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法定休日とは?労働基準法に基づく基本と重要性を徹底解説

「法定休日」という言葉を耳にしたことはありますか?これは、労働基準法で定められた、会社が従業員に「必ず」与えなければならない休日のこと。具体的には、週に1日、または4週間に4日以上の休日を指します。この法定休日は、私たちが心身ともに健康に働き続けるために、とても重要な役割を果たしているのです。この記事では、法定休日の基本から、その重要性、そして知っておくべきポイントまでを徹底的に解説します。

法定休日とは?その定義と法的根拠

労働基準法第35条に明記されている法定休日とは、会社が従業員に与えなければならない最低限の休日のことです。「毎週少なくとも1日の休日」または「4週間で4日以上の休日」を付与する義務が企業に課せられています。この法定休日の考え方は、従業員の心身の疲労を回復させ、健康を維持し、仕事と生活の調和を図る上で非常に重要です。

法定外休日(所定休日)とは?

法定外休日、または所定休日とは、法律で定められた法定休日とは別に、企業が独自に定める休日のことを指します。例えば、完全週休2日制の場合、そのうち1日が法定休日、残りの1日が法定外休日となるのが一般的です。法定外休日は、企業の規模、業種、労働条件などに応じて柔軟に設定することができ、従業員の満足度向上やモチベーションアップに繋がります。具体的には、週休2日制におけるもう1日、国民の祝日、年末年始休暇、夏季休暇などがこれに該当します。

法定休日と法定外休日の相違点

法定休日と法定外休日の主な違いは、法律で定められているか否かと、休日労働に対する割増賃金の取り扱いです。法定休日に労働させた場合、企業は従業員に対して35%以上の割増賃金を支払う義務があります。一方、法定外休日に労働させた場合は、原則として割増賃金の支払いは発生しません。ただし、法定外休日の労働によって1週間の労働時間が法定労働時間(40時間)を超過した場合、時間外労働として25%以上の割増賃金が発生します。
法定休日と法定外休日の区別は、労働契約書や就業規則に明確に記載されていることが望ましいですが、もし定めがない場合は、企業はどちらの休日を法定休日とするかを明確にする必要があります。

法定休日に関する重要なルール

法定休日を適切に運用するためには、いくつかの重要なルールを理解しておく必要があります。これらのルールを遵守することで、法令違反のリスクを減らし、従業員の権利をきちんと守ることができます。

1.年間の法定休日日数は原則52日

労働基準法では、週に1日の休日を義務付けているため、年間では最低52日の法定休日が必要となります。しかし、週40時間労働制を考慮すると、実質的には年間105日以上の休日を付与することが望ましいと考えられています。なぜなら、週40時間労働を年間52週続けた場合、最低でも105日の休日が必要になる計算になるからです。

2.法定休日の労働には36協定が不可欠

原則として、法定休日に従業員を労働させることは法律で禁じられています。しかし、企業が従業員の代表者との間で36協定を締結し、労働基準監督署に届け出ることで、例外的に法定休日労働が認められる場合があります。ただし、この場合でも、36協定で定められた範囲内でのみ、休日労働や時間外労働が許可されます。

3.法定休日は雇用形態に関わらず適用

法定休日の規定は、正社員に限らず、パート、アルバイト、契約社員、派遣社員など、あらゆる雇用形態の従業員に適用されます。企業は、雇用形態に関わらず、すべての従業員に対して適切な休日を付与する義務を負っています。

4.シフト制勤務における法定休日の考え方

シフト制勤務の場合、4週間を通じて少なくとも4日以上の法定休日を確保する必要があります。シフトを作成する際は、この原則を遵守し、従業員が十分に休息を取れるように配慮することが重要です。シフト制を採用している場合は、法定休日の起算日を就業規則などで明確に定めることが推奨されます。

5.法定休日の設定は就業規則への明記が望ましい

労働基準法では、休日に関する事項を就業規則に明記することを義務付けています。法定休日をいつに設定するか(例:毎週日曜日)を具体的に明記することで、休日労働の管理や割増賃金の計算をスムーズに行うことができます。従業員数が10名以上の企業では、就業規則の作成と労働基準監督署への届け出が法律で義務付けられています。

法定休日の規定違反に対するペナルティ

労働基準法に定められた法定休日を遵守しなかった場合、第119条に基づき、事業主は最大で6ヶ月の懲役、または30万円以下の罰金という刑事罰を受ける可能性があります。さらに、会社の就業規則に休日に関する記述が欠けている場合も、労働基準法第89条の不備として、同様の罰金が科されることがあります。

法定休日とその他の休日の相違点

労働関連の法律では、法定休日の他に、振替休日、代休、有給休暇など、多種多様な休日が定義されています。これらの違いを明確に把握し、適切に運用することは、企業における労務管理において非常に重要です。

振替休日とは?

振替休日とは、予め休日と決められていた日を労働日に変更し、その代替として別の労働日を休日にすることを指します。振替休日を実施した場合、元の休日は労働日扱いとなるため、休日労働とはみなされず、割増賃金は原則として発生しません。ただし、振替によって週の労働時間が法定労働時間である40時間を超過した場合は、超過時間に対して時間外労働としての割増賃金が発生します。

代休とは?

代休とは、実際に休日労働を行った後に、その代償として労働者に与える休日のことを言います。代休の場合、休日労働そのものは変わらないため、法定休日に労働させた場合は、通常の賃金に加えて35%以上の割増賃金を支払う必要があります。代休は、事前に休日を振り替える振替休日とは異なり、事後的な対応となります。

有給休暇とは?

有給休暇とは、従業員が心身を休養させたり、個人的な用事を済ませたりするために取得できる、給与が支給される休暇のことです。法律によって、労働者の権利として認められており、原則として会社は有給休暇の取得を拒否できません。法定休日や振替休日、代休とは異なり、有給休暇は従業員が自由に時期を決めて取得できる休暇です。

休日の種類と出勤時の割増賃金

休日出勤があった場合、その休日が法定休日であるかどうかによって、割増賃金の計算方法が異なります。また、振替休日や代休の取得状況によっても、割増賃金の扱いが変わるため、注意が必要です。

・法定休日の割増賃金

法定休日に労働させた場合、35%以上の割増賃金を支払う必要があります。この割増賃金は、労働基準法で定められた最低基準であり、企業は必ず守らなければなりません。さらに、法定休日の労働が深夜時間帯に及んだ場合は、割増率が上乗せされます。

・法定外休日の割増賃金

法定外休日に労働させた場合、原則として割増賃金は発生しません。ただし、その週の労働時間が40時間を超えた場合は、時間外労働として25%以上の割増賃金を支払う必要があります。

・振替休日の割増賃金

振替休日を取得した場合、元の休日は労働日となるため、休日労働としては扱われず、割増賃金は発生しません。ただし、振替によって週の労働時間が40時間を超過した場合は、時間外労働として割増賃金が発生します。

・代休の割増賃金

代休を取得した場合でも、法定休日に労働させたという事実は変わらないため、35%以上の割増賃金を支払う必要があります。

割増賃金の計算例

割増賃金の計算は、基本給や諸手当、労働時間など、様々な要素を考慮する必要があります。ここでは、具体的な計算例をいくつか示し、割増賃金の計算方法について、より深く理解していただけるように解説します。

例1:時給1,500円の従業員が法定休日に8時間労働した場合

割増賃金 = 1,500円 × 1.35 × 8時間 = 16,200円

例2:月給30万円の従業員が法定外休日に8時間労働し、その週の労働時間が40時間を超えた場合

時間給換算:30万円 ÷ (1ヶ月の平均所定労働時間) = 時間給

時間外割増賃金 = 時間給 × 1.25 × 時間外労働時間

法定休日に関する注意点

法定休日を適切に運用するために、特に注意すべき点をまとめました。これらの注意点を参考に、適切な労務管理を実施しましょう。

  • 法定休日の振替は、できる限り早い時期に行うことが望ましい
  • 36協定を締結せずに休日労働をさせることは法律違反となる
  • 休日労働をさせる場合は、従業員の健康状態に十分に配慮する
  • 法定休日に関する規則は、就業規則に明確に記載する

結び

労働者の権利保護と企業の健全な運営を両立させる上で、法定休日は非常に重要な役割を果たします。この記事が、法定休日に関する理解を深め、適切な労務管理の実践に貢献できれば幸いです。法令を遵守し、従業員のワークライフバランスを重視する企業文化を育んでいきましょう。

法定休日とは何ですか?

法定休日とは、労働基準法によって定められた、企業が従業員に必ず付与しなければならない休日のことを指します。具体的には、毎週少なくとも1日、または4週間の中で4日以上の休日を確保する必要があります。

法定休日に出勤した場合、割増賃金はどのくらいになりますか?

法定休日に労働させた場合、通常の労働時間に対する賃金に加えて、35%以上の割増賃金を支払う義務があります。これは労働基準法で定められた最低限の基準であり、企業はこの基準を下回ることは許されません。

振替休日と代休の違いは何ですか?

振替休日とは、あらかじめ休日と労働日を交換する制度であり、この場合は割増賃金は発生しません。一方、代休は、休日労働が行われた後に、その代わりとして与えられる休日のことで、休日労働に対する割増賃金の支払いが必要となります。

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