求人に年齢制限をかけてはいけない?年齢を制限できない理由と対処法を解説
こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。
採用したい年齢層が明確なので年齢制限をかけたいけれど、求人情報に年齢に関する内容を記載してよいのか分からないという企業も多いです。年齢制限の可否は条件によって異なるため、事前に詳細を確認しておく必要があるでしょう。
本記事では求人における年齢制限の詳細と、年齢に制限をかけずに求人を行うポイントや注意点を解説します。
目次[非表示]
- 1.求人では年齢を制限できない
- 2.求人に年齢制限ができないことのメリット
- 2.1.多くの求職者を集められる
- 2.2.人材を総合的に見て判断できる
- 2.3.年齢以外で雇用したい人物像を明記する機会が得られる
- 3.年齢制限をかけずに求める人材を獲得する方法
- 4.求人に年齢制限がかけられる事例
- 4.1.自社の定年に合わせて正社員の求人を行う場合
- 4.2.労働基準法やその他の法令の規定で制限がかけられている場合
- 4.3.長期勤続を前提に若年層へ正社員の求人を行う場合
- 4.4.特殊な技能やノウハウの継承が必要とされる職業の場合
- 4.5.芸術・芸能分野の表現において真実性を要請する場合
- 4.6.高齢者就職を支援する国の施策を活用する場合
- 5.年齢制限以外に注意すべき求人のポイント
- 5.1.求人で性別を指定することも禁止
- 5.2.特定の条件を優遇・差別する表現も禁止
- 5.3.虚偽の労働条件を記載することも禁止
- 6.まとめ
求人では年齢を制限できない
前提として、基本的に求人を出す際には年齢制限をかけることができません。以下では、その理由について解説します。
「労働施策総合推進法」によって定められている
「労働施策総合推進法第9条 」において、「労働者の募集及び採用について、年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」というルールが定められています。
原則として年齢制限をかけることが禁止され、年齢を理由に採否を決定したり応募を拒否したりといったこともできません。
就職氷河期世代に関しては年齢を制限しての採用が可能
上記で解説した通り、求人では原則年齢制限をかけられません。しかし、就職氷河期世代と呼ばれる「昭和43年4月2日から昭和63年4月1日までの間に生まれた不安定就労者・無業者」に限定した正社員の募集・採用に関しては、年齢制限をかけることが可能となっています。
この方法はハローワークに同一内容の求人を申し込んでいただくなどの条件がありますが 、ホームページでの直接募集、求人広告掲載時などあらゆるシーンで適用されます。現時点では令和7年3月31日までの措置となっているため、それ以降の対応に関しては今後の発表次第となるでしょう。
求人に年齢制限ができないことのメリット
求人に年齢制限ができないことは、企業にとってメリットがあります。
多くの求職者を集められる
求人に年齢制限をかけないことで、多くの求職者から募集が集まると予想されます。ターゲット外の年齢層にも、自社にマッチする人材がいる可能性はあるため、応募者の幅が広がることは企業にとってメリットになり得るでしょう。
特に複数人の募集を行う際には、年齢制限をかけないで応募者を増やすのがおすすめです。
人材を総合的に見て判断できる
年齢制限がかけられないことで、採用の際にはその人を総合的に見て判断する必要が出てきます。年齢によるフィルターを排除することで能力を適切に評価しやすくなるため、結果的に企業にとって優秀な人材を確保するきっかけになるでしょう。
年齢による意図しない差別を社内からなくせることは、年齢制限をかけられないルールがもたらすメリットの1つです。
年齢以外で雇用したい人物像を明記する機会が得られる
年齢で採用対象を指定できないため、企業は雇用したい人物像について求人票に詳しく明記する必要があります。それは結果的に求職者に具体的な雇用条件を提示することになるため、求める能力を持った人材からの応募を増やせる可能性があるのです。
求人票の書き方を見直すきっかけにもなるため、より効果的な採用活動を行えるようになるでしょう。
年齢制限をかけずに求める人材を獲得する方法
年齢制限をかけずに特定の年齢層の人材を確保したい場合には、以下の方法を採用することが検討されます。
人材紹介サービスを活用する
人材を紹介してくれるサービスを活用して、プロの手を借りるのが1つの方法です。自社の求める人材に合わせた広告を制作してくれるため、年齢制限をかけなくても目標に沿った採用が行えます。
人材紹介サービスによっては、データベースから自社の求める条件にマッチした人材をスカウトしてくれることもあるため、ピンポイントで採用活動を実施できます。
ターゲットとなる年齢層が魅力を感じる求人を作成する
採用のターゲットとなる年齢層が魅力的に思える求人を作成できれば、年齢制限をかけなくても求める求職者を集められます。例えば若手の人材がほしい場合には、「若い世代が活躍している」「早くから出世した人が多い」などのキャッチコピーを掲載し、若年層が就職したいと思える情報を集中的に記載するのがポイントです。
ただし、事実と異なる記載をすることはできないので、若い世代や早期出世した人がいないにもかかわらず上記のような記載をすることはできません。
年齢制限ができる「例外」をチェックする
原則として求人に年齢制限を記載することは禁止されていますが、いくつかの「例外」はあります。その例外に該当する求人を出せる場合、年齢制限をかけても問題はありません。
次項では、年齢制限がかけられる事例を紹介します。
求人に年齢制限がかけられる事例
求人に年齢制限がかけられる事例には、以下のケースがあります。
自社の定年に合わせて正社員の求人を行う場合
自社に定年が設定されている場合、その年齢を上限に正社員の求人をかけることは可能です。例えば60歳が定年になっている場合、「60歳未満」という年齢制限をかけて正社員募集をしても、法律上問題はありません。
定年まで働ける求人を募集する際には、自社が設定している年齢に合わせて情報を記載しましょう。
なお、この内容で年齢制限をかけられるのは「正社員募集」の場合に限られるため、単発バイトなど有期雇用の募集をする場合はこの内容での年齢制限はできません。
労働基準法やその他の法令の規定で制限がかけられている場合
仕事の内容次第では、労働基準法やその他の法令の規定によって、年齢制限が設けられている場合があります。例えば「労働基準法第62条の危険有害業務」や「警備業法第14条の警備業務」では、18歳以上の募集を条件にすることが可能です。
この内容で年齢制限をかけられるのは「下限」のみとなるため、求人を作成する際には注意が必要です。
長期勤続を前提に若年層へ正社員の求人を行う場合
若年層の「長期勤続によるキャリア形成」を前提として正社員の求人募集を行う場合、上限に年齢制限をかけられます。「対象者の職務経験を不問とすること」と「新規学卒者以外の者にあたっては新規学卒者と同等の処遇とすること」が条件となっているため、事前に詳細を確認しておきましょう。
こちらの方法で年齢制限をかける場合には、下限を設定できない点に注意が必要です。
なお、この内容で年齢制限をかけられるのは「正社員募集」の場合に限られるため、単発バイトなど有期雇用の募集をする場合はこの内容での年齢制限はできません。
特殊な技能やノウハウの継承が必要とされる職業の場合
特殊な技能やノウハウの継承が必要とされる職業で正社員の募集を行う場合も、年齢制限がかけられます。特定の職種に選ばれていて、かつ「事業活動継続のためには技能・ノウハウの継承が必須の状況にある」「相当程度少ない年齢層を募集する」といった条件を満たす場合には、年齢制限をかけた求人募集が可能です。
この条件によってかけられる年齢制限の幅は、「30歳~49歳のうち、特定の5~10歳幅の年齢層」のみとなっています。
なお、この内容で年齢制限をかけられるのは「正社員募集」の場合に限られるため、単発バイトなど有期雇用の募集をする場合はこの内容での年齢制限はできません。
芸術・芸能分野の表現において真実性を要請する場合
芸術や芸能分野の表現において、年齢が重要となる場合には年齢制限をかけて募集ができます。例えば演劇における子役の採用や、芸術におけるモデルの選定の際に適用されます。
芸術や芸能分野の表現のために年齢制限をかける場合、上限と下限の両方に制限を設けることが可能です。
高齢者就職を支援する国の施策を活用する場合
現代は国の施策として、意欲や能力のある高齢者がよい条件で働ける環境の整備が進められています。そのため高齢者を雇い入れる企業に対して、助成金の支給などが行われているのです。
そういった施策を活用して高齢者を採用する場合には、「60歳以上」といった年齢制限をかけることが可能です。
年齢制限以外に注意すべき求人のポイント
求人を出す際には年齢制限以外にも、さまざまな注意点があります。
求人で性別を指定することも禁止
年齢と同様に、性別を制限して求人を出すことは原則として認められていません。例えば「女性歓迎」や「男性限定」といった表現は、求人を行う際に原則NGとなるので注意が必要です。
男女雇用機会均等法を確認し、性別による求人区分を設定しないようにしましょう。
特定の条件を優遇・差別する表現も禁止
特定の条件を理由に採用を優遇、差別することも原則として認められていません。例えば人種、国籍、居住地域、身体的特徴、心身の障害、病気などを応募条件に記載してはなりません。
「〇〇の地域の人限定」「日本人のみ採用」といった表現は、大きな問題になる可能性があるため注意しましょう。
虚偽の労働条件を記載することも禁止
実際の労働条件とは異なる内容や誤解を生じさせる内容を求人に掲載することも、当然ながら禁止です。給与や就業場所、約束された待遇などが異なる場合には、違法求人として指摘される可能性があります。
ただし、採用後に業績の悪化などで賃金などを変更せざるを得ない場合には、採用前に説明しておくことで求人時の条件とは異なる内容を提示できます。
まとめ
求人を出す際には、年齢制限をかけることが原則できません。特定の年齢を採用条件にした求人票を作成することのないように、事前に採用担当者と情報を共有しておきましょう。
効率的に求人を出すには、スキマバイト募集サービス「タイミー」の利用もおすすめです。人が必要なときにピンポイントで募集が行えるため、突発的な人手不足にも対応できます。求人掲載は無料で行える上、最短1分で掲載作業が完了するのも特徴です。応募者となるワーカーも600万人以上登録しているため、応募者をほぼ確実に確保できるでしょう。
この機会にタイミーの詳細をご確認いただき、スピーディーかつ高確率で人材確保が行える採用手段を導入してみてはいかがでしょうか。