内示とは?辞令・発令との違いや人事側が意識すべきことを解説
こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。
「内示は辞令や発令とどのように違うのか」
当記事をお読みのあなたは上記の疑問をお持ちではないでしょうか。当記事では内示の意味や目的、実施すべきタイミングを解説します。
内示は「内々に示すこと」を意味します。人事異動における内示は「非公開だけどあなたにだけ先に伝える」という意味です。
また各人事発令ごとに内示の伝え方のポイントがあります。当記事を確認して、それぞれの内示のポイントを押さえておき、当事者同士のトラブルを防ぎましょう。
目次[非表示]
- 1.内示とは?辞令や発令とは違う?
- 1.1.内示の意味・定義
- 1.2.内示と辞令・発令の違い
- 1.3.内示を行う目的
- 1.4.内示を行うタイミング
- 2.ビジネスや人事異動における内示の重要性
- 3.内示の伝え方
- 4.内示の種類とそれぞれの伝え方のポイント
- 5.内示は従業員に拒否されることはある?
- 6.人事が従業員に内示を行う際の注意点
- 6.1.内示の手順を社内でルール化する
- 6.2.口外しないよう指示する
- 6.3.拒否された場合の対応を用意しておく
- 7.内示はなぜ秘密にする?言ってしまった場合のリスクを解説
- 8.まとめ
内示とは?辞令や発令とは違う?
内示とは「非公式に通達すること」を意味します。当項では内示について以下を解説します。
- 人事異動における内示の意味
- 辞令、発令との違い
- 内示を行う目的
- 内示を行うタイミング
内示の意味・定義
人事における内示とは関係者に対して、人事異動が正式に発表される前に出される通知のことです。主な関係者として以下が挙げられます。
- 異動する従業員本人
- 現在所属部署の上司
- 異動先の上司
内示は、基本的に人事から現在所属部署の上司に、そして上司から異動する従業員本人に伝えられます。上司が本人に伝える際には、従業員本人を呼び出してこっそりと伝えることが一般的です。チームのメンバーがそろっている場で伝えると、非公式な情報がチーム全体に伝わってしまいます。
非公式な情報のうちは、関係者だけにとどめておく必要があるため、内示によって本人に伝えることが一般的です。
内示と辞令・発令の違い
辞令は人事の決定事項を発表することです。一方で発令は辞令の内容を辞令書をもって本人に通達することをいいます。このように内示と辞令、発令は実施されるタイミングが異なります。順番として内示、辞令、発令の順です。
辞令については「辞令とは?発令との違い・退職や異動との関連性・拒否の可否を解説」の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
また内示と辞令、発令の大きな違いとして、公開されている範囲の違いがあります。内示は非公開な通達です。一方で辞令、発令は社内全体や社外にも伝わる形で公開されます。内示は本人や関係者以外には伝わらないものと考えておきましょう。内示の際には「正式な発令が出るまで口外しないように」と伝えることも重要です。
内示を行う目的
内示を行う目的は人事異動をスムーズに行うことです。
人事異動は従業員の配置転換をすることで、社内全体の利益向上を目指すことが一つの目的になります。しかし、急な人事異動では従業員のモチベーションの低下や急な異動の準備によるパフォーマンス損失を生む可能性があるでしょう。これでは結果的に社内全体の利益が下がってしまうため、本末転倒になります。
内示を行うことで本人や関係者の準備を進めやすくする効果が期待できます。例として業務の引き継ぎに向けた準備を前もって進められます。また引っ越しを伴うような人事異動の場合は引っ越しの手配や契約なども必要です。従業員が準備に時間がかかるようであれば、早めの内示をすることで、発令後のパフォーマンス低下を防げるようになります。
内示を行うタイミング
内示を行うタイミングは発令よりも前のタイミングです。
一般的に人事異動は以下の順序があります。
- 人事部門による調整
- 人事部門から管理職への通達
- 管理職から本人への通達
- 人事部門から社内全体に公開
上記に当てはめると2と3が内示で、4が辞令、発令です。2の時点では本人に伝わっていませんが、人事部門から管理職への非公開な情報通達、という意味で内示を行っています。
内示は辞令や発令の前に行われると考えておきましょう。
ビジネスや人事異動における内示の重要性
内示を行う企業は、社内のコミュニケーションや人事異動の透明性の確保を重視している企業と評価できます。
コミュニケーションの観点では、内示を行うことでトラブルが起こりにくくなります。急な人事異動が決まり、まともに準備期間がないとなれば従業員の不満は大きいです。内示が行われると「環境を整える準備期間が与えられていることの安心感」が従業員に与えられます。結果として、トラブルを生みにくく、企業と従業員間で信頼関係の維持が可能です。
透明性の確保の観点では、内示によって従業員に「なぜその異動が行われるのか」を確認する猶予を与えやすくなります。企業は必要に応じて理由を開示することで人事異動の透明性の確保が可能です。
コミュニケーション、透明性の観点からトラブル回避や回避による社内パフォーマンス維持のために、企業は内示をすることが望ましいといえます。
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内示の伝え方
内示は口頭でのみ伝えるケースとメールなどで文書化して伝えるケースがあります。どちらのケースも伝える内容は同じですが、それぞれ注意点があります。
口頭のみの場合は、他の従業員の目が届かない会議室などクローズドなスペースで行われます。口頭の場合、正確でない通達をしてしまう可能性に注意してください。
特に、該当従業員が周りに口外してしまうと間違った情報が広まってしまいます。口外しないよう念押しすることに加え、正確な情報を伝えられるよう準備しましょう。
文書化のケースでは後からでも確認できるため、間違った情報の伝達にはなりにくいです。ただし、メールであっても口外しない、転送しないことを徹底させるようにしてください。内容を正確に伝えられるよう、社内で統一のフォーマットを作っておくことも有効です。
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内示の種類とそれぞれの伝え方のポイント
内示には人事異動の種類ごとに、それぞれ伝え方のポイントがあります。それぞれのポイントを把握しておき、実際の人事異動の際に活用してください。
- 採用
- 昇進・昇格
- 降職・降格
- 部署異動
- 転勤
- 解雇
採用
採用の内示は配属後の教育をスムーズに進めるために重要です。
採用の内示は候補者本人ではなく、人事から配属先の上司に伝えられます(内示を行うタイミングのうち、2のタイミング)。よって社内のみで完結する話であり、本人が絡まない、周囲の従業員も採用者のことを知らないので情報が一人歩きするリスクは少ないです。
人事から配属先の上司に伝える際に「新しく従業員が配属されます」と伝えます。採用の内示は、上司が配属後の教育に向けて準備をするために必要です。内示された上司はチーム内の教育担当者のアサインやマニュアルの整備など、教育に向けた準備を進めることになります。
昇進・昇格
昇進や昇格の内示は、該当する従業員のモチベーションを高めるために重要です。
昇進や昇格の内示の前には、そのための試験を受けるケースもあります。その場合、試験の結果発表の位置付けで内示が行われます。
昇進や昇格の場合の伝え方のポイントも口外しないことを念押しすることです。特に昇進や昇格は本人にとってうれしいことのため、つい周りに言いたくなってしまいます。周りに言いたくなる気持ちを抑えてもらい、正式な発表をされるまでは口外しないように伝えましょう。
また昇進の場合は役職が変わるため、別途準備が必要になるケースもあります。例として部下のメンタルケアの研修や、マネジメント研修などです。これらの研修日程の調整のことも伝えるようにしましょう。
降職・降格
降職・降格の内示はケースごとに伝え方に配慮が必要です。
降職・降格をネガティブな理由で行う場合は「残念だけど」と本人が傷つくことに配慮した上で内示をしましょう。
一方で降職・降格が本人の希望による場合は異なります。例としてプライベートの都合で管理職ではいられないため、一般社員への降職を希望するケースがあります。
この場合はネガティブな理由ではないので、本人が傷つくこともありません。部署異動と同じように伝えれば良いでしょう。
降職・降格の内示をすることは伝える側の上司にとっても嫌なものです。企業側でルールを決めて、伝える側、伝えられる側間の気まずさを少なくする対策を用意しておく必要があります。
部署異動
部署異動の内示は部署間で配置転換の準備を進めるために重要です。本人への伝え方は新しい部署を伝えれば問題ありません。
伝え方に気を配る必要があるのは、従業員が出ていく側の部署、新たに配属される側の部署それぞれの上司に対してです。部署異動の場合、それぞれで以下の準備が必要です。
- 出ていく側の部署
- 欠員する従業員の穴埋め方法を検討する
- 新たな従業員の配置を人事に依頼する
- 既存従業員の配置転換
- 業務量の見直し
- 欠員する従業員の穴埋め方法を検討する
- 新たに配属される側の部署
- 従業員の配置の検討
- 従業員のスキルチェック
- 新たな従業員が困らないマニュアルの整備
内示後から、部署異動後も業務が滞らないようにそれぞれが準備を進める必要があります。
転勤
転勤の場合は、内部での決定次第、該当従業員に速やかに内示する必要があります。転勤が伴う場合は従業員のプライベートにも気を使う必要があるためです。
転勤が伴う場合、従業員が行う準備には業務以外にも以下が考えられます。
- 引っ越しの準備
- 家族がいる場合は配偶者の勤務先や子どもの学校、親族の介護の手続き
業務以外での準備に時間が取られることも想定して、業務調整を行えるような配慮を異動前後の上司に求める必要があります。また引越し後は現在の配属に対しての引き継ぎが難しくなることも想定されるため、早めの準備が必要です。
解雇
解雇の内示は特に従業員に配慮しましょう。解雇の場合、従業員に問題があるケースもあります。社内規則を破ってしまったケースや、何度注意しても勤務態度が改善されないケースなどもあるでしょう。どのような解雇の理由であっても、内示の際には従業員の心情に配慮しましょう。
理由によっては、解雇後に従業員から不当解雇だと訴えられるケースも考えられます。内示より前の時点で外部の専門家に頼り、スムーズに解雇手続きを進めることも検討しましょう。
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内示は従業員に拒否されることはある?
原則として内示は従業員が拒否することはできません。内示をする前の時点で社内での決定事項となっているためです。
従業員が納得いかない部署異動や転勤、降職・降格、解雇の場合は拒否を示される可能性は十分にあります。トラブルにも発展しうるため、普段から従業員と上司間でコミュニケーションを十分にとり、信頼できる関係性を築いてもらうことが望ましいです。
従業員は基本的には内示された内容を拒否できないため、納得がいかない内示であればそのまま自主退職してしまうこともあります。退職された場合のリスクも考えた上で人事を決定することが必要です。
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人事が従業員に内示を行う際の注意点
人事が従業員に内示を行う際の注意点として以下があります。
- 内示の手順を社内でルール化する
- 口外しないよう指示する
- 拒否された場合の対応を用意しておく
内示の手順を社内でルール化する
内示の手順は社内でルール化をしておきましょう。
内示は各部署で行われることになります。それぞれで独自のルールで運用するよりも社内でルールを統一することで、トラブルが少ない手順を確立できるためです。
特に管理職になりたての従業員が内示するケースや、解雇や降格などのネガティブな内示をするケースは内示する側の負担が大きいです。ルール化をしておくことで、内示する側が迷いなく対応できます。
ルール化によって内示する側、される側双方にメリットがあります。
口外しないよう指示する
内示をする際には、どういったケースでも口外しないように指示をしましょう。
内示は正式な発表(発令)をする前に行う行為です。内示をされた従業員が口外してしまうと、情報が一人歩きしてしまいます。内示の目的はあくまで、人事異動発生後の準備をスムーズに進めることです。情報が一人歩きしてしまうと、準備の妨げになることも考えられます。
内示の際に口外しないよう、該当従業員に念押ししておきましょう。
拒否された場合の対応を用意しておく
内示の拒否をされた場合の対応を、企業として用意しておく必要があります。
先述したとおり、企業は内示の手順をルール化しておくことが望ましいです。ルールの中に拒否された場合の対応も組み込んでおきましょう。理由は企業として余計なトラブルを避けるためです。
内示を拒否する従業員には、拒否をする理由があります。まずはその理由を聞くことをルール化すべきです。理由によっては異動先での配慮や内示内容の取り消しもできるでしょう。
企業は従業員が辞職してしまう場合や、訴えられてしまう事態を避けるべきです。避けるためにも企業は拒否されるケースを想定して準備しておく必要があります。
内示はなぜ秘密にする?言ってしまった場合のリスクを解説
先述している通り、内示の内容は従業員に口外しないように伝える必要があります。大きな理由は、以下の2つです。
- 事業戦略への悪影響
- 社内の混乱
内示の内容が重要なポジションの人事の場合、事業戦略に影響を及ぼす場合があります。特に社長や部長クラスの交代が起こる場合、株価にも影響することがあるためです。
株価に悪影響が起これば、企業の存続にも関わる重大な問題にも発展します。事業戦略の悪影響を懸念して内示は秘密にしておくべきです。
また社内で情報が一人歩きしてしまうことで、混乱を招いてしまう可能性があります。特に情報が一人歩きしているうちに、間違った情報が広まってしまう可能性もあるでしょう。こうなると正確な情報を持つ関係者も混乱してしまいます。
意図しないトラブルを防ぐためにも、正式な発令までは内示の内容を口外させないようにしましょう。
また口外してしまった場合には、厳重注意や懲戒の可能性もあります。本人にとって良いことではないので、口外しないように念押ししてください。
まとめ
内示は正式な発令よりも前に関係者に人事異動の情報を通達することです。関係者のみに内示をしておくことで、正式な発令までに準備を進めやすくなり、業務への支障を低減することが目的になります。内示をする場合、口外しないよう、本人にしっかりと念押ししておきましょう。
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