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【退職手続き】チェックリストあり|会社側での必要書類や手順を解説

こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。


退職手続きに不備があると、後からトラブルになる可能性があり、百害あって一利なし状態になります。退職手続きの不備を避け、重要な業務にリソースを集中させるべきです。

本記事では、退職手続きの内容や流れ、注意すべきケースや忘れがちな項目をまとめています。確認して退職手続きの不備を防ぎましょう。

目次[非表示]

  1. 1.会社側で行う退職手続きの流れ6ステップ
    1. 1.1.1. 退職届を受理する
    2. 1.2.2. 貸与物・健康保険証を回収する
    3. 1.3.3. 社会保険の資格喪失手続きを行う
    4. 1.4.4. 雇用保険の資格喪失手続きを行う
    5. 1.5.5. 税金(所得税・住民税)の手続きを行う
    6. 1.6.6. 離職票・源泉徴収票などを発行する
  2. 2.チェックリスト|退職する従業員から受け取るもの
  3. 3.チェックリスト|退職する従業員に渡すもの
    1. 3.1.退職時
    2. 3.2.退職後
  4. 4.従業員が退職した月の税金・保険料の計算方法
    1. 4.1.厚生年金保険料・健康保険料
    2. 4.2.雇用保険料の計算方法
    3. 4.3.所得税
    4. 4.4.住民税
  5. 5.退職時の手続きで注意が必要な3つのケース
    1. 5.1.退職者が外国籍
    2. 5.2.退職者が財形貯蓄をしている
    3. 5.3.退職者が社内の融資制度を利用している
  6. 6.退職に伴うリスク管理とトラブル回避
  7. 7.退職手続きでよくやりがちな担当者のミスと対策方法
    1. 7.1.ミスと対策①:退職後の連絡先を確認していない
    2. 7.2.ミスと対策②:税金や保険料の計算を誤る
    3. 7.3.ミスと対策③:貸与品の回収を忘れる
  8. 8.まとめ

会社側で行う退職手続きの流れ6ステップ

従業員が退職する場合に、会社側が行う退職手続きは以下の6ステップです。

  • 退職届を受理する
  • 貸与物・健康保険証を回収する
  • 社会保険の資格喪失手続きを行う
  • 雇用保険の資格喪失手続きを行う
  • 税金(所得税・住民税)の手続きを行う
  • 離職票・源泉徴収票などを発行する

手続きを忘れたり、期日に遅れたりすると罰則が科されるので、順番に、確実に処理しましょう。

1. 退職届を受理する

退職手続きが始まるきっかけは、従業員から退職届を受理するところから始まります。

退職届は法律による義務ではありません。しかし、自主退職の場合は「退職届による退職の意思表示が必要」という社員規則を設けている企業が大半です。「言った言わない」問題が生じないよう、従業員に退職届を提出してもらうことで、スムーズな手続きを進めやすくなります。

もし退職届の提出を社員規則で定めていない場合は、定めておく方が無難でしょう。なお会社は、退職の申し出(申請ではない)を基本的には拒否できません。

2. 貸与物・健康保険証を回収する

退職予定の従業員から貸与物や健康保険証を回収します。貸与物は社員証や社用パソコンなど、従業員が利用している物品が対象です。

返却時は、以下を確認します。

  • パソコンのデータは初期化してから返却してもらうか、回収後に会社が初期化するか
  • ACアダプタ(充電器)は忘れずに回収できているか
  • 健康保険証は家族分も回収できているか

後から回収することは双方に大きな手間が生じるので、退職までに回収してください。また、名刺や紙のメモ帳に記載しているデータは処分してもらうことが望ましいです。

3. 社会保険の資格喪失手続きを行う

社会保険の資格喪失手続きも重要な退職手続きです。

従業員の退職後は社会保険を利用できない状態にしておく必要があります。この手続きは退職した翌日に行うのがいいでしょう。

先述した健康保険証に加え、厚生年金の喪失手続きも必要です。資格喪失日(退職日の翌日)から5日以内に、管轄する年金事務所へ以下を提出する必要があります。

  • 健康保険・厚生年金被保険者資格喪失届
  • 本人および扶養家族分の健康保険証

4. 雇用保険の資格喪失手続きを行う

雇用保険の資格喪失手続きも、別途の手続きが必要です。

従業員の退職日翌々日から10日以内に、管轄のハローワークに以下の書類を提出します。

  • 雇用保険被保険者資格喪失届
  • 雇用保険被保険者離職証明書

従業員が失業給付を受け取るために離職票が必要な場合は、以下も提出してください。

  • 離職日以前の賃金支払い状況が分かる資料(賃金台帳など)
  • 離職理由が確認できる資料(離職前に本人による記入が必要)

5. 税金(所得税・住民税)の手続きを行う

従業員が退職したら、所得税、住民税に関する手続きも必須です。それぞれの手続きは以下の通りです。

  • 所得税:これまで従業員が払った金額(給与から天引きしてきた金額)を明確にし、源泉徴収票を発行する
  • 住民税:給料から徴収(特別徴収)している場合は停止手続きとして「給与支払報告に係る給与所得者異動届出書」を従業員の住所がある市町村に提出する

遅れると罰則が科せられるので、注意しましょう。

6. 離職票・源泉徴収票などを発行する

以上の手続きまで完了したら、離職票や源泉徴収票を発行し、従業員に郵送してください(手渡しでも可)。確実に郵送できるよう、住所を確認しておくか、連絡を取れるようにしておく必要があります。

離職票は「4. 雇用保険の資格喪失手続きを行う」、源泉徴収票は「5. 税金(所得税・住民税)の手続きを行う」のタイミングで発行の準備をします。


チェックリスト|退職する従業員から受け取るもの

先述した退職手続きの流れを踏まえ、退職する従業員から受け取るべきものとして以下があります。

  • 退職届
  • 社員証
  • 入館証、鍵
  • パソコン、社用スマートフォン(充電器含む)
  • 健康保険証(家族分含む)
  • 会社用クレジットカード

上記は、最低限回収してください。

他にも、企業ごとに以下を退職時に回収します。

  • 名刺
  • 作業着、制服
  • その他備品(ヘルメット、名札、ピンバッジなど)
  • 通勤定期券

また、物理的に回収することはありませんが、以下も会社に返却が必要です。

  • ツールやクラウドサービスのアカウント
  • パソコンに保存されているデータ

これらは退職後に、会社側で削除や無効化をします。

在籍中を含めた話ですが、退職後に会社で得たものを個人で保有、利用することがないようにしてください。

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チェックリスト|退職する従業員に渡すもの

退職する従業員に渡さなければならないものもあります。退職時・退職後にそれぞれあるので、確認しておきましょう。

退職時

退職時に従業員に渡すものとして以下があります。

  • 退職証明書
  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳

退職証明書は、従業員が希望した場合に発行します。転職先などで必要になるケースに備える書類です。退職日や在籍期間、役職などを記載します。

雇用保険被保険者証は、雇用保険の加入期間を示す書類です。転職先で必要になる書類なので、退職時には忘れずに渡してください。

年金手帳(2022年4月以降は廃止)を預かっている場合は返却しましょう。年金手帳を受け取っていない従業員であれば、対象外です。

忘れがちなポイントとして、退職時に有給が残っている場合は注意してください。有給が残っている場合は退職日までに明確にしておき、精算することになります。必要に応じて「有給の残日数○日は消化して給与として支給する」という具合に、明記した書類を渡すことも有効です。

参考:橋本市「年金手帳の廃止について

退職後

退職後に従業員に渡すものとして以下があります。

  • 離職票
  • 源泉徴収票
  • 健康保険資格喪失証明書
  • 退職金の支払通知書

離職票は、退職者が失業保険を申請するために必要です。「4.雇用保険の資格喪失手続きを行う」で解説したように発行手続きを確実に実施して、発行してください。

源泉徴収票は、その年の1月1日以降の所得と源泉徴収額を示した書類です。有休消化やその他手続きが完了するであろう、退職後1カ月を目安に送りましょう。

健康保険資格喪失証明書は、退職後に国民健康保険に加入する際に必要な書類です。退職者が希望したら発行します。

退職金制度がある場合には、退職金の支払い通知書も別途渡す必要があります。

それぞれの書類を確実に渡せるよう、退職者の住所や連絡先を退職前に確認しておきましょう。

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従業員が退職した月の税金・保険料の計算方法

従業員が退職した月の税金や保険料の計算方法を、それぞれ解説します。

  • 厚生年金保険料・健康保険料
  • 雇用保険料の計算方法
  • 所得税
  • 住民税

厚生年金保険料・健康保険料

従業員が毎月支払っている(給料から天引きされている)厚生年金保険料と健康保険料は、資格を失う前月まで従業員が払わなくてはなりません。

月途中と月末のどちらで退職するかによって、天引きパターンが決まります。

  • 月途中:退職する月の前月の保険料を、最後(退職する月)の給料から天引き
  • 月末:退職する月の前月+退職する月の保険料を最後の給料から天引き

資格喪失日が退職日の翌日ということから、対象が月末の場合は2カ月分の保険料が天引きされます。月末の場合は勘違いしやすいので、従業員にも事前に説明しておいてください。

雇用保険料の計算方法

雇用保険料の計算方法は、退職日に関係なく普段と同じ計算をしてください。

通常は「給与総額×雇用保険率」で計算しています。退職月も同様に計算し、給料から天引きしましょう。

所得税

所得税も、退職日にかかわらず、毎月と同様に給料から天引きします。

毎月の給料額から所得税としての控除額は源泉徴収票に記載の金額(前年の所得)を参考に計算しているはずです。退職時も同様で問題ありませんが、月途中で退職する場合は源泉徴収額の日額表を参考に計算してください。

住民税

住民税は、退職するタイミングによって徴収方法が異なる税金です。会社員の大半は特別徴収をしていることから、注意しましょう。

退職日ごとの住民税の天引き方法は以下の通りです。

退職日

天引き方法

1月1日~4月30日

最後の給料、または退職金から一括で5月分までを天引き

5月1日〜5月31日

最後の給与から1カ月分を天引き

6月1日〜12月31日

普通徴収に切り替える、もしくは最後の給与または退職金から一括して来年5月分までを天引き

上記のようになるのは、住民税が6月から翌年5月までとして計算されるためです。6〜12月に退職する場合は、退職者に天引き方法を選んでもらうことになります。

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退職時の手続きで注意が必要な3つのケース

退職時の手続きで注意が必要なケースとして、以下があります。

  • 退職者が外国籍
  • 退職者が財形貯蓄をしている
  • 退職者が社内の融資制度を利用している

退職者が外国籍

退職者が外国籍の場合、ハローワークに「外国人雇用状況届出書(雇用保険の被保険者である場合は、雇用保険被保険者資格喪失届によって届け出)」の提出が必要です。他にも注意すべき点として、ビザや在留資格の関連手続き、税金の処理などが関わる場合があります。

12カ月以上勤務していれば、失業給付を受け取れる点は日本人と変わりません。退職証明書の発行も同様に行います。

外国籍の退職者は、自国の法律で理解しているものと日本のものとで異なる場合があります。退職者本人や日本語が分かる家族に対して、ルールを丁寧に説明しましょう。

さらに詳しく知りたい方は「外国人採用を徹底解説!手続きの流れ・注意点・助成金なども紹介」の記事も併せてチェックしてみてください。

退職者が財形貯蓄をしている

退職者が財形貯蓄をしている場合は、退職者の進路によって本人が行う手続きが異なるので、伝達する必要があります。

  • 転職先で財形貯蓄を継続:退職後2年以内であれば継続が可能。「勤務先異動申告書」または「転職者等の財形年金貯蓄継続適用申告書」を提出
  • 財形貯蓄を解約:退職後半年以内に、退職者が「退職等に関する通知書」を金融機関に提出

退職者自身が今後の進路や経済事情を踏まえて継続、または解約を決めます。

退職者が社内の融資制度を利用している

退職者が社内の融資制度を利用している場合、退職時に一括返済してもらうことが一般的です。

融資制度は、企業が従業員にお金を貸す制度です。従業員は借りた時点で返済の義務がありますが、従業員ではなくなる前に返済しなければなりません。早い段階で返済残高や期限を退職者に明示し、返済に向けて必要な手続きを進めましょう。

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退職に伴うリスク管理とトラブル回避

退職には、リスク管理とトラブル回避が必要です。

リスク管理は退職者が機密情報を持ち出す可能性があるため、適切な管理が必要になります。例として、以下の対策を実施してください。

  • 守秘義務の契約を退職前までに確認する
  • 退職後はデータへのアクセス制限をかける
  • 退職者のアカウントの無効化

またトラブル回避のために、退職者との丁寧なコミュニケーションが求められます。法令やルールをよく確認し、手続きの不備を防ぎましょう。チェックリストの作成や、退職者との面談による事前説明も効果的です。

リスク管理とトラブル回避は、退職者だけでなく自社を守る上でも重要な取り組みです。退職者が情報漏えいやトラブルによる怒りからSNSに悪評を立てれば、会社は社会的信頼を失うことになります。退職者の立場を尊重しつつも、必要な手続きを確実に行ってください。


退職手続きでよくやりがちな担当者のミスと対策方法

退職手続きで、担当者がよくやりがちなミスとその対策を解説します。

  • 退職後の連絡先を確認していない
  • 税金や保険料の計算を誤る
  • 貸与品の回収を忘れる

ミスと対策①:退職後の連絡先を確認していない

従業員が退職後の連絡先を退職前までに確認しておかないと、必要な書類の受け渡しが進まなくなります。

最低でもメールアドレスと電話番号、住所を事前に確認しておきましょう。引っ越しに伴う退職であれば、引っ越し先の住所も確認しておけるとスムーズです。

退職後の手続きは期限付きの書類も多くあるので、連絡先は必ず確認しておくべきです。

ミスと対策②:税金や保険料の計算を誤る

税金や保険料の理解が誤っていると、精算に不備が生じ、再精算が必要です。

所得税や健康保険料など、普段より給料から天引きしているお金のルールがやや複雑になります。間違いがないように十分な確認をした上で清算してください。間違えてしまうと、同僚はもちろん、退職者や提出先にも迷惑をかけることになります。

ミスと対策③:貸与品の回収を忘れる

貸与品の回収を忘れると、郵送やその精算、回収の手間などさまざまな手続きに影響します。

よく忘れてしまうのは、家族分の健康保険証や会社用クレジットカードなど、退職者本人の利用頻度が低い物です。事前にリスト化しておき、退職日までに確実に回収できるようにしてください 。


まとめ

退職者の手続きは退職届の提出から始まり、退職後まで続きます。退職しても、一定期間は連携が必要なので、連絡先の確認を忘れずに行いましょう。

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監修:社労士 涌井好文
監修:社労士 涌井好文
涌井社会保険労務士事務所 社労士 涌井好文|平成26年より神奈川県で社会保険労務士として開業登録し、企業の人事労務や給与計算のアドバイザーとして活動。退職時におけるトラブル相談など、労働者からの相談にも対応し、労使双方が円滑に働ける環境作りに努めています。近時は活動の場をWeb上にも広げ、記事執筆や監修などを通し、精力的に情報発信を行っています。

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