リファラル採用とはどのような制度?特徴やメリット、具体的な手順や事例などを紹介
こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。
突然の人手不足が発生した場合、通常の求人方法では対応が間に合わず、結果的にプロジェクトの遅延や従業員の負担増加につながるケースが多いです。そこで「リファラル採用」を導入し、従業員の紹介から雇用を行うことも考えられます。
この記事ではリファラル採用の基本的概要を解説し、メリットや課題、成功のポイントや実際の導入事例を紹介します。
目次[非表示]
- 1.リファラル採用とは?
- 1.1.社員から直接人材を紹介してもらうこと
- 1.2.近年は日本でもリファラル採用が広まりつつある
- 1.3.リファラル採用の対象となる人材
- 2.リファラル採用と縁故採用の違い
- 3.リファラル採用のメリット
- 3.1.採用率が高い
- 3.2.転職市場にはいない人材にアプローチできる
- 3.3.採用にかかるコストの削減
- 4.リファラル採用のデメリット
- 5.リファラル採用の実施に必要な手順
- 5.1.リファラル採用の制度を明確に設計する
- 5.2.社内での告知を行う
- 5.3.リファラル採用の成果を確認するPDCAサイクルを活用する
- 6.リファラル採用を成功させるポイント
- 7.リファラル採用の課題・注意点
- 7.1.終了のタイミングを明確にする
- 7.2.リファラル採用における変更や追記はすぐに告知する
- 7.3.採用後は人材の配置などに注意が必要
- 8.リファラル採用の具体的な事例
- 8.1.1.株式会社NTTデータ
- 8.2.2.株式会社SmartHR
- 8.3.3.iYell株式会社
- 9.まとめ
リファラル採用とは?
そもそも「リファラル採用」の意味が分からないと、そのメリットや成功のポイントを把握できません。まずは以下を参考に、リファラル採用の基本について確認してみましょう。
社員から直接人材を紹介してもらうこと
リファラル採用とは、自社で雇用している社員から「直接人材を紹介してもらう採用方法」のことです。リファラルは日本語で「紹介」や「推薦」の意味を持ち、その名の通り社員の友人や関係者を「紹介・推薦」してもらう方法を意味します。
社員が相手の人柄や能力を理解していることが多いため、スムーズに採用の可否を判断できることが特徴です。
近年は日本でもリファラル採用が広まりつつある
リファラル採用はもともと、アメリカで取り入れられていた採用方法です。アメリカではポピュラーな採用スタイルですが、近年は日本でも導入される事例が増えています。
リファラル採用が浸透している背景には、人材不足の深刻化や、自由な働き方が普及したことによって採用時に条件の不一致が多くなったことなどが理由だと考えられます。
リファラル採用の対象となる人材
リファラル採用の対象となる人材には、明確な定義がありません。「自社の社員がその人材についてよく知っている」「人として信頼できる」「自社で活躍できる能力がある」といった理由があれば、どのような関係性の相手でもリファラル採用の対象になりえます。
当然ながら、誰でもリファラル採用の対象になるわけではなく、「自社に利益を与える人材であること」が条件になるでしょう。
リファラル採用と縁故採用の違い
「縁故採用」とは、主に血縁関係のある人や、役員などのコネを使って採用する方法を意味します。リファラル採用の場合には、社員からの紹介であっても面接や採用試験などを行いますが、縁故採用ではそれらの工程を省略して無条件で採用しなければならないケースがある点に違いがあります。
会社の利益を優先できるリファラル採用と違って、社員や役員の面子を立てる必要性がある点が縁故採用の特徴です。
リファラル採用のメリット
リファラル採用を導入することには、多くのメリットがあります。リファラル採用ならではのメリットについて、以下で解説します。
採用率が高い
リファラル採用で紹介された人材は、事前に自社の企業理念や業務内容について社員からよく聞かされていることが基本です。そのため自社に対しての理解度が高く、雇用条件にマッチしやすいため採用率が高くなる傾向にあります。
自社への理解が高いと退職率が低くなり、従業員エンゲージメントも向上しやすいのがメリットです。
転職市場にはいない人材にアプローチできる
リファラル採用で紹介される人材の多くは、実際に転職活動は行っていないが、転職に興味のある「潜在的な転職者」である可能性が高いのが特徴です。そのため、転職市場で他の企業と取り合いになることがなく、じっくりと話し合ってから入社までの条件を決定できることがメリットといえます。
どれだけ転職市場を探しても出会えない優秀な人材にアプローチできる可能性もある点は、リファラル採用ならではの魅力になるでしょう。
採用にかかるコストの削減
リファラル採用を導入することは、採用にかかるコストを大幅に削減できるメリットにつながります。社員から直接紹介されるため、Webサイトなどに求人広告を出す費用や、その管理・運用にコストがかかりません。
採用に至るまで大きなコストがかかる心配がないことから、なるべく費用を抑えて採用活動を進めたい場合におすすめの方法です。
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リファラル採用のデメリット
リファラル採用にはメリットだけでなく、会社に不利益となり得るデメリットもあります。
リファラル採用におけるインセンティブを決める必要がある
リファラル採用では、基本的に人材を紹介した社員に対してインセンティブ(報酬)を与えます。このインセンティブの設定が高すぎると、リファラル採用を行う社員が急増したり、報酬目的で自社にマッチしない人材を紹介したりといったケースが増えるリスクがあります。
逆にインセンティブが低すぎると、積極的にリファラル採用に協力したいと考える社員が減り、なかなか採用につながらない可能性が高まるでしょう。インセンティブの調整が難しい点は、リファラル採用のデメリットの1つです。
採用までに時間がかかるケースも多い
リファラル採用は、現在も社会で働いている人材も採用対象となるため、すぐに自社に転職できないケースもあります。仮に「採用したい」とすぐに結論を出すことができても、相手が今の会社を辞めるまでに時間がかかる場合にはすぐに採用ができません。相手側の事情も考慮したうえで採用を進めましょう。
不採用の場合には社員に対してフォローが必要
リファラル採用で紹介された人材は、必ずしも採用に至るとは限りません。万が一不採用となった場合には、紹介してくれた社員に対して適宜フォローをする必要があるでしょう。
フォローを怠ると、社員が会社に対して不信感を覚える可能性も否定できません。不採用の場合には必ずその理由を説明し、納得してもらう必要があります。
リファラル採用の実施に必要な手順
リファラル採用を実際に行うときには、いくつかの手順を踏まえて行動に移しましょう。
リファラル採用の制度を明確に設計する
まずはリファラル採用における採用・応募条件を決め、採用状況や紹介状況を確認できる制度づくりが必要です。求める人材やインセンティブを明確にして、社員に興味を持ってもらうことが最初のステップになるでしょう。
なるべくリファラル採用の制度や採用までのプロセスはシンプルなものにして、社員が積極的に紹介したいと思えるようにすることがポイントです。
社内での告知を行う
リファラル採用の詳細が決まったら、制度の開始を社内の掲示板や社内報などで告知します。その際には具体的な制度の情報や求める人材の情報を可視化するほか、リファラル採用のメリットなどを解説して、全社員の理解度を高めるのが重要です。
また、告知したリ、ファラル採用の情報はいつでも閲覧できるように自社ポータルサイトに掲載したり、誰でも確認できる場所に冊子などを配置したりしてもよいでしょう。
リファラル採用の成果を確認するPDCAサイクルを活用する
リファラル採用によって効果的な採用活動ができているか確認するために、定期的にPDCAサイクルを回すのも大切な手順です。PDCAサイクルとは、「Plan→ Do→ Check→ Act」の4段階を繰り返して、制度や施策の改善を行っていくシステムを指します。
PDCAサイクルを参考にして、必要に応じて制度の変更や条件の緩和などを行い、リファラル採用がしやすい環境づくりに力を入れることもポイントです。
リファラル採用を成功させるポイント
リファラル採用を成功させるには、以下で解説するポイントを把握しておくことも重要です。
リファラル採用で発生した費用は会社側が負担する
リファラル採用の実施時には、紹介までにかかった費用をインセンティブとは別に会社側が負担することが一般的です。例えば、会食などで相手を説得するような機会があった場合、食事代を支給することが考えられます。その際には自社の社員の分だけでなく、相手側の費用も負担するべきでしょう。
ただし、費用の支給に関しては明確にルールを決めないと、無駄にコストをかける社員が増える可能性があります。費用を支給する店の場所や金額を指定したり、必要性を証明させたりといった工夫が必要です。
紹介におけるハードルを下げる
リファラル採用では、気軽に友人を紹介してもらえるような制度作りが重要です。例えばいきなり面接からスタートするのではなく、まずは社内見学などからはじめ、気軽に会社を訪問してもらう方法が考えられます。
こちらから友好的な姿勢を示すことで、紹介される人材もリファラル採用による転職を真剣に考えてくれるようになるでしょう。
リファラル採用の功労者にはインセンティブ以外の報酬も検討する
リファラル採用を成功させた社員には、インセンティブティ以外にも別途報酬を与えることを検討するのもポイントです。例えばリファラル採用を成功させた人材として社内で表彰したり、今後のリファラル採用におけるアドバイザーの役割を与えたりといったことが考えられるですしょう。
リファラル採用による貢献が社内評価につながることを示すことで、今後も優秀な人材を紹介してもらえる可能性を高められます。
リファラル採用の課題・注意点
リファラル採用という制度には、いくつかの課題と注意点もあります。事前に詳細を確認し、問題を解決できるように準備をしておきましょう。
終了のタイミングを明確にする
リファラル採用やその他の採用方法で人材を雇用できたら、すぐにリファラル採用の終了タイミングを決めましょう。採用枠が埋まっているのにリファラル採用の条件をそのままにしておくと、新たに人材を紹介しようとする社員が出てしまう可能性があります。
リファラル採用における変更や追記はすぐに告知する
リファラル採用の内容を変更・追記する場合、その旨をすぐに全社員に対して告知しましょう。条件が変わっていることが伝わっていないと、会社が求める人材と社員が紹介する人材にずれが生じる可能性があります。
また、社員が紹介しようとしている人材とミスマッチにならないように、なるべく制度の確定後は大きな変更をしないのもポイントです。
採用後は人材の配置などに注意が必要
リファラル採用によって採用した後には、人材の配置に気遣う必要があります。例えば紹介者と近すぎる位置に配属させると、他の社員が仕事をしにくくなる可能性があるでしょう。
リファラル採用で雇用した人材をどこに配置するかは、事前に決めておくのがおすすめです。
リファラル採用の具体的な事例
リファラル採用は既に多くの企業で実施されているため、さまざまな事例を参考にできます。
1.株式会社NTTデータ
「株式会社NTTデータ」は、「自社にマッチする人材を見つけて決定率を上げたい」「現場の力を借りて採用活動をスケール(拡大)したい」「1人あたりの採用単価を抑えたい」といった理由からリファラル採用を導入しました。
結果的に採用の決定率は2倍以上に上昇し、人材確保の手段として確立されています。
参考:https://i-myrefer.jp/media/case/nttdata/
2.株式会社SmartHR
「株式会社SmartHR」は、社員がまだ16名しかいなかったころからリファラル採用を実施しています。応募促進を目的として会食費を負担したり、採用に至らなかった場合には「ごめんねごはん」によって採用候補者を会食に誘える制度を実施したりと、細かな気配りを行っているのが特徴です。
参考:https://shanaiho.smarthr.co.jp/n/nd28f6b907945
3.iYell株式会社
「iYell株式会社」は、「何をやるかではなく、誰とやるか。」という社風を意識して、積極的なリファラル採用を行っています。結果的に従業員の約5割がリファラル採用によって雇用されるまでになり、社員の友人や家族などがその関係性を活かして働いているのが特徴です。
参考:https://note.com/iyellook/n/ne72c322c1679
まとめ
リファラル採用は人手不足を解消する方法として、多くの企業に導入されています。社員の紹介という新しい採用チャネルを構築できることから、雇用につながる確率が高まります。
一方で、リファラル採用はある程度時間のかかる採用方法であるため、急遽人手が必要になったケースなどでは使いづらいのが実情です。そこでおすすめしたいのが、スキマバイト募集サービス「タイミー」です。
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この機会にリファラル採用と並行して、タイミーで人材確保の手段を社内に構築してみてはいかがでしょうか。