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アルバイトを採用する際にも雇用契約書は必要?書き方や注意点を解説

こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。

本記事は、アルバイトを雇用する際にも雇用契約書の締結は必要なのか?とお悩みの担当者にぴったりの内容です。労働条件通知書との違いや、雇用契約書を作成する際のポイント・注意点なども解説していきます。

記載する項目が漏れていたり、内容に誤りがあったりするとトラブルや法律違反につながる可能性もあります。ルールを守ってスムーズな雇用につなげるために、最後まで読んで参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.雇用契約書とは雇用主と労働者間のルールを紙面化したもの
    1. 1.1.雇用契約書と労働条件通知書の違い
  2. 2.アルバイト雇用時の雇用契約書に記載すべき項目
    1. 2.1.絶対明示事項|記載が義務付けられている項目
    2. 2.2.相対的明示事項|必要に応じて記載する項目
    3. 2.3.アルバイトだからこそ記載が必要な項目
  3. 3.そのまま使える!アルバイト雇用時の雇用契約書のテンプレート
  4. 4.アルバイトの採用に伴い雇用契約書を作る際のポイント
    1. 4.1.試用期間・本採用にかかわらず作成する
    2. 4.2.控えは2部(雇用主用・従業員用)用意する
    3. 4.3.記載項目に漏れがないか十分に確認する
    4. 4.4.解雇に関するルールも記載しておく
    5. 4.5.ありがちな法律違反・トラブル事例について知っておく
  5. 5.アルバイトの雇用契約書に関するよくある質問
    1. 5.1.アルバイトの雇用契約書はいつ渡せば良い?
    2. 5.2.アルバイトの契約期間には決まりがある?
  6. 6.まとめ

雇用契約書とは雇用主と労働者間のルールを紙面化したもの

雇用契約書とは、雇用者と従業員が取り交わすルールをまとめた書類です。記載する事項は明確に決められていないものの、一般的に以下のような項目が記載されています。

  • 賃金
  • 勤務時間
  • 仕事内容
  • 福利厚生
  • 就業場所
  • 休日

どのような条件で働くのかを紙面化した書類で、あとから「言った・言わない」が発生しないようにお互いの認識を擦り合わせることが目的となります。

雇用契約書の作成は義務ではないものの、トラブルを防ぐためにも強く推奨されています。

雇用契約書と労働条件通知書の違い

雇用契約書と似ている書類として挙げられるのが、労働条件通知書です。

労働基準法では「第15条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と定められています。

労働条件通知書は、すべての雇用者と締結することが義務付けられています。雇用形態を問わず必要となるため、アルバイト採用の際は必ず作成・提示しましょう。

雇用契約書と労働条件通知書の違いは以下の通りです。


雇用契約書

労働条件通知書

通知方法

雇用主と従業員の合意あり

雇用主から一方的に交付される

法律

民法第623条

労働基準法
パートタイム労働法
労働者派遣法

必要性

任意

義務

労働条件通知書の内容は、雇用契約書と近く、労働条件などを明示したものになります。厚生労働省が記載必須事項を定めており、それらを漏れなく記載しておくことが重要です。

労働条件通知書を発行していれば、必ずしも雇用契約書を発行しなくても良いとされています。


アルバイト雇用時の雇用契約書に記載すべき項目

前述したように雇用契約書と労働条件通知書はセットでの交付・締結がおすすめです。兼用する場合は、労働基準法に定められた必須記載項目を記載する必要があります。

絶対に明示する必要がある項目、相対的に明示する必要がある項目、記載を推奨する項目をそれぞれ解説していきます。

絶対明示事項|記載が義務付けられている項目

絶対に明示するべき事項は、9項目あります。

  • 雇用契約期間
  • 雇用契約期間に定めがある場合は、契約更新の基準
  • 就労場所
  • 業務内容
  • 勤務時間(始業及び終業時刻、休憩時間等)
  • 所定労働時間を超える労働の有無
  • 休日、休暇
  • 賃金(金額、計算及び支払いの方法、締切や支払時期等)
  • 退職に関する事項(解雇とみなされる事由)

とくに賃金・勤務時間・所定外労働などの項目でトラブルが起きやすいです。

賃金は、基本の時給や給与支払日などの記載だけではなく、昇給や賞与の有無についても細かく記載しておく必要があります。

勤務時間や所定外労働の欄には、勤務開始・終了・休憩時間・残業時間などを必ず記載しておきましょう。残業の有無や平均時間、辞退の可否についてもあらかじめわかっていることを提示すると良いでしょう。

労働条件通知書と雇用契約書をセットで作成し、必要な内容を押さえることができれば、重複して作成する手間が省けます。

相対的明示事項|必要に応じて記載する項目

必要に応じて記載する項目は次の9つです。職種内容によってまったく無関係なものを除き、記載しておくことが求められます。

  • 従業員側で費用負担が必要なケース
  • 安全衛生
  • 災害補償、業務外の傷病扶助
  • 表彰、制裁
  • 職業訓練の有無
  • 退職手当の適用の有無
  • 退職手当の計算方法、支払い方法、支払い日
  • 休職について
  • 賞与及び臨時に支払われる賃金の有無

業務内における事故や怪我の発生など、「仕事中にもし何かが起きたら」という観点の項目も多いです。とくに従業員側に費用負担が発生する場合があれば、記載しておくのがおすすめです。

また、退職の際も揉めることがないよう手当の有無・計算方法・支払日などあらかじめ項目を用意しておくようにしましょう。

アルバイトだからこそ記載が必要な項目

アルバイトだからこそ、記載が必要な項目は「パートタイム労働法」に沿って以下の4つが挙げられます。

  • 昇給の有無
  • 賞与制度の有無
  • 退職手当の有無
  • 相談窓口の案内

アルバイト・パートと正社員は同じ業務を任せている場合、待遇格差をつけてはならないというルールがあります。

たとえば入社15年目で、仕事に慣れており、一定の業務責任も負っているベテランパートスタッフと、入社1年目の新卒採用正社員の待遇を比較したとき、正社員には昇給制度があるのに、パートスタッフに昇給がなければ「パートタイム労働法」違反となります。

安心してアルバイト・パートスタッフが働けるように、雇用契約書に細部を記入しておきましょう。

派遣社員の場合は「派遣の個別契約書の記載項目と記入例|基本契約書や契約の流れなども解説」をチェックしてください。

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そのまま使える!アルバイト雇用時の雇用契約書のテンプレート

そのまま使えるテンプレートを用意しています。以下よりダウンロードしてみてください。



雇用契約書

使用者 株式会社○○(以下、「甲」という)と労働者(以下「乙」という)は以下の条件に基づき雇用契約を締結する。

雇用形態

アルバイト(従事する業務内容:        )

雇用期間

3カ月・6カ月・1年

就業場所


就業時間

     時   分から     時   分まで

休憩時間

     時   分から     時   分まで

休日

毎週月曜日・会社カレンダーによる

賃金

1.        基本給:(時給    円)
2.        交通費:(月     円)
     諸手当:(月     円)

3.       昇給:年   回(   月)
4.    賞与:年   回(   月)

支払日

     日締          日払い

退職

1.        定年:60歳(65歳迄継続あり)
2.        自己都合退職の手続き(退職する30日前までに届出)
3.        解雇の事由 懲戒、処分等就業規則に定める手続きを行う

賞与・退職金

賞与:           退職金:

その他


 以上の合意を証するため本契約書を2通作成し、甲乙の両当事者記名捺印のうえ、各1通を保管する。

 
令和    年    月    日


(甲)

名称






雇用主氏名

 ㊞


 (乙)  

氏名       

  ㊞ 



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アルバイトの採用に伴い雇用契約書を作る際のポイント

雇用契約書を作る際は、次の5つのポイントを事前に把握した上で作成しましょう。

  • 試用期間・本採用にかかわらず作成する
  • 控えは2部(雇用主用・従業員用)用意する
  • 記載項目に漏れがないか十分に確認する
  • 解雇に関するルールも記載しておく
  • ありがちな法律違反・トラブル事例について知っておく

試用期間・本採用にかかわらず作成する

アルバイト採用に多い流れとしては、使用期間を設けて仕事に慣れてもらい、1〜3カ月後に本採用に切り替えるケースです。試用期間中は研修中のバッジをつけてもらったり、先輩スタッフを多く配属してもらったり、研修中時給という期間中だけの時給で働くこともあります。

雇用契約書は、研修中であっても必ず入社前に取り交わすことが必要です。研修中の勤務態度によっては本採用をしないといった条件も記載しておきます。

ただ、働きぶりを踏まえて本採用の条件を見直すこともあるでしょう。この場合、研修中の条件を記載した書類を研修前に提示し、本採用の前に、あらためて採用にあたっての雇用契約書を提示する流れでもかまいません。

控えは2部(雇用主用・従業員用)用意する

雇用契約書を作成するときは2部用意し、1枚は雇用主で保管し、もう1枚従業員に渡しておきます。労働条件について双方の合意をとっているものの、トラブルがあったときに細かな条件を忘れてしまったということもあります。従業員が自分の好きなタイミングで労働条件を見直せるように必ず1部渡すことが重要です。

アルバイトの雇用契約書は電子化して送ることも可能です。毎回紙面でのやり取りに時間がかかるようであればDX化するのもおすすめです。ちなみにタイミーでは2019年からQRコードによる雇用契約締結・出退勤管理の仕組みで特許を取得しています。スマートフォンがあれば簡単に締結できるので、この機会に活用してみてください。

記載項目に漏れがないか十分に確認する

雇用契約書を作成したら何度も確認しましょう。もし記載項目に間違いがあったり、不足があったりすればトラブルがあった際に雇用主側が不利となります。法律に違反した場合は、10万円以下の罰金が発生するケースもあります。

アルバイト募集は、希望のシフトや勤務時間が人によってバラバラになることも多いです。そのたびに作り変えているとミスが起こりやすいため、テンプレートを用意しておき、記入漏れを防ぐようにしましょう。

完成後は何度も確認し、法令遵守した内容になっているかチェックしておくことが重要です。

解雇に関するルールも記載しておく

アルバイトを解雇するケースについてもルールを定め、記載しておく必要があります。

たとえば「精神または身体の障害により業務が不可能な場合」や「懲戒事由に該当するとき」などがこれに当たります。

従業員としても「一定の条件で解雇されることがある」と認識することで未然に防げることもある上に、万が一解雇処分を下すことになったとしても双方の納得が得やすくなります。

また企業側もいきなり解雇処分を行うことはせず、注意勧告からはじめ、解雇宣告は30日以前に申し渡すなど法律を守って解雇することが重要です。トラブルにならないよう、雇用契約書には退職や解雇のルールを漏れなく記入しておきましょう。

ありがちな法律違反・トラブル事例について知っておく

男女の性別や国籍で労働条件を変えるのは明らかな法律違反となります。女性だから、男性だからではなく、業務の内容や範囲で条件を整えなければ、労働基準法違反となってしまいます。

また休憩時間が確保されないケースもよく見られます。1日の総勤務時間に対して、6時間を超える場合には45分以上、8時間を超える場合には60分以上の休憩を与える必要があると定められています。「忙しいから」という理由で休憩時間を与えないのは法律違反となるので気を付けましょう。

また、違反していないか確認するためのリストも用意していますのでチェックしてみましょう。

□ 労働条件を明示しない
□ 最低賃金を下回っている
□ タイムカードと実働時間に差異がある
□ 残業や深夜帯勤務の手当を付けていない
□ 休憩を正しい時間で与えていない
□ ノルマに対し罰則(ペナルティ)がある
□ 社会的身分や性別・国籍で労働条件を差別する
□ 法定労働時間を超過した労働をさせる
□ 妊娠中や出産後の労働者に休暇を与えない・残業させる
□ 療養補償、休業補償、障害補償、遺族補償がない
□ 予告なしに解雇する

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アルバイトの雇用契約書に関するよくある質問

アルバイトの雇用契約書についてよくある質問をまとめています。同じ疑問を抱えていた方は参考にしてみてください。

Q.アルバイトの雇用契約書はいつ渡せば良い?
Q.アルバイトの契約期間には決まりがある?

アルバイトの雇用契約書はいつ渡せば良い?

雇用契約書は発行の義務がない書類になるため、従業員にいつ渡さなければならないか、という明確な決まりはありません。ただ、基本的には入社する前、採用を決めたタイミングで提示するのがおすすめです。従業員に入社前書類の提出を求める際、企業から雇用契約書を渡し、条件について確認してもらうようにしてください。

入社日に渡す企業もあるかもしれませんが、労働条件を入社日に確認するのはタイミングとしても遅いため、あらかじめ納得して入社してもらえるように準備しておきましょう。

アルバイトの契約期間には決まりがある?

アルバイトと雇用契約をするときは、有期であるケースが多く、契約期間を設定することが一般的となります。期間は3カ月や6カ月など企業が独自に決めて締結することができます。時期が来れば更新し、契約期間を更新していくことが多いです。

ただし、期間内だからといって退職されたら契約違反になるかというと、そんなことはありません。期間内にアルバイトが辞めてしまっても、ケースによってはとがめることはできません。

民法第628条にも、次のような記載があり、やむを得ない事情があれば退職も可能であることが分かります。

「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う」
引用元:厚生労働省:労働政策審議会労働条件分科会 第49回資料


まとめ

アルバイトと労働契約を結ぶときには、雇用契約書と労働条件通知書をセットで締結するのがおすすめです。雇用契約書作成に当たっては、ミスをしてしまうと法律違反にも繋がりかねないため、注意が必要です。作成や準備の手間を省くためにも、ぜひ本記事のテンプレートを活用してみてください。

もしアルバイトの採用に苦戦しているなら、スキマバイト募集サービス「Timee(タイミー)」の導入がおすすめです。「Timee(タイミー)」を使えば無料かつ、スピーディーに従業員とマッチングし、入社までつなげることができます。

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