例文付き!顛末書とは?社内・社外向けの書き方や作成時の注意点
顛末書(てんまつしょ)とは
顛末書(てんまつしょ)は発生したトラブルの経緯や原因、再発防止策をまとめた書類のことです。基本的には問題を起こしてしまった社員、またはその監督責任者となる上司が顛末書を作成して、企業に提出します。例えば、業務中にトラブルが起きた場合や、重大なミスがあった際には、顛末書の提出が求められます。
顛末書とは、ミスやトラブルの発生原因や再発防止策を明確に記録するための文書であり、やトラブルの経緯や原因を具体的に記載することが求められます。顛末書を作成することで、同じ問題を発生させないように社員や社内全体に促すことを実現します。同じ問題を発生させないためには、なぜその問題が発生してしまったのか経緯の確認や、原因の究明が大切です。具体的なミスやトラブルの内容や、どのような経緯があったのかを具体的な内容を記載することが重要です。原因がわかれば対策を講じることができるため、再発防止に繋げやすくなり、社内全体でルールの見直しや追加がしやすくなります。
顛末書の作成はやってしまった事実を振り返るとともに、将来の損失を生み出さないための大切な作業です。顛末書の書き方と注意点については、次章で詳しく解説します。
顛末書と始末書・反省文の違い
顛末書とよく似た書類として始末書や反省文があります。それぞれの違いを以下の観点で解説します。
顛末書と始末書、反省文などの書との違いを明確に理解することが重要です。
また、顛末書と始末書の違いや、始末書との使い分け、さらに他の書類との違いについても詳しく見ていきます。顛末書と始末書の役割や書き方、書との違い、始末書と顛末書の違いなど、との違いを明確に理解しましょう。
- 提出先・提出目的
- 提出時期
- 書式・フォーマット
- 提出による影響
提出先・提出目的
顛末書の提出先は基本的には社内です。従業員が社内で起こしてしまったトラブルに対し、経緯や原因、解決策など一連の内容を書くことになります。社外に提出した場合には、今後同様のトラブルを防ぐために、社内にも共有されます。
顛末書の提出目的は社内全体で2度と同じトラブルを起こさないよう社内に共有し、各従業員に理解を促すことです。トラブルを起こしてしまった従業員を含めて、社内全体の問題として共有することになります。
始末書の提出先は社内に限らず、取引先や顧客など迷惑をかけてしまった相手に提出することもあります。また、上司からの提出を求められた場合には、速やかに対応することが重要です。 始末書は起こしてしまったトラブルの経緯や原因を追求し、相手に報告する点は顛末書と同じになります。
始末書の提出目的は責任の所在や処分を決定することです。始末書の内容を踏まえて、企業は該当従業員の懲戒や謹慎などの処分を決めます。
反省文の提出先は基本的には社内です。従業員が起こしてしまったミスに対し、ミスを認めて反省してもらうことになります。今後の業務姿勢を見直してもらうことが反省文の目的です。
提出時期
顛末書の提出時期はトラブルが一段落してからです。先述したとおり、顛末書はトラブルの経緯や再発防止策を記入する必要があります。トラブルが一段落していなければ、必要な内容を含めることができません。そのため、トラブルを起こしてすぐに書くことはないでしょう。
始末書の提出時期は上司から提出を求められたタイミングです。始末書は反省を促すとともに、処分内容が決まります。従業員には早いタイミングで反省を促すべきなので、トラブル発生直後に提出を求められることもあるでしょう。
反省文の提出時期は本人が提出するタイミングです。一般的に反省文に締め切りが設けられることはありません。上司が提出を求める場合は始末書の扱いになります。よって本人が反省したタイミングで提出することになるため、直後が望ましいでしょう。
書式・フォーマット
顛末書の書式やフォーマットは一般的なビジネス文書と同じです。顛末書は経緯や原因、再発防止策など記入する内容が決まっています。よって社内でフォーマットを用意しておくことで、体裁を整えやすくなります。
一方で始末書と反省文はフォーマットは特にありません(会社によっては定められていることもあります)。また場合によっては手書きでの作成を求められることもあります。よって作成を指示されてしまった際にはパソコンで作成して問題ないのかを確認すべきです。またあまりに砕けたフォントを使わないようにする、文字色や斜体を使わない、などの点にも注意しましょう。
提出による影響
基本的には、顛末書を報告することで処分や評価に影響はありません。ただし、書の提出を怠った場合や、顛末書を提出しない場合には、別途指導や処分の対象となることもあります。 顛末書の目的は反省を促すこと以上に、再発防止策を練ることです。よって企業から提出を求められた場合、反省はしつつも前向きな気持ちで作成しましょう。
始末書や反省文は提出後に処分が決まるケースがあります。トラブルを起こしてしまった時点で何かしらがありますが、文書の作成で反省の意を伝えましょう。万が一、提出された文書に反省の色が見えなければ、処分が重くなってしまう可能性もあるので注意してください。
いずれにせよ反省を促す目的で文書を作成します。とはいえ、顛末書の真の目的は再発防止なので、そこを見失わないように作成をしてください。
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顛末書のサンプル
顛末書にはどんな内容が記載されているのか、社内向けと社外向けのサンプルを確認してみましょう。
以下に顛末書の例文を、発生日時を「〇月〇日」として紹介します。例えば「3月15日」や「4月5日」など、月〇日の形式で記載することが一般的です。
社内向けの顛末書のサンプル
以下の顛末書サンプルは製品Aの発注ミスをしてしまい、社内向けに作成するケースです。
このケースでは、担当者が発注ミスを起こしたことが明記されています。
商品部 山田部長 殿 顛末書 2024年3月20日
2024年3月15日に発生した発注ミスに関して、詳細を以下のとおりご報告申し上げます。 1.発注ミス発生の経緯 2.発注ミスによる損失 3.発注ミスの原因 4.再発防止策 以上 |
社外向けの顛末書のサンプル
以下の顛末書サンプルは取引先C社に製品Dの納品ミスをしてしまい、社外向けに作成するケースです。
C社御中 顛末書 2024年4月15日 拝啓 この度、当社の納品に不備によりご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。 2024年4月5日に発生した納品ミスに関して、詳細を以下のとおりご報告申し上げます。 1.納品ミス発生の経緯 2.発注ミスの原因 3.再発防止策 この度は大変申し訳ございませんでした。 敬具 |
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顛末書の書き方のポイント
- 顛末書の書き方のポイントとして以下があります。
- 起きた内容を正確かつ簡潔に書く
- 5W1Hを意識する
- 感情的な内容は書かない
- 文体やマナーに十分注意する
再発防止策が適切かどうか、再発防止策の内容を状況や原因に応じて見直し、必要に応じて改善を行うことも重要です。
起きた内容を正確かつ簡潔に書く
顛末書を書く時には、起きた内容を正確かつ簡潔に書くことが大切です。顛末書を作成するのは基本的にトラブル発生時です。因果応報という言葉があるように、トラブルには必ず原因があります。
まずは事実を踏まえてトラブルがどういった経緯で発生してしまったのかを記述しましょう。時系列順に箇条書きで書くとわかりやすくなります。特に、具体的な日時や場所、関係者、発生した内容を明記することが重要です。
顛末書の目的は再発防止に繋げることです。トラブルを起こしてしまった人を責めるためのものではありません。そこを理解した上で、正直に事実を羅列しましょう。
顛末書に記載する内容一覧
- 顛末書に記載すべき内容は以下のとおりです。
- トラブルの内容:どういったトラブルを起こしてしまったのか
- トラブルが発生した日時、場所:いつどのようにトラブルが発生したのか
- 経緯の中で登場する関係者、責任者:誰がどのように関わったのか
- トラブルの発生原因:なぜトラブルが起こってしまったのか、防げなかったのか
- トラブルの現在の状況:トラブルが起こって現在は収拾がついているのか
- トラブル再発防止策:どうすれば同じミスを防げるのか
- 謝罪(社外向け)
上記をそれぞれ記述して、再発防止につながる顛末書を作成しましょう。
5W1Hを意識する
顛末書に各項目を記載をする際は5W1Hを意識しましょう。上記で解説した記載する内容一覧をフォーマット化しておくことで5W1Hが自然に満たされることが望ましいです。
- 5W1Hは以下のとおりです。
- Who(誰が)
- What(何を)
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
経緯ごとに、これらが明確になっていると、原因究明や再発防止策に役立ちます。例として「岡田さんが発注ミスをした」よりも「3月12日15:52に岡田さんが発注システムに5と入力すべきところを55と入力した」と記載するべきです。
また読み手側も納得感を持ち、再発防止に向けた議論を進めるようにしましょう。
感情的な内容は書かない
顛末書に感情的な内容は書くべきではありません。顛末書は再発防止のための文書です。先述したように5W1Hで客観的な内容を並べる必要があります。感情は主観的な内容のため、顛末書には適さない内容です。
特に経緯の箇所で「ついカッとなってしまい」のような感情的な内容が入らないようにしましょう。少なくとも「つい」ではなく、なぜ怒りを覚えたのか原因を書くべきです。論理的に記述してこそ、顛末書作成の目的である再発防止につながります。
反省文であれば感情的な内容が入ることもあります。しかし、顛末書を作成するのであれば感情的な内容はふさわしくありません。
文体やマナーに十分注意する
顛末書の作成時には文体やマナーに十分注意してください。顛末書はビジネス文書です。社内向け、社外向けそれぞれに作成する可能性がありますが、いずれにせよマナーがある体裁で作成しましょう。
- 例として以下はマナーに反する可能性があります。
- 冗長な表現がある
- 主観的な判断がされて、客観的でない
- 軽率な言葉遣いがされている
- 不適切なフォーマット、フォントで印象が悪い
顛末書にかかわらず、ビジネス文書の作成マナーは守るべきです。守れていないと、無駄に評価や信頼を落とすことに繋がってしまいます。マナーを守り、適切な顛末書を作成しましょう。
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顛末書の提出
顛末書の提出は、トラブルやミスが発生した際に、その経緯や原因、再発防止策を明確にし、社内で共有するための重要なプロセスです。ここでは、顛末書の提出に関する流れや手順、注意点、提出後の対応について詳しく解説します。
提出の流れと手順
顛末書を適切に提出するためには、以下の流れと手順を押さえておくことが大切です。
顛末書の作成
トラブルやミスが発生した際、まずは当事者が顛末書を作成します。顛末書には、発生した事実や経緯、原因、再発防止策を具体的に記載しましょう。
提出先の決定
顛末書の提出先は、通常は直属の上司や部門長、場合によっては社長など、社内の責任者となります。社内規定や指示に従い、正しい提出先を確認してください。
提出時期の決定
顛末書の提出時期は、トラブルやミスが収束し、状況が整理できた段階で、できるだけ速やかに行うことが求められます。遅延は信頼低下につながるため、迅速な対応を心がけましょう。
提出方法の決定
顛末書の提出方法は、手渡しやメール添付など、会社のルールや状況に応じて選択します。重要な顛末書の場合は、上司に直接手渡しすることで、内容の説明や質疑応答がしやすくなります。メールで提出する場合は、件名やファイル名にも「顛末書」と明記し、誤送信や紛失を防ぎましょう。
このように、顛末書の提出は、社内のルールやフローに従って進めることが大切です。事前に自社の顛末書提出ルールを確認しておくと、トラブル発生時にも慌てず対応できます。
提出時の注意点
顛末書の提出時には、以下のポイントに注意しましょう。
客観的な記載を心がける 顛末書には、トラブルやミスの事実を客観的に記載することが求められます。主観的な意見や感情的な表現は避け、事実に基づいた内容を記載しましょう。
再発防止策を具体的に記載する
顛末書の重要な役割は、再発防止策を明確にすることです。再発防止策は、誰が・いつ・どのように実施するのか、具体的に記載することで、実効性が高まります。
提出先の確認を徹底する
顛末書の提出先を間違えると、情報共有が遅れたり、再発防止策の実施が遅れる原因となります。必ず提出先を確認し、必要に応じて上司や総務部門に相談しましょう。
提出時期を守る
顛末書の提出時期は、社内規定や上司の指示に従い、速やかに提出することが大切です。遅延が発生した場合は、理由を明確に伝え、誠実に対応しましょう。
これらの注意点を守ることで、顛末書の提出がスムーズに進み、社内での信頼や評価にもつながります。
提出後の対応
顛末書の提出が完了した後も、適切な対応を行うことが重要です。
再発防止策の実施 顛末書に記載した再発防止策を、実際に行動に移すことが不可欠です。再発防止策の内容が具体的であればあるほど、実施しやすくなります。
フォローアップの実施
再発防止策の実施状況を定期的にフォローアップし、効果を確認しましょう。必要に応じて、追加の対策や改善を行うことも大切です。
問題の完全解決まで対応を継続
トラブルやミスが完全に解決するまで、関係者と連携しながら対応を続けます。顛末書の提出だけで終わらせず、問題の根本解決を目指しましょう。
従業員のフォロー
顛末書の提出が従業員のモチベーション低下につながる場合もあります。上司や人事担当者は、適切なフォローや声かけを行い、従業員が前向きに業務に取り組めるようサポートしましょう。
顛末書の提出後も、再発防止策の実施や従業員のフォローを徹底することで、組織全体の信頼性や業務品質の向上につながります。顛末書の提出をきっかけに、より良い職場環境づくりを目指しましょう。
顛末書の効果的な活用方法
顛末書(てんまつしょ)は、単なる報告書ではなく、組織の信頼性や業務品質を高めるための重要なツールです。ここでは、顛末書をより効果的に活用するためのポイントを解説します。
社内で顛末書をスムーズに作成してトラブルを防ぐためのポイント
社内で顛末書をスムーズに作成することで再発防止につながるため、短期間でのトラブルを防ぎやすくなります。顛末書をスムーズに作成するためには以下のポイントを押さえておきましょう。
- 作成フローを構築しておく
- フォーマット・テンプレートを用意しておく
作成フローを構築しておく
顛末書の作成フローを事前に社内で構築しておきましょう。どういったケースで顛末書を作成する必要があるのか、を事前に決めておくべきです。そうすることで、そもそも顛末書を作るのか、作らないのか、に迷うことがなくなります。
また顛末書作成後も決めておくべき事柄として以下があります。
- 提出時はどの部署、チーム、管理者が責任を持つことになるのか
- 情報収集や報告の手順
- 関係者同士のコミュニケーション手段
顛末書提出時は従業員ではなく、チームや部署の作成物として責任を持つことになります。その際にはどの役職の管理者が責任を持つのか、事前に決めておくとスムーズです。
また情報収集や報告時の手順を事前に決めておけば、トラブル発生時に該当従業員がスムーズに作成に取り掛かれます。
関係者同士のコミュニケーション方法は「基本的にはメールとする」のように大枠を決めておきましょう。電話や直接対談の場合は第三者にも入ってもらい、客観性を維持できる方法が望ましいです。
フォーマット・テンプレートを用意しておく
顛末書のフォーマットやテンプレートを事前に用意しておくことも、スムーズな顛末書作成には重要です。基本的に顛末書を作成した経験がある従業員はごく少数でしょう。よって多くの従業員は初めて顛末書を作成するため、何をどのように書けば良いのかわかりません。
そのため、会社でフォーマットやテンプレートを事前に用意しておくと、スムーズに作成に進めます。項目に沿って記述すれば自然と完成できることが望ましいです。フォーマットには5W1Hが自然と網羅される項目を記載しておきましょう。また書体やマナーもルール化して、確認できるようにしておくことが望ましいです。
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顛末書の法的効力
顛末書(てんまつしょ)は、従業員が業務上のトラブルやミスが発生した際に、その経緯や原因、再発防止策を客観的に記録するための重要な書類です。顛末書の主な目的は、問題の再発防止に役立てることにありますが、場合によっては謝罪の意を伝える役割も果たします。
まとめ
顛末書は従業員が起こしてしまったトラブルの原因、経緯を明らかにし、再発防止策を練るための文書です。始末書や反省文は該当従業員への反省を促すことが目的ですが、顛末書は再発防止につなげることが目的になります。
顛末書は目的を果たすために記載すべき内容が決まっているので、当記事を参考に自社用のフォーマットを作成しておきましょう。
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※この記事はAIによってリライトされたものです