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採用広報とは?事例付きでメリットから具体的な手法例まで徹底解説

こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。

求人広告を出しても応募者が集まらない、あるいは、内定や採用を通知しても、内定辞退や採用後すぐに退社する者が多い、結果的に人手不足が解消しない、こうした悩みはありませんか。

この記事では、採用広報により、「あの企業で働きたい」という人材を戦略的に集めるためのノウハウを解説していきます。ぜひ参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.採用広報とは?概要や重要性を解説
    1. 1.1.採用広報=採用を成功させるための広報活動のこと
    2. 1.2.採用広報が重要視されている理由
  2. 2.企業が採用広報を行う3つのメリット
    1. 2.1.企業の認知度を上げてエントリー数を増やせる
    2. 2.2.採用コストを削減できる
    3. 2.3.ミスマッチによる内定辞退や早期離職を防げる
  3. 3.効果的に採用広報を進めるための5ステップ
    1. 3.1.1.目的・ゴールの設定
    2. 3.2.2.ターゲットの明確化
    3. 3.3.3.コンテンツの検討・作成
    4. 3.4.4.採用手法・媒体の検討
    5. 3.5.5.KPI・KGIの設定
  4. 4.採用広報に活用できる「トリプルメディア」
    1. 4.1.オウンドメディア(ホームページ・自社ブログ) 
    2. 4.2.アーンドメディア(SNS・口コミサイト) 
    3. 4.3.ペイドメディア(広告・イベント) 
  5. 5.採用広報を成功させるためのポイント3つ
    1. 5.1.目先の利益やゴールだけを見ない
    2. 5.2.さまざまな部署や立場のメンバーに協力してもらう
    3. 5.3.発信内容には一貫性をもたせる
  6. 6.採用広報が失敗しがちな理由
    1. 6.1.適切なKPI設定がされていない
    2. 6.2.経営陣と実際の担当間で認識にズレがある
    3. 6.3.通常業務の片手間で採用活動を行っている
    4. 6.4.社内にノウハウがほとんどない
  7. 7.【成功事例】採用広報が上手い企業3選
    1. 7.1.サイボウズ株式会社
    2. 7.2.株式会社メルカリ
    3. 7.3.株式会社BAKE
  8. 8.2023年最新!採用広報のトレンド
  9. 9.採用広報に関係するおすすめの本
    1. 9.1.「逆襲の広報PR術」野澤直人 著
    2. 9.2.「中途採用の定石」今啓亮 著
    3. 9.3.「広報・PRの基本」山見博康 著
    4. 9.4.「新・戦略思考の広報マネジメント」企業広報戦略研究所 編集
    5. 9.5.「戦略思考の広報マネジメント」企業広報戦略研究所著・清水正道 監修
  10. 10.まとめ

採用広報とは?概要や重要性を解説

採用広報とは、企業が求める人材を自社に就職先・転職先としてアピールするための広報活動です。ここでは、採用広報の基本と、採用広報がなぜ重要なのかについて解説していきます。

採用広報=採用を成功させるための広報活動のこと

採用広報とは、企業が求める人材に自社を就職先・転職先として検討してもらい、入社してもらうための広報活動です。

一人でも多くの求職者に対して、自社の魅力や強みをアピールし、多くのエントリーを集めて優秀な人材を採用することが目的であり、採用マーケティングとも呼ばれます。

今は採用広報の手段は多様化しています。具体的には、会社案内、会社説明会や会社訪問などの伝統的な採用活動に加えて、オンライン説明会やSNS、ブログ、動画あるいは音声などを通じて自社の職場の雰囲気や従業員の生の声を情報発信する手法もあります。

採用広報を含む採用活動の重要性についてさらに詳しく知りたい方は「採用活動を成功させるポイントとは?低コストで採用する方法も紹介」の記事もご覧ください。

採用広報が重要視されている理由

少子高齢化に伴う若年世代の減少により、戦略的に採用活動を行わなければ、優秀な人材が採用しにくくなったことで、今、採用広報が重要視されています
さらに、インターネットの普及により、デジタルメディアが多様化し、求職者自身が情報を収集しやすくなりました。特に若い世代は、就職や転職に関する情報を積極的に探し、「この企業で働きたい」と選択する人が増えています。

そのため、伝統的な採用活動にとどまる企業には、「志望者が十分に集まらない」という事態も多くなりました。また、内定辞退者や入社後早期に退職するなどのミスマッチが減らないなどの課題を抱えるようになりました。


企業が採用広報を行う3つのメリット


戦略的に「採用広報」を活用すれば、企業は求職者に自社を理解してもらい、好意的な応募者を増やすことができます。

したがって、採用後のミスマッチが減少し、求める人材を確保するだけでなく、採用コストも削減できます。

企業の認知度を上げてエントリー数を増やせる

採用に関する情報を継続的に発信することで、自社の情報がこれまで以上に人の目に触れる機会が多くなります。その結果、自社を就職先あるいは転職先と認識していなかった層にも認識されるようになります。

自社が募集を開始した際に、これらの求職者が「応募してみよう」と考え、候補者となる可能性が高くなります。

そして、エントリー数が増えると、優秀な人材と出会う機会も増えるため、よい採用活動が期待できます。

採用コストを削減できる

戦略的な採用広報を実施すれば、採用募集時には既に、自社の魅力的な面や従業員の職場の様子、あるいは労働条件などが発信されているため、応募段階で求職者は自社について理解を深めています。

このように自発的に応募してくれる求職者が増加すれば、人材紹介会社や求人広告などの外部サービスの利用機会も減ります

さらに、よく自社を理解している者が応募・面接を受けるため、採用段階でお互いのミスマッチなども防ぎやすくなります。

つまり、採用広報によって、外部の媒体などの利用コスト削減や効率の良い採用などが可能となり、コストの削減ができます。

ミスマッチによる内定辞退や早期離職を防げる

例えば、採用広報を通じて、自社の経営戦略・経営ビジョン、業務内容、職場環境、労働条件などを理解して入社する者は、入社前と後で仕事に対する期待値のギャップも小さいため、期待通りの勤務が見込めます。

こうした応募者は面接段階でも、既に自社に対する理解が進んでいるため、「面接で何となく違うと感じた」などの面接辞退者も防げる傾向にあります

つまり、採用広報を通じて、より自社を理解する応募者が増えるため、面接時点や採用後の配属においても、入社前後のイメージギャップも少ないため、ミスマッチが起こりにくくなります。

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効果的に採用広報を進めるための5ステップ

採用広報を効果的に進めていくには、自社にとって効果が上がる採用広報戦略が必要になります。

ここでは、そのために必要な5つのステップについて解説していきます。

1.目的・ゴールの設定

まず、何のために採用広報を行うのか、自社の目的を明確にしましょう。そのためには人事採用に関する自社の課題を分析する必要があります。例えば、以下のような課題を持つ企業では、目的やアプローチ、そして狙うべきゴールも違ってくるでしょう。

  1. 募集を行ってもエントリー数が少ない場合
    2.内定辞退や採用後に定着率が悪いなどミスマッチを起こしている場合

1の場合は、自社の認知度をまずアップさせる必要があります。

2の場合は、採用広報を通じて自社の経営ビジョン・業務内容・労働環境などをもっと理解してもらう必要があるでしょう。

2.ターゲットの明確化

次に、自社が採用したいと考える人物像を設定し、合否基準なども定義すると良いでしょう。ペルソナ像の明確化もポイントです。その上で、自社の採用課題に沿った求職者層をさらに絞りこみます。

例えば、エントリー数の少なさが課題の企業の場合、想定するペルソナがよく利用するSNSや媒体などを選別し、そこで社名や事業内容を知ってもらうようなアプローチが必要でしょう。

一方、ミスマッチが課題の場合、職場環境や労働条件など働き方に関する情報の開示を進めていきましょう。

3.コンテンツの検討・作成

目的やターゲットが何であれ、共通しているのは、自社の魅力を正確に発信することです。経営ビジョン、業界の動向、中長期の経営目標や経営戦略といった経営的な内容の開示は、自社の価値観を求職者と共有する場合に適しています。

一方、業務内容や先輩インタビューなどの職場環境、労働条件や福利厚生など、実際に求職者が入社した場合に直面する職場環境に関するものは入社後の自分をイメージしやすく、定着率の向上などに貢献してくれるでしょう。

前者は認知度を上げたい場合、後者はミスマッチを減らしたい場合のコンテンツとして適しています。

4.採用手法・媒体の検討

コンテンツをまとめたら、次は発信手段(媒体)を決めます。従来型のテレビコマーシャルからSNS・オウンドメディアなどさまざまな伝達手段がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の広報目的やターゲット層に最も適した媒体を選びましょう。

例えば、知名度・認知度向上が目的の場合、極端な場合は、求職者を意識したテレビコマーシャルなどで自社の印象を強化できます。「何だか面白そうな会社」という印象を持たせれば認知度は確実にアップするでしょう。

5.KPI・KGIの設定

KPIはKey Performance Indicatorの略語で、重要業績評価指標を意味します。KGIとは、Key Goal Indicatorの略語で、重要目標達成指標を意味します。

例えば、採用活動の目標として「エントリー数を100人にしたい、そのために自社の採用WebページへのPV数を1日1000とする」、という目標設定をした場合、前者がKGI、後者がKPIになります。

KGI、KPIの設定は、採用広報活動の成果を評価し、達成度を客観的に判断できるため非常に重要です。事前に経営陣とも合意を得て、具体的な目標とその評価方法を設定することが大切です。

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採用広報に活用できる「トリプルメディア」

採用広報の5つのステップが検討できたら、どのような媒体を活用すればよいのかを考えましょう。

採用広報でよく用いられる手法が、「トリプルメディア」戦略と呼ばれるものです。

以下では、3つのメディア戦略の内容と具体的なメディアについて説明していきます。

オウンドメディア(ホームページ・自社ブログ) 

オウンドメディアは、自社が運用するメディアサイトを指します。これには自社のウェブサイト、ブログ、自社専門の採用サイトなどが含まれます。

オウンドメディアは、自社の知名度を着実に高め、中長期的な採用力の向上を目指す企業に適しています。内容やデザインは自由にカスタマイズでき、経営目標や業務内容、社員のインタビューなどを活用して、求職者に魅力を伝えるページを作成できます。ただし、メンテナンスが必要で、情報を定期的に更新する必要があります。

アーンドメディア(SNS・口コミサイト) 

アーンドとは、「獲得」を意味し、有料広告を除くメディアを指します。これは求職者などの信頼を獲得するために運営されるメディアで、SNSや就職・転職の口コミサイトなどが該当します。

アーンドメディアもオウンドメディアと同様に、基本的には中長期的な採用力向上を目指すために適しています。SNSを使用して、求職者などに明快で分かりやすい情報を継続的に提供し、興味を持つ人々を自社オウンドメディアに誘導することで、採用広報に厚みを加えます。

ペイドメディア(広告・イベント) 

ペイドメディアは、企業が広告コストを負担して掲載するメディアを指します。これには駅の看板、新聞や雑誌の求人広告、Web広告、採用イベントなどさまざまなメディアが含まれます。

ペイドメディアは迅速に応募者を増やす際に有効であり、メディアが対象とする層に自社を効果的にプロモーションできます。ただし、オウンドメディアやアーンドメディアと比較して、コストが高い傾向にあります。

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採用広報を成功させるためのポイント3つ

採用広報を成功させるには、目先の成果に焦らず、全社の協力を得ながら着実に取り組みましょう。

会社の魅力を継続的に社外に発信する業務であるため、当初の目的を見失わずに一貫した情報発信を心がけましょう。

目先の利益やゴールだけを見ない

オウンドメディアやアーンドメディアを活用した採用広報は、中長期の採用力の強化を目的とした継続的な広報活動に適した方法です。これからオウンドメディアを立ち上げて、次の新卒採用ですぐに結果が出せるとは限りません

例えば、近年では企業のESGへの取り組みなどが普及しています。志望する企業がどのような社会的貢献を果たしているか、なども求職者は重視する傾向が強くなっています。

企業の存在意義や社会的意義も地道に発信していくことも採用力強化につながります。目先の利益やゴールにとらわれず、自社の本質的な魅力を伝えていきましょう。

さまざまな部署や立場のメンバーに協力してもらう

採用広報では、自社の魅力を経営ビジョンや経営戦略から、社員の勤務状況や福利厚生を含めて幅広く情報発信していきます。したがって、社内のさまざまな部署や職位の方に協力を求める必要があります

社長から入社したばかりの新入社員まで網羅したインタビューや記事の掲載は、リアルかつ自社の魅力がダイレクトに伝わるでしょう。

他部署に協力依頼を行う場合は、採用広報の目的や意義を伝えて、協力してくれた場合にはお礼や成果を共有することなどを心がけましょう。

発信内容には一貫性をもたせる

「5つのステップ」を通じて、KPI(Key Performance Indicator)とKGI(Key Goal Indicator)を設定することや、採用広報の方向性確立の重要性は前述しました。

計画を途中で変更することなく、ゴールに向かって着実に進むことが重要です。設定したゴール、コンテンツ、さらにはKPIなど採用広報の方向性を途中で変更すると、混乱を招く可能性があります。

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採用広報が失敗しがちな理由

広報活動がうまくいかない理由は、経営と現場の認識のずれ、KPIなど評価基準が曖昧(あいまい)、専門担当者が不在、広報の専門的なノウハウ不足などがあげられます。失敗しないためにも、事前にしっかり理解しておいてください。

適切なKPI設定がされていない

適切なKPIが設定されていないと、採用広報の当初の目的から外れた広報活動になってしまいます。広報活動の目的やゴールから逆算してKPIを設定しましょう

たとえば、内定辞退や早期退職などミスマッチを防止するために採用広報を実施しているにもかかわらず、オウンドメディアのPV数がKPIだと採用広報の目的達成には疑問点が残ります。

PV数が高い企業は既に一定の知名度を有している可能性があり、KPIは、PV数数ではなく、より自社理解の深度を示す指標を設定する必要があるかもしれません。

経営陣と実際の担当間で認識にズレがある

自社にとって優秀な人材の確保は経営上も大事な項目です。採用広報を実施するにあたり、その目的・ゴール、ターゲット、コンテンツの内容や利用媒体、評価基準などを経営陣に説明し、必ず同意と支援を得ましょう

採用広報は、社内のさまざまな部署や役職の人に協力を得ながら成功させていくものです。経営陣の同意や支援がないと、各部署の社員も協力を得ることは難しいでしょう。

また、実務担当者は、「まずエントリー数を増やすことから」と考えていても、経営陣は定着率のアップを期待しているかもしれません。このような認識にズレがあると採用広報も停滞する可能性があります。

通常業務の片手間で採用活動を行っている

採用広報の活動は、営業に似ています。売るものは自社そのものです。

求職者がどのような採用情報を求めているか、それを踏まえたうえで自社の魅力や経営状況などをどのように伝えるのかを計画します。

さらに、社内の異なる部署や社外の関係者、場合によっては求職候補者など、各方面の人と連携しながら幅広く活動が求められる業務です。

他の業務との兼任では、どちらかの業務あるいは両方の業務に影響が出る可能性もあります。したがって、専任で担当させるのがよいでしょう。

社内にノウハウがほとんどない

広報活動のノウハウが不足しているにもかかわらず、社内で採用広報を始めると失敗の原因になりかねません。何を発信するのか、広報媒体の選び方が分からない、情報発信以外に何をやればいいのか分からない、では成功は見込みにくいでしょう

また、発信された情報は求職者だけが見るとは限りません。企業秘密などをうっかり掲載して競合先に見られてしまう、なども想定しなければなりません。

社内に広報ノウハウがないのであれば、初めは専門家・コンサルタントの手を借りて経験を積んでから、内製化していきましょう。


【成功事例】採用広報が上手い企業3選

ここで採り上げる3社の例は、各企業がオウンドメディアを運営するにあたって、目的を持ち、企業独自の価値観や想いを誠実に、かつ長期的に継続して伝えている点が共通しています。ぜひ参考にしてみてください。

サイボウズ株式会社

画像引用:サイボウズ式

サイボウズ株式会社はオウンドメディアである「サイボウズ式」を運営しています。このメディアは、採用目的だけではなく、企業ブランディングや会社の認知度向上のために運営されています。読み手も、求職者のみならず業務などでPCを利用するビジネスパーソンや効率的な働き方を模索する企業の担当者なども想定しています。

2012年5月からスタートし10年以上継続したメディアで、今ではブランディングや認知度向上以外にも「働き方・生き方」「家族と仕事」など豊富な切り口でリアルなワークスタイルを知ることができます。

長期に渡って従業員にまつわるさまざまな情報が発信されていることで、求職者にとって、価値のある情報源として評価されています。

株式会社メルカリ

画像引用:メルカン

株式会社メルカリは、「メルカン」というオウンドメディアを採用目的として2016年5月に創設しました。メルカンは、急成長を遂げるメルカリの中で、従業員が日ごろ発生する業務の課題に対し、どのように考え、どのような取組を実施しているかなどが丁寧に情報発信されています。同社の等身大の姿を届けることで、求める人材像や職場の雰囲気を上手に伝えています。

「メルカリな日々」といった同社での日々の出来事を伝える内容から、その中から業務に取り組む同社の価値観なども従業員が自らの言葉で表現するなど求職者に会社の実際の姿を伝えています。

株式会社BAKE

画像引用:THE BAKE MAGAZINE

株式会社BAKEは、焼き立てのチーズタルト専門店BAKE CHEESE TARTなどを展開する洋菓子の製造販売会社です。同社もオウンドメディア「THE BAKE MAGAZINE」を2015年5月から運営しています。このメディアは自社やお菓子に関する情報だけでなく、食に関する企業や生産者あるいはリーダーなどへのインタビューを実施し、おいしさに対するこだわりを、あらゆる角度から追求し、自社のミッション・ビジョンの実現につなげようとする意図で運営されています。

潜在的な転職者層が興味を持つため、自社の認知度向上に役立っています。


2023年最新!採用広報のトレンド

オウンドメディアの主流は HPやブログなどのテキスト記事です。しかし、テキストでは伝わりにくい感情や職場の雰囲気を伝えるために、動画や音声メディアを用いた採用広報がトレンドになっています。

動画は視覚的に分かりやすく、オフィスの雰囲気や従業員とのインタビューなどを伝えるのに適しています。たとえば、ショート動画専門のSNS「TikTok」を活用した採用広報が注目を浴びています。

音声メディアでは「Podcast」や「Voicy」が注目されています。求職候補者にとっての音声メディアのメリットは、何か他のことをしながら聴ける点です。また発信者側は動画と比べ、撮影機材などが不要で、手間も少なくコストが安い点がメリットです。


採用広報に関係するおすすめの本

採用広報をもっと勉強したい方向けに、おすすめ書籍を5冊紹介します。

前半の3冊は著者の経験からくるいわばボトムアップ的な実践ノウハウが述べられています。後半の2冊は、トップダウン的アプローチで日本企業の広報活動を網羅的に調査しています。

また、「中途採用の定石」以外の4冊は広報活動全般について記載されています。採用広報は広報業務の一部であるため、広報業務の全体像や本質を理解したうえで取り組むようにしましょう。

「逆襲の広報PR術」野澤直人 著

著者の野澤直人氏は、スタートアップ企業を支援する株式会社ガイアックスの執行役として、メディアを通じた広報戦略の業務支援に従事しています。中小企業でも効果的な広報活動を行うノウハウが余すところなく記載されています。

筆者は各メディアの報道内容や担当者がどのようなリリースを過去に掲載したかなどの特性を理解し、相手が求める内容をこちらで編集したうえで、継続的に企業から編集者などにアプローチを行うのが大事だと説いています。

「中途採用の定石」今啓亮 著

著者の今啓亮氏は、マルゴト株式会社という、スタートアップ企業の人事採用業務を「まるごと」代行する採用代行サービス会社を経営しています。「本当に欲しい人材」を集めるための実践的メソッドが解説されています。

採用に対する戦略、職場づくり、採用広報、スカウト文章やHPの写真やSNS発信、メディア媒体の運営方法、面接の仕方など広範囲なトピックをカバーしており、採用広報担当者におすすめです。

「広報・PRの基本」山見博康 著

山見博康氏は大手企業で広報業務を20年近く経験した広報・危機対応コンサルタントです。

この書籍は初めて広報業務に携わる方、メディアやPR業務を目指す学生などを対象に、広報業務を網羅的に紹介しています。

特にリスクマネジメントの重要性を述べている点は注目です。企業の知名度がアップすれば、リスクにさらされる可能性も高くなり、仮に不祥事などが発生した場合でも対処方法を知っていれば、適切に処理ができます。

自社のリスクマネジメント状況を適切に社外に情報発信するのも広報業務の一部です。

「新・戦略思考の広報マネジメント」企業広報戦略研究所 編集

企業広報戦略研究所は株式会社電通PRコンサルティング内の研究組織です。

インターネットをはじめ情報流通構造が大きく変化した現代では、PRで企業を良く見せようとしても、実態が伴わなければすぐ素顔が知られてしまう。したがって、実態そのものを磨くことが大事と述べています。

広報活動は話題作りではなく事実に基づいた価値づくりを実践することが重要で、同所が調査した延べ2,000社にものぼる膨大なデータを基に活動事例を紹介しています。日本企業の広報業務の実態を理解できます。

「戦略思考の広報マネジメント」企業広報戦略研究所著・清水正道 監修

こちらも企業広報戦略研究所から出ている本です。

この本は「新・戦略思考の広報マネジメント」の前作にあたるものです。2014年に同所が実施した各企業の広報活動の調査結果に基づき、共通の課題を採り上げて、既にそれらの対策に成果をあげている企業の取り組み事例を紹介しています。

さらに、企業情報を扱うメディアやステークホルダーとの関係構築に関する取材結果も提供しており、多方面から広報力のアップのアイデアを探るための広範囲な情報が含まれています。


まとめ

採用広報は、自社を就職・転職先として検討してもらうためのいわば営業活動です。

したがって、マーケティング同様に目的やゴールをセッティングし、誰に(どのような人材に)、何を(どのようなコンテンツを)、どのように(トリプルメディアの活用)を事前にしっかり経営陣を交えて検討します。そして、結果を定量化できるようKPIやKGIを定めましょう。

成功のコツは、全社を巻き込み、短期間で成果を求めず、継続して一貫したメッセージの発信することにあります。

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