【例文あり】フィードバックとは?意味や使い方を分かりやすく解説
こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。
部下とチームを組んで仕事する中で、互いの方向性が合致しているかを重視しなければなりません。それぞれの目標や方向性を確認する上で、取り入れたい方法の1つが「フィードバック」です。
この記事では、フィードバックの意味に加えて、実践での使い方も詳しく紹介します。指導・教育を行う側のトレーニング法も解説するので、部下を持つ社員やチームリーダーはぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.フィードバックとは?意味を分かりやすく解説
- 1.1.ビジネスでのフィードバックの意味・使い方
- 1.2.ポジティブフィードバックとネガティブフィードバック
- 1.3.フィードバックの歴史
- 2.フィードバックと似ている言葉の意味
- 3.フィードバックを行う目的とメリット
- 3.1.目標の達成に近づく
- 3.2.モチベーションを向上できる
- 3.3.パフォーマンスを向上できる
- 3.4.人材育成につながる
- 3.5.離職率を下げる
- 4.人事評価ではなぜフィードバックが重要?
- 5.【例文付き】フィードバックの4つの手法
- 5.1.サンドイッチ型
- 5.2.SBI(Situation Behavior Impact)型
- 5.3.ペンドルトンルール
- 5.4.360度フィードバック
- 6.効果的なフィードバックの行い方
- 7.フィードバックスキルを向上させるための訓練方法
- 7.1.ロールプレイング演習:さまざまなシナリオでのフィードバック練習
- 7.2.アクティブリスニング訓練:効果的な傾聴スキルの開発
- 7.3.ビデオフィードバック:自身のフィードバックスタイルの客観的分析
- 7.4.生成AIからのフィードバック:ChatGPTなどを使って自分に対してフィードバックをもらう
- 8.フィードバックの課題と改善策
- 9.フィードバックの研究動向
- 10.まとめ
フィードバックとは?意味を分かりやすく解説
フィードバックとは、相手の行動について指摘や評価を行う方法のことです。元々は「feed(食べ物を与える)」と「back(振り返る)」を組み合わせた工学用語であり、電気信号により機械が発する「音」を指していました。現代ではビジネス用語に限らず、教育学や心理学などと幅広い分野で用いられています。
さまざまな企業でも実践されている方法ですが、具体的にどう取り入れればよいか分からないところもあるでしょう。ここではフィードバックという言葉が誕生した背景やビジネス上の活用方法を詳しく説明します。
ビジネスでのフィードバックの意味・使い方
ビジネスでのフィードバックでは、上司から部下に対して仕事の評価や指摘を行うのが基本です。しかし先輩から後輩、メンターから若手社員といったケースで使われる場合もあります。
仕事で取り入れる際の方法として挙げられるのが、次の通りです。
- 人事評価
- プロジェクトの反省
- 1on1(ワンオンワン)ミーティング
これらを行うことで、部下のモチベーションアップや軌道修正を図ります。
ポジティブフィードバックとネガティブフィードバック
フィードバックには、ポジティブフィードバックとネガティブフィードバックの2種類があります。
ポジティブフィードバックは部下を褒めるだけではなく、仕事に積極的な姿勢を持つように働きかけることです。一方で仕事でミスが目立つ場合は、ネガティブフィードバックによって反省する機会を作る必要があります。これらをバランスよく使い分けることが大切です。
フィードバックの歴史
「フィードバック」という言葉は、1940年代に登場しました。元々工学用語である点は説明しましたが、心理学や経営学で使われるようになったのは1960年代以降です。
また1970年代には「現代経営学の父」とも呼ばれる、ピーター・ドラッカーが自身の論文でフィードバックの言葉を用いています。この頃は評価ツールの一種と認識されていたものの、21世紀には成長を促す手段として捉えられるようになりました。
フィードバックと似ている言葉の意味
ビジネス用語の中には、フィードバックと似ている言葉がいくつかあります。これらの違いを押さえ、しっかりと使い分けられるようにしましょう。
フィードアップ
フィードアップとは、上司と部下の間で目的・目標を確認する作業を指します。フィードバックの一種でもあり、互いの認識が合致しているかをチェックするのが目的です。
適切にフィードバックするには、相手側が目的や目標をしっかりと把握しなければなりません。振り返りの精度を高めるのが、フィードアップの主な役目です。
フィードフォワード
フィードフォワードは「foward(前へ)」の文字を使うことからも分かるように、未来に対して将来の方向性を確認する方法です。「次からはこのようにしよう」という観点で、未来の仕事を見据えてアドバイスを行います。
フィードバックは「back(振り返り)」であるため、過去を振り返る点に違いがあるといえます。
レビュー
レビューは日本語で「評論」「批評」という意味です。例えば映画作品を実際に見たユーザーが、その論評をするのがレビューに該当します。
ビジネス用語でのレビューは、契約書などを診断する意味合いで使われるのが特徴です。契約書の内容に誤りがないか、その契約を結ぶことで自社にどのようなリスクが生じるかを判断することを指します。
チェックバック
チェックバックが意味するのは、クリエーターが手がけた作品に対するクライアントの修正依頼です。他にも部下が作成した文書に、上司が添削して修正させる状況のことをいいます。
フィードバックの場合、「これまでの仕事全体の振り返り」という意味で使われます。したがってチェックバックは、文書の添削など限定された場面で使われるのが特徴です。
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フィードバックを行う目的とメリット
フィードバックをすると、部下の仕事に対しても良い影響を与える場合があります。ここでは指導・教育に取り入れる目的と合わせて、どのようなメリットがあるかを解説しましょう。
目標の達成に近づく
ビジネスで採用するメリットとして挙げられるのが、自社および部下の目標達成につながる点です。企業の掲げた目標をクリアするには、社員一人ひとりが仕事について深く理解する必要があります。
上司から部下へ正しく軌道修正すれば、進むべき方向もはっきりしやすくなります。部下が仕事に迷いが生じていたら、定期的に話し合うとよいでしょう。
モチベーションを向上できる
他にも、部下が仕事に対してモチベーションの向上を期待できるのも、メリットの1つです。特にポジティブフィードバックを行えば、その効果もさらに高まりやすくなります。
企業が目標を達成するには、部下がやりがいを持って働ける環境が大切です。部下の全員をしっかりと観察し、積極的にチャレンジできるようなアプローチを心がけてください。
パフォーマンスを向上できる
部下のパフォーマンスを上げることも、フィードバックの果たす役割の1つです。1996年の心理学の研究でも、フィードバックはパフォーマンスの向上につながると約2万4000回の検証により示されています。
あまり成果を出せていない社員が、上司のアドバイスによって大きく成長する場合もあります。指摘する際には、部下側から課題を自覚できるように意識しましょう。
人材育成につながる
社員の改善点を明らかにし、高いパフォーマンスを発揮させれば人材育成にもつながります。部下に指導・教育するときも、ただ悪い部分だけを指摘すればいいわけではありません。
「今の自分には何が足りないのか」を社員が自覚できるよう、具体的な改善点を伝える必要があります。意図が伝わりやすくするためにも、マンツーマンでフィードバックする機会をしっかりと設けてください。
離職率を下げる
離職率を下げることも、フィードバックが期待されている効果の1つです。Gallup社の調査では、フィードバックを受ける社員は、受けない社員と比べて離職率が14.9%下がったと示されています。
社員が仕事を辞めるネガティブな理由としては、目標や自信をなくすことが挙げられます。このような事態を避けるには、上司のアドバイスがモチベーションとパフォーマンスにつながることが大切です。
参考:「Employees Want a Lot More From Their Managers」
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人事評価ではなぜフィードバックが重要?
人事評価でフィードバックが重要となる理由は、部下が成長する機会を作れることです。部下が自分自身で良いところと改善点を把握できれば、今後の業務においてパフォーマンスを発揮しやすくなります。
無論、成長につなげるには適切な方法でアプローチしなければなりません。部下のやる気を削ぐような発言をすると、逆に離職につながりやすくなるでしょう。上司がフィードバックの真意を理解し、部下が人事評価に納得できるようにすることが求められます。
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【例文付き】フィードバックの4つの手法
フィードバックが重要といえども、具体的にどう取り入れればよいか分からない人もいるかもしれません。ここでは、例文付きで4つの手法について説明します。
サンドイッチ型
サンドイッチ型とは「褒める→改善点の指摘→褒める」と、まるでサンドイッチのような順番で伝える方法です。
主な例として以下のやり方があります。
- この資料の説明が分かりやすかったよ
- このページだけもう少しグラフを見やすくできないかな
- 全体的にクオリティーが高いから社内でも共有したい!ありがとう
このように指摘で終わらず、最後にポジティブな感想と感謝の思いを述べることで、部下のモチベーション向上が期待できます。
SBI(Situation Behavior Impact)型
SBI型とは「状況(いつ)→行動(どの行動か)→結果(どう思ったか)」を詳しく説明する方法です。
具体的なシーンを挙げず、ただ「説明分かりやすいよね」と言っても、部下には何がよかったのかが伝わりません。評価するときは「先週のプレゼンでのこのページの説明で、グラフが見やすかったから、経営陣も納得してくれたよ」とSBIの順番を意識してみましょう。
ペンドルトンルール
ペンドルトンルールは、心理学者のペンドルトンが導き出した理論です。上司から一方的に評価するのではなく、部下に良かった点や改善点を自ら提案させます。
まずは上司が「先日の営業でうまくいったところ、課題に感じたところはある?」と質問してみてください。そこから部下とコミュニケーションを取りながら、今後の改善点と計画を決める手法です。
360度フィードバック
360度フィードバックは、複数の上司によってフィードバックするのが特徴です。評価者が一人だけでは、偏った価値観で部下を評価してしまう恐れがあります。
複数人でフィードバックすれば、さまざまなアイデアが生まれるので、部下もヒントをつかみやすくなるでしょう。しかし上司らの意見にずれが見られると、誰を信じればよいか分からなくなるので、注意も必要です。
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効果的なフィードバックの行い方
フィードバックを適切に行うことで、部下の仕事に対するモチベーションやパフォーマンスの向上に寄与する場合があります。高い効果を発揮できるためにも、以下のポイントをしっかりと押さえてください。
- 目的を明確にする
- フィードバックする場所と時間に注意する
- 具体的な提言を行う
- 実行可能かどうかを重視する
- 行動を褒める・指摘する
まず意識してほしいのは、目的を明確にした上で行うことです。部下のスキルアップのため、今後のプロジェクトに向けてなど具体的な目的を作ります。
また、フィードバックする場所や時間にも注意しなければなりません。1on1で話し合いできるスペースを設け、なるべく行動してからすぐに伝えるのが望ましいでしょう。
加えて部下に意見するときは、具体性を意識してください。改善点を指摘するのであれば、その意見が実行可能かどうかに注意しつつ、具体的な理由を述べる必要があります。特に、慣れていない人は性格面を指摘してしまうケースもあるため、部下の行動に焦点を当てるようにしてください。
フィードバックスキルを向上させるための訓練方法
フィードバックの効果を上げるには、上司のスキル向上も重要な鍵を握ります。ここでは、実践した方が望ましい訓練方法について紹介しましょう。
ロールプレイング演習:さまざまなシナリオでのフィードバック練習
ロールプレイングと聞くと、営業や接客対応など新人が行うものを想定するかもしれません。しかしこの方法は、上司がフィードバックを行うための練習としても有効です。
例えば上司役と部下役に分かれて、実際にフィードバックしてみるという方法があります。評価する第三者も置き、良かった点と悪かった点を伝えてもらいましょう。
アクティブリスニング訓練:効果的な傾聴スキルの開発
アクティブリスニング(積極的傾聴)とは、話をする中で相手が自ら問題解決できるように働きかけることです。部下と本音で話し合い、より関係を深める目的で活用されます。
この姿勢を身に付けるには、部下の話を遮らず、先入観にとらわれないことが大切です。実際の職場でも練習はできますが、アクティブリスニングを理解するために研修も開催するとよいでしょう。
ビデオフィードバック:自身のフィードバックスタイルの客観的分析
ビデオフィードバックとは、自身が部下と接している様子をビデオに映して振り返ることです。自分では正しく接しているつもりでも、客観的に分析すると課題が見えてくるかもしれません。
実際の現場だと部下が抵抗を感じる可能性もあるので、研修時に取り入れるのもいいでしょう。複数人で分析すれば、さまざまな角度から感想を共有できます。
生成AIからのフィードバック:ChatGPTなどを使って自分に対してフィードバックをもらう
他にも、ChatGPTを用いて、生成AIからフィードバックをもらうこともおすすめです。生成AIを活用するには、具体的な状況をイメージしてプロンプト(指示)を作成する必要があります。
<目標達成に向けた改善策を聞く場合の例>
「私の目標は『地域おこしのためスポーツイベントを盛り上げること』です。ボランティアを積極的に募集し、地域一体で盛り上げるのを狙いとしています。この目標に対する改善点を3つ挙げてください。また、改善するための具体的なアクションプランも提案してください」
フィードバックの課題と改善策
フィードバックは、一般的に受け手側が抵抗を感じたり、上司の言葉に誤解したりするといった課題が考えられます。思い込みで部下を評価すれば、その言葉を素直に受け入れられなくなるでしょう。つまり上司の力量次第で、プラスに働くこともあればマイナスになる場合もあるのです。
こうした課題を改善するためには、フィードバックする側が思い込みや偏見を捨てなければなりません。主観的な評価を行うと、部下との信頼関係も揺らいでしまいます。データや数字を用いつつ、客観的な視点でフィードバックしましょう。
また、言葉選びを間違え、意図せず部下を傷つけてしまうこともよくある失敗例の1つです。改善点を指摘するときは、相手の成長を応援する姿勢は忘れないでください。
フィードバックの研究動向
フィードバックは古くから、ネガティブよりもポジティブの方が効果があると考えられていました。しかし2017年の教育心理学研究「プロセスフィードバックが動機づけに与える影響」で、どちらが望ましいかは受け手によって異なることが示唆されています。
加えて、結果よりも、プロセスに対して評価や指摘をした方が課題への動機づけが学習の促進にも効果があると考えられています。フィードバックはコストもかからず実践しやすいのが強みですが、何も考えずに活用するとネガティブな効果を生みかねないので、注意が必要です。
まとめ
この記事では、フィードバックの言葉の意味と仕事での活用方法を詳しく紹介しました。適切な方法でビジネスに採用すれば、社員の成長を促せる可能性も高まります。企業全体の成長にもつながるので、さまざまな手法を試してみてください。
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