人材派遣の費用相場はどのくらい？料金の仕組みや内訳・費用の抑え方も解説

こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。

企業の人手不足に対応するため、人材派遣のニーズが高まっています。基本的に派遣社員は派遣会社で雇用契約が交わされ、さまざまな企業に赴いて業務を行います。

人材派遣を利用する上で、費用相場を気にする企業も多いでしょう。

この記事では、費用相場に加えて料金の仕組みや内訳を紹介します。人材派遣の利用を考えている場合は、ぜひ参考にしてください。

人材派遣の利用にともなう費用の種類と内訳

人材派遣を利用する際には、費用の種類と内訳を押さえておくことが大切です。どのようなコストが生じるのかを把握すれば、予算を確保する上で良い判断材料となります。

ここでは、人材派遣における費用の種類と内訳について紹介します。

人材派遣の利用でかかる費用の種類 

人材派遣の利用でかかる費用の種類は、大きく分けて初期費用（イニシャルコスト）と継続費用（ランニングコスト）があります。

予算を確保する際には、それぞれの種類ごとに金額を決めた方が整理しやすいでしょう。初期費用と継続費用の内訳について、さらに細かく解説します。

①初期費用（イニシャルコスト） 

人材派遣を利用するのであれば、はじめに初期費用を支払わなければなりません。しかし、基本的には派遣会社が出費するため、依頼する側の負担はほとんどありません。

仮に人材派遣を使わずに従業員を雇う場合、採用担当者の人件費が大きな出費となります。複数回にわたって行われる採用活動に備え、担当者の教育に時間や労力をかけなければならないためです。

人材派遣であれば、採用活動は基本的に派遣会社側で行われます。この理由により、採用イベントの開催費や担当者の教育費といった多額の予算が削減可能です。

派遣会社に依頼する上で、押さえなければならない初期費用として細かな準備費が挙げられます。派遣社員が業務で使う備品（文房具やパソコンなど）が主な例です。

企業によっては、あらかじめ備品を多く持っているところもあるでしょう。新しく購入する必要がなければ、初期費用をほぼ0円で済ませられる場合も考えられます。

なお、派遣会社との契約には基本的に着手金（手続きを進めるのにかかる費用）はかかりません。派遣社員の紹介料が発生しない点も初期費用を抑えられるポイントです。

②継続費用（ランニングコスト）

人材派遣にかかる費用として、継続費用もチェックしなければなりません。継続費用の例として挙げられる種類は次のとおりです。

• 基本賃金
• 社会保険料
• 福利厚生費
• 派遣会社の利益および諸経費

基本賃金は、派遣社員に支払う給料です。時給や日給など、会社のルールに従ってさまざまな形式があります。

派遣社員の社会保険料は、派遣会社が負担するのが基本です。そのため、継続費用にも健康保険や労災保険といった社会保険料が含まれています。

福利厚生費は派遣社員に対して支払う交通費や慶弔費、健康診断費などのことです。派遣社員は派遣会社と雇用契約を結ぶため、福利厚生費も継続費用として支払いが求められます。

さらに継続費用に含まれるのが、派遣会社の利益や諸経費に該当する金額です。派遣に関する事業もサービス業の一環であるため、利用費をしっかりと支払わなければなりません。

これらを全て含めると、初期費用よりは金額も大きくなりやすいでしょう。それぞれどの程度の金額がかかるのか、入念に確認しておいた方が賢明です。

支払う費用の割合 

初期費用と継続費用を合わせた支払い費用が、どのような内訳になっているかを解説します。

各費用の中で、最も高い割合を占めるのが継続費用の基本賃金です。全体費用の約70％となっており、出費分のほとんどが賃金として派遣社員に支払われます。

参照：一般社団法人日本人材派遣協会

派遣社員の基本賃金は、派遣先均衡・均等方式や労使協定方式で具体的な金額が決められます。原則は派遣先均衡・均等方式であり、こちらは派遣先によって金額が変わる制度です。

ただし派遣社員への負担が大きくなることから、厚労省が職種ごとに賃金を定める労使協定方式を採用するところも数多くあります。

社会保険料は全体の約10.9％、派遣社員への有給休暇費用は約4.2％です。基本賃金と合わせると、派遣社員に使われる分は全体の約85％を占めます。

参照：一般社団法人日本人材派遣協会

基本賃金の次に割合が高いのは、派遣会社による諸経費です。諸経費の割合は、約13.7％となっています。対して、利益分は約1.2％のみです。

参照：一般社団法人日本人材派遣協会

支払われた金額のうち、派遣会社の利益として残る部分はほとんどありません。

派遣料金のマージン率を理解しよう 

人材派遣の料金を抑える際に、重要な概念がマージン率です。

マージンはビジネス用語で手数料を指し、派遣社員への賃金とは別に支払われます。ここでは、マージン率の計算方法や一般的な考え方について紹介しましょう。

参照：厚生労働省「派遣会社のマージン率等について」

マージン率の計算方法

マージン率の計算方法は「（派遣料金の平均額-派遣社員の賃金の平均額）÷派遣料金の平均額×100」です。

こちらの計算式では、派遣会社へ支払う金額から派遣社員の賃金を差し引いた額を求められます。

つまり、マージン率が低くなるほど派遣社員に費用が行き渡っていることを表しています。

ここで、簡単にマージン率の計算例について紹介しましょう。

例えば、派遣会社に支払った平均額を25万円とします。そのうち、平均20万円が派遣社員への賃金となりました。それぞれの金額をマージン率の式に当てはめます。

この場合の計算式は以下です。

（25万円-20万円）÷25万円×100

計算した結果、答えは20％と求められました。上記の例では、2割がマージンとして派遣会社の収入となっています。マージン率の計算方法を用いて、費用がどのように使われているかをチェックしましょう。

参照：厚生労働省「マージン率等の情報提供について」

一般的なマージン率は2～3割

一般的に派遣会社が採用するマージン率は、2〜3割です。計算する際には、この割合に収まるかを基準のひとつに捉えてもよいでしょう。

派遣法の規定により、派遣会社には事業終了年度にマージン率を公開する義務があります。各会社の公式サイトや資料に目を通し、契約先を選ぶときの参考にしましょう。

ここで、大手企業のマージン率について紹介します。アデコ（首都圏1）の場合、マージン率は28.2％です（本社の2021年の実績ベース）。
参照：労働者派遣実績等公開情報

この数値から、首都圏のエリアでは平均的な金額を採用していることが分かります。

ほかにも、テンプスタッフ（新宿オフィス）のマージン率は25％です（2021年度）。
参照：パーソルテンプスタッフの派遣事業状況

大手の派遣会社は、基本的には2〜3割に収まっています。アデコやテンプスタッフを含め、支店ごとに情報を公開している場合がほとんどです。支店によって、マージン率は細かく変動する点も押さえてください。

マージン率は低ければよいものではない 

マージン率の一般的な基準は2〜3割と紹介しましたが、低ければ必ずしもよいとは限りません。なぜならマージン率には、福利厚生費や教育費も含まれるからです。

そのため、数値が高いほど派遣社員に対して厚くサポートしているケースも考えられます。マージン率のみで良し悪しを判断するのではなく、あらゆる情報を総合的に捉えて判断することが重要です。

参照：厚生労働省「派遣労働者・労働者の皆様」

人材派遣の費用の相場は？

人材派遣を利用するのであれば、費用相場もしっかりと押さえなければなりません。

派遣料金は、一般的に職業別と地域別で単価を知っておいた方が賢明です。

ここでは、どの程度の費用がかかるかを具体的に紹介します。

また、以下の記事でも人材紹介にかかる手数料について詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

人材紹介にかかる手数料とは？相場と人材紹介が向いている企業の特徴も紹介

派遣会社に払う金額（派遣料金）の相場

労働時間を8時間と考えた場合、派遣料金の全体の相場は2万4,461円（税込）です。

こちらの金額は、厚生労働省の「令和3年度 労働者派遣事業報告書の集計結果（速報）」で紹介されています。

令和2年度と比べると、派遣金額は約1.1％増加しました。月20日労働と考えれば、月額の費用相場は40万円以上です。

なお、派遣社員の賃金は同じく8時間換算で1万5,698円とされています。こちらは令和2年度と比べ約0.7％増加したそうです。

参照：厚生労働省「令和3年度 労働者派遣事業報告書の集計結果（速報）」

職種別｜派遣料金の平均単価

次に、職種別で派遣料金の平均単価を紹介します。一般的に派遣料金の高い業界は、医師です。

8時間換算でみた場合、令和3年度の平均単価は7万円を超えました。専門性の高い仕事であり、賃金も高くなりやすいのが要因とされています。

一般事務の場合、派遣料金の平均単価は1万6,828円です。こちらは全体でみた費用相場と比べ、単価が低くなっています。接客業であれば、1万4,696円と金額がさらに下がります。自社の業務内容に合った平均単価を、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

参照：一般社団法人　日本人材派遣協会

地域別｜派遣料金の平均単価

派遣料金の地域別の平均単価について、三大都市圏（関東・関西・東海）を中心に解説します。

まずは、派遣社員の平均時給を取り上げましょう。三大都市圏の平均時給は1,617円（8時間あたり1万2,936円）です。

特に関東の金額が高く、1時間1,707円（8時間あたり1万3,656円）となっています。仮にマージン率が30％であれば、三大都市圏の派遣料金は1万8,480円、関東は約1万9,508円です。

参照：ジョブズリサーチセンター

アルバイトとの料金比較

派遣社員の平均時給について、正社員やアルバイトと比較してみましょう。それぞれの平均時給の金額を以下の表にまとめました。

テンプスタッフは、派遣会社満足度ランキング2022で総合満足度1位を獲得している企業です。

稼働スタッフは11万8,000人以上を超えており、4万以上の企業と取引するなど大きな規模を誇ります。全ての都道府県で業務を提供しているのも特徴で、遠隔地での対応も可能です。

ただ人材を紹介するのではなく、テンプスタッフでは企業との相性を特に重視します。

採用のミスマッチを防ぎたい場合は、スキルや経験を踏まえてテンプスタッフに見極めてもらうことをおすすめします。

参照：テンプスタッフ

アデコ

アデコは、38年間にわたり人材派遣サービスを提供してきた企業です。転職者や第二新卒者を中心に、さまざまなジャンルを扱っています。一般事務のみならず、IT系や金融系などと専門職への案内も可能です。国内に40以上の拠点があり、全国で事業を展開しています。

アデコを利用するメリットは、優秀なスタッフによる徹底したキャリアコーチです。派遣社員のビジョンに合わせてヒアリングを実施し、モチベーションを上げた状態で配属されます。

参照：アデコ

ランスタッド

日本国内のみならず、世界規模で活躍している派遣会社と契約したい場合はランスタッドがおすすめです。こちらの企業は1960年にオランダで創業し、39の国と地域にわたってサービスを提供しています。一般事務に加え、工場や物流関連でも対応可能です。

ランスタッドでは、派遣社員に在宅ワークを推進させる「おうち派遣」も利用できます。テレワークを積極的に採用している企業は、こちらのサービスも利用を検討してみましょう。

参照：ランスタッド

特化型派遣会社3選

職種や業務内容などに特定の強みを持っている派遣社員を望むのであれば、特化型派遣会社の選択もおすすめです。ここでは、次の3つの企業について紹介します。

• テクノ・サービス
• ジャスネットスタッフ
• ブレイブ

それぞれ、どのような強みがあるのかをまとめましょう。

テクノ・サービス｜工場に特化

テクノ・サービスは、工場勤務に特化した派遣会社です。2003年12月に設立され、グループ全体で5,000人以上のスタッフがサポートしています。1万件以上の取引先があり、登録者数も30万人を超えるといった規模を誇ります。

工場勤務の経験のある人も数多く登録しているため、即戦力を見つけられやすい点が強みです。コンプライアンスはもちろんのこと、派遣社員の健康促進にも力を入れています。工場を設けている企業は、テクノ・サービスの利用も検討するとよいでしょう。

参照：テクノ・サービス

ジャスネットスタッフ｜バックオフィスに特化

ジャスネットスタッフが力を入れている職種は、経理や会計、法務です。取引実績のある企業の数は5,000社にも上り、公認会計士や税理士資格を持つ専門的なサポートができる人材も登録しています。

またジャスネットスタッフの特徴は、スタッフへの無料教育サポートが充実している点です。ブランクがある資格保有者などでも動画講座でしっかりと勉強できるようなフォロー体制が整っています。経理業務ノウハウを習得しており、即戦力となる人材が欲しい企業におすすめです。

参照：ジャスネットスタッフ

ブレイブ｜医療従事者や保育士に特化

ブレイブは、医療従事者や保育士に特化した派遣会社です。これらの職業以外にも介護士やコールセンタースタッフ、一般事務・経理事務にも対応しています。

コーディネーターが人材をしっかりと見極めるため、企業側も採用する上でのミスマッチを防ぎやすくなります。

ブレイブの強みは、大手リクルートエージェントのマイナビグループが運営している点です。これまで培われた豊富な土壌を生かしつつ、人材や企業に対してアドバイスを行います。

参照：ブレイブ

人材派遣のようにスポットでアルバイトを採用するのも一つの打ち手

従業員を雇う場合は、人材派遣のみならずスポットバイトを採用する方法もあります。

スポットバイトとは、1日〜1週間と短いスパンで雇われるアルバイトのことです。別名でスキマバイトともいわれ、フットワークの軽さに強みを持ちます。

普段の業務の中で、突然人手が必要となった場合にスポットバイトが役立ちます。自社の状況をしっかりと捉え、従業員をどのような形で雇うかを考えましょう。

スポットバイトは短期間での契約が基本であるものの、長期雇用への切り替えも可能です。雇った人材が高いスキルを持つのであれば、継続の依頼も検討するとよいでしょう。

「Timee（タイミー）」では、スポットバイトに興味のある人材と積極的にコンタクトを取っています。扱っている案件や職種については、ダウンロードできる資料で詳しくまとめています。

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まとめ

人材派遣を利用するには、費用の種類や相場を押さえることが大切です。費用相場を知る上で、特に覚えておきたい要素がマージン率です。利用を検討する派遣会社のマージン率は、チェックしておくとよいでしょう。

また、以下の記事では人材派遣会社を有効活用する方法について詳しく解説しています。あわせてご確認いただくことでより理解が深まるので、ぜひご覧ください。

人材派遣会社を有効活用する方法とは？メリットやデメリット、利用時の注意点などを解説

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