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介護業界で人手不足が慢性化している背景や原因とは?解決策や具体例を解説

こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。

介護業界の人手不足は慢性化しており、大きな課題となっています。この記事では、介護業界における人手不足の慢性化の原因や背景、人手不足の改善策などを解説します。人手不足を解消した事例も合わせて紹介するため、ぜひ参考にしてください。


目次[非表示]

  1. 1.介護業界ではなぜ人手不足が慢性化しているのか
    1. 1.1.少子高齢化が進んでいる
    2. 1.2.介護人材が不足している
    3. 1.3.介護需要が増加している
  2. 2.介護施設の人手不足が慢性化している原因
    1. 2.1.人材獲得競争が激しい
    2. 2.2.労働環境への不満による離職
    3. 2.3.介護職に対するネガティブなイメージ
  3. 3.介護施設の人手不足を解消するための解決策
    1. 3.1.採用方法を見直す
    2. 3.2.外国人人材を受け入れる
    3. 3.3.働きやすい労働環境を整備する
    4. 3.4.ITを活用して介護業務を効率化する
    5. 3.5.介護職のイメージアップを図る
    6. 3.6.介護スタッフ採用における助成金を活用する
  4. 4.介護現場の人手不足の改善例
    1. 4.1.パートタイマーを活用した事例
    2. 4.2.タブレットの導入でスタッフ間のコミュニケーションが活性化した事例
    3. 4.3.介護助手・介護ロボットを活用した事例
  5. 5.介護ロボットは介護業界の人手不足の解消に有効
    1. 5.1.介護ロボットの特徴・種類
    2. 5.2.介護ロボットを導入するメリット
  6. 6.介護の仕事はやりがいがある
  7. 7.まとめ

介護業界ではなぜ人手不足が慢性化しているのか

人手不足の慢性化が介護業界全体に広がっている背景を以下で解説します。

介護業界以外の人手不足に関する対策はこちらの記事を参考にしてみてください。

人手不足を解消するにはどうすればよい?企業が取り組むべき対策や成功事例も紹介

少子高齢化が進んでいる

内閣府の「令和3年版高齢社会白書」によると、2020年10月現在の総人口は1億2,571万人で、そのうち65歳以上の人口の割合は28.8%となっており、高齢化が進んでいることが分かります。

2065年には総人口は9,000万人を下まわるうえに、65歳以上の人口が占める割合は38.4%となり、今後も少子高齢化が進むことが推定されています。65歳以上の人口が増加していくことから、介護を必要とする高齢者が増える傾向にあるといえるでしょう。

※参考:令和3年版高齢社会白書(全体版)|内閣府

介護人材が不足している

公益財団法人 介護労働安定センターが公開している、「令和2年度『介護労働実態調査』結果の概要について」によると、訪問介護事業所や施設介護事業所のいずれも人手不足と回答しています。

また厚生労働省の「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によれば、2019年時点の介護職員数が211万人だったのが、2040年には280万人が必要と推計されています。

しかし、介護職の給与は低い傾向にあり、待遇への不満を理由に離職する人も少なくありません。

※参考:令和2年度「介護労働実態調査」結果の概要について|公益財団法人 介護労働安定センター第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について

介護需要が増加している

少子高齢化をはじめ、女性の社会進出や核家族化などによってライフスタイルが変化したことも、介護業界で人手不足が広がっている背景の1つです。子どもと親の生活場所が離れている、仕事で忙しく自宅での介護が困難など、子どもが親を介護する機会が減少しています。また介護を必要とする高齢者が増えたことで介護サービスは普及しましたが、介護施設の入居を待つ人が急増しています。

介護施設の人手不足が慢性化している原因

介護施設で人手不足が慢性化している原因は、人材獲得競争の激しさや待遇への不満による離職などが挙げられます。

人材獲得競争が激しい

高齢化によって介護サービスの需要が高まっていることを見据え、他業種から介護業界へ新規参入する企業が増加しました。介護サービスを提供する企業が増えたことで、人材獲得競争はますます激しさを増しています。そのため、介護人材の採用が困難となり、どの介護現場でも人手不足が慢性化している状況が続いています。

労働環境への不満による離職

国税庁が公表する「令和2年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」によると、2020年12月現在の平均給与は433万円となっています。

対して、公益財団法人 介護労働安定センターが公表する、「令和2年度「介護労働実態調査」結果の概要について」によると、同年における介護職の一般労働者の所定内賃金は約24万円、賞与を支給している事業所の年収は約355万円(約292万円+賞与約63万円)となり、先述した平均給与を約80万円下回っていることが見て取れます。

※参考:令和2年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-|国税庁 長官官房 企画課令和2年度「介護労働実態調査」結果の概要について|公益財団法人 介護労働安定センター

介護職に対するネガティブなイメージ

厚生労働省の「介護人材の確保について」によると、介護職のイメージはネガティブなものが多いことが分かっています。「夜勤があって、きつい仕事」「他の職種に比べて給与水準が低い仕事」「将来に不安を感じる仕事」などが回答の一例です。このように、介護職のネガティブなイメージの払拭が困難なために、介護人材が集まりにくくなっています。

※参考:介護人材の確保について|厚生労働省

介護施設の人手不足を解消するための解決策

介護施設の人手不足を解消するには、どのような解決策があるのか、以下で解説します。

採用方法を見直す

人手不足を解消するには既存の採用方法を見直し、必要になったときに人手を確保できるように準備しておきましょう。採用方法としては、ハローワークや求人広告、人材派遣・紹介会社などがあります。なかでも、人材派遣会社とのつながりを持ち、人手が不足したときに求める人材を紹介してもらう、求人サイトに求人を掲載するといった方法がおすすめです。

外国人人材を受け入れる

国内の人材だけではなく、海外の介護人材を雇用する方法もあります。外国人技能実習制度を活用すれば、効率よく技能実習生を集めることができます。技能実習生が介護福祉国家資格を取得すると、永続的な在留資格をもらえる場合もあります。在留資格を取得した外国人人材を採用できれば、在留ビザの期限を気にせずに雇用し続けることも可能です。

働きやすい労働環境を整備する

待遇面を見直して働きやすい労働環境を整えることで、介護職の離職率の改善を図れます。例えば、給与を上げる、ユニットケアを導入した職場環境の改善などが一例です。ユニットケアは、少人数の入居者をユニットごとに分け、同じ複数名の担当者が介護にあたります。介護スタッフ同士が話し合ってサービスを提供できるため、人間関係の悪化を防げます。

ITを活用して介護業務を効率化する

ITツールなどを活用することで、介護業務の効率化を図れます。ITツールとタブレット、スマートフォンを連携させれば、他の介護スタッフとの情報の共有やコミュニケーションの活性化につなげられます。IT化が進むと、介護業務におけるムリ・ムダ・ムラを削減できるため、介護スタッフの身体的・精神的な負担を減らせる可能性があります。

介護職のイメージアップを図る

介護人材を多く集めるためには、介護職に対するネガティブなイメージを払拭させる必要があります。例えば、広報部門を設置して、介護職のやりがいなどを積極的にPRしたり、人事評価制度を見直したりして、公正な評価を行うことを徹底するなどの方法があげられます。また、キャリアアップ制度や資格取得支援制度を導入することで、介護スタッフの将来への不安を減らせるでしょう。

介護スタッフ採用における助成金を活用する

以下の助成金を活用して、介護スタッフの採用にかかる費用の負担を軽減できます。

  • 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース):60~64歳の人材や障害者などの就職困難者の雇用が対象
  • 特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース):65歳以上の人材の雇用が対象
  • トライアル雇用助成金(一般トライアルコース):職業経験不足による就職困難者の雇用が対象

上記以外にもさまざまな助成金があるので、厚生労働省のWebサイトも確認してみてください。

※参考:雇用関係助成金検索ツール|厚生労働省

介護現場の人手不足の改善例

ここでは、介護現場の人手不足を改善した事例を紹介します。人手不足の解決策を探している人は、ぜひ参考にしてください。

パートタイマーを活用した事例

夜勤を含むすべてのシフトに正社員を平均的に配置していた介護施設では、ケアが集中する時間帯に人員を増やすなどの適切な配置ができておらず、スタッフは問題として認識していませんでした。

その後、介護業務を身体介助と掃除や洗濯などの間接業務に分けて整理し、人手をかけるべき時間帯の人員を増やしました。さらに、身体介助は正社員が行い、間接業務はパートタイマーのスタッフに任せたことで、適正な人員配置と正社員の業務の負担を軽減することに成功しました。

※参考:3.事例|厚生労働省

タブレットの導入でスタッフ間のコミュニケーションが活性化した事例

ある老人ホームは、紙での介護記録業務に時間を取られ、介護スタッフに負担がかかって記録忘れや転記ミスなどが発生していることが課題でした。そこでタブレットを導入して記録業務のペーパーレス化を実施し、看護職員やベンダーと連携して介護ソフトのカスタマイズ化を進めました。

結果的に、記録業務にかかっていた時間が大幅に削減されました。また、使用機器の操作に慣れている人が分からない人に教えるという環境が形成され、スタッフ間のコミュニケーションの活性化につながっています。

※参考:3.事例|厚生労働省

介護助手・介護ロボットを活用した事例

北九州市の実証施設として、ICT・介護ロボットなどの導入を進める介護施設では、見守り支援機器などの導入を準備していたものの、人員配置の見直しなどの検討が不十分で、介護ロボットの導入による成果を感じられずにいました。

市のガイドラインをもとに、すべての介護業務の洗い出しや、ICT・介護ロボットの導入による業務時間の削減、介護スタッフの軽減、介護助手の活用などに取り組みました。結果的に、配置人員を減らしても、利用者の生活の質を維持するためのケアの提供に成功しています。

※参考:3.事例|厚生労働省

介護ロボットは介護業界の人手不足の解消に有効

介護ロボットの導入は、介護業界の人手不足の解消に有効とされています。主な特徴や種類、導入するメリットを解説します。

介護ロボットの特徴・種類

厚生労働省の「介護ロボットとは」によると、ロボットとは情報を感知するセンサー系、情報を判断する知能・制御系、情報をもとに動作する駆動系の3種類の要素技術を持つ機械システムを指します。

介護ロボットは要介護者の自立支援や、介護スタッフの介助業務などに役立つ介護機器になります。一例としては、要介護者の移乗・移動支援や、排せつ・入浴支援・見守りなどをサポートするためのさまざまな機器があります。

※参考:介護ロボットとは|厚生労働省

介護ロボットを導入するメリット

介護ロボットの導入は、介護現場の人手不足の解消に有効とされており、介護業界で注目されています。介護ロボットを導入した場合、介助業務や夜間の見守り業務などを軽減でき、介護スタッフの身体的・精神的な負担を減らせます。ただし、導入には数百万円の費用がかかる上に、操作方法を覚えなければならないため、導入を決める際は十分な議論を重ねる必要があるでしょう。

介護の仕事はやりがいがある

介護人材を集めて介護現場の人手不足を解消するには、介護職に対するネガティブなイメージを払拭するために、仕事のやりがいなどをアピールしていくことが大切です。介護職は、要介護者とその家族から「ありがとう」と感謝される機会も多く、要介護者の自立や回復をそばで見守れることから、社会的に意義のある仕事といえるでしょう。

まとめ

介護業界では、介護職の労働環境に対する不満から離職する人が増えています。また、介護職のネガティブなイメージが多いこともあり、介護人材が慢性的に不足しています。人手不足の改善策として、介護業務のIT化や労働環境の整備、採用方法の見直しなどが有効です。

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