年間休日の平均は?厚生労働省による調査から見る実態を徹底解説
こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。
年間休日平均日数は、業種や企業規模によって異なります。厚生労働省の調査によると、企業規模が大きくなるほど、休日数は増加傾向です。
本記事では、企業が年間休日を増やすメリット・デメリットを詳しく解説します。記事を読めば、年間休日を増やすための企業の取り組みも分かるようになるでしょう。
年間休日に関する近年の傾向も紹介するので、ぜひ最後まで読んでください。
目次[非表示]
- 1.企業が定める年間休日とは
- 1.1.法定休日と法定外休日について
- 1.2.そもそも休日・休暇・休業はどう違う?
- 2.厚生労働省の調査による年間休日平均日数
- 3.業種別の年間休日平均
- 4.【2024年版】年間休日の日数別に見る実態
- 4.1.125日
- 4.2.120日
- 4.3.110日
- 4.4.105日(最低ライン)
- 5.企業が年間休日を増やすメリット
- 5.1.人材を確保しやすい
- 5.2.従業員のモチベーション・生産性が向上する
- 6.企業が年間休日を増やすデメリット
- 7.年間休日を増やすための企業の取り組み
- 7.1.柔軟な勤務制度の導入
- 7.2.追加休暇の提供
- 7.3.働き方改革
- 8.年間休日に関する近年の傾向
- 9.年間休日を利用してESを向上させよう
- 10.まとめ
企業が定める年間休日とは
企業が定める年間休日とは、カレンダーの休日とは異なります。労働基準法で規定される「法定休日」と企業で決めた「法定外休日」との合計が年間休日です。
労働基準法第35条では「使用者は原則として、労働者に毎週少なくとも1回の休日1日を与える」ことと「4週間に4日以上の休日があれば週休1日の原則は適用されない」旨が規定されています。
上記の規定に違反すると「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科される可能性があります。
法定休日と法定外休日について
法定休日とは、労働基準法第35条で規定されている休日です。法定休日は週に1回与えるのが原則ですが、例外として4週間に4日以上の休日を与えることを会社に義務付けています。
使用者である企業は、規定に従って従業員に法定休日を必ず与えなければなりません。
一方で法定外休日とは、企業が独自に定めた休日です。法定休日と異なり、企業の裁量の範囲内で労使間の取り決めなどによって、決めることができます。多くの企業では、週末や特定の平日を選んで法定外休日とし、就業規則に規定しています。
法定休日と法定外休日との違いは、法定休日が労働基準法に基づいた休日であり、法定外休日は企業が定める休日であることです。
さらに詳しく知りたい方は、「法定休日とは?労働基準法や36協定との関連性などわかりやすく解説」の記事もあわせてチェックしてみてください。
そもそも休日・休暇・休業はどう違う?
休日とは、もともと労働義務のない日です。休日は、法定休日および会社が定めた公休日にあたるためです。
休暇と休業は、本来は労働する日であるにもかかわらず企業が労働義務を免除した日をいいますが、休暇と休業の2つは、明確に区別されていません。
休暇には、労働基準法などに規定する法定休暇と、企業が就業規則など定める法定外の休暇があります。それぞれの休暇を下記に例示します。
法定休暇 |
年次有給休暇・子の看護休暇・裁判員休暇・生理休暇 など |
法定外の休暇 |
慶弔休暇・夏季休暇・バースデー休暇・転勤休暇 など |
休業は、企業と従業員が雇用を継続したままで、業務命令または従業員からの申請で長期的に業務を行わないことです。代表例として、介護休業や育児休業などがあげられます。
厚生労働省の調査による年間休日平均日数
厚生労働省が実施した「令和5年就労条件総合調査」によると、2022年の1年間での労働者1人あたりの平均年間休日数は115.6日(令和4年調査115.3日)です。
また、1企業あたりの平均年間休日数は110.7日(令和4年調査107.0日)です。
企業規模別 |
労働者1人あたりの平均年間休日数 |
1企業あたりの平均年間休日数 |
1,000人以上 |
119.3 |
116.3 |
300~999人 |
117.3 |
115.7 |
100~299人 |
113.1 |
111.6 |
30~99人 |
111.2 |
109.8 |
令和5年調査での全体平均 |
115.6 |
110.7 |
企業規模が大きくなるに伴って、労働者1人あたりと1企業あたりの休日数は、増加しています。
参考:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」(P5)
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業種別の年間休日平均
続けて厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」から、産業別の年間休日平均では、産業別にみると「情報通信業」と「学術研究・専門・技術サービス業」が 118.8 日で1番多く「宿泊業・飲食サービス業」が 97.1 日と1番少ない結果となりました。
産業別 |
1企業あたりの平均年間休日数 |
鉱業、採石業、砂利採取業 |
103.8 |
建設業 |
104.0 |
製造業 |
111.4 |
電気・ガス・熱供給・水道業 |
116.8 |
情報通信業 |
118.8 |
運輸業、郵便業 |
100.3 |
卸売業、小売業 |
105.7 |
金融業、保険業 |
118.4 |
不動産業、物品賃貸業 |
109.6 |
学術研究、専門・技術サービス業 |
118.8 |
宿泊業、飲食サービス業 |
97.1 |
生活関連サービス業、娯楽業 |
104.6 |
教育、学習支援業 |
112.7 |
医療、福祉 |
109.4 |
複合サービス事業 |
110.4 |
サービス業(他に分類されないもの) |
109.0 |
平成30年調査での全体平均 |
108.3 |
自社の休日数と自社の業界の休日数や産業全体平均の108.3日とを比べて、現在の位置を確認しておきましょう。
参考:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」(P5)
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【2024年版】年間休日の日数別に見る実態
1年間は約52週あって、完全週休2日制であれば、休日は104日です。
ここでは年間休日を「125日」「120日」「110日」「105日」の4つのパターンに分けて、見ていきましょう。
125日
年によって異なりますが、2024年の土曜・日曜と土日に重ならない祝日・振替休日の合計は、118日です。
118日に年末年始とお盆休みや夏季休暇を加えると、約125日です。
年間休日が125日あれば、土曜・日曜出勤はほぼないと考えていいでしょう。
125日の内訳をまとめておきます。
土曜・日曜と土日に重ならない祝日・振替休日 |
約118日 |
年末年始とお盆休みや夏季休暇 |
約7日 |
年間休日の合計 |
125日 |
年間休日が125日の場合には、従業員はゆったりとワークライフバランスを保てるでしょう。
120日
前述した通り2024年の土曜・日曜と土日に重ならない祝日・振替休日の合計は、118日あります。年間休日が120日あれば、ほぼ暦の通りに休めるでしょう。
ただし、元日を除く年末年始とお盆休みや夏季休暇で休む分は、休日出勤が必要になると考えられます。
120日の内訳をまとめておきます。
土曜・日曜と土日に重ならない祝日・振替休日 |
約118日 |
調整として予備の休日 |
2日 |
年末年始とお盆休みや夏季休暇で休む日数 |
+〇〇日 |
上記の休んだ日数分を休日出勤 |
-〇〇日 |
年間休日の合計 |
120日 |
年間休日が120日の場合には、従業員は暦通りに休めるものの、年末年始などで休む分だけは、休日出勤が必要です。比較的ワークライフバランスを保ちやすい環境といえるでしょう。1年間の3分の1を休日にできるからです。
110日
2024年の土曜・日曜の休みは104日です。年間休日が110日の場合には、差し引き6日を年末年始とお盆休みや夏季休暇に充てる働き方ができます。
会社が年末年始とお盆休みや夏季休暇を取得させる方針であれば、年間52日ある土曜を勤務日にして調整も可能です。
仮に月に1回だけ土曜出勤すれば、年間で12日になります。土曜出勤した12日のうちから、4日を年末年始などに充てるような働き方ができます。
110日の内訳をまとめておきます。
土曜・日曜と土日に重ならない祝日・振替休日 |
約118日 |
月に1回だけ土曜出勤 |
-12日 |
年末年始とお盆休みや夏季休暇 |
+4日 |
年間休日の合計 |
110日 |
土曜出勤などの月1回の休日出勤はあるものの、年末年始などにも休む余裕はあります。
105日(最低ライン)
2024年の土曜・日曜の休みが104日であることを考慮すると、年間休日が105日の場合には、祝日や年末年始とお盆休みや夏季休暇なども、基本的には通常通りの出勤となるでしょう。
仮に年間休日が110日の場合と同様に、月に1回だけ土曜出勤すると、年間で12日を年末年始などや祝日などの数日を休日にできます。
105日の内訳をまとめておきます。
土曜・日曜 |
104日 |
月に1回だけ土曜出勤 |
-12日 |
年末年始とお盆休みや夏季休暇に加え、祝日などの数日を休日に |
+13日 |
年間休日の合計 |
105日 |
土曜に出勤した分を年末年始・祝日などを休日にできるものの、休みたいときに休めないといった、最低ラインになるでしょう。休日を取りにくいため、労働環境には配慮しましょう。
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企業が年間休日を増やすメリット
企業が年間休日を増やすメリットは、以下の2つです。
- 人材を確保しやすい
- 従業員のモチベーション・生産性が向上する
それぞれの詳細を解説します。
人材を確保しやすい
年間休日数が多いと、求職者に関心を持たれやすく、福利厚生の条件が良い企業に人材が集まる傾向があります。
「業種別の年間休日平均」でも既述したように、自社が同業他社よりも年間休日が多いのかチェックしましょう。
さらに求職者が応募したくなるような休日の設定も必要です。優秀な人材確保のためにも適切な年間休日を検討しましょう。
年間休日を増やすと、求人数や応募者数の増加へとつながる可能性もあります。
従業員のモチベーション・生産性が向上する
企業が年間休日を増やすと、従業員のモチベーションアップや生産性の向上につながります。
働き方改革が進み、従業員がワークライフバランスを重視しているためです。効率良く仕事を進めて、残業の少ない働き方を選ぶスタイルが増えています。
また、年間休日が少ない企業では、従業員も疲労やストレスをためてしまいがちです。従業員の生活にも配慮しながら、働きやすい企業を目指して年間休日の増加を検討してみましょう。
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企業が年間休日を増やすデメリット
企業が年間休日を増やすデメリットは、次の2つです。
- 従来通りの仕事量をこなすための対策が必要
- 1日あたりの労働時間が増えることで残業手当も増える
それぞれのデメリットを詳しく解説します。
従来通りの仕事量をこなすための対策が必要
企業が年間休日を増やせば、原則として労働時間は減少するものの、仕事量は今まで通りです。従来通りの仕事量をこなす対策が必要になるのは、デメリットといえます。
勤務時間内に仕事を終えられずに、家に仕事を持ち帰って自宅で残業する従業員が出てくる可能性があるのもデメリットです。
従来通りの仕事量をこなすためには、IT化やAIの導入などのさまざまな方法も検討し、経営戦略の見直しなどが必要になる場合もあるでしょう。
1日あたりの労働時間が増えることで残業手当も増える
年間休日を増やす代わりに、1日あたり労働時間を残業でカバーする考え方もありますが、残業手当の支給により人件費が増加してしまいます。
週休3日制の導入でも同様に、勤務日に残業が増えて長時間労働の常態化を危惧している企業もあるでしょう。
仕事を回していくために、従業員の追加採用が必要になることも考えられますが、採用や採用後の研修などへのコスト増も考慮する必要があります。
年間休日を増やすための企業の取り組み
年間休日を増やすための企業の取り組みとして、以下の3つがあげられます。
- 柔軟な勤務制度の導入
- 追加休暇の提供
- 働き方改革
それぞれの詳細を解説します。
柔軟な勤務制度の導入
企業が年間休日を増やすためには、フレックスタイムやリモートワークといった柔軟な勤務制度の導入が効果的です。これにより、従業員は自分のライフスタイルに合わせて働くことができ、仕事とプライベートの両立がしやすくなります。
特に中小企業においては、限られたリソースを効率的に活用しつつ、従業員の満足度を高める手段として重要です。
柔軟な勤務制度の導入は、従業員のストレスを軽減し、結果として生産性の向上や離職率の低下にも寄与することが期待されます。
追加休暇の提供
企業が年間休日を増やす手段としては、特別休暇やリフレッシュ休暇などの追加休暇の提供があります。特別休暇とは、バースデー休暇やボランティア休暇など、従業員のライフイベントや社会貢献活動に対する休暇です。
リフレッシュ休暇は、心身の疲労回復を目的とした休暇のことです。追加休暇の提供は、従業員の満足度を高め、モチベーションアップにもつながります。
中小企業にとっても、従業員の福利厚生を充実させる有効な手段になり得ます。
働き方改革
企業が年間休日を増やすための取り組みの1つには、働き方改革があります。働き方改革の推進によって、労働時間の短縮と休日の確保が可能です。
具体的な内容としては、残業時間の削減・週休2日制の導入・フレキシブルな勤務時間の設定などが含まれます。従業員の健康維持やワークライフバランスの向上などが目的です。
従業員は休暇が取りやすくなるため、自身に合った働き方がしやすくなるでしょう。
年間休日に関する近年の傾向
年間休日に関する近年の傾向では、週休3日制の導入があります。日本経済新聞社の調査によると、週休3日制の導入には「推進すべきだとは思わない」が57%で、「推進すべき」の37%を上回りました。
株式会社リクルートでは、年間の労働時間と給与を変えずに年間休日を年平均で週休約3日とする取り組みを実施しています。
制度を利用した従業員からは「子どもの授業参観や入学式など、家族のイベントに参加できるようになった」との声がありました。
1日あたりの労働時間は15分増加したものの、1年間の総労働時間の平均は50時間減少し、年間休日の15日増加が労働時間の減少につながっています。
参考:日本経済新聞電子版「週休3日制「反対」57% 30代以下は賛成6割」
年間休日を利用してESを向上させよう
企業としては、年間休日に福利厚生を積極的に利用してもらうことで、ES(従業員満足度)の向上につなげてみてはいかがでしょうか。
福利厚生を積極的に利用してもらう内容としては、社員割引などが使いやすく、具体的には旅行やメンタルヘルスなどの割引券の配布などがあります。
休日の福利厚生制度利用によって、ESを向上させることで、ひいては生産性の向上や離職率の低下につながる可能性もあるでしょう。
ESの向上に興味がある方は、「ES(従業員満足度)向上とは?具体的な施策や取り組み例を紹介」の記事も併せてチェックしてみてください。
まとめ
2022年の1年間での労働者1人あたりの平均年間休日数は115.6日で、1企業あたりの平均年間休日数は110.7日です。
企業が年間休日を増やすメリットは、人材を確保しやすくなり、従業員のモチベーションアップや生産性の向上につながります。
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