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【事例あり】OKRとは?意味やKPIとの違い・設定方法など解説

こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。

「OKR」はアメリカ発祥の目標管理手法のことで、シリコンバレーを代表する有名企業が導入していることで注目を集めています。達成目標(Objectives)と主要な成果(Key Results)の2つを設定し、組織全体やチーム、従業員各自が同じゴールに向かって仕事に取り組めるようにする点が特徴です。

当記事では、OKRの定義や導入のメリット、効果的な活用のポイントを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.OKRとは
    1. 1.1.日本企業におけるOKRの現状
    2. 1.2.OKRが注目される理由
  2. 2.知っておきたいOKRの類語とそれぞれの違い
    1. 2.1.KPI(重要業績評価指標)
    2. 2.2.KGI(重要目標達成指標)
    3. 2.3.MBO(目標による管理)
  3. 3.企業がOKRを導入するメリット
    1. 3.1.組織全体に目的意識と連帯感が生まれる
    2. 3.2.従業員の生産性・エンゲージメントが向上する
    3. 3.3.フラットなコミュニケーションが取りやすくなる
  4. 4.OKR導入の課題と対策
    1. 4.1.達成感を得られにくい
    2. 4.2.社員に浸透しにくい
    3. 4.3.MBOとの違いが理解できていない
    4. 4.4.優先度がつけにくい
  5. 5.OKRの決め方・設定方法
    1. 5.1.1. Objectives(達成目標)の設定
    2. 5.2.2. Key Results(主要な成果)の設定
  6. 6.OKRをうまく活用するためのポイント
    1. 6.1.目標を高めに設定する
    2. 6.2.全ての情報を社内に公開する
    3. 6.3.定期的に振り返りの場を設ける
    4. 6.4.OKRを評価制度に直結させない
    5. 6.5.ツールを活用する
  7. 7.OKR導入後の評価と改善
  8. 8.【導入事例】OKRを設定している企業
    1. 8.1.Google
    2. 8.2.メルカリ
  9. 9.まとめ

OKRとは

OKRとは、「Objectives and Key Results」の頭文字を取った略語で、日本語に訳すと「目標と主要な結果」を意味します。組織目標と従業員個人の目標を連動させることが特徴で、全ての従業員が同じゴールを目指して仕事に取り組むことを目的として行われるマネジメント手法です。

OKRは、組織の活性化や従業員のモチベーションアップを期待して設定されるため、「簡単には達成できない目標」を立てます。そのため、達成率は100%を目指すのではなく、60〜70%程度になるようにすることがポイントです。

日本企業におけるOKRの現状

日本国内でもOKRを導入している企業がありますが、海外企業と比較するとその割合は低く、定着率も低い状況です。

理由としては、日本ではOKRを人事評価制度として運用する企業が多い点が挙げられます。OKRを人事評価制度として運用してしまうと、失敗を恐れる心理が働き、チャレンジングな目標に積極的に取り組もうとする意欲が失われてしまいます。

OKRが注目される理由

OKRが注目される理由は、以下の2点です。

  • 目標を柔軟に調整できる
  • スピーディーに目標達成できる

従来の人事評価は、年度単位での運用が一般的でしたが、OKRは最長でも3、4カ月の短期的な目標を立てる点が特徴です。そのため、目標を柔軟に調整し、変化の激しいビジネス環境に対応していくことができます。

また、適切な難易度の目標を従業員が一丸となって追いかけることで、これまでよりもスピーディーに目標達成が可能です。


知っておきたいOKRの類語とそれぞれの違い

目標管理の手法としては、OKR以外にも下記の3つがあります。

  • KPI(重要業績評価指標)
  • KGI(重要目標達成指標)
  • MBO(目標による管理)

それぞれの言葉の定義と、OKRとの違いを解説します。

KPI(重要業績評価指標)

KPIとは、「Key Performance Indicator」の略語で、「重要業績評価指標」を意味します。
最終的な目標に到達するためのプロセスが正しく実行されているかをチェックする中間目標を数値化したものです。

OKRも定量的な目標を定める点で類似していますが、KPIは、部門やプロジェクト単位で目標数値を設定し、100%達成をゴールとします。一方のOKRは、企業全体として目標を設定し、60〜70%の達成率を目指す点で違いがあります。

KGI(重要目標達成指標)

KGIとは、「Key Goal Indicator」の略語で、「重要目標達成指標」を意味します。ビジネスの成果を定量的に評価するための指標で、売上高や利益率、成約数などがKGIに該当します。

OKRとの違いは、目指す達成度にあります。KGIは100%の達成率を目指しますが、OKRが目指すのは、60〜70%の達成率です。そのため、KGIを設定する際は、達成が可能な現実的な目標とする必要があります。

MBO(目標による管理)

MBOとは、「Management by Objectives」の略語で、「目標管理制度」を意味します。
MBOは、従業員自らが定めた目標に対して自発的に行動し、その達成度で評価を受ける点が特徴です。

OKRとの違いは、人事評価への反映の有無です。OKRは設定することで組織全体を活性化することを目的としているため、結果は人事評価へ反映しませんが、MBOは設定した目標を100%達成することを目指し、結果を人事評価へ反映させます。

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企業がOKRを導入するメリット

企業がOKRを導入するメリットは、以下の3つです。

  • 組織全体に目的意識と連帯感が生まれる
  • 従業員の生産性・エンゲージメントが向上する
  • フラットなコミュニケーションが取りやすくなる

それぞれの詳細を解説します。

組織全体に目的意識と連帯感が生まれる

OKRの設定によって目標が明確になることにより、組織全体に目的意識と連帯感が醸成されます。小規模な組織であれば目標を浸透させることは難しくありませんが、規模が大きくなるほど目標の共有が難しくなり、自身の取り組みが組織に対してどのような成果をもたらしているのか把握しにくくなります。

OKRで目標を明確にすることで、組織と従業員が同じゴールを目指せ、自分が果たす役割について理解が深まります。各々の使命が明らかになれば、自然に従業員同士の協力体制が築かれ、コミュニケーションもスムーズになるでしょう。

従業員の生産性・エンゲージメントが向上する

OKRはチームで1つの目標に向かって取り組んでいくことが特徴で、チーム内の役割分担が大切なポイントです。役割分担が明確になることで、各自がやるべきことが明らかになり、チームへの貢献度合いが実感しやすいメリットがあります。結果として、従業員のモチベーションアップやエンゲージメント向上が期待できます。

また、OKRは組織の目標をチームや個人レベルに落とし込んで細かく設定することが特徴です。これにより仕事の優先順位が明確になり、やるべき仕事に集中できるようになるため、生産性の向上も実現できます。

フラットなコミュニケーションが取りやすくなる

OKRは、組織目標を全ての従業員で共有し、モチベーションを高く保ちながら仕事に取り組むマネジメント手法です。1〜4カ月程度の短期サイクルで効果測定することも、OKRの特徴の1つです。目標を細かなステップで設定し達成率を測定していくため、効果的な目標管理を実現できます。

また、OKRは人事評価に連動しないことから、達成度の振り返りの際も気軽な気持ちで臨めます。共通の目標に向かって短期サイクルの振り返りを繰り返すことにより、自然に目標が組織内に浸透し、立場に依存しないフラットなコミュニケーションが図りやすくなるでしょう。

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OKR導入の課題と対策

OKRの運用と定着を妨げる要因として多いのは、以下の4つです。

  • 達成感を得られにくい
  • 社員に浸透しにくい
  • MBOとの違いが理解できていない
  • 優先度がつけにくい

それぞれの詳細を解説します。

達成感を得られにくい

OKRの目標は、達成率が60〜70%になるように設定することが特徴です。目標を100%達成できないことによって、現場のメンバーとしては「達成感を感じられない」悩みを持つことがあります。

設定の段階で実現不可能な目標を立てることは、モチベーション低下につながりかねません。目標のレベル設定を「困難なものの実現可能なレベル」に設定することがポイントです。

社員に浸透しにくい

OKRについて、現場の従業員に正しく理解してもらい、定着させることが大切です。経営層や現場責任者が決めた目標を従業員に一方的に押しつけてしまうと、現場の不満は高まるでしょう。目標設定がトップダウンにならないように、目標を決める段階から従業員を巻き込む工夫が必要です。

MBOとの違いが理解できていない

OKRに対する理解が足りず、実態としてはMBOに近い運用になってしまっているケースが存在します。

OKRは、以下のルールを守る必要があります。

  • 全社で目標を共有する
  • 短期スパンで評価する
  • 100%の達成を目指さない
  • 人事評価に反映しない

上記が守られないと、期待した効果を得ることは難しいでしょう。

優先度がつけにくい

達成目標の優先順位が不明確だと、重要度の高い目標にリソースを割けません。達成目標は最大でも5つ程度に絞り、優先順位を決めておく必要があります。

目標の数が多過ぎると進捗(しんちょく)管理が煩雑になり、従業員へ目標を浸透させるハードルも上がってしまいます。優先度の低い目標はリストから外す判断が大切です。

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OKRの決め方・設定方法

OKRを実際に導入する際は、以下の順に設定します。

  1. Objectives(達成目標)の設定
  2. Key Results(主要な成果)の設定

それぞれの詳細を解説します。

1. Objectives(達成目標)の設定

まずは経営層や事業部門の責任者が達成目標を設定し、組織全体や部門内で共有します。

ポイントは、以下の5つです。

  • 1~4カ月程度の短期の目標とする
  • 達成率が60~70%になるようなチャレンジングな目標を意識する
  • 達成目標はできるだけ1つに絞る。絞りきれない場合は、最大5つ程度とする
  • 定性的な目標とする
  • 従業員個人やチームの目標は、組織目標と連動させる

2. Key Results(主要な成果)の設定

達成目標が決まったら、達成目標に対して3〜5個の主要な成果を設定します。

ポイントは、以下の3つです。

  • 定量的に測定できる成果とする
  • 達成目標との関連性を意識する
  • 困難ではあるが、実現可能な内容にする

Key Resultsはできるだけ細かく数値を定め、容易に達成できるレベルよりも高く設定することが重要です。

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OKRをうまく活用するためのポイント

OKR活用のポイントは、以下の5つです。

  • 目標を高めに設定する
  • 全ての情報を社内に公開する
  • 定期的に振り返りの場を設ける
  • OKRを評価制度に直結させない
  • ツールを活用する

それぞれの詳細を解説します。

目標を高めに設定する

OKRを導入して成果を上げている企業に共通していることは、高い目標を掲げている点です。到達までの道筋が見えるレベルの目標よりも一段上の目標を設定することで、モチベーションやチャレンジ精神が高まります。

ただし、従業員に未達成を避けたい心理が働くと、適切な目標が設定されない恐れがあります。これを避けるためにも、達成率が60〜70%になるような目標設定を目指してください。

全ての情報を社内に公開する

目標を設定したら、全ての従業員が閲覧できる状態にし、進捗状況も共有します。各自が必要なタイミングで自由に閲覧できるようにすることで、常に目標を意識しながら仕事に取り組めるようになります。進捗状況が公開されることにより、自分自身の貢献度を実感でき、モチベーションアップが期待できるでしょう。

定期的に振り返りの場を設ける

OKRは、定期的に振り返りの場を設けることで効果を高められます。振り返りは期間の終わりに実施するのではなく、1週間単位などの短いスパンで行うことが大切です。

振り返りの際は、できなかった部分を追及したり責めたりせず、どうしたら目標達成へ近づけるか、前向きに検討することが大切です。

OKRを評価制度に直結させない

OKRは、高い目標にチャレンジすることにより、従業員の成長を促すことを目的の1つとしています。評価を考慮した保守的な目標設定では、従業員の成長を促進させることは難しいでしょう。

たとえ目標達成度が低かったとしても、次期の目標達成に向けたデータとして捉える必要があります。同様の理由により、報酬とOKRを結びつけることも避けるべきです。

ツールを活用する

OKRで大切なのは、目標と成果の2つを設定し、適切に運用していくことです。ツールを活用すれば、運用の効率化や、組織内の定着を促進できます。目標の設定や進捗状況の把握も一元化できるため、社内の担当者や従業員の負担軽減につながるでしょう。

ツールを選ぶ際は、自社の導入目的に合ったOKR体制を構築できるかという観点で検討することが大切です。


OKR導入後の評価と改善

OKR導入後は定期的に評価をし、評価結果を全社で共有します。そして、評価結果に基づいて次期の目標を検討し、OKRを設定するというサイクルを繰り返します。

ポイントは、評価期間中であっても、目標の進捗や方向性について定期的に共有する機会を持つことです。常に全員が同じ方向を向いて仕事に取り組むことが大切です。


【導入事例】OKRを設定している企業

OKRを導入している以下の企業の事例を紹介します。

  • Google
  • メルカリ

Google

Googleは2000年ごろにOKRを導入し、目覚ましい成長を遂げています。Googleでは3カ月に1度の頻度で達成度の評価をし、結果を全て公開しています。Googleの特徴は、目標をチーム内で完全に統一させるのではなく、個々の考えにもとづいて定めている点です。

上司と部下が1対1で対話する機会を持ち、上司は部下のOKRの把握に努めています。部下と1対1の時間を持つことは上司に負荷がかかりますが、組織目標に対する理解を促すとともに、上司や企業側が従業員個人の価値観や現状を把握する足がかりとなります。

参考:Google「Google re:Work - ガイド: OKRを設定する

メルカリ

フリマアプリで成長を遂げてきたメルカリは、日本でまだOKRがあまり知られていない2015年にOKRを導入しています。メルカリは、急成長とともに従業員数が増える一方で、「企業の目指す方向性と従業員の認識とのずれ」を課題としていました。これを解消する手段として導入されたのが、OKRです。

メルカリはコミュニケーションを重視しており、3カ月に1度の頻度で目標を見直し、従業員と面談しています。さらに、半年に1度のペースで、チームそれぞれの目標を共有し、理解を深めるための合宿を開催しています。

参考:mercan「半年に一度のコーポレート合宿にきたよ #メルカリな日々


まとめ

本記事では、OKRの定義や導入のメリット、活用のポイントなどを紹介しました。

OKRの導入により、コミュニケーションが円滑化したり、従業員のモチベーションアップが実現したりと、さまざまな効果が期待できます。組織全体が活性化すれば、より効率的に成果を上げられるようになるでしょう。

人事業務の効率化の手段としては、スキマバイト募集サービス「タイミー」の利用もおすすめです。タイミーへの相談は、「お問合わせフォーム」から簡単にできます。まずはタイミーを使って、人事業務を効率化してみてはいかがでしょうか。

  【タイミー】問合せフォーム https://go.timee.co.jp/register?utm_source=blog&utm_medium=business_top&utm_campaign=blog299_card


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