中小企業の採用難の理由は?人手不足の原因と対策法を徹底解説
こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。
中小企業では採用難が続き、お悩みの企業も多いのではないでしょうか。求人広告を出しても応募がなかったり、応募があっても面接には時間と手間がかかります。
本記事では、企業の採用担当者に向けて、採用難の現状と原因や人手不足解消の具体的な対策法を解説しています。
採用難を乗り切るためには、早めの対策が必要です。ぜひ最後までご覧ください。
目次[非表示]
- 1.中小企業の採用難はなぜ起こる?人手不足の原因・理由
- 1.1.少子高齢化の影響
- 1.2.企業と応募者間でミスマッチが起きている
- 1.3.新卒者の3年以内離職率が高い
- 1.4.採用活動に注力できていない
- 2.【業界別】中小企業の採用難の現状
- 3.採用難・人手不足を解消するために行うべき対策
- 3.1.採用したい人物像を明確にする
- 3.2.多様な働き方を認める
- 3.3.採用手法を増やす
- 3.4.採用フローを見直す
- 3.5.これまでとは違う層を採用する
- 3.6.定着力アップを目指す
- 4.採用難・人手不足解消に取り組む際のポイント
- 4.1.できる限り早めに取り組み始める
- 4.2.人事や経営層だけでなく現場の協力も仰ぐ
- 5.まとめ
中小企業の採用難はなぜ起こる?人手不足の原因・理由
中小企業での採用先は、ハローワークの他に社長や社員の知り合いなどの縁故による採用も比較的多めです。
中小企業の悩みの採用難は、大手企業と比較して給与や福利厚生などの条件面で劣るケースが多いためです。
以下では人手不足の主な4つの原因について、詳しく見ていきましょう。
少子高齢化の影響
人手不足の1番大きな原因として、少子高齢化による65歳以上の高齢者の人口増加と15歳から64歳の生産年齢人口の減少が挙げられます。
65歳以上の高齢者の人口は、2000年4月から2023年にかけて約1.7倍に増加しました。
一方で、生産年齢人口はピーク時の1995年に8,716万人と総人口の69.5%を占めました。
2020年には、7,449万人と総人口の59.3%にまで減少しています。
少子高齢化対策が行われているものの、2040年には団塊ジュニア世代が65歳に到達し始めます。高齢者の人口増加傾向と生産年齢人口の減少傾向は避けられない状況です。
少子高齢化の影響により労働力の減少が進むことで、企業間の人材確保が深刻になり人手不足と採用難は続くと考えられています。
参考:「令和5年版厚生労働白書」
参考:「内閣府令和3年版少子化社会対策白書」
企業と応募者間でミスマッチが起きている
中小企業と応募者の間では、主に下記のような2つのミスマッチが起きています。
- 賃金体系と求めるスキルとの違い
- 働き方に対する考えの違い
中小企業は社員も少ないために応募者に多くのスキルや資格を求めがちですが、賃金体系は見合っているのでしょうか。
2023年10月に最低賃金が過去最高額になりました。(全国平均時給1,004円)
通常の応募者は「最低賃金も上がったから、今までどおりの働き方で給料がより多くもらえるだろう」と望んでいます。
一方で、業務内容の専門化が進み、中小企業の求めるスキルは高度な専門的知識が要求されます。
求められるスキルや資格を満たしている人は、より待遇の良い大企業へ就業していることが多いでしょう。
また、コロナ禍を契機として働き方は変わっています。働き方改革によりテレワークが進み在宅で仕事をする人が多くなりました。
大企業と違って社員の少ない中小企業では、在宅ワークを主流とするのは無理があります。
応募者としては満員電車での通勤不要な在宅ワークを望む声も多く、ミスマッチが起きています。
参考:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」
新卒者の3年以内離職率が高い
2019年3月卒業の大学新卒者の3年以内離職率は、31.5%でした。
事業所の規模別では、事業所規模が多くなるにつれて離職率は低い傾向が見られます。
1,000人以上の事業所の離職率は、25.3%にとどまってます。
産業別の3年以内離職率を見ると、高校・大学卒業者の両方で高い上位3業種は以下のとおりです。
- 宿泊業・飲食サービス業
- 生活関連サービス業・娯楽業
- 教育・学習支援業
中小企業の上位3業種該当の採用担当者にとっては、頭の痛いデータです。
離職率を減らすためには新卒にこだわり過ぎず、採用の幅を広げてみてはいかがでしょうか。
さらに適材適所の人員配置により、離職率の低下を目指して人手不足の要因を取り除きましょう。
参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)」
採用活動に注力できていない
中小企業では人員も限られているため、専任の採用担当者を置くことは難しいのではないでしょうか。
庶務業務などを行う一方で、採用担当としての職務を兼務されている方も多いことと思われます。
かつてのように求人広告を掲載すれば簡単に採用できる時代ではなくなり、採用担当になれば多くの労力と時間が必要です。
また、中小企業では社長や部長クラス自らが採用活動を行うことも多いでしょう。
例えば、社長が求人原稿や求人広告作成に3時間・面接準備に2時間・実際の面接に1時間かけたと仮定すると、時給換算すればかなりの人件費がかかってしまいます。
面接には応募人数分の時間がかかり、社長・部長クラスが採用活動をしている間は本来すべき管理業務や営業活動が停滞してしまうのです。
人事や採用担当者以外の社員にも、なぜ入社したかを聞いて採用に関するアイデアを出してもらうなど、採用担当者の負担を減らす工夫も求められます。
他の社員の協力が難しく採用活動に注力できなければ、採用にかかわる外注を行うことも選択肢の1つです。
日本企業の人手不足の原因について、より詳しく知りたい方は「日本企業の人手不足の原因|人手不足が高まっている業種や具体的な対処法を解説」も参考にしてください。
【業界別】中小企業の採用難の現状
厚生労働省によると、2023年9月の有効求人倍率は1.29倍でした。
有効求人倍率は次式により求められます。
有効求人倍率=有効求人数÷有効求職者数
事業所の規模別で見ると中小企業は大企業より有効求人倍率は高く、求職者数が少ないです。
以下では5つの業界ごとに、中小企業の採用難の現状を見ていきましょう。
人手不足に悩んでいる業界について、さらに詳しく知りたい方は「人手不足に悩む業界とは?原因となっている背景や解決法を解説」を参考にしてください。
参考:厚生労働省「令和5年9月の有効求人倍率は1.29倍」
建設業界
1番目に採用難に陥りやすい業界として、建設業界が挙げられます。建設業は、慢性的に人手不足の状態が続く業界です。
2019年には有効求人倍率が7倍程度で、求職者1人に対し7件の求人があったことを示します。
仕事の性質上、建設業界は体力的にもハードで危険な作業も多く、週休二日制が導入されていない企業も比較的多めといえます。
以上の理由から、若い方には敬遠されがちな業種の1つです。
離職率も比較的高く、専門的な知識と技能が必要でありながら新たな人材を確保することが困難になっています。
一方で建設需要は高まり、人手不足ながらも業界自体は忙しいといえます。
IT業界
IT業界も急激な成長が続いていますが、採用難に陥っている代表的な業界の1つです。
2016年の経済産業省の試算によると、IT業界では2030年の時点で約59万人の人材が不足すると予測されています。(中位シナリオの場合)
有効求人倍率で見ると建設業界などより低いものの、今後さらなる成長が見込まれることから求人数が増加して、倍率が上がる可能性は高いでしょう。
IT人材の中でも、今後は、先端IT技術でのサービス化や活用を担う「先端IT人材」や「情報セキュリティ人材」の不足が深刻化すると指摘されています。
休日や夜間作業も多いことから、離職率も高く人材確保に苦心して採用難に陥りやすい業界の1つといえるでしょう。
参考:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」
飲食業界
飲食業も慢性的な人材不足に悩む業界で、アルバイトやパートの割合が比較的多いことが特徴です。
接客や調理の仕事の有効求人倍率は3倍程度となっており、他の業界より高い傾向にあります。
人材不足に悩む原因として、業界の需要の大きさに比べて比較的低賃金であることが挙げられます。
また、サービス業であるため年間休日が少なく拘束時間も長いなどの条件は、求職者に敬遠されやすい原因です。
2023年1月の帝国データバンクの調査によれば、非正社員の人手不足の割合は飲食店で約80.4%となっています。
コロナ禍がひと段落した後は、人手不足で採用難となっています。
物流業界
物流業界は、運送業などをはじめドライバー不足に悩まされている業界です。
高齢ドライバーが多いため少子高齢化問題の影響を大きく受ける業界の1つで、貨物自動車運転手の2023年4月の有効求人倍率は2.11倍です。
物流業界には、2024年6月から年間960時間の時間外労働上限規制が適用され輸送能力が不足する「物流の2024年問題」があり、物流の停滞が懸念されています。
また、団塊世代が後期高齢者になり人材確保が深刻になると予想されている「2025年問題」の影響を大きく受ける可能性のある業界の1つに数えられます。
「物流の2024年問題」と「2025年問題」で先行きの不透明感が増していることから、若手の人材確保がさらに困難になるのではないでしょうか。
参考:国土交通省「物流の2024年問題について」
医療業界
医療業界も慢性的な人手不足に悩まされている業界です。
少子高齢化や「2025年問題」により、高齢者が増加することで医療機関への受診増加が予想されます。
若手の医療従事者の確保が難しい上に、医療・福祉介護分野では採用難となっています。
コロナ禍での医療従事者の苦労は凄まじく、自宅に長期間にわたり帰れず子どもの顔さえ見れないというニュースもありました。
また、医療業界は病院の規模によっては24時間の救命・救急体制をとる必要があります。あまりの勤務内容の過酷さと勤務時間数の長さのため、新たな人材確保は困難といえるでしょう。
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採用難・人手不足を解消するために行うべき対策
2019年4月1日から働き方改革関連法案が一部施行され、時間外労働の上限規制が設けられました。
対応に苦慮されている中小企業も多い中で、大企業と同じフィールドで戦わないことが大切です。
以下では、採用難・人手不足解消のための6つの対策を解説します。
採用したい人物像を明確にする
採用難の現在においては、選ぶより選ばれる時代のため会社側は自社の魅力を発信していかなければなりません。
その上で採用したい人物像の明確化・ターゲットの明確化を図っていきましょう。
長期にわたって安定して働いてくれる人を望むのか、あるいは繁忙期だけ短期で手伝って欲しい人を望んでいるのかなどターゲットを明確にすることです。
注意しておきたいのは、あまりにスキルや資格保持の面でハイスペックな人材を求め過ぎると条件の良い大企業に流れる可能性があることです。
財務面でよほど好調でない限り、中小企業は大企業と同等な条件を提示することが難しいためです。
多様な働き方を認める
近年はフリーランスとして、会社に縛られない自由な働き方を求める人も多くなりました。
また、コロナ禍を契機に在宅勤務をはじめとして、時間短縮で働きたい人やフレックスタイム制などで多様な働き方を求める人が増加しています。
雇用者側のニーズに対応するために、短期の人でも対応できるように準備しておく必要があります。
社員の仕事を細分化することで、ルーチンワーク化し短期バイトでも就労可能な職場にしておけば、社員の負担も減り人件費の削減につながる可能性もあるでしょう。
多様な働き方を認めることで、採用難・人手不足解消に繋げていくことが可能になります。
採用手法を増やす
現在は、どのような採用手法をとっているのでしょうか。
20年程前の話ですが、コンビニなどで有料の就職情報誌を買って応募することが多い時代もありました。
近年はインターネットの求人媒体が主流となり、求職者は求人情報を無料で閲覧可能です。
さらに、多くの求職者はスマートフォンから求人情報を得ています。スマートフォンから求人情報を見られるように対応することが、採用難・人手不足解消への近道です。
中小企業は企業規模から、組織や経営において大企業よりも柔軟に対応できる優位性も持っています。
求人広告や自社サイトでの求人活動の他、人材紹介・人材派遣などの方法も考慮に入れて採用手法の多角化を図りましょう。
採用フローを見直す
今までは、下記に見られる採用フローが主なものでした。
- 求人掲載
- 応募
- 書類選考
- 適性テスト
- 面接
- 内定
- 入社・就労
上記の長い採用フローの段階の中で、求職者は離脱し続けることを忘れてはなりません。
求職者視点から見た求職活動は次の流れです。
- 求人を検索し見つける
- 内容を読んで応募
- 選考を受ける
- 内定
- 出社・就労
内定の決定以外の選択機会は、応募者側にあります。
求職者視点に立つと、求人検索の重要性と求人原稿の重要性がわかります。
特に、求人検索では「この会社に入りたい」という人以外は、会社名で検索することはありません。
通常は、職種やキーワードと勤務地で絞って求人検索します。
求人検索において上位に表示されなければ、求人原稿は求職者の目に留まりません。
選択してもらえない企業には、採用のチャンスが巡ってきません。
採用フローを簡潔化・単純化し、不要な部分を省略化することが、採用難・人手不足解消へ繋がります。
採用できる人を増やすためには、応募者を増やすことと応募後のプロセスで離脱する人を少なくすることです。
これまでとは違う層を採用する
採用にあたっては、新卒をはじめ若い人を選びがちです。これまでの採用難・人手不足を考えれば、幅広い層から採用活動を行う必要があります。
新卒3年以内に離職済みまたは25歳以下である「第二新卒」の採用も視野に入れると、この層の多くはビジネスマナーを教育済みなので研修不要のメリットがあります。
外国人の採用も視野に入れれば、英語などを活かせる人材がいればグローバル化に対応可能です。
さらに、採用難・人手不足解消のためには若手の採用にとらわれず、経験とスキルを併せ持つ中途採用やシニア世代・主婦などの幅広い人材の雇用を視野に入れてもいいのではないでしょうか。
定着力アップを目指す
定着力アップの1番の方法は、給料を上げる待遇改善ですが大企業と同様にはいきません。
中小企業では、やりくりして定着力アップを目指したいところです。
給料は相場並みでも、正社員と同様の福利厚生を提供することは定着力アップに繋がります。
また、育児休暇や介護休暇の消化を徹底したり、週休2日あるいは3日以上を保証することで他社と差別化を図ることが可能です。
「こんな職場のはずではなかった」という早期離職を防ぐためには、メリットだけでなくデメリットを先に提示しておくことも大切です。
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採用難・人手不足解消に取り組む際のポイント
採用難・人手不足解消に取り組む2つのポイントがあります。
- できる限り早めに取り組み始める
- 人事や経営層だけでなく現場の協力も仰ぐ
また、自社の強みと競合する求人はどんなものがあるのかを再度確認しておきましょう。
できる限り早めに取り組み始める
採用難・人手不足解消に向けて方向性が定まれば、可能な限り早めに取り組むことがポイントの1つです。
採用難が続くことで自社にかかるコストや人的リソースが大きくなるためです。
採用難・人手不足解消に向けて、下記のような中小企業に向いた求人サイトや採用チャネルを検討しましょう。
- 初期費用・掲載費用が無料のところもある
- 面接不要で応募者の勤務実績の優劣がわかるところがあるので安心して利用可能
(面接は求人側、応募側の双方にとって負担) - 就業当日に金銭のやり取りが不要で手間のかからないところもある
また、早めに取り組むからといって、下記のような採ってはいけない人材は採用しないようにしましょう。
- 会社の価値観に合わない人
- 自ら改善しない人
- スキルや資格があっても後々問題を起こしそうな人
人事や経営層だけでなく現場の協力も仰ぐ
採用前に現場の社員の意見に耳を傾けて、協力体制を整えることも必要です。
せっかく採用したところで現場の協力がなければ、ミスマッチが起こったり採用後に早期離職してしまう可能性が高まるためです。
また、社内に不足しているリソースや分野をしっかり把握したうえで、当初から現場と協力しつつ採用活動を進めることが大切なポイントになるでしょう。
人員に余裕の少ない中小企業は特に、人事・採用担当者や経営層だけでなく、会社として現場の協力を得ながら採用難・人手不足解消に取り組むことが大切です。
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まとめ
今回は、中小企業の採用難・人手不足の原因と対処法について解説しました。
採用難・人手不足解消のために、採用手法を増やすなど6つの対策も紹介しています。
採用難・人手不足解消に向けて取り組む2つのポイントは、早めに取り組むことと人事・経営層のみならず現場の協力を得ることです。
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