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産休・育休中の給料:知っておくべき給付金と手当で安心サポート

妊娠・出産は喜ばしいライフイベントですが、産休・育休中の収入が気になる方も多いのではないでしょうか。法律で定められた産休・育休制度は、働くパパママを支える大切な権利ですが、休業期間中の給料は原則として支払われません。しかし、ご安心ください。国や自治体からは、出産育児一時金や育児休業給付金など、経済的な負担を軽減するための手厚いサポートが用意されています。本記事では、産休・育休中に受け取れる給付金や手当について詳しく解説し、安心して出産・育児に専念できる情報をお届けします。

産休・育休制度の概要

産休と育休は、出産や育児を行う従業員が利用できる休業制度です。産休は出産を控えた女性、または出産後の女性のためのもので、育休は性別に関わらず、子を養育する従業員が取得できます。これらの制度は法律で保障された労働者の権利ですが、休業期間中の給与に関しては法的な定めはありません。しかし、国や地方自治体から様々な手当金や給付金が支給され、経済的な支援を受けられます。

産前・産後休業(産休)

産前・産後休業、通称産休は、出産を予定している女性と出産直後の女性を保護するための休業制度です。産前休業は、「出産日または出産予定日以前の42日目前(多胎妊娠の場合は98日目前)」から「出産日の翌日から56日目」まで取得可能で、産後休業は、出産日の翌日から8週間取得することが義務付けられています。産前休業は任意での取得ですが、産後休業は原則として取得が必須です。

具体例: たとえば、出産予定日が11月1日の場合、9月20日から産前休業を開始できます(単胎妊娠の場合)。

育児休業(育休)

育児休業(通称「育休」)は、子供が1歳になるまでの間、男女関係なく取得できる休業制度です。育児・介護休業法に定められており、原則として子供が1歳になるまで取得でき、最長で2歳になるまで延長が可能な場合があります。2022年の法改正により、育休は原則として2回まで分割して取得することが認められています。

具体例: 夫が数ヶ月育休を取得して仕事に復帰、その後、子供が1歳未満の間に再度育休を取得することで、仕事への影響を抑えながら育児に参加できます。

産後パパ育休(出生時育児休業)

出生時育児休業(通称「産後パパ育休」)は、2022年10月に新たに設けられた制度で、子供の出生後8週間以内に、最大4週間(28日)まで取得できる休業です。2回まで分割して取得できるため、夫婦が協力して育児に取り組みやすくなりました。

具体例: 出生後8週間以内に最大2回の産後パパ育休を取得し、その後子供が1歳になる前に最大2回の育児休業が取得できるため、仕事や家庭の状況に応じて柔軟な休業取得が可能です。

産休・育休期間中の給与と支援制度

原則として、産休・育休中は勤務先からの給与は支給されません。しかし、その間の経済的な負担を軽減するため、様々な手当や給付金が用意されています。これらの手当や給付金は、主に健康保険や雇用保険から支給され、受給には一定の要件を満たす必要があります。

出産育児一時金

出産育児一時金は、出産にかかる費用を援助する目的で、加入している健康保険または国民健康保険から支給される一時金です。お子様一人につき、原則50万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関等で出産した場合などは48.8万円)が支給されます。双子などの多胎児出産の場合、支給額はお子様の人数に応じて増額されます。

詳細: 出産育児一時金は、医療機関への直接支払制度を利用できます。この制度を利用すると、出産費用が一時金の金額を下回った場合、差額が支給されます。さらに、加入している保険組合や自治体によっては、独自の給付制度が設けられていることもあります。

出産手当金

出産手当金は、産休期間中に給与が支払われない場合に、健康保険から支給される手当です。「出産日または出産予定日以前の42日目(多胎妊娠の場合は98日目)」から「出産日の翌日から56日目」までの期間について、1日あたり標準報酬日額の3分の2相当額が支給されます。正社員だけでなく、パートやアルバイトの方でも、一定の条件を満たせば受給資格があります。

注意点: 国民健康保険に加入している方や、産休中に受け取る給与が出産手当金の額を上回る場合、あるいはご家族の健康保険の扶養に入っている場合などは、支給の対象外となります。

傷病手当金

傷病手当金は、病気や怪我により会社を休業した場合に、健康保険から支給される手当です。妊娠中のつわりが重く、就業が困難な場合など、条件を満たせば傷病手当金を受け取ることができます。1日当たりの支給額は、「(支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額)/30」の3分の2相当額です。

注意点: 傷病手当金と出産手当金の両方を受給できる期間においては、原則として出産手当金が優先的に支給されます。ただし、出産手当金の支給額が傷病手当金の支給額を下回る場合には、その差額が支給されることがあります。

育児休業給付金

育児休業給付金は、育児のために休業する期間に、雇用保険から給付されるお金です。原則として、育休開始から半年(180日)までは、育休前の給料の約67%、それ以降は50%が支給されます。給付を受けるには、雇用保険への加入期間や、休業前の勤務状況など、いくつかの条件を満たす必要があります。

受給資格: 育児休業を開始する前の2年間に、月に11日以上働いた月が12ヶ月以上あること、育休中に、毎月の給与が育休開始前の8割を超えないこと、育休中の就業日数が月10日以下または労働時間が80時間以下であることなどが主な条件です。

出産・子育て応援交付金

出産・子育て応援交付金は、2023年1月からスタートした制度で、妊娠時と出産後に、それぞれ5万円相当の経済的なサポートが受けられます。妊娠中の面談や、子育てに関する相談支援と合わせて提供されるのが特徴で、支援の内容は各自治体によって異なります。

詳細情報: お住まいの市区町村に妊娠届を提出する際に、詳しい情報を確認するようにしましょう。

夫婦で育休を取得した場合の経済的な影響

夫婦で育児休業を取ると、収入が減ってしまうのではないかと不安に感じるかもしれませんが、育児休業給付金や、社会保険料の免除制度があるため、手取り額で考えると、育休前の一定割合が確保できると考えられます。さらに、2025年4月に

「出生後休業支援給付金」が新設され、出生直後の一定期間に両親ともに(配偶者が就労していない場合は本人が)14日以上の育休を取得した場合、最大28日間の給付金が(出生時)育児休業給付金に上乗せ支給されます。上乗せ支給により、休業前の手取り収入はほぼカバーできます。

知っておくべき点: 育休中は、社会保険料(健康保険と厚生年金保険)の支払いが免除されます。これにより、実際に受け取れる金額は、休業前の手取り収入を一定程度カバーできます。

出典:厚生労働省.育児休業等給付について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000135090_00001.html

転職後すぐに産休・育休を取得する場合

転職してすぐの場合でも、産休を取得することは可能です。労働基準法によって、雇用形態に関わらず、女性従業員から産休の申請があった場合、会社はこれを拒否することはできません。ただし、雇用期間1年未満の従業員などの育休については、会社と従業員の代表との間で結ばれる労使協定によって、取得できない場合もあります。

注意点: 育児休業給付金は、育児休業を取得した場合に支給されるものですが、転職して間もない場合は、受給するための条件を満たせないことがあります。雇用保険への加入状況や、勤務期間などを確認するようにしましょう。

産休・育休期間中の社会保険料と税金について

産前産後休業および育児休業中は、社会保険料(厚生年金と健康保険)が免除される制度があります。保険料は給与水準によって異なりますが、免除期間中も加入資格は維持され、将来受け取る年金額に不利な影響を与えることはありません。ただし、住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、産休・育休中であっても納付義務が生じます。

重要な点: 社会保険料の免除を受けるには、勤務先が年金事務所または加入している健康保険組合へ申請手続きを行う必要があります。

その他の経済的なサポート制度

産休・育休期間中は、社会保険料の免除以外にも、子どもの医療費を補助する制度や医療費控除、配偶者控除や配偶者特別控除といった経済的な支援制度が用意されています。これらの制度を有効に活用することで、家計への経済的な負担を和らげることが可能です。

子どもの医療費助成制度

子どもの医療費助成制度は、小さなお子さんが病院などで診療を受けた際の医療費を、居住する自治体が補助してくれる制度です。助成の内容は自治体ごとに異なり、所得制限が設けられているケースもあります。

医療費控除

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定の金額を超えた場合に、所得税の一部が還付される制度です。妊娠や出産にかかった費用も、医療費控除の対象となる場合があります。

配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者控除および配偶者特別控除は、扶養する配偶者の年間所得が定められた金額を下回る場合に、納税者本人の所得から一定額が控除される制度です。出産休業・育児休業中は、配偶者の収入が減少することが多いため、これらの控除の適用対象となる可能性が高まります。

男性の育児休業取得促進と残された課題

近年、男性が育児休業を取得しやすいように後押しする動きが顕著になっています。しかしながら、厚生労働省の調査結果によると、2024年度における男性の育休取得率は40.5%と近年急上昇していますが、女性の86.6%と比較すると、まだまだ低い水準にあります。男性が育児休業を取りやすい環境を構築するためには、企業はもとより、社会全体の意識変革が不可欠です。

課題:職場の理解不足、今後のキャリアへの影響、経済的な不安などが、男性の育児休業取得を妨げる要因となっています。

出典:2025/7/30.厚生労働省.「令和6年度雇用均等基本調査」の結果概要https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r06/06.pdf

出産・育児休業取得前の準備と留意点

出産休暇・育児休暇を取得する際は、前もって必要な手続きや申請方法について確認しておくことが大切です。また、勤務先と密にコミュニケーションを取り、休業期間中の業務の引き継ぎや職場復帰後の働き方について話し合っておくことも重要です。

まとめ

産休・育休は、出産・育児というかけがえのない時間を安心して過ごすための制度です。給与が支給されない期間についても、様々な手当や給付金、社会保険料の免除といった支援措置が用意されています。これらの制度について深く理解し、有効に活用することで、経済的な心配事を減らし、育児に集中できる環境を整えましょう。また、夫婦が協力して育児休業を十分に活用することで、家族の結びつきを強め、より充実した生活を送ることが可能になります。

よくある質問

質問1:産休・育休期間中、給与は支給されないのでしょうか?

回答:基本的に、産休・育休中は会社からの給与は支給されません。しかし、企業によっては、一部または全額を支給するケースもあります。給与の代わりに、国や地方自治体から様々な手当や給付金が支給されます。

質問2:育児休業給付金は、いつ受け取れるのでしょうか?

回答:育児休業給付金は、通常2ヶ月ごとに申請します。最初の給付は、育児休業開始から2ヶ月~3ヶ月後に振り込まれます。その後は、2ヶ月ごとに申請を行い、継続して支給されます。

質問3:転職してすぐに育休を取ることは可能ですか?

回答:産休は転職後すぐに取得できますが、育休に関しては、労使協定により取得できない場合があります。また、育児休業給付金を受け取るには、雇用保険への加入状況や勤務期間などの条件を満たす必要があります。

質問4:男性が育休を取得する利点は何ですか?

回答:男性が育休を取得することで、育児に主体的に関わり、夫婦で協力しながら子育てを進めることができます。また、育児を通して新しい考え方や能力を習得し、仕事にも良い影響を与える可能性があります。さらに、育休取得率が高いことは企業のイメージ向上にも繋がります。


監修:社労士 西岡秀泰
監修:社労士 西岡秀泰
西岡 秀泰(にしおか ひでやす) 西岡社会保険労務士事務所 代表 生命保険会社に25年勤務しFPとして生命保険や損害保険等の販売。 その後、社労士事務所を開設し労働保険や社会保険を中心に労務全般について企業をサポート。日本年金機構の年金相談員を兼務。 「ひと」が抱えるさまざまなリスクや悩みに有効な制度や金融商品を、社会保険労務士とFPの立場から紹介します。

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