ES(従業員満足度)向上とは?具体的な施策や取り組み例を紹介
こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。
少子化が進む日本では、人材の確保がますます難しくなっています。この問題を解決するため、近年多くの企業で重要視されているのがES(従業員満足度)の向上です。
本記事では、ES向上が重要といわれている背景やES向上によるメリット、具体的な施策・取り組み例などを解説しているので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
目次[非表示]
- 1.ES(従業員満足度)向上とは
- 2.ES向上が重要だといわれている背景
- 3.ES向上により企業側が得られるメリット
- 3.1.生産性が向上する
- 3.2.従業員の定着率が上がる
- 3.3.新しい人材を確保できる
- 3.4.企業文化の強化につながる
- 3.5.CS(顧客満足度)も向上する
- 4.ES向上により考えられるデメリット
- 4.1.厳しい指摘がしづらくなる
- 4.2.施策を見極めければならない
- 5.ES向上のためにはアンケートの実施などでの現状の把握が重要
- 5.1.従業員エンゲージメントスコア
- 5.2.従業員満足度
- 5.3.離職率
- 5.4.労働生産性
- 6.ES向上のための施策・取り組み例
- 6.1.オープンなコミュニケーション文化の育成
- 6.2.職場環境の改善
- 6.3.スキルアップの機会提供
- 6.4.評価制度の見直し
- 6.5.リモートワークやフレックスタイム制度の導入
- 6.6.福利厚生の充実
- 6.7.キャリアパスの明確化
- 6.8.チームビルディング活動の実施
- 6.9.従業員の意見を反映する仕組みの構築
- 6.10.インセンティブ制度の導入
- 7.ES向上のためのポイント
- 7.1.従業員の当事者意識を刺激する
- 7.2.結果だけでなく過程も大事にする
- 7.3.健康的なワークライフバランスの実現を目指す
- 7.4.キャリア開発と成長の支援を心がける
- 7.5.仕事の意義を明確にする
- 8.ESが向上したとしても維持できないと意味がない!維持するための仕組みをつくろう
- 9.ESを計測できるサービス
- 9.1.ラフールサーベイ
- 9.2.LLax forest
- 9.3.リアルワン従業員満足度調査
- 10.まとめ
ES(従業員満足度)向上とは
ES(従業員満足度)向上とは、従業員が「この会社で働いていてよかった」と感じられるよう、職場環境や待遇、人事制度などを改善していくことです。
ES向上は、企業にとって重要課題となっており、近年多くの企業が積極的に取り組んでいます。例えば、在宅勤務制度を導入したり、スキルアップ研修を実施したりするなど、企業によってさまざまな方法でES向上を図っています。
ES向上が重要だといわれている背景
ESの向上が重要視されている背景には、労働市場の変化や若者の転職に対する考え方の変化があります。少子高齢化により人材確保が困難になる中、企業は優秀な人材の流出を防ぎ、定着率を高める必要性が高まっているのです。
また、若者がより良い職場環境を求めて転職することが一般化しており、その期待に応えるために企業はES向上に取り組む必要があります。
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ES向上により企業側が得られるメリット
生産性が向上する
ESが高まると、生産性の向上が期待できます。従業員にとって、快適な職場環境や公正な給与は、やる気を維持するために欠かせない要素です。
ESが低い場合、従業員は効率的に働く意欲を失い「給与が少ないから頑張る価値がない」「残業が当たり前だからゆっくり仕事しよう」といった考えに陥りやすくなります。
逆に、ESが高ければ従業員は自発的に仕事に取り組み、集中力とパフォーマンスが向上し、結果的に企業の利益増加にもつながるでしょう。
生産性向上に課題がある方は「生産性とは?ビジネスの場での意味や計算方法などを分かりやすく解説」の記事もあわせてチェックしてみてください。
従業員の定着率が上がる
ESの向上は、従業員の定着率アップにもつながります。業務内容や待遇に満足していれば転職を検討する理由もなくなるため、「ここで働き続けたい」と考える従業員が増えるためです。
これによって補充の採用が不要となり、採用や教育にかかるコストも削減できます。特に近年は、人手不足により採用コストが増加しているため、これは大きなメリットといえるでしょう。また、従業員満足度が高いと「リファラル採用」も進めやすく、さらに採用コストを抑えることが可能です。
新しい人材を確保できる
ESが高い企業は、新しい人材の確保にも有利です。これは、ESが高まることで従業員の定着率がアップ(離職率が低下)し、求職者に良い印象を与えられるためです。
求職者は業種や報酬だけでなく、「従業員が生き生きと働いているか」「職場の人間関係が良好か」などを総合的に判断して就職先・転職先を判断します。そのため、ESの高い企業は魅力的な職場と認識され、優秀な人材を引きつけやすくなるのです。
また、口コミやリファラル採用が進み、採用力も向上するでしょう。
人材不足であることにお悩みの方は「人材確保の方法とは?課題とポイントを押さえて成功させよう!」の記事もあわせてチェックしてみてください。
企業文化の強化につながる
企業文化の強化につながることもメリットの一つです。企業文化は、企業と従業員の間で意識的・無意識的に共有される価値観や行動規範であり、外からは見えにくい部分です。
ESが低いと、否定的な文化が根付きやすくなり、企業全体のパフォーマンスにも悪影響を及ぼしかねません。逆に、ESが高まることでポジティブな価値観や意識が社内に浸透し、健全な企業文化を育むことができるのです。
CS(顧客満足度)も向上する
ESが高まることで、CS(顧客満足度)の向上にもつながります。満足して働いている従業員は会社への愛着や貢献意識も高く、顧客対応においても積極的な提案・改善に取り組むようになるでしょう。
迅速かつ丁寧なサービス提供や顧客のニーズに対する適切な対応が可能になれば、顧客満足度が向上し、リピート率の向上や良い口コミによる新規顧客の獲得につながります。
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ES向上により考えられるデメリット
厳しい指摘がしづらくなる
ESを重視するあまり、従業員に対して厳しい指摘やフィードバックがしづらくなる場合があります。短期的には良好な人間関係を維持できるかもしれませんが、中長期的に見ると、課題の放置や改善の遅延につながり、従業員の成長や組織全体の成長を阻害する可能性があるでしょう。
そうならないためにも、定期的なフィードバックの機会を設け、上司や同僚が互いに建設的な意見を交換できる環境をつくることが大切です。
施策を見極めければならない
ESを向上させるための施策は、全てが効果的とは限りません。企業によって従業員のニーズや価値観は異なるため、適切な施策を見極める必要があります。自社に合わない施策を導入すると、期待した効果が得られず、逆に不満が増すケースもあるので注意しましょう。
そのため、従業員の声をしっかりと聞き、試行錯誤しながら自社にとって最適な施策を見つけ出すことが重要です。
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ES向上のためにはアンケートの実施などでの現状の把握が重要
ESを調べる方法はいくつかありますが、一般的にはアンケートやインタビューを実施するなどして、計測することが多いです。ここからは、ES測定の指標を4つ解説します。
従業員エンゲージメントスコア
従業員エンゲージメントスコアは、従業員がどれだけ会社に対して愛着や貢献意識を持っているかを測る指標です。このスコアを定期的に測定することで、従業員のモチベーションや満足度の変化を把握しやすくなります。
また、スコアを基に問題点を特定し、具体的な改善策を講じることが可能です。
従業員満足度
ESを測定する指標として、従業員が職場環境や業務内容にどの程度満足しているかの把握も欠かせません。
従業員満足度を測る項目には、次のようなものがあります。
- 仕事への満足度
- 職場環境の満足度
- 上司への満足度
- 会社風土の満足度
- 処遇への満足度
- 福利厚生の満足度
- メンタルヘルスの状態
これらの満足度を定期的に調査し、全体の満足度を評価しましょう。特に多くの項目で満足度が低い場合や、特定の項目で著しく満足度が低い場合は、早急な対応が必要です。
離職率
離職率は、ESを評価する重要な指標の一つです。離職率が高い場合、職場環境や待遇に不満を持つ従業員が多いということが分かります。
定期的に離職率をモニタリングすることで、組織内の問題点を早期に発見し、適切な対策を講じることが可能です。従業員の定着率を高めるためにも、離職率の管理は必ず行いましょう。
労働生産性
労働生産性の指標は、1人の従業員がどれだけの成果を生み出しているかを数値で表したものです。具体的には、売上・利益・付加価値などの「成果」を、従業員数・時間当たりの「労働量」で割った値として算出されます。
労働生産性が高ければ、従業員のモチベーションやエンゲージメントが高いと考えられるため、ES向上を図る上ではこの労働生産性の数値も重要といえるでしょう。
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ES向上のための施策・取り組み例
オープンなコミュニケーション文化の育成
コミュニケーション不足は、ES低下の大きな原因の一つです。上司と部下、あるいは同僚同士が互いに意見を言い合える、オープンなコミュニケーション文化を育むことが重要です。
具体的には、以下のような取り組みが有効でしょう。
- 定期的な面談や1on1ミーティングの実施
- 部署横断の交流イベントの開催
- 社内SNSや掲示板の活用
- 情報公開の徹底
職場環境の改善
職場環境の改善を図ることも、ES向上につながる施策の一つです。例えば、ITツールを導入するなどして業務効率化を進め、従業員の残業時間が短縮されれば、ESの向上が期待できます。
また、多様で柔軟な働き方を提供することも大切です。リモートワークや時差出勤、フレックスタイム制などを導入することで、育児や介護、健康問題を抱える従業員も働きやすくなります。これにより、ワークライフバランスが実現し、従業員の生活にゆとりが生まれることでESの向上につながるでしょう。
スキルアップの機会提供
スキルアップの機会を提供することも有効です。研修やセミナー、資格取得支援などを通じて、従業員が自身の成長を実感できる環境を整えましょう。従業員のスキルがアップすれば業務効率化や質の向上にもつながり、結果として企業全体のパフォーマンスが期待できます。
具体的には、以下のような取り組みが有効です。
- 社内研修やeラーニングの充実
- 外部研修への参加支援
- 資格取得支援
- 個々のキャリアプランに合わせたキャリアパス制度の構築
評価制度の見直し
公正で透明性のある評価制度の導入は、ES向上に欠かせません。従業員が評価に納得し、モチベーションを維持できる制度を考えることが求められます。
公平感が欠けたフィードバックは、不満の原因になります。「あの人だけ優遇されている」といった空気をつくらないために、評価基準を明確にし、複数の評価者を設けて偏りを減らす工夫が必要です。
また、評価者に対する研修を行い、評価の公正さと精度を向上させることも効果的です。
リモートワークやフレックスタイム制度の導入
リモートワークやフレックスタイム制度の導入により、従業員一人ひとりが柔軟な働き方ができるような体制づくりも大切です。
こうした制度を導入することで、仕事に追われる日々から解放され、育児や介護などで時間に制約がある従業員も働きやすくなります。働き方の選択肢が広がれば、ESが高まり、生産性の向上にもつながるでしょう。
福利厚生の充実
福利厚生は従業員の働く意欲に直結する部分です。従業員にとっては直接目に見える利益なので、充実しているかどうかで離職率にも影響します。中でも「住宅補助・住宅手当」や「特別休暇」は従業員からの人気が高く、ES向上のための取り組みとしては特に効果的です。
福利厚生の内容によっては予算の問題に悩むかもしれませんが、会社の規模や条件に合わせて適切な施策を導入しましょう。
福利厚生を充実する具体的な取り組みには、以下のようなものが挙げられます。
- 住宅補助・家賃手当
- 資格取得手当
- 特別休暇(リフレッシュ休暇、バースデー休暇など)
- 食事・ランチ補助
- スポーツジムなどの割引制度
キャリアパスの明確化
明確なキャリアパスが示されていると、従業員は自身の成長と将来のビジョンを具体的に描けるようになります。昇進やスキルアップのための具体的なステップがあることで、モチベーションが向上し、仕事に対する意欲も高まります。
定期的なキャリア面談や研修を通じて、従業員ごとのキャリア目標を支援し、成長をサポートする環境を整えましょう。
チームビルディング活動の実施
従業員一人ひとりが最高のパフォーマンスを発揮できるチームをつくるために、チームビルディングを実施するのも効果的です。これにより社内のコミュニケーションが活発化し、新人や若手のモチベーションアップも期待できます。
定期的にチームビルディングを行うことでチーム全体の協力体制が強化され、職場の一体感が高まれば、ESの向上につながるでしょう。
従業員の意見を反映する仕組みの構築
ESを高めるためには、従業員それぞれの意見を反映する仕組みの構築も重要です。そのために、まずは従業員が自由に意見を記入できる意見箱を設置したり、上層部との定期的な面談を実施したりして、意見を集めることから始めてみましょう。
こうして集めた従業員からの意見は、積極的に反映していくことが大切です。「言ってもどうせ意味がない」という状況を減らすことで、仕事のやりがいや満足度の向上につながります。
インセンティブ制度の導入
インセンティブ制度を導入することで、従業員のモチベーションを高める効果が期待できるでしょう。役職や経験年数に関係なく、明確な目標を達成した場合に報酬を受け取れるため、不公平感や不満を減らせます。
ただし、個人のノルマ達成に固執し過ぎてしまい、従業員同士の協力がおろそかになる恐れがある点には注意しなければなりません。従業員の志向やニーズを理解し、自社に適したインセンティブ制度を取り入れてみてください。
ES向上のためのポイント
従業員の当事者意識を刺激する
それぞれの従業員が会社の一員として主体的に仕事に取り組むためには、当事者意識を持つことが重要です。そのためには経営理念やビジョンを明確に共有し、個々の業務が会社の目標達成にどのように貢献しているのかを理解してもらいましょう。
また、目標設定や意思決定の過程に積極的に関わってもらうことで、従業員の当事者意識を刺激することもできます。
結果だけでなく過程も大事にする
成果主義がまん延する現代社会においては、つい結果ばかりに目が行きがちです。業績や目標達成といった成果は重要ですが、それだけに固執するのではなく、目標達成までの過程もしっかりと評価する必要があります。
チャレンジ精神や主体性、協調性など、成果以外の要素も評価することで、従業員のモチベーション向上や成長を促せるでしょう。
健康的なワークライフバランスの実現を目指す
長時間労働や過度なストレスは、従業員の心身の健康を損ない、ESの低下を招きます。そのため、企業は健康的なワークライフバランスを実現できる環境を整備してください。
フレックスタイム制やテレワーク制度の導入、残業時間の削減、休暇の取得促進などを通じて、従業員が仕事とプライベートを両立し、心身ともに健康的な状態で働けるようサポートしましょう。
キャリア開発と成長の支援を心がける
ES向上には、従業員のキャリア開発と成長を支援する体制が欠かせません。例えば、研修制度やeラーニングの導入、メンター制度の構築、キャリアカウンセリングの実施などを通じて、従業員が自身のキャリアビジョンを描き、それを実現できるようサポートすることが大切です。
こうした支援体制は、従業員の会社への貢献意欲を高め、モチベーション維持にもつながります。
仕事の意義を明確にする
仕事内容や目標だけでなく、その「仕事」の意義を明確にすることも大切です。
「仕事=会社の売上を伸ばすこと」ではなく、個々の仕事が社会にどのように貢献し、どのような価値を生み出しているのかを具体的に示し、「仕事=人(社会)の役に立つこと」という意識を浸透させることが重要です。
こうして、従業員が自身の仕事に意義を見いだすことで、モチベーション向上ややりがいを感じられるようになります。
ESが向上したとしても維持できないと意味がない!維持するための仕組みをつくろう
ESは、一時的に向上しても、維持できなければ意味がありません。持続的に高いESを保つためには、継続的なフィードバックと改善が必要です。
例えば、ES調査や面談を定期的に行うなどして、従業員の声を反映させることが大切です。また、改善点に迅速に対応する体制を整えることで、従業員の信頼感も高まります。
従業員が常に働きやすい環境を提供し続けられるよう、ESを維持するための仕組みづくりを進めましょう。
ESを計測できるサービス
ラフールサーベイ
ラフールサーベイは、ESを簡単に測定し、組織改善をサポートするツールです。豊富なデータと詳細なアンケートを通じて、組織の強みや課題を可視化し、適切な対策を提案しています。
しっかりと組織改善につなげるために、カスタマーサクセスが徹底サポートし、活用方法から対策の選定まで、組織課題の解決に伴走しています。
参考:ラフールサーベイ
LLax forest
LLax forest(リラクフォーレ)は、SOMPOグループが開発したストレスチェック機能付きのエンゲージメント調査ツールです。メンタルヘルス、フィジカルヘルス、エンゲージメントの3要素から成る計108問の調査を行い、従業員の健康と満足度を包括的に評価します。
また、調査結果を基に経済効果を分析し、具体的な改善策を提案する機能も備えています。
参考:LLax forest
リアルワン従業員満足度調査
リアルワン従業員満足度調査は、従業員の仕事や組織への満足感を評価し、経営改善に役立てるツールです。100万人以上のデータに基づき、成果に重点を置いた調査が特徴です。オリジナル項目の作成も可能で、パソコン、スマートフォン、タブレット端末、冊子からも回答できます。
まとめ
本記事では、ES向上が重要とされている背景や企業側のメリット、ES向上に向けた施策・取り組み事例などを詳しく解説しました。
企業を取り巻く環境は、人材不足や離職率の増加など、急速に変化しています。従業員が長く、自分らしく働ける環境をつくるためには、ESを高めることが不可欠です。総務や人事、管理部の担当者は、記事内で紹介した施策も取り入れながら、ES向上のための仕組みづくりを始めてみてはいかがでしょうか。
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