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【企業向け】定年退職の年齢は何歳?市場動向・必要な対応など解説

こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。

「定年退職を迎える年齢は具体的には何歳だろう」「従業員の定年退職はどのように手続きを進めれば良いだろう」
当記事をお読みのあなたは上記の疑問をお持ちではないでしょうか。定年退職は企業ごとに定めることが可能であり、定める場合は60歳以上です。他にも企業、従業員のそれぞれから見た定年退職のメリットやデメリットも解説します。

目次[非表示]

  1. 1.定年退職とは?年齢は何歳?
  2. 2.定年退職者の課題と悩み
  3. 3.定年退職に関する企業の実情・動向
  4. 4.定年退職と深く関連する「高年齢者雇用安定法」とは
  5. 5.定年退職の年齢を引き上げることによる企業・従業員への影響
    1. 5.1.【企業側】定年退職の年齢を引き上げるメリット
    2. 5.2.【企業側】定年退職の年齢を引き上げるデメリット
    3. 5.3.【従業員側】定年退職の年齢を引き上げるメリット
    4. 5.4.【従業員側】定年退職の年齢を引き上げるデメリット
  6. 6.従業員が定年退職する際の流れ・必要な対応
    1. 6.1.1.辞令の作成・通知
    2. 6.2.2.各種保険・税金の手続き
    3. 6.3.3.給与・退職金・社内預金などの支給
    4. 6.4.4.貸与品の回収
    5. 6.5.5.(必要な場合のみ)再雇用の手続き
  7. 7.企業が定年退職の年齢を引き上げる際に意識するポイント
    1. 7.1.給与形態を見直す
    2. 7.2.雇用契約や就業規則を整理する
    3. 7.3.65歳超雇用推進助成金を活用する
      1. 7.3.1.65歳超継続雇用促進コース
      2. 7.3.2.高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
      3. 7.3.3.高年齢者無期雇用転換コース
  8. 8.定年退職した人へのメッセージの例
  9. 9.定年退職した人へのお祝い(プレゼント)の例
  10. 10.まとめ

定年退職とは?年齢は何歳?

定年退職制度を企業が導入するかどうかは任意であり、導入しない選択もできます。ただし、導入する場合は、就業規則や雇用契約書への明記が必須です。

定年退職の年齢も企業ごとに決められます。ただし、定年は60歳以上に設定する必要があると労働基準法で定められていることには注意しましょう。

定年退職をさせるタイミングも企業ごとに決められます。例として以下の設定が可能です。定年が65歳に設定されており、従業員が1960年5月1日生まれとして考えてみましょう。

タイミング

退職日

従業員が定年を迎えた日(誕生日)

2025年5月1日

従業員が定年を迎えた月の月末

2025年5月31日

従業員が定年を迎えた年の年度末

2026年3月31日

参考:厚生労働省「第7章 定年、退職及び解雇」 


定年退職者の課題と悩み

定年を迎える従業員は、退職が近づくにあたり、さまざまな課題や悩みに直面します。例として以下の課題や悩みです。

  • 収入がなくなってしまう
  • 仕事のようにやりがいがある活動ができない
  • 仲間との繋がりが薄れてしまう

上記のように退職後の生活に不安を抱える従業員は多いでしょう。逆に考えると、定年退職を迎えずに長く働くことができると、従業員の不安を軽減できます。

定年退職の年齢を引き上げることは企業にとってデメリットに感じるかもしれません。しかし、定年退職の年齢を引き上げることには実はメリットが多いです。

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定年退職に関する企業の実情・動向

厚生労働省が発表した「令和4年就労条件総合調査の概況」によると、定年制を導入している企業は94.4%です。大半の企業が定年制を採用しているといえる結果となりました。

定年制は必須ではない中で定年制を採用する企業が多い理由は、以下であると予想できます。

  • 定年制によって人材の入れ替えを行いたい
  • 企業は他に従業員を退職させられる理由がない

上記のように定年退職は企業にとってはポジティブな理由です。しかし、従業員から見るとネガティブな面が強いといえます。

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定年退職と深く関連する「高年齢者雇用安定法」とは

高年齢者雇用安定法は従業員が65歳まで働けるように企業の環境整備を義務化する法律です。この法律によって、定年退職のタイミングを65歳未満に設定していた企業は、65歳まで従業員が安定して雇用されるようなんらかの措置を講じる義務が課されました。

また2021年の同法改正により、従業員が65歳まで就労環境を確保できる制度だけでなく、70歳までの就業を確保する努力義務も追加されています。

同法によって、多くの企業が定年退職の年齢を引き上げることになりました。

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定年退職の年齢を引き上げることによる企業・従業員への影響

定年退職の年齢を引き上げることでさまざまなメリット、デメリットがあります。当項では企業側、従業員側それぞれの視点からメリット、デメリットを解説します。

【企業側】定年退職の年齢を引き上げるメリット

企業が定年退職の年齢を引き上げるメリットとして以下があります。

  • 人材の保持
  • 競争力の維持
  • 採用活動や人材育成の負担軽減

定年退職の年齢を引き上げると、企業は同じ従業員に長く働いてもらえます。よって、社内の従業員構成が変わらないため、企業は組織編成や競争力の維持が可能です。

新規人材を獲得するために、企業は採用活動をする必要があります。しかし、新規人材を確保する必要性が下がるため、採用活動の負担軽減が可能です。また新規人材を採用した場合、採用活動だけでなく、社内で活躍してもらうための育成にコストが必要となります。しかし、同じ従業員が働くのであれば育成コストも不要です。

【企業側】定年退職の年齢を引き上げるデメリット

企業が定年退職の年齢を引き上げるデメリットとして以下があります。

  • 人材の入れ替えをしにくい
  • 人件費が高額になりやすい

企業にとって定年退職の年齢を引き上げる最大のデメリットは、人材の入れ替えをしにくいことです。企業は定年を迎えた従業員に退職してもらい、新規人材に退職した従業員以上の価値を創出してもらうサイクルを築いてきました。しかし、定年退職の年齢が引き上がれば、このサイクルは回りにくくなります。

また定年退職が近い従業員は給料が高額になりやすいです。定年退職が近い従業員の給料と採用活動や人材育成の負担を比較し、後者の方が低く済むと考えるケースもあるでしょう。これをデメリットと考えて、定年退職の年齢引き上げをネガティブに捉える企業があります。

【従業員側】定年退職の年齢を引き上げるメリット

企業が定年退職の年齢を引き上げた場合の従業員のメリットには以下があります。

  • 収入が継続する
  • 社会とのつながりややりがいの維持

従業員の定年退職の年齢が引き上がると、定年間近の従業員にメリットがあります。理由は勤務できる期間が延びるためです。これにより延びた期間は収入も継続して入ることになるため、老後の不安が少なくなることがメリットです。

また勤務できる期間が延びるため、社会とのつながりややりがいを保ちやすいメリットもあります。定年退職後にやりがいがある活動をなかなかできず、活力を失ってしまう高齢者もいるでしょう。勤務を続けることで企業に貢献を続けられれば、やりがいや社会とのつながりにより活力を維持できます。

【従業員側】定年退職の年齢を引き上げるデメリット

企業が定年退職の年齢を引き上げた場合の従業員のメリットには以下があります。

  • 若い従業員のチャンスが少なくなる
  • 定年退職に近い年齢の従業員は健康上の問題が出やすい

定年退職の年齢を引き上げることで、若い従業員と定年退職間近の従業員それぞれにデメリットがあります。

若い従業員からすれば、定年退職が延びて年上の従業員が残り続けることで、昇格やより大きな仕事を任せてもらえる機会が少なくなる場合もあります。これにより若い社員のモチベーションを奪ってしまう可能性が高いことがデメリットです。
また定年の年齢が引き上げられ、勤務できる期間が長くなる従業員にもデメリットがあります。高齢になるほど、長い勤務時間に耐えにくくなるためです。フルタイムで働き続けることが難しい年齢の社員には健康上のデメリットがあるといえます。

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従業員が定年退職する際の流れ・必要な対応

従業員が定年退職をする場合に、企業が必要な対応は以下があります。

  1. 辞令の作成・通知
  2. 各種保険・税金の手続き
  3. 給与・退職金・社内預金などの支給
  4. 貸与品の回収
  5. (必要な場合のみ)再雇用の手続き

1.辞令の作成・通知

従業員が定年退職する際には企業は辞令を出すことになります。辞令書の作成や本人への通知を行いましょう。「3月31日付で定年退職」のように具体的な日付を決めて執り行うことになります。

辞令については定年退職だから特別な対応をする、という必要はなく異動や自主退職と同様に進めれば問題ありません。

2.各種保険・税金の手続き

従業員が定年退職をするため、社会保険などの保険から脱退する手続きが必要です。特に健康保険証の回収を忘れずに行いましょう。

企業は従業員の社会保険を半分負担しています。本人も企業も払う必要がなくなるため、協会や機関に対して資格喪失届を提出してください。

また住民税は最後の給与でまとめて支払うのか、あるいは普通徴収に切り替える手続きが必要になります。

3.給与・退職金・社内預金などの支給

定年退職をする従業員に対して最後の給与や退職金、社内預金などの支給を行いましょう。退職金や社内預金は、企業ごとにさまざまです。自社に制度がある場合には、支給額を正しく計算してください。

また支給方法は一括でまとめて支給なのか、あるいは積み立てた額を今後定額ずつ支給するのかについても企業ごとに異なります。選択できる場合は、本人に選択してもらいましょう。

4.貸与品の回収

定年退職をする従業員に貸与していた支給品を回収してください。社員証やパソコンなど、従業員が利用していた企業の備品を退職日までに回収する必要があります。資産管理を適切に行うためにも、退職日までに確実に実施しましょう。

また貸与品を使い回すのか、処分をするのかについても社内の規定に沿って実施してください。処分をする場合はパソコン内のデータ消去や、社員証の破砕を行って安全に処分しましょう。

5.(必要な場合のみ)再雇用の手続き

定年退職後に従業員を再雇用する場合には再雇用の手続きが必要です。再雇用に必要な手続きとして以下があります。

  • 新たな雇用契約の締結
  • 退職金にかかる所得税、住民税の特別徴収
  • 再雇用の辞令

また再雇用の場合は以下が不要になります。

  • 2.各種保険・税金の手続き
  • 4.貸与品の回収

これらは条件を満たし、雇用が続く場合には解約や回収をする必要がありません。ただし、社会保険はフルタイムではなく、勤務時間が短い場合などには脱退する必要があるので注意が必要です。再雇用によって無駄な手続きをしないように、事前に確認しておきましょう。


企業が定年退職の年齢を引き上げる際に意識するポイント

企業が定年退職の年齢を引き上げる場合、先述したようにメリットだけでなく、デメリットも伴います。デメリットを防ぎ、メリットを大きくするために以下のポイントを意識しましょう。

  • 給与形態を見直す
  • 雇用契約や就業規則を整理する
  • 65歳超雇用推進助成金を活用する

給与形態を見直す

定年退職の年齢を引き上げる場合は、給与形態の見直しを実施すべきです。多くの日本企業は年齢が高いほど給与が高くなる、年々給与が高くなる仕組みを採用しているでしょう。しかし、定年退職の年齢を引き上げてもその仕組みを継続すると、人件費がかさんでしまいます。

給与形態をそのままに定年退職の年齢を引き上げて従業員を引き留めると、大きなデメリットになってしまいます。経営を圧迫することになり得るので、業績や能力に応じた給与形態への見直しを検討すべきです。

雇用契約や就業規則を整理する

雇用契約や就業規則を整理することも、定年退職の年齢を引き上げる際には必要になります。雇用者の年齢上限を設定している場合、定年退職の年齢を引き上げるだけでは矛盾が生じてしまうためです。

また高齢の従業員に働いてもらう場合は健康面のリスクも考慮しましょう。短時間勤務やリモートワークのような新しい雇用契約制度の導入も検討し、実施する際は新たな就業規則を設けましょう。

65歳超雇用推進助成金を活用する

定年退職の年齢を引き上げる際には助成金の活用を検討すべきです。先述したように、定年退職の年齢を引き上げる場合は人件費が高くなることがデメリットになります。助成金を活用することで、デメリットを抑えつつ、メリットである雇用の維持や育成コストの低減を実現可能です。

利用できる助成金には以下3つのコースがあります。

  • 65歳超継続雇用促進コース
  • 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
  • 高年齢者無期雇用転換コース

65歳超継続雇用促進コース

65歳超継続雇用促進コースは65歳以上の従業員の雇用を維持した企業に対して、助成金が支給される制度です。

支給を受けるための条件は以下のとおりです。

  • 65歳以上に定年を引き上げる、または定年制度の廃止など65歳以上でも勤務できる環境を整え、新たな就業規則を労働基準監督署へ届け出ていること
  • 上記を実施するにあたり、就業規則の作成や相談を外部に委託し、費用が発生していること
  •  高年齢者雇用推進者の選任または、高年齢者雇用管理に関する措置を実施していること

支給額は以下で決定します。

  • どういった形で65際以上の雇用を確保しているか(定年の引き上げ、定年制度の廃止など)
  • 雇用が維持される従業員の人数
  • 雇用を継続する従業員の年齢上限

参考:高齢・障害・求職者雇用支援機構「65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)

高年齢者評価制度等雇用管理改善コース

高年齢者評価制度等雇用管理改善コースは、高年齢従業員の賃金や人事評価などの制度を整備した企業に助成金が支給される制度です。

支給を受けるための条件は以下のとおりです。

  • 高年齢者の雇用管理整備計画を策定し認定を受けること
  • 計画を実施すること
  • 同様の助成を国や地方公共団体などの別団体から受けていないこと

支給額は整備の際に要した経費額の原則6割(上限額有り)となります。支給対象経費は以下のとおりです。

  • 専門家やコンサルタントへの支払い報酬
  • システムやソフトウェアの導入費用

参考:高齢・障害・求職者雇用支援機構「65歳超雇用推進助成金(高年齢者評価制度等雇用管理改善コース)

高年齢者無期雇用転換コース

高年齢者無期雇用転換コースは、50歳以上で有期契約契約の従業員を無期雇用契約に転換した企業に助成金が支給される制度です。

支給を受けるための条件は以下のとおりです。

  • 無期雇用転換計画を策定し認定を受けること
  • 計画を実施すること
  • 同様の助成を国や地方公共団体などの別団体から受けていないこと

支給額は転換させた従業員の人数に応じて決まります。2024年度は一人当たり原則30万円です(10人まで)。

参考:高齢・障害・求職者雇用支援機構「65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)


定年退職した人へのメッセージの例

定年退職を迎える従業員には、これまでの自社への貢献に感謝してメッセージを送りましょう。

  • 「ご定年おめでとうございます。A社とのプロジェクトで私がミスを犯した際には、厳しくも優しい言葉をいただいたことを忘れません。長年にわたりご指導いただき、本当にありがとうございました。」

上記のように具体的なエピソードを加えることで、気持ちが伝わりやすいメッセージになります。

または以下のように定年退職者の今後に向けたメッセージを伝えるのも良いでしょう。

  • 「ご定年おめでとうございます。長年にわたりご指導頂き、ありがとうございました。今後もお体には十分にお気をつけて、幸せな生活を送ってください。新たなステージでのご活躍をお祈りいたします。」


定年退職した人へのお祝い(プレゼント)の例

定年退職をする上司や先輩社員に対してのお祝いの品(プレゼント)の例は以下のとおりです。

  • 食べ物(お菓子を含む)
  • お酒
  • アクセサリー
  • 趣味に関連するアイテム
  • ギフトカード類

定年退職をする従業員の趣味や好みがわかっている場合は、それに合わせて贈ると良いでしょう。もしわからない場合には、食べ物やお酒、ギフトカードのように残らないものを選択することも一つの手です。


まとめ

定年退職は企業が定めている年齢を従業員が迎えたら、従業員を退職させる制度です。企業が定年を定める場合は60歳以上である必要があります。

少子高齢化が進むにつれ、定年退職の年齢を引き上げる企業は多くなるでしょう。デメリットはありますが、定年退職の年齢引き上げは企業の人材確保の有効な手段です。

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監修:社労士 涌井好文
監修:社労士 涌井好文
涌井社会保険労務士事務所 社労士 涌井好文|平成26年より神奈川県で社会保険労務士として開業登録し、企業の人事労務や給与計算のアドバイザーとして活動。退職時におけるトラブル相談など、労働者からの相談にも対応し、労使双方が円滑に働ける環境作りに努めています。近時は活動の場をWeb上にも広げ、記事執筆や監修などを通し、精力的に情報発信を行っています。

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