縁故採用とは?導入のメリット・デメリットや成功のポイントを解説
こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。
採用活動がうまくいかず、新しい人を入れてもなかなか定着しないという悩みを持つ企業は珍しくありません。そこで、自社社員の人脈を活用した「縁故採用」の導入も視野に入れてみましょう。縁故採用を上手に利用することができれば、慢性的な人手不足を解消できる可能性があるでしょう。
この記事では、縁故採用の特徴とメリット・デメリット、成功させるためのポイントや事例を紹介します。
目次[非表示]
- 1.縁故採用とは
- 2.縁故採用とリファラル採用の違い
- 2.1.リファラル採用とは
- 2.2.リファラル採用では不採用になるケースも考えられる
- 3.縁故採用のメリット
- 3.1.採用にかかるコストの削減
- 3.2.早期退職のリスクが少ない
- 3.3.入社後も会社に馴染みやすい
- 4.縁故採用のデメリット
- 4.1.他の社員から不満が出ることも
- 4.2.不採用にできないケースが多い
- 4.3.社内の雰囲気が悪くなることも
- 5.縁故採用を導入する手順
- 5.1.縁故採用の基準を決定する
- 5.2.縁故採用の導入についての理解を得る
- 5.3.縁故採用の基本的な流れを設定する
- 6.縁故採用を行う際のポイント
- 6.1.採用の理由を明確にする
- 6.2.紹介者との関係性をしっかりと把握しておく
- 6.3.他の採用方法も併用する
- 7.縁故採用による採用事例
- 7.1.飲食業界における縁故採用の成功事例
- 7.2.IT業界における縁故採用の成功事例
- 8.縁故採用をすべき企業の特徴
- 9.まとめ
縁故採用とは
そもそも「縁故採用」という言葉を正確に理解していないと、採用活動として利用することはできないでしょう。まずは以下を参考に、縁故採用の意味を把握してみてください。
社員や役員から血縁者などを紹介してもらう採用方法
縁故採用とは、自社で雇用している社員や役員に血縁者などを紹介してもらい、採用を行う方法です。血縁者に限らず、親しい友人や知人など、個人的な縁のある人物を取り立てるのが特徴となっています。
社員や役員が深く知っている人材が対象となるため、自社の社風や業務内容に合う人材を採用できます。
縁故採用とリファラル採用の違い
縁故採用に似ている採用方法として、「リファラル採用」という方法があります。以下では、縁故採用とリファラル採用の違いについて解説します。
リファラル採用とは
リファラル採用とは、社員の友人などを紹介してもらって採用活動を行う方法です。紹介した社員にはインセンティブを支払うことから、積極的な紹介に期待できるのが特徴です。
社員が自主的に自社にとって有益な人材を探してくれることから、従業員エンゲージメントの向上などにも期待できます。
リファラル採用では不採用になるケースも考えられる
リファラル採用は縁故採用と同じく、社員や役員の関係者を採用する方法です。しかし、リファラル採用は選考過程で不採用を決断しなければならないパターンもあるのが、縁故採用との違いとなります。
そのため、万が一リファラル採用によって紹介された人材を不採用にする場合には、社員と紹介された人材へのフォローが欠かせません。
▼リファラル採用については、こちらの記事も参考にしてみてください。
縁故採用のメリット
縁故採用の導入には、企業にとってさまざまなメリットがあります。
採用にかかるコストの削減
縁故採用は社員や役員からの紹介で採用ができるため、ほとんどコストがかからない点がメリットです。リファラル採用のようにインセンティブを支払う必要もないため、採用に必要なコスト面を大幅に削減できます。
書類選考や面接などの工程も削減できるため、すぐに採用を決定できます。採用担当者の負担を軽減したいときも、縁故採用の導入がおすすめです。
早期退職のリスクが少ない
縁故採用は身内による推薦となるため、最初から会社への理解度が高い点が特徴です。そのためミスマッチを理由とした内定辞退や、早期退職のリスクが少ないことがメリットになります。
コストと時間をかけて採用活動を行っても、早期退職されてしまうとそれだけでこれまでの苦労が水の泡です。縁故採用はそういったリスクが非常に小さいため、確実に人材を確保したい場合に役立ちます。
入社後も会社に馴染みやすい
縁故採用の場合、親しい間柄の人が会社にいるため、採用した社員が会社に馴染みやすいのもメリットです。会社側からのフォローもしやすいため、結果的に仕事のモチベーションアップや生産性向上につながるでしょう。
縁故採用による推薦を行ってくれた社員や役員から、事前に入社する人材の情報を聞いておくことで、どのような対応が最適となるのか判断しやすいことも特徴です。
縁故採用のデメリット
縁故採用にはメリットがある一方で、以下のようなデメリットがある点に注意が必要です。
他の社員から不満が出ることも
縁故採用はいわゆるコネ入社であるため、一般的に良いイメージを持たれないことが多いです。通常の採用工程を経て入社した社員からすると、公平性に疑問を感じて不満が出ることも考えられるでしょう。
縁故採用の頻度や内容によっては、既存社員が会社に対して強い疑念を持ち、退職などにつながる可能性も懸念されます。
不採用にできないケースが多い
縁故採用は紹介した人の顔を立てる意味もあって、不採用にしづらい採用方法となっている点がデメリットです。仮に求めるレベルのスキルを持っていなくても、縁故採用を進めた人次第では無理にでも採用しなければならないケースもあります。
また、採用後に入社した社員がミスをしたり、ルールを守らなかったりすると、紹介した社員ともトラブルになるリスクがある点に注意が必要です。
社内の雰囲気が悪くなることも
既存社員に縁故採用について説明しないまま採用を行うと、社内の雰囲気が悪くなることがあります。紹介した社員やそれを決定した人事担当者の評判が下がり、社内全体で不満が蓄積する可能性も懸念されるでしょう。
社内の雰囲気が悪くなれば、コミュニケーションが停滞したり、協力して仕事をする流れが阻害されたりといったデメリットにつながります。
縁故採用を導入する手順
縁故採用を自社の採用手段として導入する際には、基本的には以下の手順で行いましょう。
縁故採用の基準を決定する
縁故採用を導入する際には、最初に明確なルールを決めておく必要があります。ただ「紹介された人材を採用する」だけでは、求める能力を持つ人材を確保できません。「〇〇の経歴を持つ」「〇〇の業務を担当できる」など、最低限の基準を事前に設けておくことがポイントです。縁故採用のルールは適宜修正し、自社に合った内容に変更していくとよいでしょう。
縁故採用の導入についての理解を得る
縁故採用を導入する際には、現在の社員から理解を得る必要があります。縁故採用の内容や基準を説明し、どうして導入するのかを理解してもらうための機会を設けるようにしましょう。
もし縁故採用に反対の意見が多い場合、内容の見直しが検討されます。少しでも既存社員が納得できない場合には、基準やルールを最初から構築し直すことも考えるべきでしょう。
縁故採用の基本的な流れを設定する
縁故採用の導入が決まったら、実際に採用に至るまでの流れを設定します。例えば「社内での告知」→「募集」→「選考」→「採用」といった一連の流れを構築し、それぞれのタイミングで行うべき対応を明確にするのが重要です。
縁故採用では一般的な採用の流れを省略することができますが、最低限人柄のチェックや能力を確認する機会は必要となります。
縁故採用を行う際のポイント
縁故採用を実施する際には、以下のポイントを踏まえておくことが重要です。
採用の理由を明確にする
縁故採用の導入時には、「なぜその人を採用したのか」を社員に説明できるように備えるのがポイントです。ただ「役員の親族だから」という理由では、社員から不満が出る可能性が高くなるでしょう。
具体的な経歴やスキルが採用の理由になっていると、明確に説明がしやすくなります。「縁故採用=コネ入社」というイメージを払拭できるように、採用時には具体的な説明を添えて公平性を保つようにしましょう。
紹介者との関係性をしっかりと把握しておく
縁故採用を行う際には、紹介した社員とされた社員の関係性をきちんと把握しておく必要があります。例えば明確な力関係や男女関係があると、入社後にパワハラやセクハラなどの問題が発生する可能性もあるでしょう。
パワハラやセクハラは他の社員を巻き込むリスクもあるため、縁故採用を行う社員と紹介された人材の関係性に疑問を感じる場合には、それを理由に採用を見送る決断も考えられます。
他の採用方法も併用する
縁故採用に頼った採用活動は、人材の特性が偏る可能性があります。そのため縁故採用だけで人材を確保することは、将来的なリスクをはらんでいると言えるでしょう。
縁故採用を導入する際には、同時に他の採用方法も活用し、さまざまな人材を確保できるように備えるのがおすすめです。
▼縁故採用以外の求人方法については、こちらの記事も参考にしてみてください。
縁故採用による採用事例
実際に縁故採用を使って採用活動を行っている事例は多くあります。以下では、縁故採用によって人材確保に成功した業界例を紹介します。
飲食業界における縁故採用の成功事例
突発的な退職が多い飲食業界では、縁故採用が導入されているケースが目立ちます。特にアルバイトの採用時には、現在働いている人の友人や家族を紹介してもらうことが珍しくありません。
飲食店にとって人手不足は事業を回せなくなるリスクがあるため、縁故採用を積極的に導入して急な退職に備えている企業も見られます。
IT業界における縁故採用の成功事例
慢性的な人手不足が続くIT業界でも、縁故採用を導入する事例が多いです、ITエンジニア同士のつながりを利用して、特定のスキルに特化した人材を紹介してもらうケースが増えています。
転職やフリーランスとして独立する人が珍しくない業界であるため、縁故採用と相性が良い点が特徴です。
縁故採用をすべき企業の特徴
求人掲載や募集を増やしても採用数が伸び悩む場合は、縁故採用を活用して社員や役員の人脈を利用することにメリットがあります。特に「入社前と入社後のイメージが違った」「社風が自分と合わない」などの理由で社員が離職してしまう場合には、普段から交友のある人物を採用することで定着率向上に期待できるようになるでしょう。
縁故採用のメリットである「採用のしやすさ」と「早期退職のしづらさ」を活かして、人手不足の解消に乗り出してみることをおすすめします。
まとめ
縁故採用は、人手不足の解消につながり得る採用方法の1つです。社員や役員が持つ人脈に期待できるのなら、積極的に縁故採用を行って人材確保を進めてみることも考えられるでしょう。
しかし、縁故採用だけでは安定した人材確保は難しく、既存社員の不満を募らせる原因にもなりかねません。そこでスキマバイト募集サービス「タイミー」を導入し、突発的な人材不足に備えるのがおすすめです。
タイミーには300万人を超えるワーカーが登録しているため、自社が求めるタイミングで働いてくれる人材とマッチングしやすいのが特徴です。募集時には必要なスキルを設定できるので、スピーディーな採用過程でもミスマッチが起こりづらくなっています。
この機会にタイミーで無料登録を行い、縁故採用とは別に人手を即座に確保できる環境を整備してみてはいかがでしょうか。