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アルバイトの社会保険加入義務の条件や注意点とは?わかりやすく解説!

こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。

本記事では、アルバイトの社会保険加入における加入条件やメリット・デメリットを解説していきます。加入義務があるにもかかわらず怠ってしまうと法律違反に当たり、最悪の場合懲役や罰金に処されることもあります。

どのようなスタッフに社会保険の手続きが必要になるか、最後まで読んで確認し、漏れなく加入手続きを行っていきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.「社会保険」とは?
  2. 2.アルバイトが社会保険に加入しなくてはいけない条件は?
    1. 2.1.勤務時間及び日数が正社員の3/4以上
    2. 2.2.「満たすべき5カ条」に当てはまった場合
  3. 3.アルバイトを社会保険に加入させなくてもいい条件は?
  4. 4.アルバイトを社会保険に加入させるメリット
    1. 4.1.優秀な人材が応募に来る可能性が高くなる
    2. 4.2.トラブルを未然に防止できる
  5. 5.アルバイトを社会保険に加入させるデメリット
    1. 5.1.会社の負担金が増える
    2. 5.2.手続き作業が増える
  6. 6.アルバイトの社会保険加入の手続き方法は2種類
    1. 6.1.電子での方法
    2. 6.2.郵送で手続き
  7. 7.アルバイトの社会保険の加入手続きを怠るとどうなる?
    1. 7.1.6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金を課せられる
    2. 7.2.未加入期間分の社会保険料を立て替えなければならない
    3. 7.3.ハローワークへ求人の申し込みができなくなる
  8. 8.アルバイトの社会保険加入についての注意点
    1. 8.1.特定事業所の範囲が2016年に変更
    2. 8.2.加入義務があったにもかかわらず未加入であった場合の処罰が存在する
    3. 8.3.アルバイトとの契約内容が変わった場合はすぐに手続きをする
  9. 9.「まとめ」

「社会保険」とは?

社会保険とは、社会保障制度の1つです。国民が怪我・病気・出産・死亡・失業などの生活基盤を揺るがす事態に陥った時に給付を行い、安定した生活を送れるように国や自治体がサポートする制度を指します。

社会保険という言葉には2つの使い分けがあります。 広義では、健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険を指しますが、狭義ではその中でも健康保険、介護保険、厚生年金保険の3つを指しています。

社会保険

労働保険

健康保険
医療保険

介護保険

厚生年金保険

労災保険

雇用保険

病気や怪我の際にかかった医療費をカバーする制度。治療の際にかかった費用の一部が保険料からまかなわれる。

介護を必要とする状態や、日常生活に支援が必要な状態になった場合の介護サービスに対して、一部または全額が保険料からまかなわれる。

働く人が将来年金を受け取るための保険制度で、働いている時の賃金によって支給額が異なる。原則65歳から受給開始となる。

勤務中に起きた事故や怪我、通勤中の疾患・事故・死亡等に対して労働者やその遺族に対して保険が支払われる制度。

失業した場合や再就職を希望する労働者に対して給付金の支給やサポートを行う制度。

気になる方は「個人事業主が従業員を雇用する際に必要な手続きとは?人を雇うメリットや注意点も解説」もチェックしてみてください。


アルバイトが社会保険に加入しなくてはいけない条件は?

アルバイトが社会保険に加入する条件は、従業員の勤務時間や企業規模などによります。分かりやすいチャートを用意しているので、チェックしてみましょう。

勤務時間及び日数が正社員の3/4以上

勤務時間及び勤務日数が正社員の3/4以上の従業員は社会保険に加入しなければなりません。「社会保険の3/4ルール」といった呼ばれ方もしています。

アルバイトやパートスタッフであっても、正社員の3/4以上勤務していれば、同じように社会保険に加入させる必要があります。たとえば正社員が1日8時間・週5日勤務である場合、週6時間・週5日働くアルバイト・パートスタッフは社会保険に加入することとなります。

これは企業規模や従業員数などにかかわらず、すべての従業員に同様のルールとなるため、雇用主は注意が必要です。

「満たすべき5カ条」に当てはまった場合

社会保険の3/4ルールに当てはまらなくても、次の5カ条に当てはまる場合、同様に社会保険へ加入させる必要があります。

  1. 1週の所定労働時間が20時間以上であること
  2. 雇用期間が継続して2カ月以上見込まれること
  3. 月額賃金が8.8万円以上(年約106万円以上)であること
  4. 学生でないこと(夜間や通信制など一部の学校を除く)
  5. 従業員が101人以上の事業所に勤めている

5つ目の条件に関しては、これまで501人以上の事業所に勤務していることが条件となっていましたが、令和4年10月に101人以上に改正されています。さらに、令和6年10月には51名以上に変更予定となるため、社会保険の適用範囲が拡大されつつあります。

また、学生の社会保険加入について悩まれる雇用主の方もいるかもしれませんが、夜間学生や休学中の学生など一部の条件を除いて、学生は原則対象外となります。掛け持ちしている学生に関しても、同じことが言えます。ただし夜間学校に通っている生徒や学校を休学している生徒であれば加入が認められるケースもあります。対象の学生は掛け持ちしている他の勤務先についても把握しておくことが重要です。

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アルバイトを社会保険に加入させなくてもいい条件は?

社会保険に加入させなくても良いとされているアルバイト・パートスタッフの条件は4つあります。

1つ目は、日雇いスタッフです。その日限りの日雇いスタッフは社会保険の加入義務はありません。ただ、結果的に1カ月以上働くなど、長期雇用につながったケースは加入させなければいけないので注意が必要です。

2つ目は、2カ月以内の短期アルバイトスタッフです。もともと期間限定スタッフとして雇用されていれば、社会保険は適用外です。日雇いスタッフと同様、長期契約に切り替える場合は加入させましょう。

3つ目は、臨時的事業の事業所で6カ月以内の契約を結んだアルバイトスタッフです。公共事業の工事案件など終了時期が定められている案件は社会保険に加入していなくても問題ありません。

4つ目は4カ月以内の契約で季節的業務に従事するアルバイトスタッフです。学生にも人気が高いシーズンバイトですが、これも適用外となります。ただしもし4カ月を超える場合は加入させなければなりません。

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アルバイトを社会保険に加入させるメリット

アルバイトを社会保険に加入させることで、雇用主にとって2つのメリットがあります。

  • 優秀な人材が応募に来る可能性が高くなる
  • トラブルを未然防止できる

また、社会的な信用も得やすくなります。社会保険の加入については法律で定められているため、すべての会社が条件を満たす社員を加入させなければならないものの、提示できていない会社もあるのが現状です。求人募集の際などにも必ず記載するなど、意識してアピールするようにしましょう。

優秀な人材が応募に来る可能性が高くなる

1つ目のメリットは、優秀な人材が獲得しやすくなる点です。社会保険完備は、福利厚生の一部です。あらかじめ求人募集の広告に記載しておくことで、「きちんとした会社である」という印象を与え、条件を満たしていてもいなくても安心して応募することができるでしょう。

また、社会保険に加入する条件を満たすスタッフは、勤務時間・日数ともに多く働くため、雇用主にとっても欲しい人材となります。短期ですぐに辞めてしまうような募集とは違い、長く安定して働く人材の獲得につなげられる可能性が上がります。

トラブルを未然に防止できる

2つ目のメリットは、トラブルを未然に防げる効果がある点です。

そもそも社会保険の加入は法律で決められている義務です。本来加入する条件を満たしているスタッフに対して、未加入であることが知られた場合、労務トラブルのような争いに発展する可能性もあります。また、最悪のケースとして故意に支給していなかった場合など最大で6カ月の懲役または50万円の罰金が課せられることがあります。

特に社会保険に含まれる厚生年金の額は、将来スタッフが受け取る年金額にも影響します。新しいスタッフを採用する前や既存スタッフの雇用中、定期的に勤務時間や日数をチェックして追加の加入者がいないか確認しましょう。

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アルバイトを社会保険に加入させるデメリット

アルバイトを社会保険に加入させるとデメリットもあります。

  • 会社の負担金が増える
  • 手続き作業が増える

加入することは義務なので、やむを得ないのですが事前にデメリットも把握しておきましょう。とくに社会保険料の支払負担については経営状態によって調整が必要なケースもあります。計算方法も合わせて解説していきます。

会社の負担金が増える

1つ目のデメリットは、社会保険料のうち、厚生年金保険と健康保険は会社が半分支払うため、人件費が増えてしまうことです。

会社の負担額がどのくらい増加するか知りたい方は、厚生労働省が公表している「社会保険料かんたんシミュレーター」を使ってみましょう。社会保険に加入する対象人数を入力すると、概算にはなりますが、目安金額を知ることができます。

もし自社の経営状況を踏まえて、社会保険料を増やすのが難しいようであれば、既存スタッフのシフト調整を行ったり、学生の割合を増やしたりといった対応が求められます。

手続き作業が増える

2つ目のデメリットは、雇用側の手続き業務が増える点です。社会保険の加入手続きは、切り替えのタイミングから〇日以内に書類を提出するなど、各所への提出期限が設けられています。提出先も異なるため、対象の従業員から必要な書類を集めて期日までに各所に提出するという業務が発生します。

仕事量に余裕がある事業所であれば問題ありませんが、人手不足や業務過多に悩む事業所であれば事務作業の手続きが増え、一時的にバタバタしてしまう可能性があります。

従業員に必要な書類をあらかじめ伝えておくなど、ゆとりのあるスケジュールで動かしていくことが重要です。

労務管理の負担を軽減する方法について詳しく知りたい方は、「スキマバイト採用で労務管理の負担軽減!タイミーが提供する簡単な解決方法」もチェックしてみてください。

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アルバイトの社会保険加入の手続き方法は2種類

アルバイトを社会保険に加入させようと決めたら、手続き方法は電子申請と郵送申請の2種類あります。社会保険は事業所ごとに加入する必要があるため、複数事業所をまたぐ会社は
すべての場所で申請手続きが必要になります。

どちらの方法を選んでも構わないのですが、今はDX推進により、電子申請の方が推奨されています。電子申請と郵送手続きについて詳しく解説していきます。

電子での方法

電子申請は、オンライン上で社会保険の加入手続きを済ませる方法です。

申請方法はいくつかあります。日本年金機構のサイトにある「事業所別おすすめ申請方法の判定フロー」というページから、チャートに沿って自社の申請方法を選ぶと良いでしょう。

電子申請・オンライン事業所年金情報サービス GUIDE BOOK」から詳しいマニュアルもチェックできるため、選んだ申請の方法を確認してみてください。

電子申請のメリットは多く、慣れれば郵送よりもスムーズに進められるでしょう。

  • 申請する場所や時間を選ばない
  • 窓口まで足を運ぶ必要がないため、交通費などのコストカットにつながる
  • 書類紛失のリスクがなくなる

ただし、特定の会社は電子申請が義務化されているので注意が必要です。

  • 資本金または出資額が1億円を超える法人
  • 保険業法に基づく「相互会社」
  • 投資信託及び投資法⼈に関する法律に基づく「投資法人」
  • 資産の流動化に関する法律に基づく「特定目的会社」

参考:日本年金機構「電子申請義務化リーフレット

郵送で手続き

郵送で手続きする場合は、健康保険・厚生年金保険適用関係届書・申請書を各地の事務センターもしくは年金事務所に送ります。

書類は手書きで記入するため、誤字・脱字に注意が必要です。もし間違えてしまうと正式に受理されない可能性があります。申請が遅れてしまうと追加の書類提出が必要となり、手間が余計に増えてしまいますので、慎重に作業を進めましょう。

必要な書類は日本年金機構のホームページ「主な届書様式の一覧」からダウンロードすることができます。事前に準備しておき、余裕を持って発送しましょう。


アルバイトの社会保険の加入手続きを怠るとどうなる?

対象のアルバイトを社会保険に加入しないとどうなってしまうのか、3つの事象について解説します。

  • 6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 未加入期間分の社会保険料の立て替え
  • ハローワークへ求人の申し込みができなくなる

経営や採用活動に大きな影響をもたらすため、必ず加入させる必要があります。

6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金を課せられる

もし自社の従業員が社会保険に未加入であることが見つかった場合、年金事務所から加入指導が入ります。重点的な加入指導を行っても手続きを行わない事業所に対しては、年金事務所の職員が立ち入り検査を行うケースもあります。

この立ち入り検査において、回答を拒否したり、正当な理由を説明できなかったりすれば、健康保険法208条により6カ月以下の懲役、または50万円以下の罰金に処されてしまいます。

未加入期間分の社会保険料を立て替えなければならない

年金事務所の加入指導や立ち入り検査の結果、強制的に加入することになれば過去2年間分の費用についても遡って保険料を納める必要が出てきます

未加入者の数が多ければ多いほど、立て替える金額が増えてしまい、さらに10%を上乗せした追徴金も支払う必要があるため、経営にも大きな影響を与えます。また、既に退職してしまったスタッフも対象になります。同じように遡って不足している保険料を納めることになり、確認作業や事務手続きに追われることになるでしょう。

ハローワークへ求人の申し込みができなくなる

社会保険に未加入の事業所は、ハローワークの窓口から申込を断られます。社会保険の未加入は社会的な問題になっており、ハローワークはそのような事業所が増えないよう未然に防ぐ役割も果たしているため、求人票をくまなくチェックし、募集条件に不備・不足があれば受け付けてくれません。

社会保険の未加入だけではなく、試用期間の記載方法や残業時間と賃金の計算方法など、労働者が安心して働ける条件を提示できているか確認・指導を行ってくれます。


アルバイトの社会保険加入についての注意点

アルバイトを社会保険に加入させる際、気をつけるポイントが3つあります。

  • 特定事業所の範囲が2016年に変更
  • 加入義務があったにもかかわらず未加入であった場合の処罰が存在する
  • アルバイトとの契約内容が変わった場合はすぐに手続きをする

特定事業所の範囲が2016年に変更

「満たすべき5カ条」でも紹介したとおりですが、これまでは501人以上の事業所が、特定事業所として社会保険の加入義務を担っていました。しかし令和4年10月に101人以上の事業所に変更されています。

今後の動きとして令和6年10月には51名以上の事業所に変更となります。自社の従業員規模を踏まえて加入の有無を確認することが重要です。

加入義務があったにもかかわらず未加入であった場合の処罰が存在する

こちらも既に詳しく解説しましたが、社会保険の加入義務があったにもかかわらず未加入の場合、法律違反と見なされ処罰が科されます

せっかく長期でシフトにたくさん入ってくれるスタッフを雇用していても、未加入が発覚すれば信用・信頼問題にも関わるので気をつけましょう。

アルバイトとの契約内容が変わった場合はすぐに手続きをする

雇用中に加入条件を満たさなくなるケースもあります。勤務日数が減ったり、年収が下がったりしたことで社会保険の対象外となった従業員に対しては「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届」の手続きを行う必要があります。申請は発生から5日以内と定められているため、注意深く確認し、素早く対処することが重要です。

日頃から従業員と勤務日数について相談する環境を整えておき、社会保険の加入希望についてもしっかり話をしておきましょう。現場でマネジメントがきちんとできていれば、「いつのまにか喪失者がいたことに気が付かなかった」といった事態も防ぐことができます。


「まとめ」

アルバイトの社会保険には、加入させるための条件があります。

①正社員の3/4以上働いている
②満たすべき5カ条を満たしている

本記事で紹介しているフローチャートも活用しながら勤務状態を確認し、加入手続きを行いましょう。

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