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2024年の最低賃金について徹底解説!いつ決まる?引上げ予想も

こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。

最低賃金は例年10月に改定が実施され、直近の2023年度は全国平均で43円の引き上げとなり、過去最高額を記録しました。物価上昇や少子高齢化に伴う人手不足などを背景に、最低賃金の引き上げは経済対策として重要な役割を果たしています。

当記事では、2024年度の最低賃金の動向や最低賃金に関する課題、企業への影響などを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.2024年(令和6年)度の最低賃金に関する動向・予想
    1. 1.1.全国各地で「時給1,000円以上」が検討されている
    2. 1.2.年3%の引き上げが見込まれている
    3. 1.3.2024年の賃上げに関して過半数が「2023年と同程度」と回答
    4. 1.4.アメリカの最低賃金に関する最新動向
    5. 1.5.イギリスの最低賃金に関する最新動向
  2. 2.最低賃金に関する課題
    1. 2.1.最低賃金で働いている労働者が多い
    2. 2.2.最低賃金で働いている人の3割が世帯最多所得者
    3. 2.3.中小企業ほど給与が最低賃金に近い
  3. 3.2024年(令和6年)度の最低賃金はいつ決まる?
  4. 4.最低賃金が引き上げられたら企業はどうなる?
    1. 4.1.人件費が高くなる
    2. 4.2.人材確保が難しくなる
    3. 4.3.シフト調整が難しくなる
    4. 4.4.従業員のモチベーションを維持する対策が必要になる
  5. 5.最低賃金の引き上げに備えて企業が取るべき対応策
    1. 5.1.最低賃金の引き上げまでに人材を採用する
    2. 5.2.組織全体の生産性向上を意識する
    3. 5.3.労働時間を見直す
    4. 5.4.設備に投資する
  6. 6.【参考】2023年(令和5年)度の全国の最低賃金一覧
  7. 7.まとめ

2024年(令和6年)度の最低賃金に関する動向・予想

最低賃金は、新型コロナウイルスの影響を受けた2020年度を除き、2016年度以降は継続して3%以上の伸び率で推移しています。2024年度は物価高や人手不足を背景に3%を上回る引き上げが期待されています。

アメリカ、イギリスの最新動向とあわせて詳細を解説します。

全国各地で「時給1,000円以上」が検討されている

2023年度の最低賃金改定の結果、全国加重平均は1,004円となり1,000円の大台を突破しましたが、連合が目標とする「誰もが時給1,000円」は実現していません。

都道府県数でみると、時給1,000円以上を実現しているのは8都府県にとどまり、残りの39道県は1,000円未満です。全国各地で「時給1,000円」以上を目指して検討が続いています。

主要エリアの2023年度最低賃金は、以下のとおりです。


都道府県


最低賃金額(円)

引上額(円)


発効日

改定後

改定前

東  京

1,113

1,072

41

2023年10月1日

神奈川

1,112

1,071

41

2023年10月1日

大  阪

1,064

1,023

41

2023年10月1日

兵  庫

1,001

960

41

2023年10月1日

愛  知

1,027

986

41

2023年10月1日

三  重

973

933

40

2023年10月1日

鹿児島

897

853

44

2023年10月6日

年3%の引き上げが見込まれている

労働団体の「連合」は2023年12月1日に「2024年春季生活闘争方針」を確定し、ベースアップを「3%以上」、定期昇給を合わせた賃上げ要求を「5%以上」としました。

4月2日までに回答が得られた約2,620社の回答を集計した結果、定期昇給を合わせた賃上げ率は5.24%となり、1991年以来となる5%超えの水準となりました。

参考として、今後も年3.3%の伸び率で賃上げが続いた場合の試算は、以下のとおりです。

年度
最低賃金
伸び率

2023年

1,004円

3.3%

2024年

1,037円

3.3%

2025年

1,071円

3.3%

2026年

1,106円

3.3%

2027年

1,142円

3.3%

2028年

1,179円

3.3%

2029年

1,217円

3.3%

2030年

1,257円

3.3%

2031年

1,298円

3.3%

2032年

1,340円

3.3%

参考:日本労働組合総連合会HP

2024年の賃上げに関して過半数が「2023年と同程度」と回答

帝国データバンクによると、2024年度に賃上げを見込む企業は約6割に達し、3年連続で増加しています。企業別にみると「大企業」、「中小企業」ともに約6割、「小規模企業」でも約5割が賃上げを見込むと回答しており、賃金改善を見込む企業の割合は上昇しています。

業界別では「製造」、「運輸・倉庫」、「建設」、「卸売」業界の6割を超える企業が賃上げ見込みがあると回答しています。平均賃上げ率は、2023年の3.58%を大きく上回ると予想されており、賃上げ継続なら日本株には好材料となる見込みです。

参考:帝国データバンクHP

アメリカの最低賃金に関する最新動向

アメリカでは連邦政府のほか、州や市、郡などが独自に最低賃金を設定しています。州や市によっては、特定職種の最低賃金を設けている場合もあります。

2024年1月1日に行われた最低賃金の改定では、50州のうち22州が引き上げとなりました。
引き上げとなった22州のうち12州は物価指標などをもとに引き上げ額を算出し、残りの10州は州法などで定めた引き上げ額を適用しました。

今回の引き上げによって影響を受ける労働者は約990万人と試算されています。

参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「国別労働トピック」

イギリスの最低賃金に関する最新動向

イギリスは日本と同様に直近の経済状況等を踏まえて労使と協議して最低賃金の改定をしています。過去の最低賃金引き上げの影響について、統計データや実証研究等を用いて多角的に検証している点が特徴です。

2024年4月改定の最低賃金は、成人向けは前年より9.8%増の11.44ポンド、また18~20歳向けは14.8%増の8.10ポンド、16~17歳向けは21.2%増の6.40ポンドと、大きな引き上げ幅となりました。背景として、物価上昇や人手不足などが挙げられます。

参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「国別労働トピック」
参考:厚生労働省「諸外国の最低賃金の状況・報告書」


最低賃金に関する課題

最低賃金に関する調査資料を分析すると、以下のような課題がみえてきます。

  • 最低賃金で働いている労働者が多い
  • 最低賃金で働いている人の3割が世帯最多所得者
  • 中小企業ほど給与が最低賃金に近い

それぞれについて詳しく解説します。

最低賃金で働いている労働者が多い

厚生労働省の「最低賃金近傍の労働者の実態について」によると、地域別最低賃金額×1.15未満の賃金の労働者は2009年には9.2%であったのに対し、2014年には13.4%と、増加傾向にあります。

最低賃金に近い金額で働く労働者が多いということは、最低賃金の引き上げによって影響を受ける労働者の数が増えていることを意味します。最低賃金の重要性が増しているとも捉えられます。

参考:厚生労働省「最低賃金近傍の労働者の実態について」

最低賃金で働いている人の3割が世帯最多所得者

従来は、最低賃金に近い金額で働いている人の多くが主婦のパートや学生アルバイトであると考えられてきましたが、近年では傾向に変化がみられ、最低賃金に近い金額で働いている人の3割が世帯最多所得者です。

最賃近傍雇用者の属性としては、「60歳未満で配偶者のある女性」が約3割と最も多いものの、減少傾向にあります。また、高齢化の影響もあり、「60歳以上の者」の割合が2割以上を占め、特に「65歳以上の者」の割合が増加しています。

参考:厚生労働省「最低賃金に関する調査研究」

中小企業ほど給与が最低賃金に近い

企業の規模別に最低賃金に近い金額で働く人の割合をみていくと、規模が小さい企業ほど、最低賃金に近い金額で働く人の割合が高い傾向があります。

産業別にみると「宿泊業、飲食サービス業」においては34.2%と、3割以上が最低賃金に近い金額で働いていることがわかります。職業別では「運搬・清掃・包装等従事者」、「販売従事者」などで最低賃金に近い金額で働く人の割合が高くなっています。

参考:厚生労働省「最低賃金に関する調査研究」

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2024年(令和6年)度の最低賃金はいつ決まる?

2024年度も例年と同様に全都道府県で10月1日に改定が実施できるよう準備が進められています。最低賃金額の決定にあたっては、まずは中央最低賃金審議会にて最低賃金引き上げ額の目安が決定され、その後、地方最低賃金審議会において調査審議が行われます。最終的には、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定します。

2023 年度の改訂によって全国加重平均が 1,000 円を超えましたが、すべての都道府県において時給1,000円以上となったわけではありません。全都道府県において時給1,000 円以上が実現されるための取り組みが注目されています。

そもそも最低賃金についてチェックしたい方は「アルバイトの最低賃金はいくら?|地域別の賃金や法律からの観点でチェック」の記事もご覧ください。

参考:日本労働組合総連合会【重点分野-2】2024 年度最低賃金取り組み方針

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最低賃金が引き上げられたら企業はどうなる?

最低賃金が引き上げられることによって想定される企業への影響は、以下の4つです。

  • 人件費が高くなる
  • 人材確保が難しくなる
  • シフト調整が難しくなる
  • 従業員のモチベーションを維持する対策が必要になる

それぞれについて詳しく解説します。

人件費が高くなる

最低賃金の引き上げによる企業への影響として大きいのは、人件費の負担増です。たとえば時給が30円上がると、フルタイムで働く従業員に対する企業の負担額は1カ月あたり5,000円前後の増額となります。特に中小企業では、雇用する人数や雇用時間の調整が必要となる場合もあるでしょう。

2023年度の全国加重平均額は1,004円となり、政府が目標としていた1,000円の大台を突破しました。今後も最低賃金の引き上げが続くとなると、企業としては人件費の負担増への備えが必要となるでしょう。

人材確保が難しくなる

人件費が高くなることに付随して、人材の確保が難しくなるおそれがあります。最低賃金の引き上げによって周囲の企業の賃金水準が上がれば賃金面での差別化が難しくなり、求人を出しても思うように人材が集まらない可能性があります。

労働者にとって賃金水準は、就労先を選ぶ重要な基準です。そのため、優秀な人材を確保するには周囲の企業よりも賃金水準を高く設定する必要があり、支払い能力の低い企業にとっては厳しい状況となります。

シフト調整が難しくなる

最低賃金の引き上げは、すべての労働者にとってプラスの影響をもたらすわけではありません。扶養内で働くパート労働者などにとっては、最低賃金の引き上げは大きな問題です。

収入が扶養範囲を超えてしまうと、税金や社会保険料の支払い義務が発生し、手取り額が減ってしまうことがあります。これを避けるために労働時間を減らして調整しなければならず、場合によってはシフト調整が難しくなる可能性があります。

従業員のモチベーションを維持する対策が必要になる

職場には、アルバイトやパート、正社員などさまざまな雇用形態の従業員が存在します。すべての従業員の賃金が一律で増額すれば問題ありませんが、非正規従業員のみの賃金が引き上げられると、正社員の中には不公平だと感じる人も出てくるでしょう。

最低賃金の引き上げによる時給アップは、従業員個々の能力とは無関係です。特に能力の高い正社員のモチベーションを下げないよう、企業としては何らかの対策を講じる必要があります。

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最低賃金の引き上げに備えて企業が取るべき対応策

最低賃金の引き上げに備えて企業が取るべき対応策は、以下の4つです。

  • 最低賃金の引き上げまでに人材を採用する
  • 組織全体の生産性向上を意識する
  • 労働時間を見直す
  • 設備に投資する

それぞれについて詳しく解説します。

最低賃金の引き上げまでに人材を採用する

最低賃金の引き上げは毎年7~8月頃決定し、10月頃に改定が実施されます。そのため、夏~秋頃にかけて賃金を見直す企業が多くあります。

最低賃金の引き上げによって全体の賃金水準が上がれば、少子高齢化による労働人口の減少も相まって、優秀な人材の確保がまずます難しくなることが予想されます。企業としては、最低賃金の改定が実施される前に人材を確保しておくことが賢明といえます。

組織全体の生産性向上を意識する

賃金の引き上げにより、従業員のモチベーションアップが期待できます。モチベーションが高まったタイミングで従業員個々のスキルアップを促せば、仕事の生産性向上へつながっていくでしょう。

生産性が向上すれば、今までよりも短い時間で成果をあげられるため、結果として労働時間の短縮へつながります。社内外の研修への参加機会を用意したり、資格取得を後押しする制度を設けたりし、従業員が積極的にスキルアップできる環境づくりが大切です。

労働時間を見直す

労働時間の見直しによって人件費を抑えられます。特に残業代の支払いが多い企業は、労働時間短縮の取り組みを徹底することで、大きな人件費減につながる可能性があります。

すぐに実行できる取り組みとしては、従業員に対して定時退社を徹底するよう促したり、管理職が部下の残業の必要性を精査したりといったことが挙げられます。他にも、パソコンの設定を変更し、定時になると一度シャットダウンされるような仕組みを作ることも効果的です。

設備に投資する

賃金引き上げの機会に設備投資をし、業務効率化をはかるのも有効な手段です。設備投資によってこれまで人が関与していた仕事を機械化できれば、その分の人件費を抑えることにつながります。

近年は、コンビニやスーパーなどにおいてセルフレジの導入が広がり、人が従事していた業務を機械が代替することも増えました。設備投資は初期費用がかかりますが、長期的に考えれば企業にとって大きな利益をもたらします。

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【参考】2023年(令和5年)度の全国の最低賃金一覧

2023年度の全国の最低賃金は以下のとおりです。

都道府県

最低賃金額(円)

引上額(円)

発効日

改定後

改定前

北海道

960
920
40

2023年10月1日

青  森

898
853
45

2023年10月7日

岩  手

893
854
39

2023年10月4日

宮  城

923
883
40

2023年10月1日

秋  田

897
853
44

2023年10月1日

山  形

900
854
46

2023年10月14日

福  島

900
858
42

2023年10月1日

茨  城

953
911
42

2023年10月1日

栃  木

954
913
41

2023年10月1日

群  馬

935
895
40

2023年10月5日

埼  玉

1,028
987
41

2023年10月1日

千  葉

1,026
984
42

2023年10月1日

東  京

1,113
1072
41

2023年10月1日

神奈川

1,112
1071
41

2023年10月1日

新  潟

931
890
41

2023年10月1日

富  山

948
908
40

2023年10月1日

石  川

933
891
42

2023年10月8日

福  井

931
888
43

2023年10月1日

山  梨

938
898
40

2023年10月1日

長  野

948
908
40

2023年10月1日

岐  阜

950
910
40

2023年10月1日

静  岡

984
944
40

2023年10月1日

愛  知

1,027
986
41

2023年10月1日

三  重

973
933
40

2023年10月1日

滋  賀

967
927
40

2023年10月1日

京  都

1,008
968
40

2023年10月6日

大  阪

1,064
1,023
41

2023年10月1日

兵  庫

1,001
960
41

2023年10月1日

奈  良

936
896
40

2023年10月1日

和歌山

929
889
40

2023年 10月1日

鳥  取

900
854
46

2023年10月5日

島  根

904
857
47

2023年10月6日

岡  山

932
892
40

2023年10月1日

広  島

970
930
40

2023年10月1日

山  口

928
888
40

2023年10月1日

徳  島

896
855
41

2023年10月1日

香  川

918
878
40

2023年10月1日

愛  媛

897
853
44

2023年10月6日

高  知

897
853
44

2023年10月8日

福  岡

941
900
41

2023年10月6日

佐  賀

900
853
47

2023年10月14日

長  崎

898
853
45

2023年10月13日

熊  本

898
853
45

2023年10月8日

大  分

899
854
45

2023年10月6日

宮  崎

897
853
44

2023年10月6日

鹿児島

897
853
44

2023年10月6日

沖  縄

896
853
43

2023年10月8日

出典:厚生労働省「令和5年度地域別最低賃金改定状況」


まとめ

本記事では、2024年度最低賃金の動向や最低賃金に関する課題、企業が取るべき対策などを紹介しました。

今後も最低賃金は上昇傾向が続くと見込まれており、企業にとっては人件費増加への対応は避けられない課題です。できるだけ採用に要する手間やコストを抑えたい場合は、スキマバイト「Timee(タイミー)」の利用がおすすめです。

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