 時間外割増賃金
  • 休日割増賃金
  • 深夜割増賃金
  • 精皆勤手当
  • 通勤手当
  • 家族手当

上記は最低賃金の計算対象から除外します。臨時的な給与残業、深夜の手当を含めて最低賃金を計算すると、手当がない場合の基本給が最低賃金を大きく下がってしまうためです。

例として、時間外割増金や深夜割増金は25%です。手当を含めた金額で最低賃金を計算してしまうと、最低賃金を25%下回ることになってしまいます。

手当がない場合の基本給を最低賃金として定めることで、明確な最低賃金の基準を示しています。

参考:最低賃金の対象となる賃金|厚生労働省

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バイトの給料が最低賃金を下回ると法律違反になる

バイトの給料が最低賃金を下回ると法律違反となります。

雇用主が最低賃金を下回った契約で従業員を働かせた場合は、最低賃金との差額を払わなければ違法です。罰則が適用され、雇用主が50万円以下を罰金として支払うことになります。もちろん、従業員にも差額支払い義務を負うことになります。

ただし、「最低賃金が適用される対象者」で解説したように都道府県労働局長の正式な許可を受けて最低賃金を下回っている場合は罰則が適用されません。

あなたの労働環境で最低賃金を下回っていると思ったら、確認しましょう。最低賃金を下回っていることが判明したら早急な対応が必要です。


最低賃金を下回って雇用されていた場合後から請求できる

アルバイトであっても、最低賃金を下回っていることが判明したら、3年以内であれば労働基準監督署に対して通報し、後から差額の請求が可能です(2023年11月現在)。

例として東京都で時給1,000円で雇われているケースを考えます。従業員Aさんが100時間働いた場合は、単純計算では100,000円分の支払いが必要です。しかし、東京都の最低賃金は1,113円のため、本来Aさんは111,300円もらう必要がありました。

よって労働基準監督署への通報によって、最低賃金を下回っていることが認められれば差額の11,300円を後から請求できます。雇用主がこれに応じなかった場合、11,300円の支払いに加え、50万円以下の罰金に処せられます。


バイトの全国の最低賃金一覧

2023年10月に採用された日本全国の最低賃金は以下の通りです。なお地域別最低賃金を示したもので、特定最低賃金は異なります。

都道府県名

最低賃金時間額【円】

北海道

960

青森

898

岩手

893

宮城

923

秋田

897

山形

900

福島

900

茨城

953

栃木

954

群馬

935

埼玉

1028

千葉

1026

東京

1113

神奈川

1112

新潟

931

富山

948

石川

933

福井

931

山梨

938

長野

948

岐阜

950

静岡

984

愛知

1027

三重

973

滋賀

967

京都

1008

大阪

1064

兵庫

1001

奈良

936

和歌山

929

鳥取

900

島根

904

岡山

932

広島

970

山口

928

徳島

896

香川

918

愛媛

897

高知

897

福岡

941

佐賀

900

長崎

898

熊本

898

大分

899

宮崎

897

鹿児島

897

沖縄

896

全国加重平均額

1004

参考:​​​​​​​地域別最低賃金の全国一覧


2024年以降の最低賃金引き上げ予測

最低賃金は右肩上がりを続けており、特に特に2015年以降は3%程度ずつの上昇が継続している状況です。

岸田総理は2030年半ばまでに、最低賃金額の全国加重平均を1,500円とする目標を立てました。現在が1,000円程度であることから、目標を達成するために2024年以降も最低賃金の引き上げは継続すると予測されています。


バイトの最低賃金改定のタイミング

バイトの最低賃金のタイミングは例年10月上旬です。

2023年の場合、8月18日に厚生労働省が各都道府県の地域別最低賃金と同時に、それぞれの適用日を公表しました。最速で10月1日、遅くても10月14日に各都道府県の最低賃金が適用されます。

適用後に最低賃金を下回っている場合は、労働基準監督署への通報によって差額を取り返すことも可能です。最低賃金が上がることで、社内のバイト全員の時給が見直されることもあります。ぜひ10月の給料明細を確認して、時給が変わっていないか確認しましょう。


バイトの最低賃金改定による企業への影響は?

バイトの最低賃金改定による企業への影響として考えられることは以下の2点です。

  • 従業員がシフトを減らす可能性がある
  • 人件費が増える

最低賃金が上がることで従業員側は給料が増えることになります。嬉しい状況ですが、複雑な調整が必要になる家庭もあるでしょう。

また企業側から考えると、最低賃金が上がると人件費の増加につながります。従業員全員に波及する可能性もあるため、利益の増加を考える必要がある企業にとっては、支出の増大は決して喜べるものではありません。

従業員がシフトを減らす可能性がある

最低賃金が上がることによって、従業員がシフトを減らす可能性があります。

この影響は主に扶養内で働く従業員に関連するものです。扶養内で働く従業員は年収の壁を意識してシフトを組む必要があります。

年収の壁の撤廃に向けて政府が対策案を打ち出していますが、2023年時点では対策は間に合いません。よって最低賃金が上がった場合、年収の壁を超えないようにシフトを減らす必要があります。

結果として、従業員の勤務時間が減ることになるため、年収の壁に無関係な従業員でシフトを穴埋めしなければなりません。穴埋めをできる従業員がいれば問題ないですが、穴埋めがままならない企業もあるでしょう。

最低賃金改定は従業員のシフトを減らす可能性を考えると、経営状況に大きく影響する可能性があります。

人件費が増える

最低賃金が上がることで、人件費の増加につながります。

時給(給料単価)が上がるため、人件費の増加は避けられません。企業は利益を出すために、支出を抑える必要があります。しかし、人件費増加による出費の影響で、別の支出を減らすか、利益を増やす対策が必要です。

もちろん、利益の増加をしたいところですが、先述したように従業員がシフトを減らす可能性があります。また人件費増加を抑えるために、シフトを減らすことを考えるケースもあるでしょう。労働力が減ることになれば、利益の増加を見込むことは難しくなります。

対策を打てずにいると結果的に、企業は減益を受け入れる必要があります。最低賃金が上がると人件費の増加によって、企業に損失を与える可能性が高いです。


「まとめ」

バイトの最低賃金について解説しました。最低賃金は近年、毎年のように改定されており増額傾向にあります。最低賃金が高くなれば企業には人件費増加や従業員のシフト減などの悪影響を及ぼす可能性が高いです。

シフト減への対策として、新たなバイトを雇うことでシフトの穴埋めをしましょう。「そんなに簡単に言わないでほしい」と思うかもしれません。当ブログでは新たなバイトを雇うための効果的な求人を打ち出す方法について、別記事「効果的な求人内容の書き方!コンセプトや文章を作る際のポイントを徹底解説」でまとめていますのでご覧ください。

そして「Timee(タイミー)」では、シフトの穴埋めをしたいと考えた時にすぐに採用できる仕組みを整えています。最低賃金の改定による対策をしたい企業様は、ぜひ「Timee(タイミー)」の利用をご検討ください。

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