フォロワーシップとは?意味やリーダーシップとの違いなど徹底解説
こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。
現代の仕事は複雑化かつ多様化しており、チームで一丸となって協力し合うことが求められます。その中でも特に注目されているのが、フォロワーシップの育成です。
この記事では、フォロワーシップの定義と育成するメリットについて詳しく紹介します。具体的な育成方法についてもまとめているので、企業の責任者はしっかりと内容を押さえてください。
目次[非表示]
- 1.フォロワーシップとは?言葉の意味を解説
- 2.フォロワーシップの重要性
- 3.フォロワーシップを育成することのメリット
- 3.1.上司と部下の信頼関係が強くなる
- 3.2.柔軟な対応が可能になる
- 3.3.チームや組織全体が活性化する
- 4.フォロワーシップの5つの種類
- 5.フォロワーシップの具体例
- 6.フォロワーシップの育成方法
- 6.1.自分なりの意見を求める
- 6.2.実践的な経験を積ませる
- 6.3.研修プログラムを充実させる
- 6.4.メンター制度を導入する
- 7.まとめ
フォロワーシップとは?言葉の意味を解説
フォロワーシップとは、フォロワーがチームの成功のためにリーダーや周囲のメンバーに対して働きかけることです。
フォロワーはリーダーの下で働く従業員を指しており、彼らが主体的かつ上司に建設的な意見をしながら業務を行うのが望ましいとされています。部下のみが意識すればよいと解釈されやすいものの、リーダーにも求められる力です。
フォロワーシップを知る上では、リーダーシップとの違いを理解する必要があります。ここではリーダーシップの意味を説明するとともに、フォロワーシップを併せて持つことでチームにどのような効果が生まれるかを解説しましょう。
フォロワーシップとリーダーシップの違い
リーダーシップとは、チーム全体をまとめ上げて目標達成に向けて良い影響力を与えることです。目標へのビジョンをしっかりと提示し、チームを鼓舞しながら導ける力を指します。
リーダーの意味を、地位や特権が与えられている人物と考える人もいるでしょう。しかし本当にリーダーシップを発揮できる人間は、行動の結果に対して責任を持っています。そのためメンバーからの信頼も厚く、チームワークの向上も期待できます。
リーダーシップは、リーダーだけに求められている力ではありません。メンバー全員が意識することで、仕事や組織づくりにおいてポジティブな効果をもたらしやすくなります。
フォロワーシップ×リーダーシップの相乗効果
フォロワーシップとリーダーシップに相乗効果が生まれると、業務にも良い影響を与えます。
具体的に説明すると、まずはリーダーシップを発揮できる人間が目標や今後のビジョンを提示します。次にフォロワーがその目標やビジョンを細かく分析し、計画づくりや実際の業務に生かします。
この時に意識したいポイントは、「違う」と感じた部分を相手に意見させることです。部下からの指摘が改善策につながることもあり、トラブルをより防ぎやすくなります。ただし一方的に相手の考えを否定するだけでは、チーム全体のモチベーションを低下させます。健全的な批判かどうかを、上司はしっかりと見極めてください。
フォロワーシップの重要性
フォロワーシップの重要性は、カーネギーメロン大学の教授、ロバート・ケリーが行った研究でも説明されています。1992年と古い研究ではありますが、この結果によるとチームの成果に与える影響の8〜9割がフォロワーによるものだったようです。つまりリーダーの影響力は、わずか1〜2割程度とされています。
フォロワーの存在が重視されている理由として挙げられるのが、以下の3点です。
- 個人ではなくチームで成果を上げる体制が重視されている
- 上司・部下問わず、メンバーの一人として関与することが求められている
- 専門性を要する業務やサービスが増えている
すなわちメンバーの自主性を尊重し、一人ひとりが活躍できるチームをつくる上で重視されています。
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フォロワーシップを育成することのメリット
フォロワーシップを育成すると、チームで働くことにさまざまなメリットをもたらします。ここでは具体的なメリットについて、3つのポイントから見ていきましょう。
上司と部下の信頼関係が強くなる
フォロワーシップを育成するメリットは、上司と部下の信頼関係が強くなる点です。部下が自分の意見を出すのに躊躇(ちゅうちょ)してしまうと、双方の距離は縮まりにくくなります。部下から建設的な意見を出すことにより、互いに認め合いながら仕事ができます。
また仕事においては、チームが目標達成するための戦略を共有する必要があります。ただし一方的に指示するだけでは、戦略の根幹部分を考える機会も奪いかねません。「目標達成に向けて何が必要か」を全従業員が感じ取るには、立場関係なく意見し合うことが大切です。
こうしたコミュニケーションがとれれば、相手の考えも理解できて信頼関係はさらに強くなるでしょう。
柔軟な対応が可能になる
部下にフォロワーシップが備わっていれば、緊急時においても柔軟に対応できます。能動的に動く姿勢が身に付いていない従業員は、緊急事態が発生しても「指示待ち」の状態で動けなくなります。
加えてリーダーが病気やけがの影響により、長期間離脱する事態も起こるかもしれません。このような事態に企業が悩んだところで、クライアントからすれば関係のない話です。部下が積極的にカバーしながら、危機的状況を乗り越えなければなりません。
何が起こるか分からないからこそ、フォロワーシップの重要性を共有して柔軟に対応できるように備えてください。
チームや組織全体が活性化する
フォロワーシップは、チーム全体の活性化につながる点もメリットの一つです。チームを活性化させる上では、リーダーだけが頑張っても意味はありません。部下もリーダーと同じくらい仕事に向き合うことで、業務において良い結果が出せるようになります。
チームに貢献できたと感じ取れれば、従業員の仕事に対するモチベーションも向上します。協力し合うことで人間関係も良好になり、それが生産性をさらに向上させるでしょう。こうした好循環を生み出すためにも、フォロワーシップの重要性をメンバーに理解させ、チームで課題解決に取り組む姿勢を常に持ってください。
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フォロワーシップの5つの種類
ロバート・ケリーは、フォロワーシップには「批判的関与」と「積極的関与」という2つの軸があると考えました。双方の軸を用いつつ、フォロワーシップをさらに5つの種類に分類しています。
- 模範的
- 孤立型
- 順応型
- 消極的
- 実務型
各種類の意味と、2つの軸との関係性を解説しましょう。
模範的
積極的関与と批判的関与がともに高くなるのが、「模範的フォロワーシップ」です。模範的フォロワーシップを持つ人は、リーダーの右腕的な存在となります。自分の役割以上の仕事力を発揮するため、チーム内でも重宝されるのが特徴です。
リーダーの示した方針に対して、特に批判すべきポイントがない場合には指示通りに従います。しかし方針に疑問を感じたときには、リーダーに対して建設的な意見を提言できる人物像です。
模範的フォロワーシップは5種類の中で最も理想とされる姿であり、従業員を育成する際の目標としてよく掲げられます。
孤立型
「孤立型フォロワーシップ」は、批判的関与の傾向が強いタイプです。組織に対して建設的な意見を述べるのを得意とするものの、自分では積極的に行動を起こしません。周囲からの反感を買うこともあり、チームワークが苦手と評価されやすいのが特徴です。
しかし業務に関する鋭い指摘は、時にチームを救う場合もあります。孤立型フォロワーをただ避けるのではなく、方針やビジョンを伝えてみてください。また孤立している原因として、過去の経験から会社やチームワークに嫌悪感を持っているケースも考えられます。チームワークの大切さを感じ取れれば、頼れる仲間となるでしょう。
順応型
チームへの貢献度は高いものの、方針に対して批判を述べないのが「順応型フォロワーシップ」です。熱心にリーダーの指示に従うため、一見すると真面目で好印象を持たれます。
しかし、裏を返すとただの「イエスマン」であり、チームが誤った方向に進んでも従う傾向のあるのが注意点です。また従順に業務をこなすことに居心地の良さを感じるあまり、指示待ちとなる可能性もあります。
「批判しない人物」は上司からしても扱いやすいですが、それを良しとするのは誤った見方です。順応型フォロワーシップに当てはまる人には、自分の意見を述べる重要性をしっかりと教えましょう。
消極的
チームへの関与が消極的であり、批判的な意見も述べないタイプが「消極的フォロワーシップ」です。無気力かつ無責任な人が多く、自分からは積極的に動かないことから、フォロワーシップがあるともいえません。
しかしリーダーに反抗的な態度を取らないため、極端に悪目立ちしないのも特徴の一つです。目立たないために指導を後回しにされ、自ら行動する機会を失いやすい人物ともいえます。
消極的フォロワーシップは過去のトラウマや企業への不満が原因で、能動的に動くのを避けている可能性も考えられます。改善するには、ヒアリングしながら悩みを聞くことから始めるとよいでしょう。
実務型
「実務型フォロワーシップ」は、積極的関与と批判的関与の双方とも中立の立場になっているのが特徴です。現実主義的な考えを持っており、大きなプロジェクトに携わりたいと思っても、失敗を恐れて避ける傾向があります。そのため、要求された業務をきちんとこなすものの、それ以上の働きは見せません。
一方で、実務型フォロワーシップに当てはまる人は、実務である程度の成果を出せます。彼らの力を最大限に伸ばすには、少し高めの目標を設定するとよいでしょう。そうすれば業務に対する挑戦心が芽生え、フォロワーのモチベーションも自然と高められるようになります。
参考:石橋貞人 「フォロワーシップの研究動向と今後の研究課題についての一考察」
参考:西之坊穂「フォロワーシップ論の展望と今後の研究」
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フォロワーシップの具体例
フォロワーシップを発揮できている例として、以下のケースが挙げられます。
- リーダーの背中を押したり気付きを与える助言ができる
- 積極的に仕事を引き受ける
- リーダーの指示を分かりやすくチームに伝達する
部下を中心とする従業員の役割は、リーダーの負担を軽減することです。
チームの今後を左右するような方針を決めるリーダーは、その判断において強いストレスがかかります。したがってリーダーだけに判断を任せるのではなく、フォロワーも力を合わせて建設的なアドバイスをすることが重要です。
加えて、実務や伝達をフォロワーが積極的に行い、リーダーが集中して思考できる環境をつくりましょう。
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フォロワーシップの育成方法
フォロワーシップは、ただ従業員に意識させるだけで身に付くものではありません。まずは重要性を理解させつつ、時間をかけて育成していく必要があります。
育成する上で、特に押さえておきたいポイントを紹介します。
自分なりの意見を求める
フォロワーシップを身に付けさせる方法として、会議などで自分の意見を述べてもらうことが挙げられます。リーダーが提示した意見に対して、どのように感じているかを聞き取ってください。
ここで注意したいポイントは、相手の考えを頭ごなしに否定しないことです。リーダーが価値観を押し付けてしまうと、従業員は意見を出すのが面倒に感じます。
ただし、仮に批判的な意見を述べた際には、代替案を出してもらいましょう。代わりとなる案が提示されてこそ、価値のある意見となります。このように物事を批判的かつ客観的に分析し、課題を見いだす思考法を「クリティカルシンキング」と呼びます。
実践的な経験を積ませる
従業員がフォロワーシップを身に付けるには、経験が重要です。実践的な経験を積ませた上で、まずは上司のことを知ってもらう必要があります。上司と常にチームを組み、どのような仕事をしているかを理解してもらいましょう。
一緒に仕事する際には、さまざまなプロジェクトに従業員を参加させることが大切です。上司はなるべく自発的に取り組ませ、自信を持たせるきっかけを与えましょう。主体的に挑戦し続けていれば失敗をすることもありますが、失敗をただ責めるのではなく、変わらず前向きにチャレンジできるようフォローしてください。
参考:厚生労働省委託事業「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」
研修プログラムを充実させる
従業員がリーダーのフォローに回ろうとしても、具体的に何をすればよいかが分からないと思う人もいるでしょう。フォロワーシップについて全員で学ぶためにも、研修会を実施することをおすすめします。
フォロワーシップの概要を説明しつつ、実際の業務でも生かせるようにロールプレイングなどを取り入れてください。
研修の終わりには、これからの業務に関する行動計画を策定させる方法も有効です。研修を踏まえ、優秀なフォロワーになるための目標を掲げてもらいます。上司は成果が業務に表れているかをチェックし、今後の研修プログラムに生かしましょう。
メンター制度を導入する
フォロワーシップを育成するには、メンター制度を導入するといった方法もあります。メンター制度とは上司が部下に対して個人面談を行い、仕事上の悩みや不安を聞く制度です。部下の精神面をサポートしつつ、本人自らが問題解決に向けて意思決定できるように促します。
チームに貢献できるフォロワーになるには、まずは自分自身について意思決定できなければなりません。加えて上司とコミュニケーションを取れる機会が増えれば、関係が深まり、互いに意見しやすくなります。上司を含めたリーダーは部下の良き理解者となり、これからの成長をしっかりと応援しましょう。
まとめ
多くの企業で人手不足が進む中、従業員一人ひとりが自ら行動できるチームを作らなければなりません。模範的フォロワーの育成のために研修を行いつつ、実際の業務でも自分で意思決定する機会を設けましょう。
優秀なフォロワーを育てるには、採用の段階から力を入れる必要があります。自社とニーズの合う応募者を探し、理想とする人材を採用できるように励んでください。
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