会社・ビジネスにおける「HR」とは?人事との違いなど徹底解説
こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。
HRとは「人的資源」や「人材」を意味する言葉で、人事と同義で用いられることが多くありますが、明確な違いがあります。労働環境を取り巻く変化の大きな時代において、従来の人事とは違う機能をもつHRに注目が集まっています。
HRの言葉は知っていても、定義や内容について詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。当記事では、HRの定義やHRを設置するメリット、さらにHRテックの概要などを解説します。
目次[非表示]
- 1.HR(Human Resource)とは
- 1.1.会社・ビジネスにおけるHRの役割
- 1.2.HRと人事の違い
- 2.会社にHRを置くことによるメリット
- 3.HRの業務領域・主な仕事内容
- 3.1.採用|自社にマッチする人材を集める
- 3.1.1.採用広報を行う
- 3.2.育成|人的資源の価値を最大化する
- 3.2.1.研修制度を構築する
- 3.2.2.適材適所に人材を配置する
- 3.3.制度設計・労務|従業員が働きやすい環境を整える
- 3.3.1.人事戦略を立てる
- 3.3.2.人事評価制度を整える
- 3.3.3.労務管理を行う
- 4.会社がHRを効果的に導入・運用するためのポイント
- 4.1.HR人材を採用する
- 4.2.HRテックを活用する
- 5.HRテックのサービス分野
- 6.まとめ
HR(Human Resource)とは
HRとは「Human Resource」の頭文字をとった言葉で、直訳すると「人的資源」という意味です。HRでは、従業員を労働力として捉えるのではなく、企業が成長するために必要な大切な資産であると考えます。
また、HRは人材管理だけでなく、採用や教育、人事評価、マネジメントなど、幅広い役割を包括した概念である点も特徴の1つです。
近年、労働人口の減少や人材の流動化、働くことへの価値観の多様化など、企業の人材確保をめぐる環境は厳しさを増しています。優秀な人材の確保は多くの企業にとって重要なテーマです。HRは、優秀な人材を確保し、その能力を存分に発揮させることを使命としています。
会社・ビジネスにおけるHRの役割
先述のとおり、HRでは人材を企業の大切な資産として捉えます。この資産を最大限に活用するための機能を担うのがHRです。
従来の「人事」が意味するのは勤怠や給与管理などの業務がメインでしたが、あえて「HR」と呼ぶ場合は、人事戦略の立案や実行などの意味をもちます。HRが具体的に担う役割には、以下のようなものがあります。
- 優秀な人材の獲得
- 獲得した人材の育成
- 人材が組織に定着するための働きかけ
これら3つの役割を包括的に担い、企業における人事戦略の中枢となるのがHRです。
HRと人事の違い
HRと人事は混同されることもありますが、機能や考え方に違いがあります。
人事は採用や労務管理などの機能によって定義づけされ、業務内容は従業員情報の管理や勤怠、給与計算など事務的な業務が中心です。
一方のHRは、企業経営に大きな影響を与える「人的資産の活用」をテーマに施策を実施していく役割を担っています。経営戦略を実現するための組織開発や評価制度の立案など、「攻めの姿勢」で人事戦略をリードしていくことが求められます。
会社にHRを置くことによるメリット
会社にHRを置くことによるメリットは、以下の3点です。
- 従業員に関する情報を一元管理できる
- 効率的に人材を採用・育成できる
- 従業員のモチベーション・パフォーマンスを最大化できる
それぞれについて詳しく解説します。
従業員に関する情報を一元管理できる
組織の規模が大きくなればなるほど、部署内に従業員情報がとどまりやすく、人材を有効活用することが難しくなります。
HRを設置すれば、従業員の経歴や能力、パフォーマンスなどを集約して管理できるため、「従業員をどのように配置すれば生産性が向上するか」といった観点で最適な人材配置ができるようになります。
HRは人材と組織を結びつけるインターフェイスのような役割を果たすため、企業規模にかかわらず高い効果を発揮します。
効率的に人材を採用・育成できる
HRでは、経営戦略を実現するために必要な人材の定義、必要な採用人数の決定、採用プロセスの企画と実行、内定者のフォローなどを一括して担うため、明確な方針のもとに効率的な採用活動を実施できます。
また、人材を採用した後も「人的資産の活用」を意識した人材育成施策を立案、実行していきます。人材育成を各部門だけにゆだねるのではなく、HRが介入し積極的に指針を示すことによって、組織にとって本当に必要な人材の育成が可能になります。
従業員のモチベーション・パフォーマンスを最大化できる
HRを設置することで、従業員のモチベーションアップやパフォーマンス向上も期待できます。
従業員の育成は、各部門において直属の上司が担うべきとの考え方もありますが、各部門の長は部門の業績を最大化させることを最大のミッションとしているため、部下育成が後回しになってしまうことも多くあります。
HRが主体となって従業員のモチベーション向上のための施策や制度を立案することによって従業員個々のパフォーマンスが向上し、結果として組織の生産性向上へつながります。
600万人の働き手の中から希望のスキマバイト人材を探せるタイミーはこちら>>
HRの業務領域・主な仕事内容
HRの業務領域は多岐に渡り、すべての業務が経営戦略の実現と結びついていることが特徴です。具体的には、以下のような業務を行います。
- 採用
- 育成
- 制度設計・労務
それぞれの詳細について解説します。
採用|自社にマッチする人材を集める
採用業務には、「組織の現状を分析して必要な人物像を明確化する」、「実際に採用活動を企画・実施する」、「内定者をフォローする」など、幅広い業務が含まれます。
採用業務のすべてをHRが担う場合もあれば、企業によってはパート従業員の採用は各部門の裁量とするなど、業務を分担しているケースもあります。
どのような場合においてもHRは企業における採用業務全般に対して責任を負い、管理していく役割があります。
採用広報を行う
採用広報もHRの大切な仕事の1つです。採用広報とは、求職者に自社で働くイメージを具体的にもってもらうために企業自らが積極的に情報発信することです。
募集概要だけでなく、企業の魅力や雰囲気、具体的な仕事内容などを伝えることで企業への理解を深めてもらい、自社を就職先として検討する求職者を増やすことを目的としています。
育成|人的資源の価値を最大化する
採用活動によって集めた人的資源の価値を最大化し、組織に貢献できる人材に育成することもHRの仕事です。
採用活動の成果が実り優秀な人材を確保できたとしても、入社後の育成がうまくいかなければ思うように能力を伸ばせず、最悪の場合早期離職につながってしまいます。
HRには、研修制度の構築や適材適所の人材配置によって人的資源の価値を最大化していくことが求められます。
研修制度を構築する
人材育成に研修制度の構築は必要不可欠です。研修制度は場当たり的なアプローチではなく、新入社員・中堅社員・管理職それぞれの階層別に必要な能力や経験を洗い出し、効果的な内容とする必要があります。
研修方法も、OJTやOff-JT、e-ラーニングなどさまざまな選択肢の中から、自社の状況やニーズにあった方法を見極めることが大切です。
適材適所に人材を配置する
人的資源の価値を最大化するためには、適材適所の人材配置が大切です。HRを設置すれば従業員の情報を一元的に管理できるため、各部門のニーズと従業員の能力や要望の擦り合わせが容易になります。
適切な人材配置が実現すれば、組織の活性化や業務効率化、従業員のモチベーションアップなど、さまざまな効果が期待できます。
制度設計・労務|従業員が働きやすい環境を整える
従業員が働きやすい環境を整えるための人事制度の設計や労務管理もHRの重要な役割です。
「人事制度の設計」とは、従業員の処遇の基準となる人事評価制度や給与体系を構築することです。人的資産を有効活用するためには欠かせない要素で、企業の価値観や特色が現れやすい部分です。HRが設置されている企業の場合、企画や立案などをHRが行い、最終決定は経営層が行うことが多くあります。
従業員の勤怠や給与、福利厚生を扱う労務管理とセットで考えることで、よりよい制度設計が可能になります。
人事戦略を立てる
人事戦略の業務には、採用計画の立案や人材の配置案、人材育成などの仕事が含まれます。
経営戦略の実現をゴールとし、経営資源の中核である人的資産を最大限活用して業績向上に結びつけるために、経営戦略と連動した人事戦略を実施していきます。
他にも、適正な要員や人件費についての計画策定や管理などの業務も行います。
人事評価制度を整える
人事評価制度の整備もHRの役割です。人事評価制度は社員の努力やスキルを適切に評価して昇給や昇進、賞与などに反映するための仕組みのことで、人事戦略の根本となる部分です。
適切な人事評価制度の設計と運用が実現すれば、従業員のモチベーション向上や組織全体の生産性向上へつながります。
労務管理を行う
労務管理とは、従業員の労働に関連する事柄を管理する仕事のことです。具体的には、就業規則の作成・管理や勤怠管理、給与計算、福利厚生、社会保険手続き、職場の安全衛生管理などが挙げられます。
労務管理をしっかり行うことで従業員が働きやすい環境が整い、従業員エンゲージメントの向上が見込めます。
600万人の働き手の中から希望のスキマバイト人材を探せるタイミーはこちら>>
会社がHRを効果的に導入・運用するためのポイント
HRの業務領域や仕事内容は幅広く、自社内にHR組織を立ち上げようとしても、スムーズにいくとは限りません。導入の際は、以下の2点がポイントとなります。
- HR人材を採用する
- HRテックを活用する
それぞれについて詳しく解説します。
HR人材を採用する
HRの担当者は、経営層と人事戦略について直接議論したり、従業員に対して人事制度の説明をしたりといった機会が多い仕事のため、高いコミュニケーション能力が求められます。
また、人事戦略の立案と実行には前提として人事業務全般に関する専門知識も不可欠です。さらに、経営的な視点から物事を考えられる思考力も必要です。
社内にHRの実務を担える人材が見当たらない場合は、HR人材を採用することが有効な方法です。
HRテックを活用する
HRテックとは、HRとテクノロジーを合わせた造語で、AIやビッグデータなどをはじめとするIT技術をHR業務に導入し、人事分野における課題を解決するサービスや技術のことです。DXの加速に伴い注目を集めています。
HRテックは採用や人事評価、労務管理、給与計算、エンゲージメントなどHR業務全般に活用でき、業務負荷の軽減や業務品質の向上、きめ細かなタレントマネジメントの実現といった多くの効果をもたらします。
600万人の働き手の中から希望のスキマバイト人材を探せるタイミーはこちら>>
HRテックのサービス分野
HRテックのサービス分野は多岐に渡りますが、代表的なものとして以下の7分野があります。
- 求人
- 採用
- 組織開発
- 労務管理
- エンゲージメント
- タレントマネジメント
- 育成管理
それぞれの詳細を解説します。
求人
求人分野におけるHRテックとは、求職者の経歴や保有しているスキルを分析し、自社の求人に合った求職者を自動で選出するサービスなどがあります。
従来は、自社の求人に応募があった求職者の情報に採用担当者がすべて目を通す必要がありました。HRテックを活用すれば、システムが自動で求職者をピックアップしてくれるため、業務の効率化が期待できます。
採用
採用分野のHRテックとしては採用管理システムが代表的なサービスです。応募者や選考プロセスの管理を一元化し、効率化できる点が特徴です。
従来の採用活動では、企業は求人媒体ごとに応募者の受付や進捗を管理する必要があり、事務が煩雑(はんざつ)になる傾向がありました。採用管理システムを導入すれば事務を一元管理できるため、応募者との面接など本来の業務に集中することができます。
組織開発
組織開発とは、組織や組織間に存在する課題にアプローチし、組織をよりよくしていくための取り組みのことです。HRテックはデータ分析を得意とするため、組織の現状を分析したり、組織にとって最適なKPIを設定したりといったことが容易にできます。
HRテックの導入によって企業の現状を見える化し、客観的なデータに基づいた施策を実行していくことが可能になります。
労務管理
勤怠管理や給与計算、従業員の健康管理などの分野でも、HRテックが役立ちます。
たとえば、社内にテレワークやフレックスタイム制度、裁量労働など多様な働き方が存在する場合でも、勤怠管理ツールを導入することで従業員の勤怠情報を一元化し、効率的な事務処理が可能になります。勤怠情報を給与計算に紐づけることもできます。
エンゲージメント
HRテックを活用したエンゲージメント戦略には、従業員の意見を集約し制度へ反映することや、キャリア形成の機会の提供、労働環境の改善などがあります。
たとえば、HRテックによって従業員が保有するスキルを一元的に管理し、個別に教育プログラムを提供することで、従業員の能力開発をサポートしエンゲージメント向上に役立てることができます。
タレントマネジメント
タレントマネジメントとは、従業員のスキルや能力を一元管理することで、戦略的な人材配置や育成をすることです。
HRテックを活用したタレントマネジメントには、タレントマネジメントシステムの導入が効果的です。システムの導入によって、従業員のスキルや能力を可視化し一元管理することが可能になるため、人材配置の最適化が実現できます。
育成管理
育成管理の分野でも、HRテックが活用されています。
研修管理システムを導入すれば、従業員個々の研修受講歴や研修計画などを一元管理できます。受講対象者を検索する機能や受講レポートの作成、アンケート回答機能なども装備されているシステムが多く、研修の前後に必要な事務の効率化が期待できます。
600万人の働き手の中から希望のスキマバイト人材を探せるタイミーはこちら>>
まとめ
本記事では、HRの定義やHRを設置するメリット、HRテックの概要などを紹介しました。
HRの導入は従業員情報の一元管理を可能にし、採用・育成業務の効率化や従業員のモチベーションアップなどさまざまな効果をもたらします。業務の効率化が実現すれば、貴重な人的資源をコア業務へ集中させることが可能になります。
採用の効率化の手段としては、スキマバイト「Timee(タイミー)」の利用もおすすめです。タイミーなら、最短即日でのマッチングが実現します。「Timee(タイミー)」へのお問い合わせは、お問合わせフォームから簡単にできます。まずはタイミーを使って求人募集してみてはいかがでしょうか。