採用ブランディングとは?|メリット・デメリットや方法、導入企業の成功事例も紹介!
こんにちは。スキマバイト募集サービス「タイミー」ライターチームです。
「採用する人材の質が低くなっている」「早期退職率を下げたい」といった悩みを持つ人事や採用担当の方は多いのではないでしょうか。
これらの課題は、採用ブランディングを行うことで解決する可能性が高まります。本記事では、採用ブランディングのノウハウについて詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.「採用ブランディング」とは?
- 1.1.「採用ブランディング」って?
- 1.2.採用ブランディングの目的
- 2.採用ブランディングと似たものとの違い
- 2.1.採用広報(採用コミュニケーション)との相違点
- 2.2.採用マーケティングとの相違点
- 3.採用ブランディングの進め方
- 3.1.自社についての理解を深める
- 3.2.採用したい人材を明確にする
- 3.3.採用コンセプトを決定する
- 3.4.発信する内容を決定する
- 3.5.実行し、効果を測る
- 4.採用ブランディングに効果的なフレームワーク
- 5.採用ブランディングに効果的な発信手段
- 6.採用ブランディングのメリットは?
- 6.1.オリジナル性が出る
- 6.2.採用コストを抑えることができる
- 7.採用ブランディングでのデメリット
- 7.1.会社全体で取り組まなくてはいけない
- 7.2.効果が出るまで時間がかかる
- 8.採用ブランディングを行っている企業例
- 8.1.パナソニック
- 8.2.日本マクドナルド株式会社
- 9.採用ブランディングについて学べるおすすめ本
- 10.「まとめ」
「採用ブランディング」とは?
まずは、採用ブランディングとはどういうものなのか、何を目的に行うのかを見ていきましょう。
「採用ブランディング」って?
採用ブランディングとは、自社の目指す方向性、魅力、強みなどをアピールし、認知度を高めることで、求職者からの入社意欲を高める戦略です。
簡単にいえば、自社への応募人数を増やす取り組みですが、採用のHPや広告をつくるだけの活動ではありません。
自社のファンとなる人材を増やしていくために、他社との差別化を図り、独自の一貫性のあるメッセージを発信し続ける必要があります。この取り組みにより採用活動を効率化することも可能です。
採用ブランディングの目的
採用ブランディングの目的は、自社が必要とする人材の採用です。重要なのは、単に募集人数を増やすのではなく、自社の必要とする人材を増やすことです。
自社の考え方や会社の方針を理解した社員が増えれば、「母集団の質」を向上させることができます。企業の価値観と合う人材は、企業の成長にとって大きなプラスになり、長く定着してくれることが期待できるため、良い影響を与えられるでしょう。
採用ブランディングと似たものとの違い
名前が似ていることから採用ブランディングと混合してしまいがちな「採用広報」や「採用マーケティング」との違いについて紹介します。
採用広報(採用コミュニケーション)との相違点
採用広報とは、ネットや会社説明会などさまざまな媒体を通して自社の情報を発信し、求職者の就職先候補として検討してもらうための広報活動です。採用広報は、募集人数を増やし、人材を採用することをゴールとしています。
一方の採用ブランディングは、採用をゴールとするのではなく、企業の考え方や方向性、価値観を求職者と共有し、採用してからも長きにわたり企業で活躍できる人材にすることが目的です。
採用ブランディングによって、早期離職の予防、入職者の定着、退職による社内の向上心低下を防ぐ、といった役目を果たします。
採用マーケティングとの相違点
採用マーケティングは、自社の求める人材に対して、自社の魅力や情報を効率的に伝え、入社への意欲を高める活動です。
つまりこの求職者を自社が採用するには、どのようにアプローチすれば良いかを考えるのが採用マーケティングです。
採用マーケティングについて詳しく知りたい方は「採用マーケティングとは?効果的な手法や成功事例を紹介 | 欲しい時間の即戦力がすぐ見つかる」もぜひ参考にしてください。
一方の採用ブランディングは、採用を通じて自社のイメージを構築していくことから、採用ブランディングの枠組みの中にある1つが採用マーケティングといえます。
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採用ブランディングの進め方
採用ブランディングは上の図のようなプロセスで進めていきます。具体的にどうすれば良いか見ていきましょう。
自社についての理解を深める
情報を提供する前に、自社が業界・採用市場でどのような立ち位置に属しているのかを分析することから始めます。
自社を分析するためには、競合調査を行い、競合と差別化できるポイントはどこにあるのかを見つけます。単に社風や企業理念を並べるのではなく、「〇〇といったらこの企業」と、しっかりとしたイメージが構築できるかが重要です。
採用市場において、自社はどのように認識されているのかを分析するには、3C分析(顧客・競合・自社)などを用いて考えましょう。
採用したい人材を明確にする
効果的なブランディングを行うための第一歩が、採用したい人材を明確にすることです。明確化するためには、ペルソナの想定が大切です。
学歴、年齢、居住区、家族構成、生活パターンなど、できるだけ詳細に決めることで、より採用したい人材に近づけます。ペルソナの設定は、自社で活躍する社員をモデルにしても良いでしょう。
もし明確化を行わなければ、採用したい人材以外の募集が増え、選考に時間を多く費やしてしまうことになります。
採用コンセプトを決定する
企業のイメージをつくり上げるためには、採用コンセプトが必要です。コンセプトを一貫させておくことで、あらゆる媒体で自社について紹介したときでも、求職者から同じイメージを持ってもらえます。
そのため、市場・文化・事業など、さまざまな観点からコンセプトを考えると良いでしょう。またブランディングは長期的に行うものであるため、コンセプトをすぐに変えるのではなく5年後、10年後までを見通して決めておくことが大切です。
発信する内容を決定する
ターゲットに何を伝えるかを決めたら、次は「どう発信するか」です。どれほど素晴らしいメッセージをつくれたとしても、それをターゲットに届けられなければ意味がありません。
発信の仕方はさまざまあります。
形式:文章、動画、音声、写真(画像)など |
上記のように、情報を発信するときにはターゲットに最適な形式や媒体を選択することが重要です。
実行し、効果を測る
ターゲットに向けてメッセージを発信しても、それで終わりではありません。どのような効果が出たのか分析し、次の採用ブランディングに生かすことが大切です。
採用ブランディングは中長期的に行うことが大切なため、これらの一連の流れを繰り返す必要があります。長期にわたりブランディングしていると、市場やニーズが変わるので、PDCA(計画・実行・評価・改善)を回して、常に最適化しましょう。
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採用ブランディングに効果的なフレームワーク
採用ブランディングを効果的に行うためには「SWOT分析」と「PEST分析」のフレームワークがおすすめです。
「SWOT分析」
SWOT分析は、自社の経営分析や現状を把握するときに用いられるフレームワークです。
Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つに分けられ、市場やトレンドなどの外部環境と、自社の資産やブランド力を表す内部環境をプラス要因・マイナス要因に分類して分析します。
SWOT分析は効果的なブランディングを行うために必要であり、現在の事業の問題点・課題が見つけやすくなり、また新規事業など将来的なリスクの把握も可能です。
「PEST分析」
PEST分析は、将来的に自社に影響する外部環境を予測し、マーケティングの確立や経営戦略を立案するために用いられるフレームワークです。
Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの観点から分析を行い、外的影響の対策を考えます。
時代とともに変化していく外部環境を把握し、自社の事業もそれに順応した形に変化させていくことが重要です。
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採用ブランディングに効果的な発信手段
採用ブランディングに効果的な発信手段を4つ紹介します。なお、募集の書き方のコツはこちらの記事「スキマバイト求人の効果的な書き方とは?魅力的な募集文で応募者を獲得しよう | 欲しい時間の即戦力がすぐ見つかる」を参考にしてください。
自社のサイト
自由にメッセージを発信できるのは「自社サイト」です。他の媒体では発信しきれない情報でも、自社サイトであれば好きにアレンジして発信できるのが特徴です。
例えば、社員のインタビュー記事や社員アンケートの結果など、従業員の生の声を届けることで、求める人物像や社風を分かりやすく伝えられます。
株式会社メルカリの「mercan」や株式会社ディー・エヌ・エーの「フルスイング」など、自社の媒体を用いて社内イベントや採用情報を発信する企業も増えています。
SNSの活用
多くの人が活用しているSNSも情報を発信するのに効果的な手法の1つです。気軽にいつでも発信でき、ユーザーとコミュニケーションを取りやすいことがSNSの特徴です。また拡販効果も期待できます。
採用担当者が実名でアカウントをつくり、ブランディングする企業も増えています。社長自らがアカウントをつくり、広報活動することも効果的な戦略です。
就活サイト等の活用
新卒や中途など求職中の方が活用する就活(転職)サイトへの掲載も効果的な発信方法の1つです。就活サイトは、実際に就職(転職)活動を行っている方が見るため、企業の魅力を届けやすくなります。
文章だけで伝えるのではなく、実際に働いている様子を動画にして投稿したり、社員の座談会の様子を載せたりするなど、コンテンツを工夫することでより効果的に発信できます。
イベントの開催
企業説明会や合同説明会、就活(転職)イベントなどは、対面で就活生や転職中の方と交流できるため、有効な手段です。直接話を聴くことで、情報を共有し企業の印象を強く残すことができます。
ホームページなど文章だけでは伝えられない魅力や、従業員の雰囲気も伝えることができるため、影響力が大きいのもポイントです。
また意見や要望を聴くこともできるため、付け加えたほうが良い情報や改善点を見つけやすいのもメリットといえます。
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採用ブランディングのメリットは?
採用ブランディングを行うメリットを見ていきましょう。
オリジナル性が出る
就活生や転職中の方は、業界や業種を絞って活動している方が多いため、他社との差別化が重要です。差別化ができていなければ、他社の中に埋もれてしまう可能性が強く、「候補の中の1つ」程度の認識で終わってしまいます。
採用ブランディングができていれば、自社の魅力が十分に伝わり「この企業で働きたい」と思ってもらいやすくなるでしょう。
また採用後も早期退職につながらず、企業に定着しやすくなることもメリットです。
採用コストを抑えることができる
採用ブランディングができていれば、企業のイメージが向上していくため、求人広告に頼ることなく募集を増やせます。さらに単に募集が増えるのではなく、企業の価値観を理解した方が増えることから、母集団の形成にかかるコストも減らせます。
企業の求める人物像に近い応募者が多いため、採用にかかる時間や人件費などの削減も可能です。
採用ブランディングでのデメリット
一方で、採用ブランディングにはデメリットも伴います。
会社全体で取り組まなくてはいけない
「言うが易し行うが難し」ということわざがあるように、採用ブランディングで素晴らしい情報を発信したとしても、実際の現場がその情報に見合った行動をできていなければ、ギャップが生じ早期離職率が高くなってしまいます。
社風や企業理念、経営方針などを形成するのが、社員1人ひとりの行動であるため、会社全体で取り組まなければ採用ブランディングを成功させることができません。
外部への情報発信も大切ですが、目標に向けて社員の意識を統一させることも重要です。
効果が出るまで時間がかかる
採用ブランディングは、1カ月、2カ月で効果が出るものではありません。数年単位で長期的に取り組むことであるため、すぐに効果が見えなくても継続し続ける必要があります。
採用ブランディングを続けるうちに課題や改善点が見えてくるため、PDCAサイクルを回すことが大切です。企業のイメージや認知度の向上、候補者の変化を実感するまでに、1年以上はかかると思って取り組みましょう。
採用ブランディングを行っている企業例
実際に採用ブランディングを行っている企業がどのような取り組みをしているのか事例を見ていきましょう。
パナソニック
パナソニックでは、新卒採用において人材レベルが低下していることをきっかけに、企業の魅力を高めて発信する「エンプロイヤーブランディング」を開始しました。
求職者が求めている情報の露出が欠けていたため、まず就活生のヒアリング調査から始め、学生の価値観を掘り下げることを行いました。
企業のイメージと実際に学生が持つイメージとを一致させることでギャップをなくし、一貫性を持って発信する新たな採用活動を行ったのがパナソニックのブランディングです。
日本マクドナルド株式会社
知名度が高く志願者も多いマクドナルドですが、人材を確保できている理由は採用ブランディングに努めているからです。
マクドナルドが力を入れた取り組みは「従業員のイメージアップ」です。クルーの成長を描いたアニメーションや各媒体での情報発信など、マクドナルドで働くことに対して良い印象を定着させることに成功しました。
適切な勤務評価や働きやすい環境づくり、永年勤続表彰など、人材を大切にする取り組みも行っているため、実際に働いてもギャップを感じることがありません。
採用ブランディングについて学べるおすすめ本
採用ブランディングについて学ぶなら、専門家が解説している書籍がおすすめです。ここでは採用ブランディングについて学べる書籍を3つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
「無名×中小企業」でもほしい人材を獲得できる 採用ブランディング
ブランディング・ディレクターである深澤了氏が執筆した本です。
採用ブランディングについて基本から応用まで、具体例を用いて解説しているため、この1冊で採用ブランディングがどういうものか知ることができる内容になっています。
特に大手企業に勝てない中小企業向けの内容であるため、中小企業の採用担当者におすすめです。
いい人財が集まる会社の採用の思考法
9年間で3,000人の学生就職支援、1,000社の採用支援に携わった酒井利昌氏が執筆した本です。
主に新卒採用について書かれており、従業員が100人前後の中堅企業に向けた内容となっています。採用に関することがしっかりと書かれているため、知りたい情報が得やすいでしょう。
知名度が低くても〝光る人材〟が集まる 採用ブランディング 完全版
「『無名×中小企業』でもほしい人材を獲得できる 採用ブランディング」と同じく深澤了氏が執筆した本です。
特徴としては、大きな図解と丁寧な説明文がセットになり、理論から実践まで詳細に書かれていることから分かりやすい点です。また、ワークシートも添付されているので、採用ブランディングの流れに沿って実践的に進めていくことができます。
採用サイトを例に具体的な説明があるため、自社のサイトと比較すると改善しやすいのではないでしょうか。
「まとめ」
採用ブランディングを活用すれば、長期的に優秀な人材を集めることができます。もし短期的に即戦力を求めるなら「Timee(タイミー)」がおすすめです。
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