
慰労金とは?退職金や退職金との違いや税金・相場について詳しく解説!
こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。
従業員や役員の功労をねぎらうために支給されるのが「慰労金」です。退職時の慰労金や特別な貢献に対する慰労金など、さまざまな種類があり、税務上の取り扱いも異なってきます。
慰労金の意味や目的、支給の流れについてもわかりやすくを解説します。
本記事では、慰労金の基本的な意味から、具体的な支給方法、税金の扱い、さらには企業のブランディング効果まで、実務に役立つポイントを詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.慰労金とは? 苦労をねぎらう目的と意味
- 2.慰労会の概要と歴史
- 3.慰労会とは
- 4.慰労金と退職金との違い
- 5.慰労金の具体例
- 6.慰労金の税金は課税・非課税?
- 7.慰労金の相場と計算方法
- 8.慰労金の仕訳例
- 8.1.慰労金を従業員に支給するケース
- 8.2.慰労金を役員に支給するケース
- 8.3.引当金を積み立てるケース
- 9.役員退職慰労金を支給する際の手続き方法
- 10.慰労金に関連する労務トラブル
- 10.1.慰労金の支給を巡る従業員とのトラブル事例
- 10.2.支給漏れや不公平な支給基準によるリスク
- 10.3.トラブルを防ぐための規程整備と運用ルール
- 11.慰労金支給による企業のブランディング効果
- 11.1.従業員満足度の向上
- 11.2.慰労会による企業文化の強化
- 11.3.優秀な人材の獲得
- 12.まとめ:慰労金と慰労会の目的
慰労金とは? 苦労をねぎらう目的と意味

慰労金は、従業員や役員の功労や貢献をねぎらうために支給される金銭のことです。一般的に退職時に支給される退職慰労金が代表的ですが、特別な功績に対して支給される特別慰労金など、さまざまな形態があります。
従業員に対する慰労金は、主に就業規則や退職金規程に基づいて支給されます。支給額は勤続年数や職位などを考慮して算出され、明確な基準に従って運用されるのが一般的です。
一方、役員への慰労金は株主総会での決議が必要となり、その支給額や条件は会社の業績や貢献度などを総合的に判断して決定されます。
上記のように従業員と役員では慰労金の扱いが異なるため、注意が必要です。
慰労会の概要と歴史
慰労会は、日本のビジネス文化や組織風土の中で長く受け継がれてきた伝統的な行事です。もともとは、長期間にわたるプロジェクトが終わった際や、定年退職を迎える人のこれまでの苦労をねぎらうために開催されてきました。慰労会の歴史をたどると、戦後の高度経済成長期には、会社全体や部署単位での団結力を高める目的でも頻繁に行われていたことが分かります。
時代とともに慰労会のスタイルも変化してきましたが、根底にあるのは「成果を出した人や、長年会社に貢献した人の苦労をねぎらう」という気持ちです。現代では、プロジェクトが終わったタイミングや決算期、定年退職など、さまざまな節目で慰労会が開かれています。こうした会を通じて、参加者同士の親睦を深めたり、組織の一体感を高めたりすることも、慰労会の大切な役割となっています。
慰労会とは
慰労会とは、仕事やプロジェクトで成果を出した人、あるいは定年退職を迎える人の苦労をねぎらうために開かれる会です。慰労会の意味は、日々の業務や大きなプロジェクトを終えた人の努力や苦労を、会社や仲間が集まって感謝の気持ちを伝えることにあります。慰労会では、参加者が一堂に会し、これまでの仕事の成果や苦労を振り返りながら、ねぎらいの言葉や挨拶を交わすのが一般的です。
たとえば、プロジェクトが終わったタイミングや、定年退職を迎える際など、節目ごとに慰労会を開催する企業が多く見られます。慰労会の参加者は、成果を出した本人だけでなく、同じチームや部署のメンバー、上司や後輩など、関係者全員が対象となることもあります。こうした場を設けることで、仕事を終えた人の苦労をねぎらうとともに、組織全体の結束力やモチベーション向上にもつながります。
慰労会は、単なる飲み会や懇親会とは異なり、「苦労をねぎらう」「感謝の気持ちを伝える」という明確な目的を持った会です。会社やチームの文化に合わせて、形式や内容を工夫することで、より意義のある慰労会を開催できるでしょう。
慰労金と退職金との違い
慰労金と退職金は、似ているように思われますが、その性質や支給方法に大きな違いがあります。
退職金は主に正社員を対象とし、就業規則で定められた基準に従って支給される制度です。計算方法や支給額は会社が独自に決定でき、退職給付制度として運用されています。
一方で慰労金は、役員退職慰労金やパート慰労金など、さまざまな形態があります。特に役員退職慰労金は、株主総会での決議が必要となり、会社単独では支給額を決定できません。
退職金規程の対象外となるパート従業員への感謝の意を示すパート慰労金など、柔軟な運用が可能な制度としての特徴があります。
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慰労金の具体例
代表的な慰労金として、以下の4つが挙げられます。
- 退職慰労金
- 役員退職慰労金
- 特別慰労金
- パート慰労金
以下で詳しく見ていきましょう。
定年退職慰労金
退職慰労金は、一般的に企業の役員が退任する際に支給される報酬のことです。ただし、この用語は正社員の退職金制度の対象とならないパートタイム従業員や契約社員が退職する際に支給される一時金としても使用されます。
特に、長期間勤務したパート従業員への感謝を示す制度として導入する企業が増えています。支給額は会社の規模や従業員の勤続年数、貢献度などを考慮して決定されます。正社員の退職金と比べると金額は少額ですが、功労をねぎらう制度として定着しました。
税務上の取り扱いは支給対象者や金額によって異なるため、事前に確認が必要です。
役員退職慰労金
役員退職慰労金は、取締役や監査役などの企業役員が退任する際に支給される報酬です。一般の従業員の退職金とは異なり、就業規則や退職金規程での定めは不要ですが、定款での規定か株主総会での決議等が必須です。
支給額は、在任期間や役職、企業への貢献度、会社の業績などを総合的に判断して決定されます。近年は、コーポレートガバナンスの観点から支給基準の明確化や透明性の確保が求められており、事前に支給基準を定めて開示する企業も増えています。
なお、支給時期は退任時に一括払いとするケースが一般的です。
特別慰労金
特別慰労金は、通常の報酬制度とは別に、特別な状況や功績に対して支給される一時金です。
代表的な例として、新型コロナウイルス感染症への対応に尽力した医療・介護従事者などへの慰労金があります。この制度では、感染リスクの高い環境で働く医療機関の職員や介護サービス事業者などに対し、最大20万円が支給されました。
これらの慰労金は、感謝の気持ちを込めて支給されることが多いです。
その他にも、企業の業績が特に好調だった際の特別賞与や、災害時の対応など特殊な状況下での貢献に対する感謝の意を示すために支給されるケースがあります。
支給額や条件は、状況や目的によってさまざまですが、従業員の努力や献身をねぎらう意味の制度として機能しています。
パート慰労金
パート慰労金は、正社員のような退職金制度が設けられていないパートタイム労働者に対して、長期にわたる勤務への感謝と労をねぎらう目的で支給される一時金です。
金額は会社の規模や経営状況、勤続年数などを考慮して決定されます。近年は人材確保の観点から、パート従業員の待遇改善策として導入する企業が増えています。パート従業員のモチベーション向上や定着率アップのために、パート慰労金の導入もおすすめです。
支給に当たっては、就業規則や給与規程に明確な基準を設け、公平性を確保することが重要です。労使間のトラブルを防ぐためにも、支給条件や金額の算定方法を明文化しておくことが望ましいでしょう。
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慰労金の税金は課税・非課税?
原則、慰労金は給与所得として課税対象となり、支給時に所得税と住民税が課されます。
ただし、災害見舞金や新型コロナウイルス感染症対応従事者への慰労金など、特定の目的で支給される場合は非課税となることがあります。非課税となる条件は所得税法および租税特別措置法に定められており、支給目的や金額によって判断されるのです。
支給する際は源泉徴収の対象となるため、企業は適切に税務処理をする必要があります。また、退職時の慰労金は退職所得控除の対象となり、一定の税制上の優遇措置が適用される場合もあるので、事前に確認しましょう。
参考:国税庁「課税される所得と非課税所得」
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慰労金の相場と計算方法
エヌエヌ生命保険が2020年3月に実施した「中小企業の退職金に関する調査」によると、役員退職金(役員退職慰労金)の平均支給額は下記の通りです。
- 社長:約2,476万円
- 取締役:約1,685万円
- 監査役:約1,150万円
役員退職慰労金の計算は、功績倍率法によるのが一般的です。以下の計算式で求めます。
【役員退職金=退任前の最終月額報酬×通算役員在任年数×功績倍率】
功績倍率の目安は、2倍から3倍程度が目安です。
ただし、業績悪化や健康上の理由で報酬が減額されていた場合は、同業種・同規模企業の1年当たり平均支給額に在任年数を掛ける方法を採用することもあります。
特別な貢献があった役員には、基本額の30%程度を功労加算金として上乗せすることも一般的です。具体的な支給額は企業規模や業績を考慮して決定されます。
参考:エヌエヌ生命保険「中小企業の退職金に関する調査」
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慰労金の仕訳例
慰労金の仕訳例として、3つのケースを紹介します。
- 慰労金を従業員に支給するケース
- 慰労金を役員に支給するケース
- 引当金を積み立てるケース
以下で詳しく見ていきましょう。
慰労金を従業員に支給するケース
退職給付会計で退職給付引当金を設定している場合と、設定していない場合で仕訳が異なります。退職給付引当金を設定していても、取り崩しの有無によって仕訳が変わるので注意しましょう。
【退職給付引当金を設定し1人の従業員に退職金100万円を普通預金から支給した場合】
・全額を退職給付引当金から取り崩した仕訳例
借方 | 貸方 |
退職給付引当金 1,000,000円 | 普通預金1,000,000円 |
・慰労金の半分を退職給付引当金から取り崩した仕訳例
借方 | 貸方 |
退職給付引当金 500,000円 | 普通預金 1,000,000円 |
退職金 500,000円 |
【退職給付引当金の設定がなく1人の従業員に退職金50万円を普通預金から支給した場合】
借方 | 貸方 |
退職金 500,000円 | 普通預金 500,000円 |
慰労金を役員に支給するケース
【1人の役員に退職金800万円を当座預金から支給した場合で、源泉徴収すべき所得税などが788,722円のケース】
借方 | 貸方 |
退職金 8,000,000円 | 当座預金 7,211,278円 |
預り金 788,722円 |
退職所得算出時、貸方に「預り金」を計上するのは、源泉徴収すべき所得税などがある場合です。
【1人の役員に退職金700万円を支給した場合で、役員退職慰労引当金から500万円を取り崩した場合】
借方 | 貸方 |
役員退職慰労引当金 5,000,000円 | 当座預金 7,000,000円 |
退職金 2,000,000円 |
引当金を積み立てるケース
【従業員の退職に備え毎月5万円を引当金として積み立てる場合】
借方 | 貸方 |
退職給付費用 50,000円 | 退職給付引当金 50,000円 |
【役員の退職に備え毎月15万円を引当金として積み立てる場合】
借方 | 貸方 |
役員退職慰労引当金繰入額 150,000円 | 役員退職慰労引当金 150,000円 |
役員への退職金は、不相当に高額とならないよう、上述の功績倍率法などを用いて適正に算定しましょう。課税庁からあまりに高額であると判断された場合には、役員退職金として認められないからです。
役員退職慰労金を支給する際の手続き方法
役員退職慰労金の支給手続きは、会社法で定款に定めておくか、株主総会の決議によることとされています。以下では、株主総会での決議と、役員退職慰労金を廃止する動きについて見ていきましょう。
役員退職慰労金は株主総会で決議される
役員退職慰労金は、株主総会の決議によって支給されることが一般的です。定款に具体的な支給内容を明記することは少なく、通常は支給方法や時期を取締役会に一任する形が取られます。
株主は、支給基準を示された上でその可否を判断するため、透明性が求められます。支給基準は役員退職金規程などに明文化されていることが望ましいでしょう。
また、株主総会での決議がないと、税務上の損金算入が認められないため、企業としては慎重な手続きが必要です。
役員退職慰労金を廃止する動きもある
近年、役員退職慰労金を廃止する企業が増加しています。この背景として、企業の報酬体系が成果主義へと移行していることです。
一般従業員の評価が成果主義に基づく一方で、役員の退職金が勤続年数などの従来の基準で決定されることへの不公平感が指摘されています。
また、役員退職慰労金の支給が企業の財務負担となることや、コーポレートガバナンスの観点から透明性が求められることも廃止の理由です。代わりに、在任中の業績連動型報酬や株式報酬(いわゆるストック・オプション)の導入が進んでいます。
この動きは今後も拡大すると予想され、役員の報酬体系全体の見直しにつながる可能性があります。企業は、株主や従業員の理解を得ながら、適切な役員報酬制度の構築を目指しましょう。
慰労金に関連する労務トラブル
慰労金に関連する労務トラブルやリスクなどを紹介します。トラブルを未然に防ぐための案内状や通知文の例文も参考にすると良いでしょう。
- 慰労金の支給を巡る従業員とのトラブル事例
- 支給漏れや不公平な支給基準によるリスク
- トラブルを防ぐための規程整備と運用ルール
慰労金の支給を巡る従業員とのトラブル事例
慰労金の支給を巡る従業員とのトラブル事例には、支給額の不一致や支給時期の遅延などがあります。
例えば、社内規定と実際の支給額に差異がある場合、従業員との間で紛争が生じることもあるでしょう。また、退職後すぐに慰労金が支給されないケースも問題です。
さらに、慰労金の税務処理の誤りによるトラブルも発生することがあります。
支給漏れや不公平な支給基準によるリスク
慰労金の支給漏れや不公平な支給基準は、企業に深刻なリスクをもたらします。従業員の不満や訴訟リスクが高まり、モチベーション低下や生産性の低下につながる可能性があります。
また、不公平な待遇は企業のブランドイメージを損ない、優秀な人材の流出や採用難を招く恐れもあるでしょう。
さらに、法的リスクも高まり、行政指導や罰金などの措置を受けることも考えられます。これらのリスクを回避するためには、公平で透明性の高い慰労金制度の確立が不可欠です。
トラブルを防ぐための規程整備と運用ルール
慰労金に関するトラブルを防ぐには、明確な規程の整備と適切な運用ルールを確立しなくってはなりません。具体的には、支給基準や計算方法を明文化し、従業員に周知することが重要です。
また、役員退職慰労金については、会社法に基づき株主総会での決議を経るなど、適切な手続きを踏むことが求められます。
さらに、定期的な規程の見直しや、税務上の取り扱いに関する最新情報の把握も必要です。
慰労金支給による企業のブランディング効果
慰労金支給による企業のブランディング効果を上げるために、次の3つを紹介します。
- 従業員満足度の向上
- 企業文化の強化
- 優秀な人材の獲得
従業員満足度の向上
従業員満足度の向上には、慰労金の支給が効果的です。慰労金は従業員の努力を認め、感謝の気持ちを表す手段となります。
適切に支給されることで、従業員は企業への貢献が評価されていると実感し、モチベーションが向上します。さらに、企業ビジョンへの共感や仕事のやりがい、成長実感などの要素と組み合わせることで、より高い満足度が得られるでしょう。
慰労会による企業文化の強化
慰労金の支給は、企業文化の強化にとって重要な役割です。従業員を大切にする姿勢が明確になり、社内の連帯感が高まります。
また、企業の価値観や行動規範が従業員に浸透し、組織全体の方向性が統一されます。さらに、外部からも従業員を大切にする企業というポジティブな印象を与え、企業ブランドの向上につながるでしょう。
優秀な人材の獲得
優秀な人材の獲得には、慰労金制度の整備が効果的です。従業員の努力を認め、適切に報いる姿勢は、企業の魅力を高めます。
多様な採用手法を組み合わせることで、優秀な人材との接点を増やせます。また、研修制度や成長機会の提供、働きやすい環境づくりなど、金銭面以外の待遇も重要です。
これらの取り組みにより、他社との差別化を図り、優秀な人材を引き付けられる可能性があります。
まとめ:慰労金と慰労会の目的
慰労金は、従業員の労をねぎらう制度です。退職慰労金、役員退職慰労金、特別慰労金、パート慰労金など、さまざまな形態があります。
支給には適切な手続きと規程整備が必要で、税務上の取り扱いにも注意が必要です。慰労金制度を適切に活用することで、企業と従業員の良好な関係構築に寄与するでしょう。
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※この記事はAIによってリライトされたものです


